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    Hirofumi TAKATA

    Author:Hirofumi TAKATA
    スポーツライター。
    現在『週刊ベースボール』『Baseball Clinic』『熱中!野球部』『野球太郎』『ホームラン』等の各雑誌、スポーツ紙『デイリースポーツ』などにおいて、独立リーグ、高校野球を中心に取材、執筆活動を続けている。
    4月2日生まれ。A型。

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2006/10/17(Tue)

3時間

リーグチャンピオンシップ第四戦
香川OG 3-2 高知FD 2006.10.15. オリーブスタジアム

勝 塚本 1勝0敗
敗 上里田 1勝1敗

第三戦を落とした香川OGは、第四戦の先発に第一戦で不覚を取った松尾晃雅を送り込んだ。対する高知FDは第三戦で打ち込まれ、3失点でマウンドを降りた高梨篤をあえて先発に起用する。
先制したのは香川OGだった。2回裏、六番・国本和俊が遊内野安打で出塁する。七番・井吉信也の送りバントを高梨が二塁に悪送球し、無死一、二塁のピンチに陥る。八番・古谷拓也の送りバントで一死二、三塁とした後、九番・八木裕章が左犠飛を打ち上げ、国本が生還した。
5回表、松尾のスライダーにてこずり続けてきた高知FD打線が反撃を見せる。九番・梶田宙が中前安打で出塁すると、松尾は一番・國信貴裕に死球を与え走者を溜めた。二死となった後、三番・YAMASHINはよく粘って四球を選び満塁とする。四番・山本健士は2球目を中前に運び梶田が三塁から生還、同点に追い着いた。
グラウンド整備が終わった六回表、五番・角中勝也は初球をフルスイングし、右翼スタンドに叩き込む。高知FDが勝ち越した。
7回裏、ここまで1失点で切り抜けてきた高梨だったが、二死から古谷に四球を与えてしまう。続く八木は中越えの適時二塁打を放ち、香川OGが同点に追い着いた。
8回を投げ抜いた松尾に代わり、9回表のマウンドには下手投げ塚本浩二が登る。高知FD打線を3人で切って取り、最終回の攻撃につないだ。
7回二死からマウンドを受け継いだ上里田光正だったが、一死から国本に中越え二塁打を許してしまう。続く井吉の三ゴロは高いバウンドの難しい当たりとなり、三塁手山本が一塁に悪送球。香川OGが一死一、二塁のチャンスをつかむ。二死一、二塁とした後、八木は上里田の直球を左翼へ運んだ。八回から左翼手に入っていた梶田宙がこの打球を後逸。その間に二塁から国本が生還し、香川OGが劇的なサヨナラ勝ちを収めた。
この勝利でリーグチャンピオンシップは香川OGの3勝1敗となり、年間総合優勝が決定。歓喜に包まれたオリーブスタジアムで、芦沢監督の身体が高松の夜空に舞った。


『3時間』

第三戦を落とした後、芦沢監督が選手たちにかけた言葉は
「忘れろ」
それだけだったという。いつもより早く選手たちを解散させている。
高知FDの11安打を超える12安打を放っておきながら敗れてしまった香川OGの精神的ダメージは、昨日の内にほぼ払拭できていた。そして湧いてきたのは〝ここで取っておかないと高知FDに流れを一気に持って行かれてしまう〟という危機感だった。それをベンチ全体が感じていたことで、逆に良い集中力が生まれていた。

「自分は緊張したことがない」
これまで試みてきたインタビューの中で、松尾晃雅は何度かそう語ったことがある。
〝これが緊張というヤツなのかもしれない〟
初めてそう思ったのが第一戦、高知・東部球場の先発マウンドだった。足が地に着いていなかったのだ。監督はもう一度、この大事な第四戦に先発するチャンスを与えた。
「なんとかゲームメイクして、高梨より後でマウンドを降りたかった」
外角に鋭く決まるスライダーに高知FDの右打者は打ち喘ぎ、空振りの山を築いた。奪った三振は毎回の12個である。
「スライダーに頼りすぎた」
本音はストレートをしっかり投げ込みたかった。そう考えられる余裕さえあったということだ。

国本和俊は高知FD先発・高梨篤との勝負に自信を持っていた。高梨が許した3本の安打の内、2本は彼のバットから生まれている。国本が打線の流れを作り続ける。先制のチャンスを作ったのも彼だ。
9回裏一死、打席が回ってきた。二番手、上里田光正との勝負である。
「上里田さんのフォークが今まで見えなかったんですけど、フォークを狙って待ってました。今日はフォークが見えました」
3本目の安打が中堅手・トモの頭上を越える。サヨナラの走者として、スコアリングポジションに立った。

「得点の絡む場面なら、今日は自分かな」
2回に左犠飛で先制点を挙げ、7回にも同点となる中越え二塁打を放っていた八木裕章にはそんな予感があった。決して必ずやれるという自信があった訳ではない。しかし、もしかしたら今日は、自分がラッキーボーイになるのかもしれない。そんな気がしていた。

一死一、二塁のピンチから上里田は八番・東山和樹を空振り三振に切って取った。140km/hを越えるストレートが立て続けに投げ込まれた。上里田の投球に小細工はまったく無かった。八木への初球も外角へ143km/hの直球を投げ、空振りさせている。まるでボールに気持ちが乗り移っている様だった。

カウント1-2からの4球目。この日、上里田が投げた34球目を八木のバットが捉えた。
「伸びすぎたッ!」
一瞬、そう思った。
左翼手・梶田宙の右前を襲ったライナーは、通常の軌道と違って見えた。梶田の目測よりもグッと伸びた打球はグラブに収まることなく、外野フェンス目掛け転々と転がって行った。

国本は打球をまったく見ていない。確認したのは三塁コーチャーの森コーチが大きく回した腕と
「回れッ!」
と叫んだ声である。
〝抜けたんだな〟と思った。一塁側ベンチから仲間が一斉に飛び出して来た。
マウンド上の上里田が、片膝をついて左翼方向に目をやっていた。一塁側観客席からは大歓声が巻き起こった。三塁側観客席は静寂に包まれた。

18時16分に始まった試合は劇的なサヨナラ勝ちで幕を閉じた。オリーブスタジアムに駆けつけた地元ファンの前での胴上げはこれが初めてとなる。もし試合開始から3時間を越えて同点のままなら、延長には入らず再試合というルールがあった。試合が終了した時、時刻は21時16分だった。ちょうど3時間。試合時間としては早い。しかし中身の濃い息詰まる熱戦は、観ていて息苦しくなるほどの好ゲームだった。松尾は135球を投げ抜き、9回からリリーフした塚本浩二は素晴らしい投球で最後の攻撃への流れを作った。高梨は昨夜の借りを返す堂々とした投球を披露し、上里田は魂の投球を見せた。共に6安打ずつ、どちらに勝利が転がり込んでもおかしくはなかった。リーグチャンピオンシップの戦いはここに幕を閉じた。2006年のチャンピオンチームに輝いたのは香川OGである。

明と暗があまりにもくっきりと分かれてしまった両チームのベンチはあまりにも対照的だった。初めて相手チームの胴上げを見せつけられた高知FDの選手たちは、三塁側のベンチに座り、歓喜を爆発させている香川OGの選手たちの姿をただじっと見つめていた。

表彰式が終わり、セレモニーが終わり、チャンピオンフラッグを広げながらのビクトリーランが終わった。三塁側ベンチでは選手数人による清掃作業が始まっていた。他の選手たちはもうそれぞれ着替え始めている。
たった一人ベンチに腰掛け、頭を抱えたまま動こうとしない梶田の姿がそこにあった。

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    リーグチャンピオンシップ第四戦 香川OG 3-2 高知FD 2006.10.15. オリーブスタジアム 勝 塚本 1勝0敗 敗 上里田 1勝1敗 {{{第三戦を落とした香川OGは、第四戦の先発に第一戦で不覚を取った松尾晃雅を送り込んだ。対する高知FDは第三戦で打ち込まれ、3失点で ...

コメント ▼


    
  • いい試合でした。そしてTONY the 12thさんの記事、面白かったです

    お互い守備のミスが出たのは残念でしたが、あれがチャンピオンシップの重圧でしょうか。香川OGの中軸を高知FD高梨、上里田両投手でうまく抑えましたがこの日はOG下位打線が活発でした。

    香川は松尾投手がよく投げましたが、こちらも粘って食い付いたFD打線、5回の同点機にセンター八木選手の二塁返球で走者山伸が刺され1点止まりだったのが響きました。
    それでも6回には角中選手が松尾投手の初球スライダーを狙い打ちホームランで勝ち越すなど昨年王者・前期優勝チームの力を見せてくれました。

  • >无名様

    ありがとうございます。
    確かに石毛代表も失策の多さを指摘しておられましたが、いい試合だったと思います。
    まさに〝がっぷり四つ〟という感じで。

    そうですね。あの場面でも八木選手は良い仕事をしました。
    スキを突かれた!という感じであっけにとられているYAMASHIN選手が印象的でした。

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