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    Hirofumi TAKATA

    Author:Hirofumi TAKATA
    スポーツライター。
    現在『週刊ベースボール』『Baseball Clinic』『熱中!野球部』『野球太郎』『ホームラン』等の各雑誌、スポーツ紙『デイリースポーツ』などにおいて、独立リーグ、高校野球を中心に取材、執筆活動を続けている。
    4月2日生まれ。A型。

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2010/04/30(Fri)

大事な日に思い出した、大事なこと / 何かが足りない

四国・九州アイランドリーグ2010 前期公式戦
2010.4.29. 徳島インディゴソックス 5‐2 愛媛マンダリンパイレーツ 3回戦 <坊っちゃんスタジアム> 観衆3,532人

 徳島IS 103 100 000| 5
愛媛MP 100 100 000| 2

勝 角野雅俊 3勝1敗
敗 篠原慎平 1勝1敗

バッテリー
 徳島IS 角野 ‐ 山村
愛媛MP 篠原、森 ‐ 松原、岡

本塁打
 徳島IS 
愛媛MP 


 愛媛MPにとっては是が非でも勝利で飾りたい坊っちゃんスタジアムでの今季最初のゲームである。順位こそ4位と沈んでいるが、対戦成績は1勝1敗とタイの徳島ISを迎えた。昨夜の雨が上がった晴天の空の下、右翼から左翼方向へ強い風が吹く。愛媛MP球団社長、松山市長らの挨拶のあと、12時59分にプレーボールがかけられた。
 1回表、愛媛MP先発・篠原慎平(19歳)の立ち上がりに一番・神谷厚毅(24歳)が四球を選ぶと、次の初球にすかさず二塁を陥れる。一死三塁としたあと、三番・関口大志(21歳)の打球は前進守備の二遊間を抜けんとする鋭いゴロに。二塁手・古卿大知(29歳)がよく止めたが神谷が生還し、徳島ISが無安打で先制点を奪った。
 愛媛MPもすぐさま反撃を見せる。1回裏、徳島IS先発・角野雅俊(27歳)から一番・金城直仁(25歳)が右前安打で出塁すると、角野の一塁牽制が悪送球となり無死三塁に。一死から三番・武田陽介(25歳)が一、二塁間を破る右前適時安打を放ち、同点に追い着いた。
 2回表を三者凡退に抑えた篠原だったが3回表、安定しない味方野手陣の守備に苦しい投球を強いられる。先頭の八番・山村裕也(22歳)を四球で歩かせたあと、九番・東弘明(18歳)のバスターエンドランが一塁強襲安打となり一、三塁に。続く一番・神谷の三塁内野安打が適時打となり勝ち越しを許した。さらに二死一、三塁のあと、五番・國信貴裕(27歳)、六番・白川大輔(21歳)の連続内野安打で2点を奪われ打者一巡、3点のリードを許した。愛媛MPは4回表にも一ゴロ失策で出塁した八番・山村を捕手の一塁牽制悪送球で二塁へ進めるなど、守備のミスを連発する。九番・東の中前打で三塁へ進んだ山村が篠原の暴投により生還、さらに1点を失った。
 初回の失点以降立ち直り、三者凡退を続ける角野だったが、4回裏にピンチを迎える。三番・武田の中前へのライナーに、前に突っ込んできた中堅手がダイブして後逸、一死三塁としてしまう。四番・末次峰明(25歳)が中前に弾き返し、愛媛MPが1点を返した。
 篠原に代わって5回表からマウンドに登った昨年の最多勝・森辰夫(21歳)が、リズム良い投球で追加点を許さない。しかし角野も5回裏無死二塁、6回裏無死一塁と2度のピンチを無失点で乗り切り、愛媛MP打線を封じ込める。
 9回裏、三番からの好打順で始まった愛媛MP最後の攻撃も、角野の好投の前に三者凡退に抑えられ、徳島ISが5対2で愛媛MPを下した。角野はハーラートップに並ぶ3勝目、今季2度目となる完投勝利を無四球で飾り、エースの貫禄を見せつけた。徳島ISはゴールデンウィークの連戦、最初のゲームに白星でのスタートを決め、3位・愛媛MPとの差を0.5差にまで縮めた。愛媛MPは今季初の連敗を喫し4勝4敗と、勝率を5割に落としている。


『大事な日に思い出した、大事なこと』

 今日、4月29日が加藤博人コーチの誕生日であることを、徳島ISの選手たちは皆知っている。試合前のミーティングで堀江賢治監督は、先発の角野雅俊(27歳)に、「加藤コーチの誕生日だから、しっかり意識して投げるように」と伝えていた。角野はそれをプレッシャーには感じていない。むしろ発奮材料にしている。
「それって『絶対勝て!』ってことでしょ。僕、『ミスターこどもの日』、『ミスター首脳陣の誕生日』じゃないですか!!」
『ミスターこどもの日』については機会があれば後日述べるとして、首脳陣の誕生日に登板した日の角野は強い。福岡レッドワーブラーズ時代の08年、森山良二監督(当時)の誕生日に先発し、見事白星で飾っている(※08年7月20日、徳島IS 1‐3 福岡RW)。あの日の試合後、アグリあなんスタジアムの三塁側ダッグアウトで、バースデーケーキとウイニングボールをプレゼントして監督の誕生日を祝った。何か「意味のある日」の登板に強い、そんな自信を持っている。
 これまでの角野の欠点として、マウンド上で気持ちを見せすぎるきらいがあるとよく言われてきた。07年まで徳島ISにいた頃がそうだった。勢いに乗れれば良いのだが、悪ければ不満を姿に出し、自滅する。だがその姿は、「オレがオレが!」と自分独りの力に頼って力んでばかりいたのではない。誰かのために、例えば監督、例えばコーチ、トレーナー、チームメイト、みんなのためになんとかしようと、必死にもがいている姿の裏返しでもあった。
 あれから3年、マウンドで一喜一憂する姿はほとんど見られなくなっている。しかし、試合後の取材で、「○○○のためにと思って投げました」というコメントは、今も変わらず聞くことができる。「自分のためにと思って投げた」というコメントを聞いたことがない。
 立ち上がりは決して良くはなかった。一番・神谷厚毅(24歳)の足と、二番・斎藤雅俊(23歳)、三番・関口大志(21歳)の見事なチームバッティングにより、無安打で先制点を奪いながらリードを守れず、1回裏に同点に追い着かれている。
「力んでないんですよ。力んではないんですけど気負いすぎて、力の抜き方が分からない。金城(直仁、25歳、愛媛MP)にライト前に打たれたのは置きに行ったみたいになりました。でもあれを打ってくれたんで、あれがヒットになったじゃないですか。あれがフォアボールになってたら崩れてたと思う」
 本来ならば先発ローテの一角を任されるはずの竹原俊介(26歳)が故障で戦列を離れているなか、このゴールデンウィークの連戦もフル回転でマウンドに登らなくてはならない。11日間の内に9試合を戦う、その最初のゲームに勝って弾みをつけたい。
 自分が登板する試合は相手もエース級の投手をぶつけてくる。そんな試合で絶対にやってはいけないことがある。
「それは、先に弱みを見せてしまった方が負けるんです」
 まず気持ちで負けない。それは胸のなかに強くあった。攻守交替ですれ違うとき、三塁コーチャーの森山一人コーチが毎回のように声をかけてくれていた。
「お前のピッチングしろよ。丁寧になるなよ。大胆に行けばいいから」
 気負いのマウンドから徐々にペースをつかみ始めている。森山コーチの言葉が胸に響く。もっと堂々と、もっと大胆に。回が進むごとに90㌔台のスローカーブも決まり出していた。
 中盤を過ぎ、試合が投手戦の様相を見せるなか、角野にある変化があった。6回裏、愛媛MPの先頭打者、二番・大津慎太郎(25歳)の当たりは内野安打となったが、続く2人を連続で二ゴロ併殺打に打ち取っている。次の7回裏にも打者2人を遊ゴロに切って獲り、5人連続で内野ゴロに打ち取ってみせた。
「あのセカンドゴロ3つのときに蘇った感覚がありました。『これが大事やったんや!』って。今まで抑えても、ボールから入って抑えるのはキツかったんです。『あ、これや!』って」
 低目の変化球で空振りを奪い、カウントを整えながらストレートでタイミングを狂わせ、つまらせる。昨年まではクローザーであり、先発ローテーションに復帰したのは今季からである。1イニングを全力で守り切るクローザーとしての投球ではなく、うまく力を抜いて長いイニングを投げ続ける先発としての投球術を身体が思い出してくれた。5度目の先発登板となったこのゲームで、忘れていた感覚を思い出していた。
 6割程度の力加減と制球力を維持しながら、気がつけば無四球での完投勝利である。今季のベストピッチングと言って間違いない見事な投球だった。
「いろんな人がいろんなこと言ってくれて、気にかけてくれている。監督も毎日ピッチングを見てくれたり、声掛けてくれるんです。トレーナーもケアを毎日やってくれる。優勝することしか思ってないし、自分のことは二の次です。チームがいい雰囲気で勝って行けるように、勢いつけるためにも」
 大事な連戦の初戦と、大事なコーチの誕生日に、エースはエースらしい投球で見事に期待に応えた。
 試合終了直後の三塁側ダッグアウト前、加藤コーチがスタンドからのファンの歓声に応えていた。自分の誕生日にエースが完投勝利、投手担当としては格別なものがある。
「もらっちゃったよー! やっぱ嬉しいよね。ハイタッチのときにみんな、『誕生日おめでとう!』ってハイタッチしてくんだもん!」
 左手にはさっき手渡されたばかりのウイニングボールが握られていた。


『何かが足りない』

 試合終了後、一塁側ダッグアウトで行われていた愛媛MPのミーティングは、徳島ISのバスがとっくに球場を去ってしまったあともまだ続いていた。監督、コーチだけでなく、球場を訪れていた石毛宏典シニアマネージャーまでもが、大きな声で選手たちの奮起を促していた。
 長いミーティングが終り、選手たちはクールダウンを行うため再びグラウンドへと出た。外野の芝生部分でストレッチをする者、外野フェンスに沿ってジョギングを行う者、それぞれ口数は少ない。
 徳島ISにとって加藤コーチの誕生日を勝利で飾ることが大切であったように、愛媛MPにとっても、坊っちゃんスタジアムで行われる今季初のゲームは特別なものだった。四国一を誇るこの美しい球場に、3、500人を越える数の観客が集まってくれていた。試合結果はもちろん、内容の不甲斐なさには後悔が残る。
 結果的に勝負の分かれ目となったのは3回表の守備だろう。先発の篠原慎平(19歳)が先頭打者を四球で歩かせたことから始まった3失点ではあるが、守備がお粗末すぎた。打者9人の攻撃の内、ヒット4本はすべて内野安打である。
 九番・東弘明(18歳)の一、二塁間へのゴロを一塁手・大津が弾いた。一番・神谷厚毅(24歳)の三塁へのボテボテのゴロに三塁手・武田陽介(25歳)の送球がやや浮き、間に合わなかった。四番・大谷龍次(21歳)の一塁後方に上がった飛球を二塁手・古卿大知(29歳)が獲れない。結果的に二塁併殺打となったが、嫌な流れに拍車を掛けた。五番・國信貴裕(27歳)の一ゴロを大津が止めたが、篠原のベースカバーが遅れた。六番・白川大輔(21歳)の打ったボテボテのゴロは、三塁手・武田のグラブの下を通り過ぎた。4回表の先頭打者の当たりを大津が弾き、捕手・松原準の一塁牽制球が高く逸れた。この2つのプレーで2失策を記録している。最後は篠原の暴投によって5点目を献上してしまった。
 あのとき、明らかに普段のプレーとは違う負の連鎖が愛媛MPを覆っていた。一体グラウンドで何が起こっていたのか。
一塁側のファウルゾーンを使ってストレッチを行っていた大津がストレッチを終えた。守備のミスの張本人でもある。あの3、4回の守備で何が起こっていたのかを聞く必要がある。こちらの姿に気が付くと、向こうから近寄ってきてくれた。
「みんな、坊っちゃんで勝ちたいんですよ。県民球団になって、いい試合を見せたい。たくさんお客さんが来てくれて、今日初めて観に来てくれた人もいる…」
 この球場で行う試合は、やはり特別なのだ。絶対に落としたくないゲームだからこそ、逆にプレッシャーがかかる。応援してくれる人たちからの大きな期待に応えたい。もっともっとパイレーツのゲームを観に来て欲しい。だから、勝ちたい。
 1つのミスが焦りを呼び、さらに傷口を拡げる。悪い流れが来たときそれを止めることができず、さらに劣勢に立たされてしまう。 
 角野雅俊(27歳)のボールがまったく打てないほど走っていた訳ではなかった。中盤の2度のチャンスを活かせず、結局4回以降1点も奪えないまま敗れた。完敗と言っていい。
「キミさん(古卿)と言ってたんですけど、なんか足りないんです。観ててそう思いませんか?」
 逆にこちらに問い返してきた。
 試合前の練習から声もよく出ている。元気もある。チーム打率は2位とよく打っている。本塁打6本は5球団中トップの数字だ。チーム防御率も2点台と悪くはない※。ならば大津は一体何が足りないと思うのか? 尋ねてみた。
「厳しさだと思うんです」
 もちろん練習がぬるい訳では決してない。公式戦を戦う7球団一、練習はしているはずだ。その自負はある。どこがいけないのか? と粗を探したときに、それがあるとするなら精神的な甘さくらいしか見つからない。
 チームが勢いづくための何か、何かが足りていない。
「こういうときに何か言えたらいいんですけど…。何も言えなくって…」
 主将として、チーム全体の闘志に火を点ける何か良い言葉がないものだろうか? と思案していた。今の大津にはそれも見つからなかった。

※ 記録はすべて4月25日終了時




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2010/04/28(Wed)

アピールすべき場所

四国・九州アイランドリーグ2010 NPB交流戦
2010.4.25. 香川オリーブガイナーズ 1‐8 福岡ソフトバンクホークス二軍 <サーパススタジアム> 観衆1,693人

福岡SH 212 000 030| 8
香川OG 001 000 000| 1

バッテリー
福岡SH 新垣、内田、有馬、久米、森福 ‐ 堂上、猪本
香川OG 上野、前川、高尾、キム、深沢、伊藤、西崎 ‐ 西森、、藤嶋、上ノ下

本塁打
福岡SH
香川OG


 昨日の愛媛MPに続き、香川OGが単独チームで福岡ソフトバンクホークス二軍に挑んだ。5月1日よりネーミングライツ権の変更により球場名が変わるため、「サーパススタジアム」として行われる四国・九州ILのラストゲームになる。
 香川OG先発・上野啓輔(24歳)が立ち上がりからソフトバンク打線に連打を浴びる。一番・福田、二番・金子の連続長短打のあと金子に二盗を決められ、いきなり無死二、三塁のピンチを迎えた。二死二、三塁の場面で五番・李が右翼フェンスを直撃する二塁打を放ち二者が生還、先制点を奪う。2回表にも先頭の七番・堂上隼人(元香川OG)が右前安打で出塁すると、上野の暴投などで三塁へ。九番・豊福の一ゴロの間に堂上が生還し、3点目を挙げた。
 香川OG投手陣がソフトバンクの猛攻を止められない。3回表、二番手・前川勝彦(31歳)が単打と死球で無死一、二塁としたあと、さらに重盗を決められ無死二、三塁とピンチを拡げる。五番・李の三ゴロに飛び出した三塁走者・田上が三本間で挟まれるが、ボールを持っていない捕手・西森将司(22歳)と接触し転倒。西森の走塁妨害により4点目を挙げた。ソフトバンクはこの回さらに1点を追加、序盤3回で5点のリードを奪った。
 変化球の制球に苦しむソフトバンク先発・新垣を香川OG打線が捉えられない。だが3回裏、八番・西森が右翼線にチーム初安打を放つ。二盗を決めたあと新垣の暴投で三塁に進むと、一番・大原淳也(25歳)の右犠飛により生還。1点を返した。
 4回から立ち直った前川に続き、5回途中から高尾健太(22歳)、7回をキム・ギョンテ(34歳)がソフトバンク打線を無得点に抑える。しかし香川OG打線も西森の単打以降、5回から新垣に代わった二番手・内田、7回から三番手としてマウンドに登った有馬の前にまったくチャンスがつかめず、無安打に抑え込まれた。
 8回表、この回からマウンドに登った香川OGの五番手・深沢和帆(元巨人)の制球が定まらない。先頭の六番代打・辻を歩かせたあと八番・中原に中前打、九番・豊福の打席で暴投により追加点を奪われる。さらに一死一、二塁とピンチを拡げたところで、六番手・伊藤秀範(元東京ヤクルト)がマウンドに向かう。伊藤も一番・福田、三番・田上に適時打を許し、この回3点を追加された。
 香川OGは8回裏二死一、二塁、9回裏一死二塁と終盤チャンスをつかむが、あと1本が出ない。最終回の攻撃も無得点に終り、ソフトバンク二軍の前に1対8と大差で敗れた。この結果、香川OG単独チームで挑んだNPB交流戦の今季成績は0勝3敗となった。


『アピールすべき場所』

 試合後、記者たちに囲まれていた西田真二監督(香川OG)が不満を漏らす。
「8回の3点は余分、深沢は論外! 新垣もローテーションピッチャーで投げてる選手だから彼も早く一軍に戻りたいんだろうけど、(香川OGの打者にとっては)あのスライダーが見極められるか? がポイント。ここでチャンスをつかんで欲しいのに、立ち上がりもバタバタ。言えることは1、2回の3点。それを獲り返すだけの打線の力がなかったということですよ」
 昨日、愛媛MPが大差で破ったソフトバンク二軍戦と比べれば、今日の試合は少しばかり意味合いが違う。経験が必要な怜王、下沖ら10代の若い投手たちと、やはり10代の猪本にバッテリーを組ませた昨日とは違い、実戦で結果を出し一軍復帰への足掛かりにしたい新垣と堂上が先発バッテリーである。野手陣も昨日は先発させていなかった金子、小斉ら一軍を目指すメンバーをスタメンに並べた。開幕以来負けなしの6連勝を続ける現在の香川OGが、このソフトバンク二軍に対しどこまで勝負できるか? 注目したい部分はそこだった。
 だが変化球が決まらず、本調子から程遠いはずの新垣から放ったヒットは西森将司(22歳)の右前安打1本だけである。打率トップと現在絶好調の大原淳也(25歳)の犠飛によりなんとか1点を奪ったが、7回裏を終えても1安打と、ソフトバンク投手陣に何もさせてもらえなかった。結局散発4安打、投手陣は12安打を許し8失点、終盤につかみかけた2度のチャンスも活かすことはできず、大差で敗れている。
 囲み取材ではなく単独で、改めて西田監督にこの敗戦について話を聞いた。
「野手にしてもピッチャーにしてもそうなんやけど、アピールの場なんだから! もっとやれると思ったけどね。でも、野球ってこんなもんよ。高尾は成長のあとを見せてくれたけどね」
 勝負は時の運であり、勝つときもあれば負けるときもある。だが、せっかくのNPB二軍と戦えるビッグチャンスに、しかも代表チームではなく普段と同じガイナーズで挑むことのできる交流戦に、もっとアピールができなかったのか。
 ソフトバンクを率いた鳥越裕介二軍監督がこう言っている。
「毎年のことなんだけど、プロを目指してる人たちだから強いものは感じる。感じるんだけど、年々薄れてるのかな? という感はある。日々大変なんだろうと思うし、そんななかでやってる人たちじゃないですか。こういうなかでやってた人は、スーッと(NPBに)入ってきた人と比べると、やっぱり全然違うと思うんでね。期待したいんだけど」
 NPBとガイナーズ単独チームでの交流戦は、早くもこれが今季3試合目になる。目標の場所にいる選手たちと直に対戦し、自分の実力をアピールすることはもちろん、自分に何が足りないのか? 彼らは自分よりどこが優っているのか? を計る大きなチャンスだ。
 西田監督はこのゲームにあえて、新入団の若い舟生源太(20歳)、甲斐弘樹(18歳)の2人を先発出場させた。しかし特に際立ったインパクトは残せず、途中交代している。逆にアピールできたのは先にも述べた捕手の西森、一番・遊撃手として守備でも光るものを見せた大原、1回3分の2を投げ4つの三振を奪ってみせた高尾健太(22歳)、代打として出場し、1球で中前へのクリーンヒットを放ってみせた三國慶太(23歳)らだった。
 昨年の5月、サーパススタジアムで予定されていた香川OGとソフトバンク二軍の対決は雨で流れた。前日に四国・九州IL代表チームで戦った試合に出場し、適時安打を放ったのが西森である※。あのとき叶わなかった元香川OGのエースキャッチャー・堂上との先発マスクを被っての対決が現実のものとなった。だが、特別な感傷などない。一ソフトバンクの選手として戦うのみだった。
 アピールしてやる! という気持ちが最もプレーに現れていたのは彼だろう。3回裏の先頭打者として右翼線へのヒットを放ち、次の打者の打席で堂上からの送球をものともせず、二盗を成功させている。
「変化球が全部ボールだったんで、真っ直ぐ狙いで。低目は伸びてくるなぁと思ってたんで、『少々低目は行こ!』と思ってました。もう『絶対走ったろ!』と思ってました。新垣さんから打てたのと、堂上さんみたいな人から走れたのは自信になりましたけどね。攻撃面は良かったと思いますよ。なんて言うんやろう。間って言うか呼吸って言うか、球場との。ちょっとミスが出たりしたら、向こうに流れが行くじゃないですか。そこを食い止めたかったんですけどね」
 捕手として試合の流れをうまくコントロールできなかったことが、大きな反省点として残っている。
 試合後の主力選手たちの声には、やはり力がなかった。三番・中村真崇(26歳)が言う。
「シュンとした感じで。僕らは挑戦する立場なのに声も出てなかった。元気も。僕も連係の面とかでもっと声を出すべきだったと思います」
 主将・洋輔(28歳)の言葉が、このフラストレーションを如実に表している。
「『単独(チーム)で勝てへんのちゃうかな?』と思いました。ほんま勝ちたかったんですけどね。せっかくお客さんもたくさん入ってくれてんのに、こんな試合してしまって申し訳ないです」
 アピールすべきなのは相手チームだけにではない。今年初めて4桁を数える観客が球場に詰め掛けてくれていた。スタンドに来てくれたお客さんにも自分たちの精一杯のプレーを見てもらわなくてはいけない。満足して帰路につくことのできたファンはきっと少なかったことだろう。ファンに対してもアピールできなかった。洋輔はそれをよく理解していた。

※ 2009.5.27. 『去年の正捕手の前で』 参照




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2010/04/25(Sun)

2010.4.24. 愛媛MP 10‐4 福岡ソフトバンク二軍

2010.4.24. 四国・九州アイランドリーグ2010 NPB交流戦
愛媛マンダリンパイレーツ 10-4 福岡ソフトバンクホークス二軍 <坊っちゃんスタジアム>
コラム『自分の色』は、『THE STADIUM』(http://thestadium.jp/)に掲載されています。




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2010/04/24(Sat)

今季1回戦

四国・九州アイランドリーグ2010 前期公式戦
2010.4.23. 香川オリーブガイナーズ 3‐2 愛媛マンダリンパイレーツ 1回戦 <サーパススタジアム> 観衆475人

愛媛MP 000 200 000| 2
香川OG 000 030 00×| 3

勝 宇高直志 1勝
S 橋本亮馬 5S
敗 岸敬祐 2勝1敗

バッテリー
愛媛MP 岸、篠原、入野 ‐ 松原
香川OG 宇高、キム、伊藤、橋本 ‐ 西森、上ノ下

本塁打
愛媛MP 西村3号2ラン(4回、宇高)
香川OG


 開幕以来の5連勝と勢いに乗っている香川OGが、こちらも3連勝、1.5ゲーム差で香川OGを追う愛媛MPをホーム・サーパススタジアムに迎えた。22日朝に亡くなった天野浩一コーチ(香川OG)の祖母に哀悼の意を表し、スコアボードには半旗が掲げられた。
 試合開始早々に電光掲示板が故障し、得点はおろかBSOまで表示されないというアクシデントのなか、両先発が序盤3イニングを見事な投球で凌ぐ。試合は今日が初先発となる香川OG先発・宇高直志(26歳)、愛媛MP先発左腕・岸敬祐(23歳)が共に投げ合う投手戦の様相を呈した。
 4回表、均衡が崩れる。愛媛MPの五番・西村悟(26歳)が左翼スタンドに2ランをたたき込み、2点を先制した。
 好投する愛媛MP・岸の前に4回まで無安打に抑えられていた香川OGだったが、5回裏に反撃に出る。四番・中村真崇(26歳)、五番・洋輔(28歳)の連続長短打で無死二、三塁とすると、六番・大松陽平(19歳)の打席で岸が痛恨のボークを犯し、1点を返した。さらに二死一塁から九番・西森将司(22歳)のバントヒットで同点に追い着くと(記録はワンヒットワンエラー)、続く一番・大原淳也(25歳)の適時中前打で逆転に成功する。
 5回以降、宇高の前に無得点を続けていた愛媛MPだったが8回表、宇高に代わってマウンドに登った二番手・キム・ギョンテ(34歳)から一番代打・金城直仁(25歳)が中前打を放ち出塁する。さらに2つの四球で満塁となったところで、香川OGベンチはキムに代えマウンドに伊藤秀範(27歳)を送る。伊藤は五番・西村を投ゴロに切って獲り、窮地を脱した。
 9回表もクローザー・橋本亮馬(27歳)が3人で締め、香川OGが3‐2で愛媛MPを下し6連勝、2位との差を2ゲーム差に拡げた。宇高が初勝利、橋本が早くも5つ目となるセーブポイントを挙げている。敗れた愛媛MPは3位に転落となった。


『今季1回戦』

 昨年の対戦成績は香川OGの12勝、愛媛MPの1勝と(引き分けが1つ)、圧倒的に香川OGに分がある。だが、チームはお互いに生まれ変わっており、新戦力として加わった選手もたくさんいる。昨年創設された関西独立リーグを経て今年、四国・九州アイランドリーグに挑戦を決めた選手も多い。今日の両先発投手もそうだ。香川OGの先発・宇高直志(26歳)は紀州レンジャーズで、愛媛MPの先発・岸敬祐(23歳)は大阪ゴールドビリケーンズ(現JFBL)で経験を積み、四国・九州ILにプレーの場を求めた。両チームの打者にとっては共に初めて対戦する投手だが、両投手はお互いをよく知っていたのである。
 試合開始の約1時間半前、サーパススタジアム内の1階ロビーから階段を駆け上がり、観客席に向かおうとしていたのは宇高だった。愛媛MPのフリー打撃を見るためである。
「いいバッターが多いなぁ。特にいい左バッターが多いなと思ってました。でも逆に、それで『やってやろう!』と燃えました」
 岸との投げ合いになることは判っている。投手戦になるであろう展開のなかで、先取点だけは獲られないようにしようと意識していた。
 試合開始直後に起こった電光掲示板がすべて消えてしまう前代未聞のアクシデントにも、まったく動揺することはなかった。小原球審※が細かくカウントを伝えてくれている。うまく打者との対戦に集中できており、序盤3回をヒット1本に抑えている。しかし4回表、現在本塁打数トップと絶好調の五番・西村悟(26歳)に左翼へ2ランを浴びてしまう。やってはいけない先取点を与えてしまった。
 岸にとって対香川OGとのゲームには、胸に期するものがある。かつて高知FDに兄・健太郎(05~07、現・ソフトバンク球団スタッフ)が在籍していた縁もある。2度対戦した香川OGとのオープン戦で登板機会はなかったが、いい右打者が多いなと感じていた。
「こっち来るときに香川が強いっていうのは聞いてたんで、『香川に勝ちたいな、打倒香川!』って。その思いは強かったです」
 立ち上がりも無難に乗り切った。それどころか4回まで香川OG打線を打者12人、無安打に抑え込んでいる。野手が先制してくれた2点も追い風となった。
 だが、最初の壁は5回裏に訪れる。先頭の四番・中村真崇(26歳)に対し、ツーボールツーストライクと追い込みながら2球ファールされた。7球目、外角へのボールを鋭いライナーでセンター前に運ばれてしまう。
「中村さんに対していい感じで追い込んで、外のシュートでした。インコースに真っ直ぐ行こうかな? と思ったんですけど」
 マスクを被っていた松原準(26歳)も、決め球のリードを迷ってしまった。
「たらればじゃないですけど、左‐右なら見やすいじゃないですか。右‐右なら違ってたんでしょうけど。甘くなりましたね。フォアボールでもいいから、内にもっと厳しいところに行けば良かったんですけど」
 サウスポーの岸の球が右打者の中村に対しクロスに入ってくる分、打者にとっては見やすい。しっかりファールで着いて来られている。1つコースが甘くなってしまえば長打もある打者だ。外に逃げる変化球でかわそうとしたことが裏目に出た。
 無安打の均衡が崩れると、一気に流れが変わり始める。続く五番・洋輔(28歳)にもストライクを獲りにいったカーブを左中間に運ばれた。自らのボークで失点を許すと、この回打者一巡、3点を奪われ逆転を許している。
 前半の内に打線が逆転に成功し、息を吹き返したのが宇高だ。6回のマウンドに登る前、もう一度しっかりと気持ちを入れ直している。
「先に点をやってしまって申し訳ないと思ってましたから、あとをきっちり投げるしかない。6回からは『1点を守ろう!』と思ってました。持ち味がストレートのキレと変化でストライクを獲れるところなんですけど、変化が良すぎるくらい良かったです」
 6、7回の愛媛MP打線を無安打に封じ込め、8回から後続にマウンドをつないでいる。初先発で堂々の初白星を手にした。これでチームは開幕以来負け知らずの6連勝である。自分が投げる試合でチームに初黒星なんてつけられない。そんなプレッシャーもあった。
「先発の2人(高尾健太・3勝、前川勝彦・2勝)が頑張ってたんで、連勝の流れは崩せなかった。あとはチームのみんなで勝てたことが嬉しかったです」
 6奪三振、被安打4の好投は、確固とした自信へとつながる。8日間で7試合を戦うゴールデンウィークの連戦を前に、先発ローテ入りも含め大きなアピールとなった。
 勢いのある両チームの今季初対決は1点を争う好ゲームだった。共に5安打、勝負の分かれ目はワンチャンスを活かせたか? 活かせなかったか? に過ぎない。
 敗れた愛媛MPにとっても香川OGに対するこれまでの意識が変わり始めている。今季から主将としてチームを引っ張る大津慎太郎(25歳)が語った。
「今後の戦い方が変わってくると思います。ピッチャーも自信持って投げられると思うし、今日も獲られたって感じなかった。打線もそこまで怖いと思わなかったし。(連勝を)止めたかったですけどね。でもそんなに危機感はないし、みんな『次やったろ!』と思ってると思います」
 1勝12敗の苦手意識など、もう無いに等しい。すべてが去年とは違っているのだ。今後の好勝負を予感させる両チームの初対決だった。
※ 小原審判(四国・九州IL審判部)は初球審




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2010/04/22(Thu)

4年目、粘りのピッチング

四国・九州アイランドリーグ2010 前期公式戦
2010.4.18. 徳島インディゴソックス 4‐11 高知ファイティングドッグス 2回戦 <オロナミンC球場> 観衆432人

高知FD 120 010 115| 11
 徳島IS 000 130 000| 4

勝 野原慎二郎 2勝
敗 岩崎雄也 2敗

バッテリー
高知FD 野原、山崎 ‐ 飯田
 徳島IS 光安、岩崎、岩根 ‐ 河原、山村、菊永

本塁打
高知FD 大谷1号ソロ(7回、岩崎)
 徳島IS


 蔵本運動公園から鳴門・オロナミンC球場に場所を移しての徳島IS対高知FD戦・2回戦は、今季四国で行われる公式戦としては初のナイトゲームとして開催された。
 初回、高知FDは不安定な立ち上がりの徳島IS先発・光安祐輝(24歳)を攻め立てる。五番・中平大輔(28歳)の中前適時打で先制すると、2回表には三番・梶田宙(27歳)の遊内野安打などで2点を奪い、3点をリードした。
 光安を早々に降ろした徳島ISベンチは、3回表から左腕・岩崎雄也(22歳)をマウンドに送る。好投を見せる岩崎に打線が奮起した。4回裏、高知FD先発・野原慎二郎(25歳)から一死二、三塁のチャンスをつかむと、六番・輝(河原輝、22歳)が右前に適時打を放ち1点を返した。
 だが5回表、右前安打で出塁した高知FDの一番・西本泰承(23歳)がすかさず二盗を成功させる。三番・梶田宙の遊ゴロの間に本塁生還を果たし、再び差を3点に拡げた。
 しかし5回裏、徳島ISが再び反撃を見せる。九番・猪澤海(21歳)、一番・神谷厚毅(24歳)の連続安打などで一死二、三塁とすると、三番・白川大輔(21歳)の左犠飛、四番・大谷龍次(21歳)の左前適時打で2点を返した。さらに二死一、二塁として六番・輝の今日2打点目となる右前適時打で4対4の同点に追い着く。試合を前半で降り出しに戻した。
 7回表、この試合が公式戦初スタメンとなった九番・大谷龍太(22歳)が岩崎から左翼ポール際へ飛び込む1号ソロを放ち、高知FDが勝ち越しに成功する。8回表にも徳島ISの三番手・岩根成海(22歳)から四番・龍央(中村竜央、29歳)の右前適時打で1点を、9回には一挙5点と大量リードを奪い、試合を決めた。
 9回裏、8回を投げた野原に代わってマウンドに登った山崎慎一郎(19歳)が、徳島IS最後の攻撃を打者3人で封じ込める。高知FDが11対4で徳島ISを下し、対戦成績を1勝1敗のタイとした。野原が2勝目を手にしている。


『4年目、粘りのピッチング』

 味方打線が序盤に築いてくれた3点のリードを守り切れなかった。5回表には2人の打者に連打を許し、3点を奪われるきっかけを作ってしまっている。4失点、5回を終了したところで試合は4対4の降り出しに戻った。しかし、高知FDの先発・野原慎二郎(25歳)が本領を発揮してみせたのは、ここからだった。
「4点獲られて気持ち切れて、代えられないようにと。それ以降、いかに自分のピッチングできるか? だと思ってました」
 6回からのマウンドに登る前、前半の失点を引きずってしまわないよう気持ちを入れ替えている。変化球が抜けてしまっての死球ならしょうがない。厳しいコースを突いての四球を覚悟しながら、丹念に低目へ低目へと投げ続けることを心掛けた。6回からの3イニングで許したヒットは1本、変化球で三振を4つ奪っている(合計奪三振数は9)。粘りの投球は終盤、味方打線の奮起を呼んだ。
 8回130球を投げた試合後の第一声は、「疲れました!」だった。若い山崎慎一郎(19歳)に経験を積ませたため完投勝利とはいかなかったが、見事2試合連続での勝ち星を手にしている。三塁側ダグアウト前で取材に答える野原の横を、先にロッカールームへと向かうチームメイトたちが通り過ぎて行く。「ナイスピッチン!」、「いい粘り!」と口々に声を掛けながら、ダグアウトの奥に消えて行った。
 投手タイトルを総ナメにし、09年の年間MVPに輝いた吉川岳(24歳)の影に隠れがちだが、昨年前半、投手陣の先頭に立ってチームを引っ張っていたのは野原である。8月の終りにヒジの故障で戦列を離れ、9月に吉川が越えてしまうまで、チームトップの11勝をマークしていた。日本一を決めた09年11月3日、グランドチャンピオンシップでの復活劇は記憶に新しい。
 野原の気持ちのなかでは当初4年目、つまり2010年のシーズンはなかったという。
「ケガしたし、フェニックス(みやざきフェニックス・リーグ)にも行けなかったですから。やり残したことがあるし、完全燃焼できなかった。1年挑戦して、交流戦(の選抜メンバー)にも選ばれたいです」
 もう1年、この1年に自分のすべてを懸けて燃え尽きるつもりだ。独立リーグ日本一のマウンドに立っていたことが、自分の目標の頂点ではない。
 2戦2勝、勝負を懸けた4年目のスタートに結果も付いて来ている。気が付けば4年目を迎えたのは投手陣のなかで山隈茂喜(26歳)と野原の2人だけである。ここで培った数々の経験が、そう簡単には崩れないあの粘りの投球の土台となっていることは言うまでもない。




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2010/04/17(Sat)

2010.4.17. 香川OG 5‐4 長崎S

2010.4.17. 四国・九州アイランドリーグ2010 前期公式戦
香川オリーブガイナーズ 5-4 長崎セインツ 1回戦 <アークバリアベースボールパーク志度>
コラム『自分の思うままに進め』は、『THE STADIUM』(http://thestadium.jp/)に掲載されています。




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2010/04/15(Thu)

これからにつながるゲーム

四国・九州アイランドリーグ2010 NPB交流戦
2010.4.13. オリックス・バファローズ二軍 8‐5 徳島インディゴソックス <神戸総合運動公園サブ球場>

徳島IS 110 000 003| 5
 B‘s  010 111 22×| 8

勝 仁藤
敗 岩根

バッテリー
徳島IS 光安、平野、岩根、弦本 ‐ 河原、山村
 B‘s  仁藤、西川、延江 ‐ 横山

本塁打
徳島IS 
 B‘s  前田大ソロ(6回、岩根)、迎ソロ(7回、岩根)、一輝ソロ(7回、岩根)※二者連続


 徳島IS単独で臨むNPBとの交流戦としては今季2戦目、3月に鳴尾浜で行われた阪神二軍戦以来となる。外野の人工芝にはまだ昨夜の雨が残る、神戸総合運動公園サブ球場で行われた。
 徳島ISは試合早々から生きの良さを見せつける。一番・神谷厚毅(24歳)が右翼手の頭上を越す二塁打を放つと、二番・関口大志(21歳)も右前安打で続き神谷が生還、たった4球で先制点を奪う。2回表にも二死二塁から九番・猪澤海(21歳)の左翼フェンスを直撃する二塁打で追加点を挙げた。
 徳島IS先発の光安祐輝(24歳)は変化球でうまくタイミングを外し、初回を0点に抑える。だが2回裏に一死一、三塁とすると、八番・横山の右犠飛により1点を失った。
 二番手としてマウンドに登った徳島IS・平野誠(24歳)が4回、5回とそれぞれ1点ずつを失い逆転を許す。6回裏には三番手・岩根成海(22歳)が六番・前田大に左中間へソロ本塁打、7回裏にも先頭の三番・迎、四番・一輝に左翼スタンドへ二者連続の本塁打を浴び、大量6点のリードを許した。
 3回以降、徳島ISに追加点を許さなかったオリックスの先発・仁藤に代わり、8回表には二番手として西川雅人(愛媛MP→オリックス)がマウンドに登る。西川は二番・関口、三番・白川大輔(21歳)、四番代打・菊永大志(23歳)を三者凡退に切って獲り、右ひじの手術から順調に回復していることをアピールしてみせた。
 9回表、この回からマウンドに登ったオリックスの三番手・延江が4四球と制球が定まらない。暴投などで3点を奪い返した徳島ISだったが、最後の打者、三番・白川大が二ゴロに倒れ万事休すとなった。オリックス二軍の前に5対8で敗れ、NPB二軍との交流戦今季2敗目を喫している。


『これからにつながるゲーム』

「普段出られてない選手たちにアピールして欲しい。チャンスを与えてみたいと思います」
 11日の香川OG戦直後、2日後に控えたオリックス二軍戦について話を聞いたとき、堀江賢治監督はこう語っている。
 スターティングメンバーの顔ぶれこそ前回のメンバーと然程変わらなかったものの、二塁手の國信貴裕(27歳)を早々に下げ、3回裏の守備から練習生の乙守洋介を投入している。守備で再三の好守を見せており、ネット裏のスカウト陣からも「うまい!」と賞賛の声が上がっていた。九番・右翼手で先発出場した輝(河原輝、)に鋭い当たりが戻り始めるなど、レギュラー獲り、または選手契約を勝ち取りたい選手たちの積極的なアピールが見られた。
 素晴らしかったのは一、二番コンビである。
「変な緊張感もなく、リラックスしてやれました」
 試合後、そう話した一番DH・神谷厚毅(24歳)が、初回に右翼手の頭上をライナーで越える二塁打を放つ。その後も右直、遊撃直と鋭い当たりを連発していた。
 二番・右翼手として出場した関口大志(22歳)は、試合前のフリー打撃後に元近鉄でオリックスのスカウト、内匠政博氏から打撃についてアドバイスを受けている。
「『下半身を意識して』って言ってもらいました。試合のなかでも意識したんですけど、すぐに結果が出せて良かったです。普段通りのことができたと思います。リーグ戦で結果が出てないので、結果出したいですね」
 初回、鋭い打球を右前に運ぶと、神谷が二塁から一気に本塁生還を果たす。たった4球での先制点は見事という他ない。3打数2安打2盗塁、さらに守備でもノーカットの本塁送球で二塁走者の本塁生還を阻止するなど、走攻守すべてで光るところを見せた。
 4人の投手陣が合計8失点、チャンスの場面に主軸が機能していないなど、まだまだ課題なり修正が必要な部分はたくさんある。最終回に相手投手の自滅がなければ、2対8で終っている試合だったかもしれない。
 しかし、勝負や点差以上に「若い選手が経験を得た」、「何を修正しなくてはいけないかが明確になった」という意味では、決してムダではなく、これからにつながるゲームであったことは間違いない。




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2010/04/14(Wed)

「足ひっぱってます」

四国・九州アイランドリーグ2010 前期公式戦
2010.4.11. 香川オリーブガイナーズ 9‐2 徳島インディゴソックス 2回戦 <サーパススタジアム> 観衆1,136人

徳島IS 000 000 011| 2
香川OG 301 130 10×| 9

勝 高尾健太 2勝
敗 岩崎雄也 1敗

バッテリー
徳島IS 岩崎、大川、光安 ‐ 山村
香川OG 高尾、西崎、深沢 ‐ 藤嶋、西森

本塁打
徳島IS
香川OG


 高松・サーパススタジアムで行われた今季最初のホームゲームを制し開幕2連勝と、香川OGが快調なスタートを切っている。昨日、両チーム併せて25安打の打撃戦を打ち勝った打線の勢いが初回から爆発した。
 香川OGは初回、徳島IS先発の左腕・岩崎雄也(22歳)から三番・智勝(近藤智勝、27歳)が左翼線への適時打で先制点を挙げる。四番・中村真崇(25歳)が中前打で続くと、五番・洋輔(28歳)も左翼線への2点適時打を放ち、クリーンナップの3連打で3点を先制した。
 3回裏にも1点を加えた香川OGは、4回裏途中からマウンドに登り制球の定まらない徳島IS二番手・大川学史(24歳)からさらに4点を奪う。前半5回を終って8点と、大量のリードを拡げた。
 7回裏には徳島ISの三番手・光安祐輝(24歳)から再び智勝が三遊間を破る適時打で9点目を挙げる。徳島ISは8、9回にようやく1点ずつを奪い返したが、試合をひっくり返すまでには至らなかった。
 香川OGが9対2で徳島ISを破り、開幕から無傷の3連勝を挙げた。同率首位の高知FDが破れたため、今季初の単独首位に立っている。


『「足ひっぱってます」』

 試合前、まだリラックスしている智勝(近藤智勝、27歳)に1つ確認しておきたいことがあった。実は津球場で行われた三重SAとの開幕戦直前に発熱があり、熱をなんとか下げて開幕戦に臨んでいる。あの試合、打席にまったくオーラが感じられなかった。
「今もですよ。足ひっぱってます」
 シーズンの入り方としては最悪なものとなっている。だが、過ぎてしまったことはしょうがない。あとから考えてみれば、開幕の三重SA戦から次の徳島IS戦まで6日空いたことは幸運とも言える。そこまで深刻にはならず、ある程度完全に復調する頃合いを自分のなかで決めている。開幕5戦目、この辺りでの完全復調を目指していた。
 体調はすでに戻っているものの、2試合を終えての打率は.100である。昨日8打席目にようやく初安打が出たが、10打数1安打と三番としての仕事ができているとは言えない。6回には無死二、三塁のチャンスにバント失敗で倒れている。本来の姿からは程遠かった。
 チームが連勝するなか、焦らず調子が上がってくるのを待とうとしながらも、やはりどこかに早く結果を求めようとする気持ちが出てき始めている。そんな想いが「足ひっぱってます」の一言に染み出ている。
 開幕3戦目、ようやくエンジンがかかる。初回一死二塁、最初の打席に左翼線への先制打を放つ。第2、第3打席には四球で出塁し、追加点のホームも踏んだ。第4打席、3連打と押せ押せの場面でファーストストライクを狙う。二塁手正面へのライナーに終ったが、打球は本来の鋭さを取り戻しつつあった。5度目の打席となった7回裏、スリーボールからの4球目に鋭く三遊間を破り、今日2打点目をたたき出している。3打数2安打2打点、智勝の今季開幕を感じさせるゲームとなった。
 好調なチームの波に乗りたい。そう思っていた。
「打つ方に気が回って、バントミスとかサインミスもありました。結果が欲しい気持ちもありましたけど、まだチームの流れに置いていかれてる。(チームが)『線』につながってるのに切ってしまったり。引っ張る立場だから、守備で見せないといけない。結果出して引っ張るのが一番いいんですけど、出てないときに姿で見せないと」
 気がつけば、野手で6年目のシーズンを迎えたのは智勝ただ1人である。チームリーダーの1人として、自分自身の成績以上に若い選手たちの目に映る自分の姿も気にする。ここはシーズン最初に迎えた踏ん張りどころだった。なんとか乗り越えたようだ。
「(チームの雰囲気は)徐々に柔らかくはなってきてるし、ほぐれてきたと思いますよ。でも細かいミスとか、プレーのなかでつながらなかった部分もある。勝つのも大事ですけど、メンタル面もそうだし、70何試合あるんで。先を見ながらしっかりと次の試合を積み重ねながらいけば、1つずつ勝ちにつながっていくと思います」
 勝っているからこれで良いのではない。ちゃんと選手それぞれのなかに芯になるものがなければ、すぐ崩れてしまう。しっかりチームに浸透させて行かなければならないことがまだまだある。それを植えつけるのもチームリーダーとしての仕事だ。
 主力メンバーの何人かに智勝の体調不良について聞いてみたのだが、誰も本人からはそれについて聞かされていなかったという。
 3試合を終え、智勝も帰って来た。「開幕おめでとう」と、笑って握手を交わした。




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2010/04/11(Sun)

2010.4.10. 高知FD 5-4 愛媛MP

2010.4.10. 四国・九州アイランドリーグ前期公式戦
高知ファイティングドッグス 5-4 愛媛マンダリンパイレーツ 1回戦 <高知市営球場>
コラム『初打席、初安打、初打点』は、『THE STADIUM』(http://thestadium.jp/)に掲載されています。




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2010/04/08(Thu)

「勝てたんでOKです」

四国・九州アイランドリーグ2010 前期公式戦
2010.4.4. 三重スリーアローズ 6‐8 香川オリーブガイナーズ 1回戦 <津球場公園内野球場> 観衆680人

香川OG 060 001 100| 8
三重SA 200 000 400| 6

勝 高尾健太 1勝
S 橋本亮馬 1S
敗 石原孝幸 1敗

バッテリー
香川OG 高尾、深沢、伊藤、、宇高、橋本 ‐ 西森、上ノ下
三重SA 石原、倉崎、大島 ‐ 北園、野田

本塁打
香川OG
三重SA


 香川OGの開幕戦はビジターでのデーゲーム、しかも今季は公式戦として扱われるJFBLとの初の交流戦で今季のスタートを切る。改装を終えた津球場での三重SAとの対戦に、左翼スタンドには香川OG応援団・ガイナマイツも駆けつけた。試合前セレモニーでは四国・九州IL・鍵山誠CEO、JFBL・壁矢慶一郎代表が共に握手を交わすなど、両リーグの新たなスタートとなる記念すべき一戦となった。
 開幕マウンドに登った香川OG・高尾健太(22歳)の立ち上がりを三重SA打線が捉える。先頭の桑島優(23歳)が左中間への二塁打で出塁すると、二死一、三塁とチャンスを拡げる。五番・二口慎也(24歳)の浅い左飛に突っ込んできた左翼手が落球する間に先制点を、続く六番・前田敬文(25歳)の二塁内野安打により追加点を挙げ、2点をリードした。
 だが2回表、香川OGはこの回先頭の四番・中村真崇(26歳)の大きな中飛に中堅手が打球を見失い(記録は二塁打)無死二塁のチャンスをつかむ。ここから香川OG打線が爆発した。無死満塁として七番・金井雄一郎(25歳)が三遊間を破る適時安打、さらに併殺崩れの間に三塁走者が還り同点に追い着くと、九番・西森将司(22歳)の二遊間への内野安打で逆転に成功する。この回、香川OGは打者11人、6安打の猛攻で6点を奪い、三重SA先発の石原孝幸(23歳)をKOした。
 香川OGは6回表にも八番・国本和俊(26歳)の右翼フェンス際への二塁打、一番・笠井要一(24歳)の中前適時打で1点を、7回表にも五番代打・三國慶太(23歳)の左中間を深々と破る二塁打、八番・国本の中前適時打で1点を加え、差を6点に開く。
 7回裏、6回からマウンドに登る香川OGの二番手・深沢和帆(26歳)に対し、三重SA打線が反撃を開始する。七番・石田善紀(21歳)、八番・北園伸哉(23歳)の連続安打のあと二死一、三塁として、二番・宮田良祐の一、二塁間へのゴロを一塁手がファンブルし1点を返した。さらに満塁へとチャンスを拡げると、代わった香川OGの三番手・伊藤秀範(27歳)から四番・美濃一平(20歳)が2点適時打となる右前安打、五番・二口の左前テキサス安打で1点を追加し、この回4点を奪い返した。
 しかし三重SAの反撃もここまで。8回を宇高直志(25歳)、9回をクローザー・橋本亮馬(27歳)が無失点に抑えた。前半の大量リードを守り抜いた香川OGが8対6で逃げ切り、開幕白星発進に成功している。


『「勝てたんでOKです」』

 三重SAのシートノックをダグアウト奥の通路から見ていた西田真二監督(香川OG)が、選手たちに聞こえるような声で言った。
「そんなにかわりゃあせん」
 チームとしての「経験値」で言えば、香川OGの方が圧倒的に高いに決まっている。三重SAは初めてのシーズンを戦うのであり、昨日公式戦初戦を終えたばかりのチームである。メンバーが入れ替わっているとはいえ、独立リーグ日本一を2度、リーグ制覇を3度経験している香川OGに対し、挑戦者としてぶつかってくることは分かり切っていた。
 だが香川OGもまた、相手は初めて対戦するチーム、初めて試合を行う球場、そして何よりも今年初めて迎える公式戦である。絶対に落としたくない開幕戦だからこそ、不確定な要素はいくつも含まれる。勝負事は何が起こるか分からない。西田監督の言葉の奥底には「絶対に楽観視するなよ」という本心があったのではないか。
 2年連続の開幕投手としてマウンドに登った高尾健太(22歳)は立ち上がりに2点を奪われつまずいたものの、味方の逆転のあと本来の調子を取り戻し、5回を2失点(自責0)で投げ終えた。
 この試合のマウンドに登る前にまず、チーム内の競争を勝ち抜いてきている。今季は練習生を含めれば投手陣が15人と多い。先発投手陣3本柱に加え、「ベンチに入るのは7、8人になる」(西田監督)と言われ続けてきた。オープン戦でアピールを続け、たった1人だけが立つことのできる開幕マウンドに登る。それがまず最初に越えなくてはならないハードルだったのである。
「今年は人数多いし、まずこの試合に投げられた。キャンプからしっかり走って、オープン戦でもケガせんと投げられたんで」
 4月4日のマウンドに登るための権利を手にしたあと、気になっていたのは実は当日のコンディション調整だった。バスは試合当日の早朝に出発する。冗談ではなく、本当に起きられるのか? 逆に言えば、ちゃんと寝られるか? そんな不安もあった。無事3時30分に目を覚まし、バスは4時40分に高松を出発している。しかし、本当に気になっていたのは、そのバス内で過ごす数時間のことだった。
「バスのなかって長いこと乗っとかないかんし、いろいろ痛くなったりするじゃないですか。首とか。姿勢もキツいですから」
 バスのなかは2人×2列のシートで、決して広々としているとまでは言えない。リクライニングを深く倒し込んでゆっくり寝られる訳でもない。もう長い移動を経験するのは4年目になるとはいえ、バス移動のあとで登らなくてはならない今季最初のマウンドは不安だらけだった。その上、開幕ゲームの特別な緊張も肩に圧し掛かってくる。バスが津球場に到着したのは約5時間後、9時30分のことだった。さらにその約5時間後、先発として最低限の仕事をクリアしてマウンドを降りた。
「勝てたんでOKです。そんなに調子がいいって感じじゃなかった。良かったのは真っ直ぐ。バッターが簡単に打ってくれたから。粘られたのはしんどかったですけど(3回表、二番・宮田に8球を投じ見逃し三振)。(自己評価は)70点くらいです。勝てたし、自責0やし」
 西田監督も「立ち上がりがあれやった(良くなかった)けど、4、5回から立ち直ってきた。まずまず」と一定の評価を与えている。高尾が勝ち星を挙げ、クローザーの橋本亮馬(27歳)が1つ目のセーブポイントを手にした。目標としていた白星発進に成功している。
 香川OGが12安打、三重SAが8安打と、一見打撃戦を制したかのように見えるが、違ったのは先発投手の出来である。そこはやはり香川OGに一日の長があった。
「野球はピッチャー。それに尽きます」
 西田監督がインタビューの最後を締めた一言である。




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2010/04/06(Tue)

涙と歓喜の開幕戦

2010.4.3. KAKUNO
サヨナラの歓喜のなか、エースが涙を流す
PHOTO BY Misato MORI

四国・九州アイランドリーグ2010 前期公式戦
2010.4.3. 徳島インディゴソックス 6×‐5 愛媛マンダリンパイレーツ 1回戦 <蔵本運動公園野球場> 観衆728人

愛媛MP 210 001 010| 5
 徳島IS 021 000 003×| 6

勝 片山正弘 1勝
敗 能登原将 1敗

バッテリー
愛媛MP 篠原、入野、能登原 ‐ 岡、松原
 徳島IS 角野、岩崎、片山 ‐ 河原

本塁打
愛媛MP 西村1号ソロ(1回、角野)
 徳島IS 大谷1号ソロ(3回、篠原)

 四国・九州アイランドリーグ2010年シーズンの開幕戦は佐世保とここ、徳島・蔵本でスタートする。春の風は強いが、球場の周りを覆っている桜の花びらが美しい。明るく華やかな雰囲気のなかで13時01分、今季最初のゲーム、徳島IS対愛媛MP戦のプレーボールが掛かった。
 05年のホーム開幕戦でも蔵本のマウンドに立っていた角野雅俊(27歳)が徳島ISの開幕投手としてマウンドに登った。だが、愛媛MP打線は序盤から角野に襲い掛かる。三番・西村悟(26歳)の左翼越えソロを含む4連打で2点を、続く2回表にも2日前に選手登録されたばかりの一番・秋山繁(22歳)が三遊間を破る適時安打を放ち、3点のリードを奪った。
 2回裏、徳島IS打線が反撃に出る。愛媛MP先発・篠原慎平(19歳)から先頭の五番・國信貴裕(27歳)が右中間への二塁打を放ち出塁すると、八番・東弘明(18歳)の右前テキサス安打などでこの回2点を返した。さらに3回裏、四番・大谷龍次(21歳)の左翼越えソロが飛び出し、序盤に同点に追い着く。
 前半を3対3の同点のまま終えたあとの6回表、愛媛MPはこの回先頭の五番・武田陽介(25歳)が左翼線への二塁打を放つ。一死三塁、七番・大津慎太郎(25歳)に対しフルカウントとなったところで角野が痛恨のボークを犯す。愛媛MPは労せずして勝ち越しの1点を挙げた。8回表にも大津の一塁強襲内野安打で1点を追加、2点のリードを持って最終回の守備に就いた。
 9回裏、徳島IS打線が最後の反撃を見せる。クローザーとしてマウンドに登った能登原将(24歳)から八番・斎藤雅俊(23歳)が四球を選ぶと、九番・猪澤海(21歳)の遊ゴロを遊撃手・金城直仁(25歳)がファンブルし、走者をためる。一死一、二塁として一番・神谷厚毅(24歳)の一、二塁間を破る右前安打の間に二塁から斉藤が生還。本塁でのクロスプレーで捕手がボールを見失っている間に三塁から猪澤も本塁突入に成功し、土壇場で同点に追い着いた。勢いに乗った徳島IS打線は、二死二塁から三番・白川大輔(21歳)が左翼線へライナー性の当たりを放つ。これを左翼手・増田康弘(23歳)が落球し、神谷がサヨナラのホームを踏んだ。
 6対5の劇的な逆転サヨナラ勝ちで徳島ISが愛媛MPを下し、開幕戦を見事勝利で飾った。徳島ISの開幕戦白星発進は6年目で初となる。


『涙と歓喜の開幕戦』

 たとえそれが何度目の経験であろうと、NPBではない地方の独立リーグであろうと、開幕戦は特別な空気のなかでの試合になる。ましてや先発投手にかかる緊張感とプレッシャーは、彼がもうこのリーグ全体でたった2人しか残っていない、リーグ創設年からの生え抜き投手であったとしても関係ないほど大きく、重い。
 試合開始の1時間半前、顔見知りの報道陣を見つけて、「凄いものをお見せしますから!」と強気に振舞ってみせていた徳島ISの先発投手・角野雅俊(27歳)にはまだ余裕があった。
「今はまだ大丈夫です。30分前になったら集中しますけど」
 今年、古巣である徳島ISへ3年振りに帰って来た。開幕までまだ20日以上前の3月半ばに行った取材※で、話を聞いた。こちらからの「当然、開幕戦マウンドは狙う訳で…」という至極当たり前の問いにこう答えている。
「4月3日が開幕って自分が知った日から、そこに合わせていくのがピッチャーとして当然の仕事やし、投げられるなら光栄なことなんで。インディゴソックスが初めて開幕戦で勝つっていうのは、自分がやりたいなとは思ってます」
 5年前、高松・オリーブスタジアム(当時)での開幕戦に敗れて以来、徳島ISはまだ開幕戦に白星を挙げたことが一度もない。
「ホーム開幕戦は1年目、自分で勝ってるんですよ、5月5日に。でも開幕戦は5年連続で勝ててない」
 福岡レッドワーブラーズに移籍するまで、徳島ISには3年間在籍した。その頃から続く不名誉な記録には、やはり忸怩たる想いがある。だからこそ、この開幕戦だけは絶対に勝ちたい。そんな想いを抱えていた。
 あれは香川オリーブガイナーズとのオープン戦を勝利して終えたあとの練習中である。蔵本球場の三塁側ダグアウト前を使って、投手陣が加藤博人コーチからのサイドノックを受けていた。右へ左へとゴロを転がされ、角野も大きな悲鳴を上げながらボールを追っていた。その様子を見ていた堀江賢治監督が呟く。
「角野とタケ(竹原俊介、26歳)がめちゃくちゃ練習するんでね。他のピッチャーがやらざるを得んのですよ。上の2人がそりゃやるもんやから…」
 投手陣の最年長、何よりもリーグ初年度からの経験を持つ投手として、言葉よりも態度で若い投手陣のお手本となっている。オープン戦最後の試合となった3月28日、鳴尾浜での阪神二軍戦で結果を出し(6回1失点、自責1、被安打3)、開幕投手に指名されている。自らの手でチームを白星発進させるためのお膳立ては整っていた。
 勝利で今シーズンのスタートを切りたいのは愛媛MPも同じだ。昨年まで角野と同じ福岡RWに在籍していた三番・西村悟(26歳)が初回、挨拶代わりとばかりに左翼へ本塁打をたたき込む。二死からクリーンナップの3連打で2点を奪うと、続く2回表にも1点を追加した。
 ストレートが高目に上ずってしまっている。ややボールが先行し、カウントを取りに行った甘い球を狙われた。二番・金城直仁(25歳)に死球を与えたところで、加藤コーチもたまらずマウンドへと駆け寄っている。
 だが、味方打線がすぐ同点に追い着いてくれた辺りから、徐々に本来の投球を取り戻し始める。3回以降を無失点で乗り切り、後半のスタートとなった6回表、先頭打者に二塁打を許したあと、一死三塁の場面で試合が動く。
 左打席に入った七番・大津慎太郎(25歳)が間合いを嫌って一度打席を外そうとした。フルカウントから仕切り直しとなったとき、角野のセットポジションが完全に静止せず、二塁塁審がボークを宣告する。三塁走者がゆっくりとホームベースを踏んだ。勝ち越しの1点は、角野のミスによる失点となってしまった。このあと8回に追加点を許し、5失点(自責4)でマウンドを降りている。
 徳島IS最後の攻撃となった9回裏一死、八番・途中出場の斎藤雅俊(23歳)が右打席に足を踏み入れる。オープン戦とは明らかに違っていた角野の心境は理解できた。角野だけを攻めることはできない。何が何でも出塁しなければ。そんな気持ちで投手と対峙している。
「カクさん、凄い緊張してたじゃないですか。どうなるんかな? とも思ったけど、あれだけ頑張ってるのに、僕らがなんとかせんと」
 2月から始まった練習のなかで、どれだけ角野が必死に取り組んでいたかを知っているのは投手陣や首脳陣だけではない。野手陣の胸のなかにも確かに、角野の頑張りをムダにするな! という想いがあった。6球粘ったあと、7球目に四球をもぎ取り、出塁を果たす。
 相手のミスから一塁側に傾いた流れは、一番・神谷厚毅(24歳)の2点適時安打を生み、さらに三番・白川大輔(21歳)のサヨナラ二塁打へと繋がっていった。二塁ベースを回ったところで白川がもみくちゃにされグラウンドに倒れ込んでいる。ヒーローへの祝福を終えたチームメイトたちが次に駆け寄ったのは角野のところだった。誰もが「カクさん! ナイスピッチ!」と言って声を掛けた。歓喜の輪のなかにいた森山一人コーチが声を上げる。
「みんな、角野見て! 泣いてるよ!」
 顔をくしゃくしゃにしている角野をチームメイトたちが取り囲む。加藤コーチが角野の右手を高々と挙げた。
「たとえ独立リーグだろうと、やっぱり開幕は緊張するからね。先発の軸になってもらわなきゃ困るピッチャーだし、しっかりゲームメイクしてくれた。そこは収穫だったし、チームにとっても勇気をもらえるピッチングだったと思う」(加藤コーチ)
 開幕マウンドだからこそ、普段の力が出せない。そこは十分に理解できる。しかし、悪いなりに試合を壊さず、粘りの投球を続けた。ボークのあと、二者連続に切って獲ってみせた三振も精神面の成長と言っていい。チームのために踏ん張った角野を加藤コーチは高く評価した。
 涙からいつもの笑顔に戻った角野が話してくれた。
「あんな情けないピッチングしてんのに、みんな白川に行くより僕のところに来てくれて。やっぱり身体が思ったように動かないし、これが開幕なんかなぁと思います。一番グッと来たのは斎藤のクロスプレー(9回裏、1点差に迫る4点目を奪う)でした。身体からぶつかっていってくれて。『ほんまに悔し涙から嬉し涙に代わることなんてあるんやなぁ』と思いました。泣いてる理由もみんな解ってくれてると思う」
 6年目でつかみ取った徳島ISの開幕戦白星は、記録上角野の1勝としては記録されない。だが、誰もがこの1勝をつかむまでのプロセスを知っている。
「いいチームですよ、ほんまに。去年の福岡もいいチームやと思ったけど、今年の徳島も」
 2010年のスタートは、涙と笑顔が混ざり合う劇的なスタートとなった。何かが始まりそうな春の予感がある。

※ 現在発売中の『あわわ』4月号に掲載



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2010/04/05(Mon)

2010シーズン、開幕

四国・九州アイランドリーグ2010シーズンが開幕しました。
今年も現場から情報を発信して行きたいと思います。

昨年に続きこのblog、並びにスポーツ総合サイト『The STADIUM』(http://thestadium.jp/)にて、試合内容、コラムなどをお伝えして参ります。

オープニングゲームとなった4月3日、徳島・蔵本での徳島IS対愛媛MP戦ですが、『The STADIUM』にコラムを掲載して戴いております。
同点のホームインを果たした猪澤海外野手(徳島IS)を採り上げました。
まずはこちらからどうぞ。

『THE STADIUM』 http://thestadium.jp/

2010.4.3. 徳島IS 6×‐5 愛媛MP <蔵本運動公園野球場>
コラム『次の塁へ!』

ご意見、ご感想などお待ちしております。
今シーズンもよろしくお願い致します。

高田博史



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