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    Hirofumi TAKATA

    Author:Hirofumi TAKATA
    スポーツライター。
    現在『週刊ベースボール』『Baseball Clinic』『熱中!野球部』『野球太郎』『ホームラン』等の各雑誌、スポーツ紙『デイリースポーツ』などにおいて、独立リーグ、高校野球を中心に取材、執筆活動を続けている。
    4月2日生まれ。A型。

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2012/08/02(Thu)

カウントダウン

四国アイランドリーグplus 2012コカ・コーラ杯 後期公式戦
2012.7.29. 徳島インディゴソックス 1‐7 香川オリーブガイナーズ 後期5回戦 <JAアグリあなんスタジアム> 観衆 281人

香川OG 000 000 403|7
徳島IS 010 000 000|3

勝 渡辺 4勝3敗
S 酒井 3勝3敗2S
敗 安里 3勝4敗

バッテリー
香川OG 伴、渡辺、酒井 - 星野
徳島IS 安里、バレンティン、アレックス - 山城

本塁打
香川OG
徳島IS


 7月29日、徳島・JAアグリあなんスタジアムで徳島インディゴソックスと香川オリーブガイナーズとの後期5回戦が行われた。ここまでの対戦成績は3勝0敗1分けと徳島ISがリードしている。
 先制したのは徳島ISだった。この試合が初先発となる香川OG・伴和馬(22歳、名古屋商科大)から2回裏、四番・大谷龍次(23歳、元ロッテ育成)が左翼線二塁打で出塁する。五番・松嶋亮太(24歳、大分大)が右方向への打撃で走者を進めたあと、六番・根鈴雄次(38歳、元エクスポズ3Aほか)の打球は前進守備の遊撃手のグラブを弾く内野安打となり大谷龍が生還した。
 香川OGは徳島IS先発・安里基生(23歳、沖縄国際大)の変化球を駆使した投球の前にチャンスをつかむことができない。6回まで散発2安打と無得点を続ける。
6回裏、ここまで1失点で乗り切った伴に代わり、渡辺靖彬(20歳、京都ジャスティスベースボールクラブ)がマウンドに登る。先頭打者に死球を与え出塁させたものの、次の打者を併殺打に打ち取り、打者3人で徳島ISの攻撃を退けた。
7回表、香川OGの攻撃、先頭の二番・大西正剛(25歳、長崎セインツ)がファウルで粘りながら9球目を左前に運ぶ。香川OGベンチは代走に林一茂(24歳、大阪ゴールドビリケーンズ)を送ると、三番・国本和俊(28歳、三重中京大)が四球を選ぶ。四番・島袋翔伍(22歳、ビッグ開発ベースボールクラブ)も中前安打を放ち、無死満塁としたあと、五番・桜井広大(28歳、元阪神)がスライダーを左前に運び同点に追い着く。六番・北村祐(25歳、三重スリーアローズ)も一、二塁間を破り勝ち越しに成功。さらに八番・星野雄大(23歳、伯和ビクトリーズ)が2点適時打となる左前安打を放ち、この回一挙4点を挙げた。
 渡辺に代わり7回裏のマウンドには酒井大介(25歳、長崎セインツ)が登る。3点のビハインドを追う徳島ISは七番・中村亘佑(21歳、広島育成)が中前打で出塁する。八番・山城一樹(21歳、東京ガス)が四球を選び無死一、二塁とチャンスを拡げるが、九番・岡崎稔弘(22歳、豊浦高)のバントは三塁封殺となり走者を進めることができない。二死満塁とさらにチャンスを拡げたが、三番・吉村旬平(21歳、光明相模原高)が空振り三振に倒れた。
 4‐1と香川OG3点リードで迎えた9回表、徳島ISは三番手のマウンドに野手から投手に転向したアレックス(アレックス・コーワート、23歳、米独立・アメリカンアソシエーションリーグ)を送る。しかし、先頭の五番・桜井に四球を与えると、一死二塁から七番・ペレス(ウィルバー・ペレス、28歳、ドミニカ出身、ノースアメリカンリーグ)に三遊間を破られるなどチャンスを拡げられ、さらに3点を失った。
 6点を追う徳島ISは9回裏、七番・中村、八番代打・大道の連続安打で無死一、二塁とする。しかし、後続が倒れ、無得点のまま最終回の攻撃を終えた。
 香川OGが7‐1で徳島ISを下し、後期4勝目を挙げた。渡辺が今季4勝目、7回からリリーフした酒井に2つ目のセーブポイントが付いている。この結果、2位・徳島ISと3位・香川OGとのゲーム差はなくなったが、勝率差で順位に変動はない。


『カウントダウン』

 試合終了後、一塁側ダグアウトで行われていた徳島インディゴソックスのミーティングの中で、島田直也監督がたまっていた不満を爆発させる。
「ガムシャラにやってるか? お客さんはみんな、お前らに注目してんだよ! やめてくれよ! 悔しさがないよ! 試合に出てない人だっているんだ。出てる人はもうちょっと考えてやってくれ!」
 直接的な敗戦の原因は7回表、先発の安里基生(23歳、沖縄国際大)が打ち込まれたことにある。だが、それ以上に指揮官を立腹させたのは、選手たちの中から「なんとかしよう!」という気迫が伝わって来なかったことだった。
「悔しさが全然見えないんだもん! そんなヤツら、教えてるオレの方が疲れますよ、ハッキリ言って。今日だって1点勝ってて、何を考えてんだか分かんないけど、あっけなく打ってゲッツーとか。次につなごうっていう意識も見えないし、これじゃ勝てないですよね」
 無死一塁からの内野ゴロ併殺打、無死一、二塁からのバント失敗など、反省を求められざるを得ない拙攻は確かにあった。しかし、相手との違いを思い知らされたのは、マスクをかぶった香川オリーブガイナーズの捕手・星野雄大(23歳、伯和ビクトリーズ)の姿勢だった。絶対にボールを逸らすまいと、ときには右手まで使いながら必死の守備を見せている。あの必死さがこちらにはない。
「いいときはガヤガヤガヤガヤしてるのに、悪いときはオレが怒ってて、『何言ってんだ? こいつ』みたいな顔をする。そんなヤツらがねぇ、『NPB狙ってます』とか『NPBに行きたいです』とか言ってる。アマちゃんだよ。ちゃんちゃらおかしい。星野なんかみて下さいよ。一生懸命止めようとして。後ろに行かないように。ウチなんか何? ノーバンも捕れない。慢心してるんですよ。出てるヤツらが」
 勝った負けたももちろん大事だが、グラウンドの中で自分は何をしなければいけないのか。スタメンに選ばれているから出ている。ただ、打席に立っている。ただ、マウンドに登っている。そんな風にしか見えてこない。「技術面より気持ちの部分の方が問題だ」ということを、監督は常々口にしている。いいときは流れに乗ってたたみ掛けることができるのだが、悪いときに劣勢を跳ね返すだけの勢いや、踏ん張るだけの粘りがない。
「ここから8月に入ったらすごく(日程的にも)大変なのにね。こんなことやってるようじゃ…。どうなんですかねぇ。せっかくガイナーズが愛媛さんやっつけてくれてるのに、ウチがお付き合いしてるようじゃダメでしょう。前期終わって(修正すべきところは)「こうだ、こうだ」って言ってるのに、結局また同じことやってる。それだったら、ホントにやる気あるヤツだけ出してもいい」
 首位を行く愛媛マンダリンパイレーツとの差は4ゲームに開いた。ホームでの3連戦に入る前、5割まで戻していた勝率は、逆に借金2と再び5割を割っている。3位・香川OGとはゲーム差なしのところまで縮まった。
 打線の勢いを始め、前期と比べて目に見えて改善された部分もあるにはある。しかし、最も変えなければいけないはずの『意識』がまだ固まっていない。監督、コーチに言われたから、ではない。それぞれがどこを目指し、どうなりたいかを意識してグラウンドに立たなければ、結局は何も変わらない。
 7月最後のゲームが終わった。徳島ISの残り試合はあと27試合。リーグチャンピオンシップに出場できるか否かが決まるまでは、もうあと2カ月しか残っていない。その2カ月が終わればユニフォームを脱ぐ選手もきっと出て来る。夏の始まりは、シーズン終了へのカウントダウンが始まった、と思うくらいでちょうどいい。




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