• プロフィール

    Hirofumi TAKATA

    Author:Hirofumi TAKATA
    スポーツライター。
    現在『週刊ベースボール』『Baseball Clinic』『熱中!野球部』『野球太郎』『ホームラン』等の各雑誌、スポーツ紙『デイリースポーツ』などにおいて、独立リーグ、高校野球を中心に取材、執筆活動を続けている。
    4月2日生まれ。A型。

  • FC2カウンター

  • FC2オンラインカウンター

    現在の閲覧者数:
  • COUNTER & RANKING

    FC2 Blog Ranking

    バナーをクリックお願いします。

    あと、拍手もよろしく。

  • カレンダー(月別)

    10 ≪│2017/11│≫ 12
    - - - 1 2 3 4
    5 6 7 8 9 10 11
    12 13 14 15 16 17 18
    19 20 21 22 23 24 25
    26 27 28 29 30 - -
  • 検索フォーム

  • 天気予報


    -天気予報コム- -FC2-
  • メールフォーム

    名前:
    メール:
    件名:
    本文:

  • フリーエリア

  • ブログ内検索


--/--/--(--)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
Home | Category : スポンサー広告 |  Comment  |  Trackback
2007/05/07(Mon)

「みんなで」

四国アイランドリーグ公式戦
2007.5.5. 徳島IS 5-0 高知FD <鳴門総合運動公園野球場>

勝 角野 2勝2敗
敗 上里田 2勝3敗3S

東部球場で連勝しGW5連戦を勝ち越したい高知FDと、昨日最終回にまさかの大逆転負けで連敗を喫した徳島ISの試合である。試合前から天候が心配されたが、無事18時01分、プレイボールが掛けられた。
2回裏、高知FD先発・上里田光正は四番・小松崎大地に左前安打を許す。五番・増野真太郎が手堅く送り、続く六番・福永泰也の適時右前安打で徳島ISが先制点を挙げる。5回裏にも一番・山口寛史が左前安打で出塁すると、三番・永井豪が左越え適時二塁打を放ち追加点を挙げた。
6回から小雨が落ち始める。6回裏、一死二、三塁の場面で九番・大二郎がカウント2-1からのフォークボールを空振りすると、捕手・小山田貴雄がこれを後逸する。小山田から一塁手・中村竜央への送球が大きくそれ、走者二人が生還した。ここで高知FD・藤城監督は上里田を諦め、5月2日にチームに合流したばかりの山隈茂喜をマウンドに送る。続く山口の打った遊直は國信貴裕のグラブをかすめ中前に抜ける。この間に大二郎が還り、徳島ISは5点のリードと高知FDを大きく突き放した。
徳島ISの先発・角野雅俊は高知FD打線に1本の安打も許さない投球を続ける。8回表二死から一番・白川大輔に内野安打を許し無安打無得点試合の達成こそならなかったが、最終回も無失点で切り抜け、自身’05年6月26日以来となる完封勝利で2勝目を挙げた。


『「みんなで」』

角野雅俊(徳島IS)は試合前、チームメイトとある約束を交わしている。
「イライラしたり、独りで興奮しないって。みんなと約束してました」

昨年からの課題として、感情面のコントロールがあった。
微妙なボールの判定にマウンドであからさまに苛立ちを見せ、さらにカウントを悪くする。肩に力が入り、力んだボールが高めに浮く。そうなり始めると待っているのは自滅だ。甘いコースに入ったストライクを捉えられ、悪循環に陥った。
「お前みたいなピッチャー、誰も信用しないよ!お前みたいなヤツのために誰も体張ってくれたりするか!」
昨年、試合後のミーティングで当時の小野監督から選手全員の前で大喝されたこともあった。「勝ちたい」という勝利への強い渇望と、自分自身に掛けすぎるプレッシャーが、マウンドでの精神状態を不安定にさせていた。

「野手の信頼を得なあかん。とにかく気持ちを前に出しすぎるな。淡々と投げろ。そう言うてました」
白石監督はGW中の5連戦、その4戦目に角野を使うことを決断していた。前日、最終回に片山正弘が香川OG打線からメッタ打ちに遭っていた時、外のブルペンでアップを繰り返していた角野を使わなかった。
「流れの中で角野は明日先発やし使えんかった」
この場面で角野を起用して果たして抑えられるのか。監督自身の胸の中にもいくらかの不安があった。明日の先発に向けて悪いイメージを引き摺って欲しくない。様々な思いから片山に続投させ、痛すぎる逆転負けを喫している。

野手の信頼、首脳陣の信頼。
たくさんの大きなものを手にしなければならない。それにはマウンドで結果を出すしかない。そのために一番に変えなければならなかったのが、すぐ熱くなってしまう自分の気持ちを最後まで静め続けることだった。

焦ったのは4回表だった。二番・國信貴裕を一塁手・山口寛史の失策で出塁させ、続く三番・古卿大知を四球で歩かせた。無死一、二塁。ここで高知FDの積極策が裏目に出る。四番・中村竜央への2球目にダブルスチールを仕掛けた。捕手・加藤光成は素早く三塁に送球し、三盗を狙った國信を刺した。中村はカウント2-2からの5球目を右にもっていった。一塁への鋭いゴロを山口が捌く。
「山口さんが難しいゴロを獲ってくれた。あれは本当にビッグプレーでした」
ピンチを乗り切り、この裏の攻撃で2点のリードをもらっている。

角野のスライダーは抜群のキレを見せていた。
結果として右方向への打球が増えた。一塁手・山口に4本、二塁手の大二郎へは7本である。5回表、七番・高井啓行が打った二遊間への難しいゴロを大二郎が必死に追い着き、出塁させなかった。大二郎が語る。
「あの辺からもう意識はしてましたね。絶対にヒットにでけへんわ!と思って」
依然ノーヒットのままで前半を終え、無安打無得点試合という大記録の予感に球場全体が包まれ始めていた。当然、野手たちの気持ちにも火が入った。

内野手だけでなく、外野手からもマウンドに声が飛ぶ。角野の耳にはしっかりと届いていた。「「いい球いってるから!頑張れよーっ!」って声かけてくれて」
好投を続ける角野をバックが盛り立てる。

8回表二死、一番・白川大輔がスライダーにくらいつき、ファールで粘った。球種を替えて、結果打たれることを嫌った。意地でもスライダーを投げ続けた。9球目に投げたスライダーが二遊間の深いところへ転がる。打球に追い着いた大二郎が左に腰を切って一塁へ送球する。間に合わない。しかも送球がワンバウンドし、後ろに逸れた。
高知FDの記録したヒットはこの1本だけだった。

「野手が頑張ってくれてるここ数試合、ピッチャーが試合を壊して負けてました。だからなんとかして勝ちたかった。自分が気持ち良く打たせればなんとかなる。みんなで気持ち良く野球したいんで」

野手の失策に心を乱すこともなく、際どい判定に苛立ちを見せるでもなく、ひたすら丁寧に投げ続けた。独りで戦おうとしていた孤独な投手の姿はどこにもなく、野手と声を掛け合い、全員でこの試合を獲りに行こうとする姿があった。記録達成を逃したことなどほんの些細なことでしかなかったのかもしれない。
「みんなで」
試合後の囲み取材中、何度もこの言葉を使っていた。

約2年ぶりの完封勝利を挙げたのは、徳島ISがリーグ創設初勝利を挙げた記念すべき日と同じ5月5日だった。場所はあの日と同じ鳴門球場、9回を投げ抜いたマウンドに立っていたのも、あの日と同じ角野だった。


2007.5.5. KAKUNO & DAIJIRO
角野のピンチを大二郎が好守で救う

PHOTO BY Misato MORI
※当blogに掲載している文章、写真の無断使用はすべて禁止します。

b_02
↑Push please.
スポンサーサイト
Home | Category : 四国・九州アイランドリーグ |  コメントアイコン Comment0  |  Trackback0

トラックバック ▼


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

コメント ▼


    
Home Home | Top Top
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。