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    Hirofumi TAKATA

    Author:Hirofumi TAKATA
    スポーツライター。
    現在『週刊ベースボール』『Baseball Clinic』『熱中!野球部』『野球太郎』『ホームラン』等の各雑誌、スポーツ紙『デイリースポーツ』などにおいて、独立リーグ、高校野球を中心に取材、執筆活動を続けている。
    4月2日生まれ。A型。

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2013/04/14(Sun)

『「抑えたい」と「勝たせたい」』

四国アイランドリーグplus 2013コカ・コーラ杯 前期公式戦
2013.4.13. 愛媛マンダリンパイレーツ 7‐1 高知ファイティングドッグス 1回戦 <新居浜市営球場> 観衆 1,042人

2013.4.13. 小林憲幸(愛媛MP)
2年連続開幕投手、2年連続白星発進の小林憲幸投手(愛媛MP)

高知FD 100 000 000|1
愛媛MP 120 300 01×|7

勝 小林 1勝0敗
敗 野原 0勝2敗

バッテリー
高知FD 野原、グルジョン、松本 - 屋宜、夏山
愛媛MP 小林、中村、西川 - 宏誓、飯田

本塁打
高知FD 
愛媛MP 


 愛媛マンダリンパイレーツは1週間遅れての開幕となった。愛媛大学チアリーディング部のオープニングアクト、新居浜出身のアーティストによる国家独唱、地元ゆるキャラの登場、また球場入り口前にはB級グルメの屋台村がオープンするなど、非常に明るい雰囲気のなかでオープニングゲームがスタートしている。対戦相手はここまでソフトバンク三軍相手に連敗を喫している高知ファイティングドッグスである。
 高知FDは初回、愛媛MP先発・小林憲幸(28歳、元千葉ロッテ育成)の立ち上がりを捉える。一死、今季主将を務める二番・村上祐基(25歳、立正大)が一塁手のミットをかすめながら右前にクリーンヒットを放つ。二死一塁から四番・安峻亨(アン・ジュンヒョン、28歳、韓国)の中越え適時二塁打で1点を先制した。
 だが1回裏、高知FD先発・野原慎二郎(28歳、摂南大)の制球が定まらない。愛媛MPは3つの四球で二死満塁とすると、六番・鶴田都貴(22歳、東京国際大)も押し出し四球を選び、難なく同点に追い着いた。
 2回表、2本の安打で二死一、三塁と勝ち越しのチャンスをつかんだ高知FDだったが、右翼ライン際に頭から飛び込んだ右翼手・樋口拓平(26歳、ジェイプロジェクト)のファインプレーの前に走者を還すことができない。
 愛媛MPは2回裏、四球で歩いた四ツ谷良輔(19歳、深谷商)を二塁に置いて、二番・白川淳一(19歳、米子松陰高)の左翼線適時安打で勝ち越しに成功する。さらに二死二塁から三番・藤長賢治(25歳、大体大)が左翼線への適時二塁打で続き3点目を奪う。
 愛媛MPは4回裏にも二番手左腕・グルジョン(ファン・グルジョン、23歳、ドミニカ)から二死満塁とし、四番・金城雅也(24歳、三重スリーアローズ)の走者一掃となる右翼線二塁打で3点を追加、リードを5点に拡げる。8回裏にも樋口の右翼越え三塁打、一番・高田泰輔(23歳、新田高)の中前テキサス適時打で追加点を挙げ、試合を決定付けた。
 7回を1失点で乗り切った先発・小林に代わり、8回を左腕・中村太紀(22歳、全播磨硬式野球団)が、9回を今季、古巣からNPB復帰を目指す西川雅人(30歳、オリックス)が無失点で凌いだ。愛媛MPが7‐1で高知FDを下し、開幕白星発進を決めた。小林が今季初勝利をマークしている。
 高知FDは開幕以来3連敗と、昨年に続く苦しいスタートとなった。


『「抑えたい」と「勝たせたい」』

 開幕戦のマウンドはやはり難しい。愛媛MP先発・小林憲幸(28歳、元千葉ロッテ育成)は、2年のNPB所属期間を除きこれがアイランドリーグ7年目、2年連続での開幕マウンドである。初回から2本の長短打で1点を奪われ、苦しい立ち上がりとなった。明らかに〝カタイ〟。周りからの声を聞くまでもなく、平常心を保てていないことは自分自身でもよく分かっていた。
「ちょっと入りすぎちゃいましたね。もっとリラックスしてれば良かったんですけど、とにかくもう『抑えよう、抑えよう』って。気持ちが行き過ぎて固かったですね。自分でも『オレ、固ぇなあ!』。金森さん(敬之)とか西川さん(雅人)にも『固いよ!』って」
 早くも2度目の先発となった高知FD、野原慎二郎(28歳、摂南大)もまったく普段の投球ができず、試合は1‐1の振り出しに戻る。序盤の勝負の分かれ目となったのは、2回を巡る攻防だった。
 2回表、高知FDは先頭の五番・迫留駿(21歳、京都フルカウンツ)が初球をたたき、一、二塁間を破る。続く六番・曽我翔太朗(23歳、ノースウエストフロリダ州立大)が初球を打ち上げ、捕邪飛に倒れた。
 ここで一塁側ダグアウトから萩原淳コーチがマウンドへと向かった。球数はまだ15球しか投げておらず、取り立てて小林にアクシデントがあるようにも見えない。試合後、あの場面の理由を聞いた。
「代えようと思って。(理由は)良くないから。いやもう、顔(色)が悪かったからね! 間を取るって言っても、あんまり耳に入らないですよね。『おまえみたいな根性無しはもう代える!』って。結果、根性無しですけどね」
 マウンドで強引に注入されたカンフル剤に小林が苦笑いを見せる。しかし、萩原が本当に伝えたかったことはそれだけではなかった。
「でも、それは冗談として、やっぱホントに早いじゃないですか。手、出してくるの。それなりにストライクゾーンにアホほど投げるから『もっと考えなさい』っていうのと。自分らのペースで投げてるように見えなかったから。もっと相手に向かって『はいどうぞ』じゃなくて、自分らでペースを作るっていう…」
 明らかにファーストストライクから勝負に来ている高知FDに対し、あまりにもバッテリーが試合の主導権を握れていない。焦ってストライクばかりを獲りに行くのではなく、ボールから入ってもいいのだ。「一度、間を取る」というよりは、今ここでやらなくてはいけないことを確認させていた。
 二死二塁となり、バッターは新入団の八番・宮坂基也(24歳、仙台大)である。やはり初球を捉えた打球が一、二塁間を破る。比較的浅めの守備位置を採っていた右翼手・樋口拓平(26歳、ジェイプロジェクト)だったが、ファンブルしてしまいバックホームできない。しかし、あらかじめ樋口の位置を確認していた三塁コーチャーは、二塁走者・迫留に「ストップ」を掛けた。二塁走者・迫留も三塁を回ったところでスピードを落とす。もちろん結果論でしかないが、もし勝負を掛けていれば勝ち越しの1点は高知FDに入っていたはずである。「あぁ…」という喪失感と「助かった!」という安堵感が球場を交差した。

 試合前夜、樋口は小林、そして遠く埼玉から応援に駆け付けていた小林の両親と共に夕食に出かけている。食べたのは明日の勝利を祈念しての焼き肉である。だが、小林は肉にほとんど手を付けていない。
「僕は肉、食ってないです。ホントにこ~んなちっちゃいタン1枚だけ。肉食うと(身体が)重くなるから。お酒も一滴も飲まないし」
 すでに気持ちが臨戦態勢に入っている小林に対し、樋口はその逆である。
「そうなんスよ! 僕だけガッツリ頂きました。ノリさんはもうルーティーンを守るんで。僕は毎回、試合があるんで。いつも通りに」
 焼肉はあしたに向けての良い活力源となった。だが、そういう小林を見ていたからこそ、開幕初戦のマウンドを勝利で飾って欲しい気持ちも人一倍強かった。
 
 2回表、二死一、三塁。九番・屋宜宣一郎(23歳、沖縄国際大)の打球は右翼線際へのライナーとなった。突っ込んできた樋口が躊躇することなく頭から飛び込む。伸ばした左手は地面に振れる前に打球をすくい上げており、高知FDは勝ち越しのチャンスを逸した。勝負どころでピンチを救う値千金のダイブだった。
「ノリさんを絶対勝たせたかったんで。今までの僕なら、あれは行けなかったと思います」
 そこには自身にしか分からない、しかし確かに実感できる2年目の進化がある。
 2回裏に2点を勝ち越したことで、試合の流れは一気に愛媛MPへと傾いて行った。空回りしてしまったが「抑えたい」とマウンドで奮闘したエースと、彼を「勝たせたい」と守備で最高の仕事をやってのけた樋口の思いが、勝利への糸口を手繰り寄せた開幕戦だった。




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