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    Hirofumi TAKATA

    Author:Hirofumi TAKATA
    スポーツライター。
    現在『週刊ベースボール』『Baseball Clinic』『熱中!野球部』『野球太郎』『ホームラン』等の各雑誌、スポーツ紙『デイリースポーツ』などにおいて、独立リーグ、高校野球を中心に取材、執筆活動を続けている。
    4月2日生まれ。A型。

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2008/10/01(Wed)

まだ終っていない

四国・九州アイランドリーグ NPB交流戦
2008.9.30. サーパス 4-10 徳島IS <神戸総合運動公園サブ球場>

徳島IS 101 001 070| 10
サーパス 001 010 011| 4

本塁打
サーパス 古木ソロ(3回渡邊)

バッテリー
徳島IS 渡邊、佐藤、安里、平野 ‐ 永井、荒張、加藤
サーパス 小林、延江、梅村、鴨志田 ‐ 伊藤

公式戦終了後に予定されていたNPB交流戦2試合の内、26日の阪神二軍戦は雨のため流れた。ドラフト会議が1ヶ月に迫り、アピールのための時間はそう多くない。08年の徳島ISとして、1年間戦ってきたチームのこれが最後の試合でもある。悪天候が心配された試合は、開始時刻を30分繰り上げた12時30分にプレイボールが掛けられた。
先制したのは徳島ISである。1回表、昨年の大・社ドラフト1位・小林の制球が定まらない。四番・小松崎大地を四球で歩かせ二死一、三塁とすると、五番・永井豪への3球目に小松崎がスタートを切り、捕手・伊藤が二塁に悪送球。ボールが外野に抜ける間に三塁走者・金城直仁が生還し、相手のミスから1点を奪った。
徳島IS先発の左腕・渡邊隆洋は2回裏、二死満塁のピンチも無得点に乗り切りリードを守る。徳島ISは3回表、二番・金城が右翼線へ二塁打を放つと、三番・山口が初球を右中間に運ぶ適時三塁打で続き、追加点を奪った。徐々に試合が徳島ISペースに傾き始める。
3回裏の先頭打者二番・山崎に続き、三番・由田を連続三振に切って獲った渡邊だったが、四番・古木に電光掲示板を直撃する特大ソロ本塁打を右中間に運ばれ1点を失った。
4回を投げた渡邊に代わり、5回裏のマウンドには二番手・佐藤学が登る。佐藤は一番・柴田に左翼線一杯にポトリと落ちるテキサス二塁打を許す。二番・山崎の右前安打を右翼手・永井が後逸して適時三塁打。サーパスが同点に追い着いた。
6回表からサーパスのマウンドには07年高校生ドラフト1位の延江が登る。だが延江は2つの四死球と安打で一死満塁とすると、二死から七番・金谷へのボールが暴投となり三塁から山口が生還。徳島ISがすぐざま勝ち越し点を挙げた。
8回表、サーパスの三番手・梅村が徳島IS打線に捕まる。四番・小松崎が中堅手の左を抜く二塁打でチャンスを作ると、五番・永井も中前打で続く。六番代打・加藤光成が右前へ2点適時安打を放ち2点を。さらに二死満塁とした後、二番・金城が右前へ適時安打。再び満塁とした後、この回2打席目の四番・小松崎が左中間へ走者一掃となる二塁打。一挙7点を挙げての大量リードを奪った。
7回裏からマウンドに登った徳島IS三番手・安里渉が8回裏、五番・木元に中前打を喰らう。大きく跳ね上がった打球を中堅手・大二郎が後逸する間に一塁走者・古木が生還しサーパスが1点を返した。サーパスは9回裏にも徳島ISの四番手・平野誠から七番・岡田がバックスクリーン下の外野フェンスを直撃する三塁打と八番代打・永田の中犠飛で1点を返したが、点差は大きく逆転には至らなかった。
徳島ISが10-4でサーパスを下し、今季最初で最後となった単独チームでのNPB交流戦を勝利で飾った。


『まだ終っていない』

雨の中で戦った3時間の試合が終わった。
徳島ISとして戦うこれが最後のゲームであり、このメンバーが全員揃って同じユニフォームを着て戦うことはおそらくもうない。

その試合を勝利で終えた。
失点はしたものの、投手4人それぞれが締まったピッチングを見せ試合を作った。打線も11安打10得点とうまく機能した。3つの盗塁で機動力を発揮し、さらに相手のミスを逃さず点を重ねる。一挙7点を奪ったビッグイニングも作った。森山一人監督代行が語る。
「『上に通じる選手になりましょう』って言ってずっとやってきて、その辺を見せることができたかな? というのはあります。気持ちのスイッチが入るか入らないかだし、『入らないと意味無いよ』という話は今日しました」

このリーグの難しいところだと思うが、いくら優勝したところで、いくら勝利を重ねたところで、最大の目標であるNPBに必ず手が届くというものではない。個人としてNPBにアピールするために何が必要なのか。今の自分には何が足りないのか。それを日々意識しながら、それぞれに課題を持って練習に、試合にこの1年間取り組んできた。たとえ公式戦80試合がすべて終了し、リーグチャンピオンシップへの出場権がなくなってしまおうと、今年の戦いはまだ終っていないのである。ドラフト会議が行われる10月30日まで絶対に諦めてはいけない。本当に上へ行きたいと思う気持ちがあるなら、それは至極当然のことだ。チームの一員として戦ってきた1年間が終わり、ここからは一選手としての戦いがよりクローズアップされ始める。NPBの入団テスト、フェニックス・リーグでのアピールも控えている。

だが、やはりこのチームで戦う最後のゲームにいくらかの感傷はあった。
金城直仁は試合前のベンチに座り、チームメイトたちの背中を見ながら思っていた。
「これが最後だ、という気持ちもあって。一人一人のユニフォーム姿を見ながら寂しくなるな…と思ってました。今シーズン前に『思いっきりやろう!』と思ってて、結果はそんな良くなかったですけど、(今日は)今シーズンやってきたことを出そうと思いました。塁に出たら走るし、スイングも積極的に振って。自分のすべてを出し切って元気な姿を見せよう。ダラダラやるのは納得が行かないので、集中力を切らさないで。先輩たちの足を引っ張らないように」

もしかしたらこの試合で、自分の野球人生に一区切りを付ける選手がいるかも知れない。野球は続けるとしても、このチーム、このリーグで試合をするのは最後になる選手がいるかも知れない。

四番として打席に立った小松崎大地は、公式戦最後の試合を納得の行く形で締めくくることができていない。だからこそ、この試合に臨む特別な気持ちがあった。
「これで最後の試合かも…。シーズン最後の試合、最後に(1本が)出なかったんで。入れ込みすぎずに、四番として好きなようにやらせてもらおうと」
実は森山監督代行のアドバイスで最近フォームを修正している。フォームを変えた直後は気持ち良くバットを振ることができないものだ。だが、公式戦終了後から照準を絞ってきたこのゲームにおいて、4打数3安打3打点と結果を見せることができた。あと1ヶ月、全力を尽くして戦うための一つの大きな自信を得ている。

試合終了直後、まだ雨が降り続けているベンチ前で、永井豪が森山監督代行から直接フォームのチェックを受けていた。ダイヤモンド内ではサーパスの捕手・伊藤光が二塁上に立つコーチに向けて何球もスローイング練習を行っている。伊藤のすぐそばで、荒張裕司がじっとその様子を見つめていた。同じ19歳、しかも向こうは高卒ルーキーとしてNPBの扉を開いている。高校時代から名の通っていた伊藤の強肩を、強い眼差しで見つめ続けていた。

彼らにとって、まだ今季は終わっていない。
それぞれに追い掛けているものがある。



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