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    Hirofumi TAKATA

    Author:Hirofumi TAKATA
    スポーツライター。
    現在『週刊ベースボール』『Baseball Clinic』『熱中!野球部』『野球太郎』『ホームラン』等の各雑誌、スポーツ紙『デイリースポーツ』などにおいて、独立リーグ、高校野球を中心に取材、執筆活動を続けている。
    4月2日生まれ。A型。

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2012/04/30(Mon)

うみんちゅバッテリー

IMG_7520.jpg
リーグ初の初先発ノーヒットノーランを達成した安里基生(23歳、沖縄国際大)

四国アイランドリーグplus 2012 後期公式戦
2012.4.29. 徳島インディゴソックス 5‐0 高知ファイティングドッグス 前期3回戦 <JAバンク徳島スタジアム> 観衆372人

高知FD 000 000 000| 0
徳島IS 000 023 000| 5
※ 安里がリーグ3人目となるノーヒットノーラン達成

勝 安里 1勝0敗
敗 野原 0勝2敗

バッテリー
高知FD 野原、吉岡、孫 ‐ 屋宜
徳島IS 安里 ‐ 山城

本塁打
高知FD 
徳島IS 


 ゴールデンウイーク真っ最中の4月29日、記録達成を前に独特の緊張感がJAバンク徳島スタジアムを包み込む。徳島インディゴソックス対高知ファイティングドッグス前期3回戦は、薄い曇り空の下17時01分にプレーボールとなった。
 これが初先発となる徳島IS・安里基生(23歳、沖縄国際大)は、三者三振に切って獲る最高の立ち上がりを見せる。対する高知FD先発・野原慎二郎(27歳、摂南大)も三者凡退でのスタートを切ったが、2回表に連続死球を与えるなど徐々に制球力を乱し始める。
 3回裏に二死二、三塁、4回裏には二死一、三塁と、二度のチャンスをつかみながらあと1本が出ない徳島ISは5回裏、一番・東弘明(20歳、八日市南高)の中前打からまたも得点のチャンスを得る。完全に制球力を乱した野原から3連続四球を選び、押し出しでの1点を先制すると、五番・アレックス(アレックス・コーワート、23歳、米独立・アメリカンアソシエーションリーグ)の右犠飛により2点目を手にした。6回裏にも三番・松嶋亮太(23歳)の二塁手のグラブをかすめる2点適時中前打などで3点を奪い、さらに点差を5点に拡げた。
 スコアボードに高知FDの無安打を示す『0』が表示されたまま、試合は終盤に突入する。7回までパーフェクトピッチングを続ける安里だったが8回表二死、フルカウントから六番・根津和希(22歳、信濃グランセローズ)に四球を与え、完全試合達成の可能性が消えた。だが、次打者から8つ目の三振を奪いこの回を終えると、あとアウト3つでの記録達成に球場の緊張感がますます高まって行く。
 9回表、三振と中飛で二死としたあと、最後の打者、一番・村上祐基(24歳、立正大)を外角へのストレートで空振り三振に切って獲ると、勢いよく飛び出してきたチームメイトたちからペットボトルの水で荒っぽい祝福を受けた。打者28人に対し被安打0、1四球、10奪三振の見事な投球で、徳島IS初となるノーヒットノーランを達成した。アイランドリーグ公式戦でのノーヒットノーラン達成は06年の高梨篤‐宮本裕司(高知FD)、10年の前川勝彦‐上ノ下健(香川OG)バッテリー以来3度目。初先発でのノーヒットノーラン達成は史上初となった。
 徳島ISは前夜に続く連勝で借金を「2」とし、2位・愛媛MPを1.5差で追い掛ける勢いに拍車を掛けた。高知FDは開幕以来の7連敗と、9試合連続で勝ち星から遠ざかる最悪の泥沼状態から抜け出せない状態が続いている。


『うみんちゅバッテリー』

 徳島IS対高知FD戦のラジオ生中継を2日後に控え、実況を担当する寺島啓太アナ(JRT四国放送)から相談を受けた。「先発予定の安里基生(23歳、沖縄国際大)と山城一樹(21歳、東京ガス)につける何かいいニックネームはないものか?」という内容である。共に沖縄出身、共に新入団の2人が、あさっての試合でバッテリーを組む。
「『琉球バッテリー』じゃ面白くないでしょう? 沖縄を表すいい言葉、何かないですかねぇ?」
 旧知の新聞記者らと共にあれこれと考えを巡らせるなか、出てきたのは『うみんちゅ(海人)バッテリー』である。
「徳島はこれが初先発となる安里基生と、山城一樹のうみんちゅバッテリー!」
 16時59分に始まった生中継で、寺島アナの軽快な実況と共に『うみんちゅバッテリー』の名前が電波に乗る。だが、うみんちゅバッテリーはこの試合で大きな仕事をやってのけることになる。
 安里にとっては2度目となる公式戦登板であり、初の先発マウンドである。ゴールデンウイークの4連戦に巡って来た大きなチャンスだったが、周りの不安は決して少なくなかった。山城が言う。
「オープン戦で先発して、初回に点を与えたことがあって。何回も同じことを繰り返してて、『初回だけはしっかり行け!』って言われてたんです」
 立ち上がりに崩れてしまう理由がいまいちよく分からない。だが、話し合う中で思い当たる節が出てきた。長いイニングを投げようとして必要以上に力をセーブしてしまっている。
「7、8、9回までもたせようとしていて。今回は前の失敗もあったから、とりあえず『5回まで全力で投げ抜くつもりで』って言いました。ポンポンとストライク先行で来てくれて助かりました。リードもし易かったです」
 試合前のブルペンから安里自身も調子の良さを感じている。肩が軽い。もちろん立ち上がりが1つのハードルであることは分かっている。しっかりボールを低目に集めることと、コーナーを突くことを意識していた。
「真っ直ぐが走ってました。(山城のサインも)真っ直ぐが多めだったんですけど、途中途中で首振って。ストレートばっかでゆるいのを投げてないと、ヘンカ(変化球)が入らなくなるから」
 ワインドアップから投げ込む重たいストレートを高知FD打線が捉えきれない。初回の三者三振以降、7回までに7個の三振を奪う。2ボールとなったのは初回の一番・村上祐基(24歳、立正大)に対してのみである。7回をパーフェクトに終えたころから、徐々に球場内のムードはアイランドリーグ初となる完全試合達成に向け緊張感に包まれようとしていた。
 だが8回表一死、五番・曽我翔太朗(22歳、ノースウエストフロリダ州立大)に対し、この試合で初めて2ボールを先行させる。曽我は二飛に打ち取ったものの、リズムは乱れ始めていた。六番・根津和希(22歳、信濃グランセローズ)に対してもボール先行となり、フルカウントからの6球目が惜しくも真ん中低目に外れた。完全試合達成の夢が途切れた。
 山城がタイムを取ってマウンドへと駆け寄る。
「そんな疲れてはなかったと思うんですけど、適当な感じになりつつあったので、気持ちが切れないように。『疲れても気持ちでどんどん来い!』って言いました」
 四球を許したことの悔しさはすぐに吹っ切った。そのまま失望感にさいなまれることもなく、次の打者を空振り三振に獲っている。三塁手の大谷龍次(23歳、元ロッテ育成)が掛けてくれる声も耳によく届いていた。
「龍次さんが初球の入り方だとか、セットの秒数だとか、バッターの指摘もしてくれて。助かりました」
 疲れはない。だが、ファウルボールを見れば、確かにタイミングが合い始めている。9回表は一発のある八番代打・鈴木達史(23歳、国際武道大)からである。ノーヒットノーラン達成まではあとアウト3つ、ここからもう一度、自分の心に火を入れ直した。
「(ノーヒットノーランの)意識はしてたんですけど、それより『打たれたくない!』って気持ちの方が強かったので。3人とも三振に獲る気持ちで、『打たれるなら全力で!』と思ってました」
 鈴木を外角低めのストレートで空振り三振に獲った。続く九番・屋宜宣一郎(22歳、沖縄国際大)は去年までバッテリーを組んでいた仲である。3球できっちり中飛に打ち取った。28人目の打者となった一番・村上を外角へのストレートで空振り三振に切って獲った瞬間、スタンドから大きな歓声が沸き起こる。ジリジリする緊張感は大きな達成感へと一変した。
一塁側ダッグアウトから飛び出してきたチームメイトたちが、一斉にマウンドへと飛び出しペットボールの水を安里にぶちまける。うみんちゅバッテリー2人の表情が、歓喜のウォーターシャワーとカクテル光線に照らされ明るく輝いていた。
  試合後の取材はもちろん安里が中心である。「大きな自信となる1勝だと思いますが?」という質問を投げ掛けたとき、はっきりとした口調で言った。
「自信っていうか、次もいいピッチングができなかったら意味ないんで」
 6日前の月曜日、寺島アナが司会を務めるラジオの生番組に出演し、緊張しまくっていたことを思い出す。感情を派手に表へと出すタイプではない。喜びを必要以上に爆発させるわけでもなく、淡々と質問に答えながらすでにもう気持ちは次の登板へと向かっている。
 沖縄の家族には伝えた? と聞くと、「このあと実家に電話します」と答えた。
「今日、投げることも言ってなかったんです。インターネットで見てくれてるみたいで、この間オープン戦で打たれたのも、見られてました」
 そう答えると緊張感のあった表情がふっと和らぎ、優しい笑顔がこぼれていた。




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  • まとめtyaiました【うみんちゅバッテリー】

    リーグ初の初先発ノーヒットノーランを達成した安里基生(23歳、沖縄国際大)四国アイランドリーグplus 2012 後期公式戦2012.4.29. 徳島インディゴソックス 5‐0 高知ファイティングドッグス 前期3回戦 <JAバンク徳島スタジアム> 観衆372人高知FD 0?... ...

コメント ▼


    
  • 久々の野球観戦

    良いゲームを観ました♪

  • Re: 久々の野球観戦

    もみさん、返事が遅くなりすぎました!! すみません!!
    メモリアルなゲームになりましたね。隣で観させてもらって僕も非常に勉強になりました。
    またタイミング合ったら来てね!!

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