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    Hirofumi TAKATA

    Author:Hirofumi TAKATA
    スポーツライター。
    現在『週刊ベースボール』『Baseball Clinic』『熱中!野球部』『野球太郎』『ホームラン』等の各雑誌、スポーツ紙『デイリースポーツ』などにおいて、独立リーグ、高校野球を中心に取材、執筆活動を続けている。
    4月2日生まれ。A型。

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2010/05/22(Sat)

「謙虚」の意味

四国・九州アイランドリーグ2010 前期公式戦(JFBL交流戦)
2010.5.21. 三重スリーアローズ 0‐9 徳島インディゴソックス 3回戦 <津球場公園内野球場> 観衆615人

徳島IS 000 230 004| 9
三重TA 000 00 000| 0

勝 大川学史 3勝0敗
負 倉崎健一

バッテリー
徳島IS 大川、弦本 ‐ 山村
三重TA 倉崎、河田、石原 ‐ 北園、野田

本塁打
徳島IS 山村裕也1号3ラン(5回、倉崎)
三重TA


 先週行われた徳島での2連戦は1勝1敗のタイに終っている。舞台を三重TAのホーム・津球場公園内野球場に移し、三重TA対徳島IS戦3回戦が行われた。三重TAがこのカード初マウンドの倉崎健一(27歳)を先発に送ったのに対し、徳島ISは5月15日の1回戦で完封勝利を挙げている大川学史(24歳)を先発に送る。両チーム対照的なスターティングオーダーとなった。
 初回の攻撃を三者凡退で終えた徳島ISに対し、三重TAは大川の立ち上がりを捉え一死一、三塁と早くもチャンスをつかむ。だが四番・二口慎也(24歳)が右飛、さらに二死二、三塁として五番・宮田良祐(22歳)の打球は投直となり、打球をグラブに当てた大川が素早く一塁へ送って最初のピンチを凌いだ。
 徳島ISは2回表、五番・山村裕也(22歳)、六番・國信貴裕(27歳)の連続安打で一死一、二塁とするが後続が続かない。三重TAも2回裏、二死三塁のチャンスを活かせず、両チーム共にあと1本が出ない展開が続いた。
 4回表、試合が動く。三番・関口大志(21歳)が四球で歩くと、四番・大谷龍次(21歳)の何でもない左飛を左翼手が薄暮の空に見失い(記録は二塁打)、無死二、三塁と走者をためる。五番・山村が中前へ2点適時安打を放ち徳島ISが2点を先制した。
 三重TAは4回裏、五番・宮田が四球を選ぶ。二盗を成功させ一死二塁としたところで七番・奥脇佳宣(26歳)が低目の変化球を振らされ三振に。拾い上げたボールを捕手・山村が一塁へ送球した際、ややファウルラインの内側を走った打者走者と送球が重なり一塁手が後逸する。この間に宮田が本塁を踏むが、打者のアウトが認められ幻の1点となった。
 5回表、徳島ISは一番・神谷厚毅(24歳)が左前安打で出塁する。二盗を成功させたあと、二番・斎藤雅俊(23歳)がきっちりと送り一死三塁に。四番・大谷が死球を受けて二死一、三塁としたあと、五番・山村が初球をライナーで左翼スタンドにたたき込むスリーランを放つ。3点を加え、リードをさらに5点へと拡げた。
 大量リードをもらった大川は5回以降8回までを打者3人ずつで打ち取る投球で三重TA打線を封じ込める。徳島ISは9回表にも三重TAの三番手・石原孝幸(23歳)を捉え一死満塁とすると、今日大活躍の五番・山村が右中間を破る走者一掃の三塁打を放ち、4安打8打点と荒稼ぎする。六番・國信の右犠飛でダメ押しの9点目を奪った。
 9回裏のマウンドに登った弦本悠希(20歳)が三重TAの攻撃を三者三振に切って獲り徳島ISが9対0と、見事な完封リレーにより敵地で三重TAを下した。三重TAとの交流戦2勝目を挙げ、成績を9勝9敗2分けと再び勝率5割に戻している。


『「謙虚」の意味』

 4回表、無死二、三塁の場面で五番・山村裕也(22歳)が2球目を引っ張る。打球は三塁側スタンド方向へと高く消えて行く大きなファウルとなった。
「その気になるな! 謙虚に謙虚に!」
 三塁のコーチャーズボックスから森山一人コーチが大きな声で指示を出す。三塁側スタンドで観戦していたある女性ファンは思ったと言う。
「森山さん、バッティングに『謙虚』って何…?」
 4球目、投手の足元を抜いた打球がセンターへと転がった。これで2点を先制する。このあと5回表には左翼スタンドにライナーでたたき込む1号3ランを、さらに9回表にはダメ押しとなる3点を奪う右中間への三塁打を放ち、今日1日で4安打8打点をたたき出した。クリーンナップの一角・五番打者として大きな仕事をやってのけている。
 試合後、打のヒーローは「やっと試合で出てくれた」というような、少し安堵したような顔をしてこちらの前に現れた。
「気持ちホッとしました。内が打てたんで。1打席目って大事じゃないですか。何でもいいから1打席目にヒットが出ると、あとの打席にもつながる」
 2回表の第1打席、一死から遊撃への内野安打で塁に出た。得点にはつながらなかったが、チーム初の安打がこの内野安打である。続く2打席目が最初の得点シーンとなった4回表、中前への2点適時安打だ。あの三塁側スタンド方向に消えて行ったファウルで、ある1つの感覚をつかんでいた。
「真っ直ぐで差されてて。1球ファウル打って、インコースの球に自然に身体が回って反応できたんですよ。あのファウルが大きかった。次のチェンジアップをセンター前に。思いっきりが良かったですね」
 あのファウルでつかんだ反応の良さが今日の打席にはある。3打席目の本塁打は四番・大谷龍次(21歳)が死球で歩いたあとの初球である。もちろん、初球は甘い球が来るはずだと狙っていた。5打席目の三塁打は変化球を待っていた。悪いときにはスライダーかフォークボールにタイミングが合わず、差し込まれてしまう。だが今日はうまく捉えて右中間を破った。
「気持ち的にも落ち着いてました。モリさん(森山コーチ)が1回1回いろんなこと言ってくれるんですよ。例えば4打席目なんかセンターフライでしたけど、『このピッチャー真っ直ぐのコントロール悪いから、狙うんならしっかり振りなさい』とか」
 ときにはコーチャーズボックスから声を挙げ、ときには守備陣がタイムを掛けているタイミングで、打者のそばまで寄って行って耳打ちをする。試合のなかでその場面ごとに森山コーチがアドバイスを送っているシーンがある。
 今日の山村について、森山コーチが伝えたかったこととは何だったのか。話を聞いた。
「今週、雨が続いて室内で2日間、ティー(テイー打撃)やるくらいしかなくて。そういうタイミングくらいでしか細かい話ってできない。元々良いものを持ってる子だし、打球も速いし、よく頭が動く。スイングのなかでもう1つこうして欲しいなぁと思って、練習から取り組んだことがあったんです。それが、じゃあ今日試合のなかでできるか? って言うと、自分の考えが負けてしまったり、やってることに試合のなかで取り組めなかったり、行動に出すって難しいんです。あの子のなかでは全部いい方向に出てた」
 練習のなかで、特に今週に限って言えばバッティングゲージに入って行う打撃練習ではなく、蔵本球場のブルペンを借りて行うティー打撃のなかで模索した技術への取り組みがあった。なりたい姿になるためにはどうすれば良いのか? 何に取り組めば良いのか? 
 ただ試合で打てればいい。ただ試合に勝てばいいではないのだ。NPBなら最大の目的は勝利でしかない。だが四国・九州アイランドリーグではそれがすべてではない。試合とは勝負の場であり、実践の場でもある。練習のなかで取り組んできたことをイメージさせるため、または思い出させるために声を掛ける。ときにはそれが「謙虚」という、聞いているものには戦いの場に不似合いな単語となって出る。しかし、山村の耳にはそれできちんと通じていたはずなのである。
「言ってるのはもちろん技術的なことなんですけど、『こうやって打ちなさい』とか、そういうことを言ってる訳じゃないです」
 そこにはコーチと選手の絶大な信頼関係があり、上を目指そうとする強い意志がある。当然、身に付けるためには時間がかかる。少しの言葉だけでハードルを越えられるような、そんな簡単なものではない。日々取り組みながら、試しながら、ひとつひとつ技術を自分の力にしていく。試合の結果や勝ち負け以外に、取り組んでいる課題がある。9対0で勝ったから、13安打打ったから、4打点、8打点を記録したからそれでOKという訳ではないのだ。
 明日の巨人二軍戦もまた大事な経験の場になる。勝負として勝ちに行くのはもちろんだが、NPBの選手たちが何をどうしているのか? 試合以外でも見るべきところはたくさんある。
「相手をよく見て、アタマのなかでよく勉強して欲しい。何を準備してるか? とか、何でそんな簡単にできるのか? とかを見て欲しいですね」
 明るいカクテル光線がまだ降り注いでいる津球場から、バスが徳島に向け出発しようとしていた。これから約300㌔の道のりを走る。時計の針はもうすぐ22時を過ぎる。アグリあなんスタジアムで行われる巨人二軍戦のプレーボールは、あと16時間後に迫っていた。




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