スポーツライター高田博史オフィシャルblog。 四国・九州アイランドリーグを現場取材!※たまにCMも
集中力
2008年08月08日(金) 02:02
四国・九州アイランドリーグ 後期公式戦
2008.8.3. 徳島IS 3-7 長崎S <オロナミンC球場>

長崎 100 111 300| 7
徳島 001 110 000| 3

勝 ソリアーノ 2勝6敗
敗 片山 2勝10敗

バッテリー
長崎 松田、土田、ソリアーノ、酒井 ‐ 藤本
徳島 平野、片山、佐藤 ‐ 加藤、矢野

後期初顔合わせとなった3連戦を1勝1敗とした後の3戦目である。
徳島ISの先発・平野誠は初回いきなり制球を乱す。2つの四死球でランナーを溜め、五番・松原祐樹に中前打を浴び1点を失った。だが、長崎S先発の松田有二も3回裏、二番・大二郎に右前適時打を喰らい同点を許す。
試合は3回裏から6回表まで、両軍が共に1点ずつを奪い合うシーソーゲームとなった。
7回表、4-3と長崎Sが1点リードの場面で徳島ISの三番手・片山正弘が捕まる。六番・藤本博史の左前テキサス打、七番・高井啓行の右中間を破る三塁打、八番・熊本誠也の一、二塁間を破る3連打で3点を奪いリードを4点に拡げた。
6回裏からマウンドに登った長崎Sの三番手・ソリアーノの前に徳島IS打線は得点を奪うことができず、最終回も酒井大介の前に無得点のまま攻撃を終えた。
長崎Sが7-3で徳島ISを降し、徳島でのビジター戦を2勝1敗と勝ち越して乗り切った。この結果、首位・高知FDから4位・長崎Sまでの4チームが、ゲーム差1.5の中で争う大混戦となっている。


『集中力』

3回裏に徳島ISが大二郎のタイムリーヒットで同点に追い着いて以降、両軍が毎イニングごとに得点を獲り続けた。5回を終了してスコアボードには、5つの「1」が連続して並ぶ。実は長崎Sが得点した4回表、5回表、先頭バッターは出塁していない。粘り強くチャンスを作り、そこから1点を奪い取っている。

グラウンド整備の小休止が明けた6回表、この回も先頭バッターは出塁できなかった。だが、八番代打・熊本誠也が一、二塁間を破り出塁する。九番・森部英人はセンターフライに倒れた。一番・雄飛(長崎S)の打席の3球目に熊本がスタートを切る。二死二塁、カウントは2-1。雄飛の耳にベンチの藤本コーチからの声が飛び込む。

「肩を開くな!手で払え!」
変化球に対し右肩が開いてしまい、フォームが崩れていた。その声に腕を使って前でボールを捉えることを意識する。4球目に来たストレートを弾き返すと、マウンドに立つ片山正弘の足元を抜け、打球がセンターへと転がって行った。

雄飛にとってはこの打席が一番集中できていた。理由もあった。
「やっと(打率が)3割に達して、それが気になってここで落としたくなかった。しかも大事な場面だったから一番集中しましたね」
この試合に入るまでの打率が.299、1打席目のヒットで3割に達している。3打席を終っての打率はちょうど3割。ここで打率を下げたくない。その想いが打席での集中力につながっていた。

雄飛だけではない。3回から6回にかけての一進一退の攻防の中、切れてしまうことの無かった長崎Sベンチの集中力がこの試合を分けた。ソリアーノの好投の前に徳島IS打線が抑え込まれる中、7回表に3点を奪って突き放し、試合を決めている。9回表にも無死二、三塁のチャンスを作り、最後まで攻める気持ちが途切れなかった。

勝ち越しのセンター前ヒットの次の打席にも雄飛はヒットを放ち、ただ一人3安打を放っている。
試合後、
「やっぱ一番なんで、得点に絡みたいですね」
と笑顔を見せた。
5打席を終えて、残した打率は.312である。



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