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    Hirofumi TAKATA

    Author:Hirofumi TAKATA
    スポーツライター。
    現在『週刊ベースボール』『Baseball Clinic』『熱中!野球部』『野球太郎』『ホームラン』等の各雑誌、スポーツ紙『デイリースポーツ』などにおいて、独立リーグ、高校野球を中心に取材、執筆活動を続けている。
    4月2日生まれ。A型。

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2013/05/09(Thu)

『192球目』

四国アイランドリーグplus 2013コカ・コーラ杯 前期公式戦
2013.5.3. 高知ファイティングドッグス 0‐2 徳島インディゴソックス 3回戦 <高知球場> 観衆 476人

2013.5.3. 吉村旬平(徳島IS)
ダグアウト前で根鈴アシスタントコーチらと喜びを分かち合う吉村旬平(徳島IS)

徳島IS 000 000 020|2
高知FD 000 000 000|0

勝 山口 4勝0敗
敗 野原 0勝4敗

バッテリー
徳島IS 山口 - 小野、山城
高知FD 野原、吉川 - 夏山

本塁打
徳島IS 吉村2号2ラン(8回、野原)
高知FD


 ここまで3勝を挙げハーラートップを走る徳島インディゴソックス・山口直紘(21歳、千葉熱血MAKING)と、通算50勝まであと1勝の高知ファイティングドッグス・野原慎二郎(28歳、摂南大)両先発の投げ合いとなった。
 両軍とも走者をスコアリングポジションに送りながらあと1本が出ない展開が続く。5回裏二死、高知FDの八番・宮坂基也(24歳、仙台大)が左中間を破る三塁打を放つが、山口の切れ味鋭いフォークボールの前に後続が三振に倒れ、得点を奪うことができない。試合は5回終了時72分というハイピッチで進んだ。
 7回裏、高知FDは先頭の四番・河田直人(21歳、愛知学院大中退)が中前安打で出塁すると、2つの四死球により一死満塁のビッグチャンスをつかむ。だが、山口はこのピンチに八番・宮坂、九番・夏山翔太(19歳、呉港高)を空振り三振に切って獲り、またも無失点で凌いだ。
 流れは徳島ISに傾く。8回表、先頭の八番・小野知久(24歳、和歌山簑島球友会)が右前安打で出塁すると、一死一塁となったところで徳島IS・島田直也監督が代走に神谷厚毅(26歳、名城大)を送る。一番・吉村旬平(22歳、光明相模原高)は右翼スタンドに飛び込む2号2ランを放ち徳島ISが2点を先制、ようやく試合の均衡を破った。
 山口は9回裏に二死二塁と一打同点のピンチを迎えるが、最後の打者、代打・安田開(19歳、京都国際高)から今日8個目の三振を奪い、見事完封勝利を収めた。
 徳島ISが2‐0で高知FDを下し3連勝、山口が4勝目を挙げハーラートップに立った。野原の好投は報われず、通算50勝は次回に持ち越されることとなった。


『192球目』

 試合が動いたのは8回表である。一死満塁のピンチを脱した徳島インディゴソックスが反撃に出た。この回先頭の八番・小野知久(24歳、和歌山簑島球友会)が右前安打で出塁を果たす。先頭打者の出塁は3回表以来、この試合2度目である。
 続く九番・岡崎稔弘(23歳、豊浦高)に出された指示は送りバントだった。だが、これを決めることができず、スリーバント失敗に倒れた。
 一死一塁、ここで徳島IS・島田直也監督が動く。
「『ここしかない』と思って代えたんですけど」
 一塁走者に代走として、足の速い神谷厚毅(26歳、名城大)を送っている。
 左打席に入ったのは一番・吉村旬平(22歳、光明相模原高)である。第1、第2打席と凡打に倒れたが、第3打席では三塁前へのラッキーな内野安打で出塁している。打率は3割を越えており、調子は悪くない。勝負の流れをつかみかけているこの第4打席で、イメージしていたことがあった。
「今日はどこ打っても正面突いてたので、結構ライナー性ではあったんですけど、フライアウトが多かった。とりあえずゴロを転がして。一塁ランナーが、しかも神谷さんがいたんで。一、二塁間を破れば、とりあえずワンナウト一、三塁が作れるかな、と思って」
 一塁ベースに立った神谷は、盗塁のサインが出るのを待ちながら、自分なりの作戦を実行しようとしていた。ここまで好投を続ける高知ファイティングドッグスの先発、野原慎二郎(28歳、摂南大)に対して、である。
「野原さんはけん制が速い。それを知ってたんで。いつもあんまりリードしないんですけど、向こうも多分盗塁とか意識してたと思うんで。とりあえずリードして。(盗塁の)サインが出るまで。戻ることだけ考えて。ちょっと〝戻り〟には自信があるんで」
 代走が送られたこと、そして大きめのリードを取ることで、バッテリーはさらに盗塁を警戒する。そうなれば必然的に変化球よりもストレートを投げる確率が高くなり、吉村がボールを絞りやすくなる。そういう読みがあった。
 野原が一塁へけん制を送る。初球ボールのあと、もう一度けん制を挟んだ。2球目が三塁側方向へのファウルとなり、カウント1‐1。さらに2球連続で一塁に、素早くけん制球を投げた。神谷にしてみれば、こちらに意識を向けさせるのは〝してやったり〟である。
「あえて放らせましたね。あれは。僕の技術です。それでピッチャーも考えて、ちょっと甘めの球が行ったのかな? っていうのはありますね。気持ちの問題、ちょっとでもコース甘くなったらいいですからね」
 3球目、スライダーが甘いコースに来たのを吉村は逃さなかった。打った瞬間、オーバーフェンスを確信する角度と飛距離で舞い上がった打球が、右翼スタンド目がけて一直線に伸びて行った。
 神谷は試合後「カーブでしょ! 真っ直ぐを放らすために(やってたんだけど…)」と苦笑いしたが、あの大きいリードがバッテリーにプレッシャーを与えたことは間違いないだろう。勝負を決めた勝ち越し2ランが生まれた陰には、そんな駆け引きがあった。
 では、本当に高知FDバッテリーはあの場面で平常心を失っていたのか。
 野原に聞けば、けん制球を連発したのは捕手・夏山翔太(19歳、呉港高)からのサインだったと言う。この試合で2度、盗塁を阻止している。神谷が盗塁を敢行したとしても、速いクイックと夏山のスローイングで盗塁を阻止する自信はあった。
「でも、今思えば別にインコース投げる必要もなかったし。チェンジアップも投げてなかったから。どうせ(吉村は)〝真っ直ぐ張り〟なんで。だってもう、引っ張りでランナー出て、今日のクイックと配球的に真っ直ぐが多かったんで、それを狙われちゃうんで…。もっとうまく臨機応変にやってたら良かったっスね」
 吉村が真っ直ぐを狙っていることも、右方向を狙っていることも、すべて分かっていた。悔やんだのはスライダーのコントロールミスと、変化球の選択間違いである。
 1点を争った投手戦の勝負を決するに至ったのは、たった1球だ。徳島ISを完封勝利へと導き、そして野原の50勝目をフイにした。その1球は野原が投げた105球目、この試合で投じられた192球目だった。



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