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    Hirofumi TAKATA

    Author:Hirofumi TAKATA
    スポーツライター。
    現在『週刊ベースボール』『Baseball Clinic』『熱中!野球部』『野球太郎』『ホームラン』等の各雑誌、スポーツ紙『デイリースポーツ』などにおいて、独立リーグ、高校野球を中心に取材、執筆活動を続けている。
    4月2日生まれ。A型。

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2007/07/05(Thu)

9回の意地

四国アイランドリーグ公式戦
2007.6.24. 香川OG 4–3 高知FD <サーパススタジアム>
☆ 香川OGが前期優勝

勝 松尾 8勝2敗
敗 捻金 1勝5敗

試合は1回裏、一番・国本和俊の左翼スタンドへ放り込むソロ本塁打で幕を開けた。香川OGは二番・三輪正義、三番・堂上隼人の連続安打から四番・智勝が中犠飛を放ち、いきなり2点を先制する。高知FD先発・捻金孝行はこの回を終えずにマウンドを降りた。
5回裏にも五番・丈武の適時左中間越え三塁打、六番・近藤洋輔の遊内野安打で2点を加え、香川OGがホームでの前期優勝へさらにリードを拡げる。投げては先発の松尾晃雅が高知FD打線を1安打に封じ込め、反撃のチャンスを与えない。
9回表、高知FD打線も最後の意地を見せる。8回から松尾に代わった橋本亮馬から先頭の三番・梶田宙が左翼越え三塁打で出塁しチャンスを作る。一死一塁とした後、六番・高井啓行の左犠飛で梶田が生還。二死としながら七番・古卿大知は右中間へ適時三塁打を放ち2点を返す。続く八番代打・宮本裕司も中越え三塁打を放ち3点目を奪った。なおも二死三塁としながら、九番・國信貴裕の打球は左飛となり左翼手・井吉信也のグラブに収まった。
香川OGがホーム・サーパススタジアムで前期優勝を決め、リーグチャンピオンシップへの出場権を手にした。雨の降り始めたサーパススタジアムのマウンドで、西田監督の身体が何度も宙に舞った。


『9回の意地』

8回裏に入った辺りで遂にサーパススタジアムの空から雨が落ちて来始めた
あと1イニングを守れ切ればホームでの前期優勝を決めることができる。しかしマウンドに立つ橋本亮馬に最後の試練が訪れる。高知FDの魂はまだ燃え尽きてはいなかったのである。

9回表の先頭打者、三番・梶田宙は、7回までを投げ抜き高知FD打線を1安打に封じ込めた松尾晃雅からその1本を打った張本人である。目の前での胴上げだけは見たくない。しかし、いよいよそれがあとアウト3つで現実となってしまう。
「松尾さんが良かったので、橋本でなんとかしようと思いました」
4点のビハインドがあるとは言え、ピッチャーがあまりに調子の良かった松尾から橋本に代わったということにかすかな希望を抱いている。

カウント0-1からの2球目、ファーストストライクを振り切った。左翼手・井吉信也の頭上を打球が越えて行く。俊足を飛ばして三塁を陥れた。無死三塁となった。
四番・中村竜央はファーストへのフライ(記録は守備妨害)に倒れたが、五番代打・土佐和広が四球で出塁してチャンスを拡げる。六番・高井啓行が初球をファールした後、レフトにフライを上げ1点が入った。

チャンスはまだ続いているが、いよいよ二死一塁になってしまった。
「とにかく胴上げだけは見たくなかった」
七番・古卿大知もまた同じ気持ちで打席に足を踏み入れている。古卿だけではない。この連戦を通じて高知FDは、ずっと全員が同じ気持ちで戦っている。今の古卿の胸にあったのは「逆転するんだ!」ではなく「ここで絶対負けたくない!」という叫びにも似た気持ちだった。打席に入る前、一塁コーチャーのマサキの声にアイコンタクトを交わし、アンサーを返した。橋本の投げた6球の内、3球をファールにして粘る。カウント2-2となった7球目が右中間に舞い上がった。一塁走者の土佐が一気にホームをつき、打った古卿も三塁まで進む。

ここで三塁側ベンチからタイムがかかる。
代打に送られたのは、現在不振の真っ只中にいる宮本裕司だった。
調子を崩してしまった中でフォーム修正のアドバイスを森山コーチから受けている。悩んでいたのはトップの位置からバットが出て来る角度である。しかしそれを気にしすぎて自分のスイングができなくなってしまう悪循環に陥っていた。

マサキが宮本のそばまで近寄り、肩を抱き寄せた。
「カタチじゃないぞ!」
そう声を掛けている。
「どこかピッチャーの球を打つのに100%入っていないというか、もちろん自分も含めてそうなんですけど、そうやって凡打してる傾向があるなと思ってたんですよ。もちろんみんな集中するんですけど、集中しきれてない。「自分が代えられたあとで何ができるか?」と思った時に、もちろんピッチャーとバッターの勝負なんですけど、他の力でもっと集中力を高める言葉を選んでかけました」
7回表の打席に四球で歩いた際、代走が出たため退いている。チームのために何ができるか。バッターのために何ができるか。一塁側のコーチャーズボックスからずっと考えていた。

カウント0-2から外角のストレートを空振りし、4球目をバックネット方向にファールした。5球目を捉えた打球が、懸命に下がるセンター・町田雄飛の頭上を大きく越えていった。これで3点目が高知FDに入った。
「林(マサキ)さんに声掛けてもらって吹っ切れました。あれが本当にありがたかった。繋げることができました」
なおも二死三塁が続く。雨に濡れる一塁側スタンドが静まり返っていた。

九番・國信貴裕が左打席へと歩を進める。マサキの目には國信は集中できている、と映っていた。初球がはずれ、2球目を左へ運ぶ。あらかじめややライン寄りに守備位置を取っていたレフト・井吉が悠々と落下点に入った。

今日と昨日の2試合で高知FDが見せた執念には素晴らしいものがあった。何よりもこの9回表の攻撃には選手たちの気持ちがプレーに現れていた。犠牲フライを上げた高井啓行は初球から勝負に行き1点を奪った。そこから繋げた5人全員がストライクを見逃していない。すべてスイングに行き、橋本を最後まで苦しめた。

香川OGの選手たちがゆっくりとマウンドの橋本に駆け寄って行った。
前期優勝は香川OGに決まった。高知FDも敵地で最後の意地を見せた。
試合が終わったとほぼ同時に、小雨だった雨粒が大粒となってグラウンドに落ちてきた。その雨の中で西田監督の身体が宙に舞っていた。


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