• プロフィール

    Hirofumi TAKATA

    Author:Hirofumi TAKATA
    スポーツライター。
    現在『週刊ベースボール』『Baseball Clinic』『熱中!野球部』『野球太郎』『ホームラン』等の各雑誌、スポーツ紙『デイリースポーツ』などにおいて、独立リーグ、高校野球を中心に取材、執筆活動を続けている。
    4月2日生まれ。A型。

  • FC2カウンター

  • FC2オンラインカウンター

    現在の閲覧者数:
  • COUNTER & RANKING

    FC2 Blog Ranking

    バナーをクリックお願いします。

    あと、拍手もよろしく。

  • カレンダー(月別)

    07 ≪│2009/08│≫ 09
    - - - - - - 1
    2 3 4 5 6 7 8
    9 10 11 12 13 14 15
    16 17 18 19 20 21 22
    23 24 25 26 27 28 29
    30 31 - - - - -
  • 検索フォーム

  • 天気予報


    -天気予報コム- -FC2-
  • メールフォーム

    名前:
    メール:
    件名:
    本文:

  • フリーエリア

  • ブログ内検索


--/--/--(--)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
Home | Category : スポンサー広告 |  Comment  |  Trackback
2009/08/29(Sat)

勇気と愛を込めて

四国・九州アイランドリーグ2009 後期公式戦
2009.8.23. 香川オリーブガイナーズ 0-2 徳島インディゴソックス <サーパススタジアム> 観衆723人

 徳島IS 000 001 001| 2
香川OG 000 000 000| 0

勝 ゲレロ 3勝2敗
S 竹原俊介 3勝1敗11S
敗 福田岳洋 8勝4敗

バッテリー
 徳島IS ゲレロ、竹原 ‐ 荒張
香川OG 福田、橋本 ‐ 西森

 ホームでの4連勝のあと、九州遠征で大きく星を落とした。引き分けを挟み5連敗中の徳島インディゴソックスが、香川オリーブガイナーズとの3連戦に挑む。試合は香川OG・福田岳洋と徳島IS・ゲレロとの投手戦になった。
 先頭打者に出塁を許さない福田に対し、ゲレロも140㌔を越えるストレートを連発し得点を与えない。香川OGは3回裏の無死一塁のチャンスを併殺で潰すと、4回裏の二死満塁のチャンスにも得点が奪えない苦しい展開が続いた。
 6回表、先頭の一番・山本健士が三遊間を破り出塁すると、二死二塁から四番・チョンが右前に適時安打を放ち、徳島ISが1点を先制した。さらに9回表にも代わった二番手・橋本亮馬から2本の安打で一死一、三塁のチャンスをつかむと、六番・永井豪がスクイズを決め、追加点を奪った。
 ゲレロは8回を無失点に抑える好投でマウンドをクローザー・竹原俊介に譲る。9回裏、一死一、二塁のピンチも乗り切り、徳島ISが香川OGを2対0の完封で下した。ゲレロが3勝目、竹原は11個目のセーブポイントを獲得している。
 この結果、順位は変わらないものの、徳島ISは4位・高知ファイティングドッグスとの差を3ゲームに縮め、香川OGは首位・長崎セインツとの差を1.5ゲームに拡げた。


『勇気と愛を込めて』

 ポイントになったのは4回裏の攻防である。
 香川OGがツーアウト満塁と、先制点のチャンスをつかんだ。バッターは前の打席でセンター後方への大きなフライを打っている八番・国本和俊(25歳)だ。マウンドに立つ徳島ISの先発・ゲレロ(22歳、ドミニカ共和国)がストレート1本で押しまくる。この打席で電光掲示板に表示されるスピードガンの数値は、すべて140㌔を越えた。その速球に対し、国本もファウルで粘る。カウントツーストライクツーボールのあと、さらに3球、バックネット方向にファウルボールが飛んだ。146㌔、146㌔、そして今日最速タイの147㌔に喰らいついた8球目が、ファウルチップとなってバックネットに突き刺さった。
 9球目、スピードガンが144㌔を表示したボールがライトへ方向へ上がった。決して悪い当たりではなかったが、余裕を持って下がったライト・山本健士(28歳)の頭上を越えることまではできない。三者残塁となり、香川OGは大きな得点のチャンスを逸している。
 このピンチに崩れることなく、しっかり投げ切ったことが勝利につながったと加藤博人コーチは話す。
「あそこでかわさずに真っ直ぐで打ち取ったのが大きい。いつものゲレロなら、フォアボールで押し出しとかになってるところをよく投げたよね」
 粘る国本に対し、根気良くストライクゾーンに投げ続けた。これ以降ヒットは6回裏、四番・智勝(近藤智勝、26歳)に右翼線へ持って行かれた二塁打1本しか打たれていない。奪った三振の数は6つ、四死球から自滅してしまうこともなかった。香川OG打線を散発4安打に抑え、8回を無失点のまま抑えの竹原俊介(25歳)に託してマウンドを降りている。九州遠征で喫した5連敗の悪い流れを止め、3連戦の頭を獲る大事な仕事をやってのけた。
 ヒーローインタビューで通訳を通し、三塁側の徳島ISファンにメッセージを送っている。
「勇気と愛を込めてピッチングした結果がこうなりました。自分をコントロールすることと、ボールをコントロールすることを重点に置いたピッチングの結果です」
 スピードはほとんど落ちなかった。最速となった147㌔は5度マークしている。
「147㌔はまだ目標の数字じゃない。そんなことで喜んでいられない」
 あの4回の攻防では、心のなかで『得点は入らない』と信じて投げ続けたのだそうだ。ストレートは確かに走っていた。生命線であるこのストレートを信じ、自信を持って投げ続けよう。マウンドの上で自分自身を励まし続けながら、心もコントロールしていたのだ。
「キツいのはキツいけど、まだまだ投げられるよ」
 風のない蒸し暑さのなかで投げた139球にもスタミナの心配はまったくなかった。
 勇気と愛は誰のために込めたの? と聞いてみた。
「チームのため、自分がもっとよくなるために。そのために課題を持って臨んだんだ」
 強い気持ちで手にした8回完封劇である。




※ 当blogに掲載している文章、写真の無断転用はすべて禁止します。
スポンサーサイト
Home | Category : 四国・九州アイランドリーグ2009 |  コメントアイコン Comment0  |  Trackback0
2009/08/27(Thu)

『手応え』、『それぞれのフィールドで』

四国・九州アイランドリーグ2009 NPB交流戦
2009.8.27. フューチャーズ 5-4 四国・九州アイランドリーグ代表 <埼玉県営大宮野球場> 

IL 300 000 001| 4
F 000 002 03×| 5

勝 田中
S 三橋
敗 土田瑞起

バッテリー
IL 吉川、高尾、松居、土田 ‐ 飯田、西森
F 塚本、矢貫、西村、星野、西野、田中、三橋 ‐ 山本大、小山田

四国・九州IL代表選抜メンバー
左 YAMASHIN(高知FD)
ニ 西本(高知FD)
三 檜垣(愛媛MP)
右 末次(長崎S)
三 中村(福岡RW)
D 高田(愛媛MP)
中 増田(福岡RW)
遊 水口(長崎S)

本塁打
IL YAMASHINソロ(1回、塚本)

 四国・九州アイランドリーグ代表チームがフューチャーズに挑んだ第2戦は、場所を鎌ヶ谷から埼玉県営大宮球場に移して行われた。フューチャーズの先発は昨年晴れて東京ヤクルトへ育成入団を果たしたサブマリン・塚本浩二である。
 1回表、その塚本から一番・YAMASHIN(26歳、高知ファイティングドッグス)がスライダーを右翼スタンドへ叩き込む先頭打者本塁打を放つ。さらに四番・末次峰明(25歳、長崎セインツ)がバットを折りながら右前に適時テキサス安打、六番・高田泰輔(20歳、愛媛マンダリンパイレーツ)の左中間を抜く適時二塁打で3点を先制した。
 1、2回を吉川岳(23歳、高知FD)、3、4回を高尾健太(21歳、香川オリーブガイナーズ)が無得点に抑えると、5回裏の攻撃も三番手・松居伊貴(23歳、香川OG)が無得点に抑え、3点のリードを保って前半を終えた。
 しかし6回裏、フューチャーズ打線に松居が捕まり打者2人に連続安打を許す。さらに三番・籾山にも三遊間を破られると、この回から左翼手に入った増田康弘(22歳、福岡レッドワーブラーズ)が打球をファンブルする間に二塁走者が生還。さらに1点を追加され、リードは1点に縮まった。
 四国・九州IL打線は2回以降、フューチャーズ投手陣のこまめな継投の前にパーフェクトに抑えられ一向にチャンスを作ることができない。8回裏、7回からマウンドに登った土田瑞起(19歳、長崎S)が二番・山本和に左翼フェンス直撃の二塁打を浴びるなど、無死二、三塁のピンチに陥る。一死二、三塁としたあと、四番・佐藤の遊ゴロから三塁走者が三本間に挟まれたが、狭殺プレーの間に三塁手・中村真崇(25歳、福岡RW)が本塁に悪送球し走者2人が生還、逆転を許した。代わった四国・九州IL代表の五番手・竹原俊介(25歳、徳島インディゴソックス)も右前適時打を許し、逆に2点のビハインドを背負った。
 9回表、先頭の二番・西本泰承(23歳、高知FD)が右中間を破る三塁打で出塁すると、三番・代打荒張裕司(20歳、徳島IS)も左翼フェンス直撃の二塁打で続き1点を返した。さらに走者を溜め二死満塁と一打勝ち越しの場面に、八番・西森将司(21歳、香川OG)はフルカウントから外角低目のストレートを見逃し、三振に倒れた。フューチャーズの前に4対5とあと1点及ばず、今回の対戦成績を1勝1敗とした。
 代表チームは試合終了後に解散し、バスで羽田へ移動のあと、各チームの地元へとそれぞれ戻る予定。明日からの公式戦に備えることになる。


『手応え』

 試合開始直後、カウントワンストライクワンボールからの3球目である。真ん中から少し内角よりに入ってきたスライダーを叩いた打球がいい角度で舞い上がった。YAMASHIN(山本伸一、26歳、高知ファイティングドッグス)のひと振りは、両翼99mの高い外野フェンスを軽くオーバーして行く先頭打者ホームランとなった。
 昨年の関東遠征、2試合目の浦和球場でもやはり本塁打を放っている(08年7月28日、フューチャーズ戦第3打席、4回に右中間へソロ本塁打。投手黒滝(千葉ロッテ))。
「こっちの方が向きいいんですよ! 関東方面の球団でお願いします!」
 しっかりアピールしてみせた2試合となったが、YAMASHIN辺りになるとまったくNPBに対しても臆するところがない。四国・九州アイランドリーグの公式試合球が昨年まで使用していた物よりも質が良くなり、以前よりはかなり飛ぶようになった。しかし、NPBの試合球はさらに弾きがいい。昨日の打撃練習後にも、
「飛びすぎて…。勘違いしますわ」
 と苦笑いを見せていた。だから「伸び伸びバットを振れる」という部分もやはりあるのだろう。その結果が昨日、18安打を放っての大勝に繋がっている。
 しかし、今日は同じようには行かなかった。先発の塚本浩二が2回表をきっちり三者凡退で抑えると、以降8回まで5人のピッチャーの前に四国・九州IL打線はパーフェクトに抑え込まれた。
 森山良二監督(福岡RW)が試合後、
「昨日の大勝で、『絶対今日は負けられない!』ってところもあったでしょうしね」
 と語っていたが、その通りだろう。
「初回ホームランが出て良かったし、連打で点を獲ったのに残念です。8回の先頭バッター(土田瑞起(19歳、長崎S)が一番・仲澤にフォアボール)を出して、そのあとランダンプレーでミス。あれがいけなかった。9回もノーアウト2塁ですからね。同点にはしないといけない場面だった。でも「対等だ」って言うか、自分たちの方が劣ってないってことが解ってくれたと思います。僕は最初からそう言ってるんだけども」
 投手陣は5回まで無失点に抑えリードを守った。試合を分けたのは守備のミスである。6回裏に松居伊貴(23歳、香川OG)が浴びた3連打のあと、8回裏に土田が出したフォアボールと長打のあとに野手のエラーが絡んだ。これは大きな反省と言える。
 最終回の攻撃で大きな仕事をしてみせたのは、昨日も打撃で結果を出した2人である。先頭の西本泰承(高知FD)が右中間を破る三塁打でチャンスを作った。これが4度目の代表召集である。奈良産大時代にはNPBとの試合経験はなかった。これまでの交流戦にはやはりどこかに構えてしまうような気持ちがあった。
「今まで遠慮してたところがあったんですけど、その辺がなくなりました」
 そうはっきりと言い切っている。セカンド、ショートでのプレーで球際の強さも肩の強さも見せている。2試合で2つの盗塁も決めた。元々守備と足には定評のある選手だ。バッティングでのアピールは今後に大きく繋がる。
 ランナーを三塁に置いて打席に入ったのは代打、荒張裕司(20歳、徳島IS)である。捕手というポジションの都合上、今日は代打での出場となったが、ひと振りでレフトスタンドを直撃するタイムリーツーベースヒットを放ち、1点をもぎ取った。スライディングしたあと二塁ベース上で起き上がり、右手で小さく引くガッツポーズを見せていた。
「飛びますねぇ。昨日のも(日ハム鎌ヶ谷球場、第1打席にレフトフェンス上段直撃の二塁打)、蔵本で「ギリギリかなぁ…」くらいの打球であれですからね」
 2試合4打数3安打、二塁打2本の成績は、こちらも存在感を見せつけている。3度目の代表召集、昨日の試合が初スタメンマスクだった。今年の春、「代表に呼ばれて結果を出したいです」と語っていたその目標に1つの答えを出した。
 この遠征で大きな気持ちの変化もある。
「アイランドリーグでしっかりやっていってたら、NPBにも届くのかなっていう気持ちがまた強くなりました。多分やってることとか環境とかも、そんなに変わらないと思うんですよ。それがまた強くなりましたね」
 残した結果だけではない。心に刻んだ手応えと、はっきり見えた目標へのプロセスがある。
 1勝1敗の結果以上に大きなものを手土産にして関東遠征が終った。9月を迎え、NPBへのアピールもこれからいよいよ本格的になる。ドラフト会議まではあと63日である。


『それぞれのフィールドで』

 昨日の試合に小山田貴雄(元高知FD、東京ヤクルト育成)、白川大輔(元高知FD、千葉ロッテ育成)がスタメン出場し、今日のゲームには塚本浩二(元香川OG、東京ヤクルト育成)が先発投手としてマウンドに登った。小山田も白川も今日の試合に途中出場している。
 久し振りとなった古巣との対戦にはやはりそれぞれ思うところがある。高知FDに1年間と在籍期間が短かく、すでに卒業してから2年が経とうとしている白川は、
「知らない人が多くて。YAMASHINさんくらいしか知らないんです。レベルが上がってきたな、と思いました」
 と語っていた。
 途中からマスクを被った小山田は、高知FD時代の少し長かった髪から一変、きれいな丸刈りにしており、「ずっとこれなんです」と頭をなでながら相変わらずの人懐っこい笑顔を見せていた。昨年のフェニックス・リーグでは途中から帯同を外れたため、代表チームと対戦していない。彼もほぼ2年振りとなる古巣との対戦になった。
「懐かしかったですね。バッティングで結果出せなかったですけど、守備の方で変わったなって思ってもらえたと思う。やっぱり負けられないっスよね。でもやっぱ必死ですよね、向こうの方が。また僕も力もらったって言うか…。また頑張ります」
 去年まで同じ目標を持つ仲間たちと共に、オリーブカラーのユニフォームを着てマウンドに登っていた塚本浩二が、赤いユニフォーム姿でフューチャーズのマウンドに登った。背番号は「37」。香川OG時代と同じ番号を背負っていた。
 少し長く言葉を探したあと、今日の試合の感想をゆっくりと語り始めている。
「本当はここに来たくなかったんです…。今日はロッテと試合やってるんですけど(東京ヤクルト二軍はロッテ浦和球場で千葉ロッテとイースタン公式戦)、まだ上で結果も出してないんで。でも、これが今の自分の状態やし…」
 目標だったNPBに上がりながら、さらに上の壁を前にもがき苦しんでいる姿がある。
 四国・九州ILからNPBを目指す選手たち、NPBで一軍を目指す選手たち、きっと皆、想いは同じなのだろう。それぞれのフィールドで、それぞれの戦いは続いている。




※ 当blogに掲載している文章、写真の無断転用はすべて禁止します。
Home | Category : 四国・九州アイランドリーグ2009 |  コメントアイコン Comment0  |  Trackback0
2009/08/27(Thu)

「伊良部さんパワーです」

四国・九州アイランドリーグ2009 NPB交流戦
2009.8.23. フューチャーズ 5-14 四国・九州アイランドリーグ代表 <日ハム鎌ヶ谷> 

IL 031 141 004| 14
F 400 010 000| 5

勝 森辰夫(福岡RW)
敗 浅沼寿紀(日本ハム)

バッテリー
IL 秦、木下、浅沼、大抜、黒滝、藤原 ‐ 伊集院、山本大
F 酒井、森、西村、中田、浦川 ‐ 荒張、西森

四国・九州IL代表選抜メンバー
左 YAMASHIN(高知FD)
遊 西本(高知FD)
中 陽(福岡RW)
右 末次(長崎S)
三 中村(福岡RW)
捕 荒張(徳島IS)
D 檜垣(愛媛MP)
一 林(長崎S)
ニ 松井(長崎S)

本塁打
 F 斉藤彰(埼玉西武)3ラン(1回、酒井)、佐藤(千葉ロッテ)ソロ(5回、西村拓)

 四国・九州アイランドリーグ代表チームとしては昨年7月に続く2度目の関東遠征になる。対戦相手のフューチャーズには2年前まで高知ファイティングドッグスに籍を置き、NPB入りを果たした小山田貴雄捕手、白川大輔内野手の顔も見えた。
 先発としてマウンドに登った酒井大介(長崎セインツ)が制球に苦しむ。3つの四球を与え1点を失うと、六番・斉藤彰(巨人)に右越え3ランを浴び、いきなり4点をリードされた。
 しかし2回表、四国・九州IL代表は六番・荒張裕司(徳島インディゴソックス)が左翼フェンス上段を直撃する二塁打でチャンスを作ると、一番・YAMASHIN(高知FD)の適時右前打、二番・西本泰承(高知FD)の2点適時中前打で計3点を奪い1点差まで詰め寄る。3回表に七番・檜垣浩太(愛媛マンダリンパイレーツ)の大きな中犠飛で同点に追い着くと、4回裏、二番・西本の今日3本目となる投手の足元を抜いての適時中前安打で逆転に成功した。さらに5回表にも4点を叩き出し、リードを5点に拡げた。
 3回からマウンドに登った森辰夫(福岡レッドワーブラーズ)が2イニングを打者6人で抑える。5回裏、三番手・西村拓(福岡RW)が三番・佐藤(千葉ロッテ)に右越えソロを浴び1点を失ったが追加点は許さず、7回裏を中田卓宏(福岡RW)、8回裏から浦川大輔(愛媛MP)がきっちり無失点に抑えて見せた。
 四国・九州ILは6回表にも1点、9回表にもダメ押しとなる4点を挙げ、18安打の猛攻で14対5と大差でフューチャーズを下した。送りバントなしで7盗塁を成功させるなど、機動力と攻撃力を格上の相手に見せつける形となった。


『「伊良部さんパワーです」』

 6打数5安打7打点1盗塁の大活躍で猛烈なアピールを見せたのが西本泰承(高知FD)である。ショートの守備でも再三の好守を見せた。MVPを挙げるとすれば、今日の試合は文句なく彼である。
 試合後、顔を合わせると
「どーしちゃったんですかね?」
 と笑って見せた。
 8月23日のゲームを終えての打率は.276と、2割9分台をキープし続けていた7月の成績からは若干下がり気味である。愛媛MPとの4連戦、最初の2試合が行われた高知・宿毛で、あるアドバイスを受けたのだと言う。アドバイスしたのは伊良部秀輝(40歳)だった。
「スイングの軌道もバットの使い方も悪くないよ。ただ、左のヒザがテイクバックのときに1回外に開いてしまっている。それで上半身まで一旦肩が入ったあとに出て来るから開きが早くなる。ヒザをもう少し固めてみれば?」
 アドバイスは的確だった。実はヒザがブレるクセがあることには気付いていた。春にはしっかり左ヒザを止めることができていたのだが、夏場の下半身の疲れもあり、悪いクセが再発していたのだ。すぐにフォーム修正に取り組んでいる。
「宿毛でヒットは出ませんでしたけど(2試合8打席7打数1安打、1三塁打)、ずっと感触は良かったんです」
 いい状態で千葉に入り、最初の打席でいきなりセンターオーバーのスタンディングトリプル(三塁打)である。そこから5安打、「ホームランが出ればサイクルヒット!」というところまで来ていた。
「伊良部さんパワーです」
 今日のヒーローの笑顔が鎌ヶ谷で光っていた。


2009.8.26. in Kamagaya
試合前、両チームで記念撮影



※ 当blogに掲載している文章、写真の無断転用はすべて禁止します。
Home | Category : 四国・九州アイランドリーグ2009 |  コメントアイコン Comment0  |  Trackback0
2009/08/27(Thu)

「あと2勝できれば」

四国・九州アイランドリーグ2009 後期公式戦
2009.8.23. ダブルヘッダー第2試合 高知ファイティングドッグス 8-6 愛媛マンダリンパイレーツ <高知市営球場> 観衆1,207人

愛媛MP 000 000 213| 6
高知FD 000 040 40×| 8

勝 吉川岳 8勝5敗
敗 高木大輔 0勝5敗

バッテリー
愛媛MP 高木、能登原 ‐ 梶原、高橋、梶原
高知FD 吉川、山隈 ‐ 飯田、宮元

本塁打
愛媛MP 大島6号ソロ(8回、山隈)

 序盤は高知ファイティングドッグス・吉川岳、愛媛マンダリンパイレーツ・高木大輔の投手戦となった試合は5回裏、高知FD打線の猛攻で一気に流れが変わる。八番・飯田一弥の適時中越え二塁打、三番・梶田宙の2点適時打となる左中間への二塁打などで4点を叩き出した。
 6回まで愛媛MP打線を無安打に封じ込めた吉川だったが7回表、二死満塁から連打を浴び2点を失った。しかし7回裏、二番手・入野貴大を打ち崩した高知FD打線が再び4点を奪い愛媛MPを突き放した。愛媛MPも終盤、四番・大島慎伍の6号ソロ、五番・高田泰輔の2点適時右前打などで4点を奪い返すが逆転には至らなかった。
 8対6で高知FDが勝利し3連勝。吉川が自身最多となる8勝目を手にしている。愛媛MPは高知FDとの4連戦を2敗2分けで終え、連敗の数は「6」となった。


『「あと2勝できれば」』

「やっとここまで来た!」
 そんな想いが吉川岳(23歳、高知FD)のなかにはある。7回を投げ2失点、6回まで愛媛MP打線に1本のヒットも許さないピッチングを見せた。
 今日の先発にもしっかり課題を持って臨んでいる。課題は3つ、「最初の3回を乗り切る」、「相手より先に点をやらない」、そして「先頭バッターを出さない」である。課題の内2つまでは完璧にクリアした。あと1つについては今後にまた持ち越しである。
 5回表、先頭バッターをフォアボールで歩かせた。自分のミスは自分で返そうと、そこから2者連続三振を奪っている。だが、ここでハプニングがあった。八番・大津慎太郎を変化球で空振り三振に獲ったあと、キャッチャーの飯田一弥(23歳)が審判に対する暴言を吐き退場となった。急遽マスクを被ったのが宮元智博(23歳)である。本番のマウンド上であたふたとサインの確認を行っている。
「テンポ良く来てたのに、あれでテンポが変わって。(リードも)僕が考えて首振りまくって…」
 ツーアウト二塁のピンチはライト、オ・ムヨルのファインプレーでなんとか凌いだ。だが7回表、2者連続でヒットを浴びノーアウト一、三塁のピンチに陥る。ここから狙って三振を奪いに行く。七番・松原準(25歳)を低目の変化球で、八番・鈴木快(23歳)へは内角に食い込む変化球で見逃し三振に切って獲った。マウンドで吼えながら、闘志溢れるピッチングを見せている。
 最近、自分のピッチングが変わってきた。
「初球、真っ直ぐを通せるようにしてます。それで相手に打ち気があるのか、ないのかが解る。後期からカーブを使い出したんです。ワンランクアップのために。監督(定岡智秋監督)や佐伯さん(和司コーチ)から『カーブでカウントが取れれば楽になる』って言われて。しっかり腕振るようにしてます」
 8つの三振を奪い、今季の奪三振数は「98」に伸びた。チームメイトの野原慎二郎(25歳)を抜きリーグトップに躍り出ている。掲げた目標を実戦のなかでしっかり試し、結果に繋げる。安定感さえ見え始めた8勝目である。
 もう1つ、大事な目標が目の前にある。
「あと2勝できれば目標達成なんで」
 いや、2桁勝利の向こうには、もっと大きな目標も待っている。




※ 当blogに掲載している文章、写真の無断転用はすべて禁止します。
Home | Category : 四国・九州アイランドリーグ2009 |  コメントアイコン Comment0  |  Trackback0
2009/08/27(Thu)

元メジャーリーガー

四国・九州アイランドリーグ2009 後期公式戦
2009.8.23. ダブルヘッダー第1試合 高知ファイティングドッグス 4-4 愛媛マンダリンパイレーツ <高知市営球場> 観衆1,072人

愛媛MP 002 001 010| 4
高知FD 020 020 000| 4
※ 9回リーグ規定により引き分け

バッテリー
愛媛MP 篠原、川西 ‐ 梶原
高知FD 伊良部、ジョン、伊代野 ‐ 飯田

 注目の伊良部秀輝が高知ファイティングドッグスのユニフォームを着て高知市営球場のマウンドに登る。スタンドには朝から大勢の観客が押し寄せ、元メジャーリーガーのピッチングに熱い視線を送った。
 先制したのは高知ファイティングドッグスだった。2回裏、九番・今中尭大の適時右前打などで2点を奪う。しかし3回表、愛媛マンダリンパイレーツもすぐさま反撃を見せると、二番・後安一宏の適時右前打、四番・大島慎伍の左犠飛で2点を奪い返し同点に追い着いた。
 5回裏、愛媛MP先発・篠原慎平を捉えた高知FD打線は、四番・カラバイヨが左翼線への二塁打で2点を奪い勝ち越しに成功する。愛媛MPも6回裏、二死二塁から七番・梶原有司が適時中前打を放ち1点差に追いすがると、8回表には二番手・ジョンから1点を奪い、再び4対4の同点に追い着いた。
 9回は両チーム共に得点することができず、9回リーグ規定により引き分けとなった。


『元メジャーリーガー』

 当初予定されていた5回までを大きく延長し、伊良部秀輝(40歳)が投げたのは7回、117球である。インタビューブースではまだ試合が終わらない内に今日の登板についての囲み会見が行われている。
「100球以上投げられて満足しています。ヒット7本打たれて3点ならまぁまぁ良かった。納得のいくピッチングはできたと思います」
 強調していたのは「満足な投球だった」という部分である。公式戦最初のマウンド上で、このリーグの打者はどの程度のレベルなのか。この球場のマウンドの硬さはどうなのか。このリーグの審判のレベルはどうなのか。いろいろなものを探りながら注意深く投げていた。
「ゲームがひっくり返されるところで粘れましたから。よく投げられたと思います。緩急をうまく作ることができました」
 最速となった143㌔は7回表、三番・大津慎太郎(24歳)に投げた初球のストレート、この試合で109球目に投げた球である。九番・寺嶋祐介(23歳)、四番・大島慎伍(25歳)を共にフォークボールで空振り三振に切って獲ったこの7回が、おそらく全力を出したピッチングだろう。しかし牽制ミスやフィールディングミス、6回表にはボークを取られるなど、細かなミスも多く目立っている。
 対する愛媛MP打線は伊良部から7安打を放った。試合前の円陣のなかで檜垣浩太(25歳)がこんな風に仲間に声を掛けている。
「グラウンドに出たら伊良部も一緒や! 頑張って行きましょーよ!」
 その言葉通り元メジャーリーガーにまったく臆することなく、一番バッターとして打席に立った檜垣が一、二塁間を破るライト前ヒットを放った。
「そこまで(凄い)って感じでもなかったし、まだ合わせてるだけでしょ。かわしてかわしてって感じだったから」
 6回表に3点目となるタイムリーヒットを放った七番・梶原有司(24歳)も同じような感想を抱いていた。
「僕らがテレビで見てた伊良部さんとは違う。ただ変化球がきっちり低目に来るとか、インコースに真っ直ぐが来るとかはさすがだなぁと思いましたね」
 先発として投げ合った篠原慎平(19歳)は、伊良部から少しでも吸収できるものがあればと、三塁側からじっとピッチングを見つめていた。そこには常日頃自分が言われていることをマウンドで体現している伊良部の姿があった。
「僕って『全力投球!』って感じじゃないですか。『力一杯!』って感じでもないのにいいボールが行ってる。今年初めから言われてることなんですけど、フォームがしっかりしてるからいいボールが行くんですよね」
 20歳以上歳の違う偉大なピッチャーのピッチングに、自分の求める方向性が見えた。
 バッターであれ、ピッチャーであれ、この元メジャーリーガーとの思いがけない対戦には得るものが少なくない。伊良部が会見のなかで話していた。
「アイランドリーグのバッターはみんなアグレッシブで、いいスイングしてると思います」
 リップサービスなのかもしれない。次に対戦するチームは、果たして本気にさせることができるだろうか。




※ 当blogに掲載している文章、写真の無断転用はすべて禁止します。
Home | Category : 四国・九州アイランドリーグ2009 |  コメントアイコン Comment0  |  Trackback0
2009/08/25(Tue)

「こっちも意地があるんで…」

四国・九州アイランドリーグ2009 後期公式戦
2009.8.22. 高知ファイティングドッグス 5-1 愛媛マンダリンパイレーツ <宿毛球場> 観衆358人

愛媛MP 000 000 100| 1
高知FD 001 310 00×| 5

勝 野原慎二郎 11勝9敗
敗 近平省吾 7勝7敗

バッテリー
愛媛MP 近平、山下 ‐ 松原、高橋
高知FD 野原、ジョン ‐ 飯田

本塁打
高知FD YAMASHIN2号2ラン(4回、近平)、カラバイヨ14号ソロ(5回、近平)

 灼熱の宿毛シリーズ第2戦、愛媛マンダリンパイレーツは先発・近平省吾が捕まり、前半から5点のビハインドを追う展開となった。7回表、高知ファイティングドッグス先発・野原慎二郎から一死満塁のチャンスを掴むと、一番・檜垣浩太の遊ゴロ失策の間に1点を奪い返す。しかし追加点を奪うことができず、点差を詰められないまま1対5で敗れた。野原はハーラートップに並ぶ11勝目、近平は7敗目を喫した。
 この結果、高知FDは3位へ浮上し、首位・香川オリーブガイナーズまでの差を2ゲームに縮めている。愛媛MPは5連敗と、出口が見えない苦しい戦いが続いている。


『「こっちも意地があるんで…」』

 愛媛MPに5試合勝ち星のないなか、昨日のゲームは終盤に2点を奪い引き分けに持ち込んだ。チームの勢いがここでグッと上昇へと転じるのか、それともちょっとしたことで落ち込み、また泥沼のなかで停滞してしまうのか。そんな不安定な揺らぎの真っ只中にいる。
 良くない兆候は試合前に表れた。高知・宿毛は灼熱の炎天下である。打撃練習中、選手の1人が熱中症で倒れた。昨日の試合でのケガにより「100%で走れない」と欠場を申し出た選手もいる。これには指揮官も声を荒げ、大きく不快感をあらわにしている。悪い流れを断ち切って良い流れへと持って行きたいこの大事なときに、チームの歯車が少しずつまた狂い始めていた。
 1回、2回と2度ランナーをスコアリングポジションに送りながら得点が奪えない。さらに3回、4回とそれぞれダブルプレーでチャンスの芽をつぶすと、その裏に得点を奪われている。前半5回を終って得点は0-5である。
 7回表にようやくチャンスが訪れた。先頭バッターがフォアボールで歩いたことを皮切りに、2本のヒットでワンアウト満塁のチャンスを掴んだ。一番・檜垣浩太(25歳)の打った二遊間へのゴロをショート・西本泰承(23歳)が頭から飛び込んで止める。二塁のベースカバーに入ったセカンド・流大輔(20歳)にバックトスされたボールが少し横に逸れた。
 この1打で1点を返し、さらに満塁とチャンスが続く。打席に入ったのは二番・寺嶋祐介(23歳)である。初球、内角へのストレートにバットが出ない。次の瞬間、不意を突かれたセカンドランナーが牽制で刺された。ツーアウト一、三塁となり、さっきまでの押せ押せムードが逆に不穏な空気へと変わり始める。2球目、バットに当てただけの打球が二塁へのハーフライナーとなり流のグラブに収まった。7回表の攻撃が一瞬で終った。
 攻守交替が行われていたそのときである。ニ塁ベースからベンチへ向かっていた檜垣が、寺嶋を怒鳴りつけた。
「お前、なんで振らへんねん! コラーッ!」
 ヘルメットを脱ぎもせず、観客の目の前であることなど構いもせず、猛烈な勢いで怒りをぶつける檜垣の姿にグラウンドは一瞬凍りついている。
「点獲るの、あそこしかないじゃないですか。それをしょうもないバッティングするから…。バット止めるし、1球目見逃すし」
 バットを振り切っての凡打なら言わない。迷ったままの中途半端なバッティングで大きなチャンスを逃したことに我慢できない憤りがあった。この回奪った1点を最後に、追加点を奪うことのできないまま5連敗を喫している。
 試合後、寺嶋にも話を聞いた。
「大丈夫です。慣れてますから。言われる通りなんで…」
 光の見えないチーム状況が続くなか、勝ちたい気持ちが貪欲になっていくにつれ溜まる不満もある。結果を出したい気持ちが逆に身体を強張らせてしまい、普段のバッティングをできなくしてしまうこともある。しかしそれらを経験し、乗り越えて行くのがこの場なのだ。
 寺嶋も悪いプレーばかりではなかった。チャンスを潰したあとの7回裏、逆に高知FDがワンアウト満塁のチャンスを掴む。七番・西本が打った二遊間への強いゴロをセカンドの檜垣がダイブして止めた。トスを受けた寺嶋が二塁ベースを踏みながら、一塁へ送球してダブルプレーを完成させる。追加点はやらなかった。起き上がった檜垣と寺嶋がベンチに向けて駆け出しながら、グラブでハイタッチを交わしていた。
「こっちも意地があるんで…」
 あのダブルプレーについてコメントを求めると、一言そう答えた。




※ 当blogに掲載している文章、写真の無断転用はすべて禁止します。
Home | Category : 四国・九州アイランドリーグ2009 |  コメントアイコン Comment0  |  Trackback0
2009/08/22(Sat)

洞察力と折れたバット

四国・九州アイランドリーグ2009 後期公式戦
2009.8.21. 高知ファイティングドッグス 5-5 愛媛マンダリンパイレーツ <宿毛球場> 観衆283人

愛媛MP 201 000 020| 5
高知FD 310 000 100| 5
※ 9回リーグ規定により引き分け

バッテリー
愛媛MP 浦川、入野 ‐ 梶原、松原
高知FD 山中、山隈、伊代野 ‐ 飯田

本塁打
愛媛MP 大津6号2ラン(1回、山中)
高知FD 古卿2号3ラン(1回、浦川)

 高知ファイティングドッグスとのビジターゲーム4連戦の初戦、愛媛マンダリンパイレーツは灼熱の日差しのなか、敵地・宿毛球場に乗り込んだ。
 初回、三番・大津慎太郎が右翼スタンドに6号2ランを叩き込み、愛媛MPが2点を先制する。しかしその裏、高知FDも五番・古卿大知がライナーで左翼の防御ネットに突き刺さる2号3ランを放ち、すぐさま逆転に成功した。
 1点ずつを奪い合いながら終盤へと進んだ試合は7回裏、100球を越えた愛媛MP先発・浦川大輔から四番・カラバイヨが右中間を破る適時二塁打を放ち、差を2点に拡げる。
しかし8回表、この回からマウンドに登った高知FD二番手・山隈茂喜が一死二、三塁のピンチに陥る。さらに山隈に代わってマウンドに登った三番手・伊代野貴照が六番・長崎準平に2点適時打となる右前安打を許し、愛媛MPが同点に追い着いた。
 9回の攻防も両チームあと1点を奪うことができず、試合は5対5のまま9回リーグ規定により引き分けとなった。


『洞察力と折れたバット』

 高知FDのクローザー・伊代野貴照(28歳)が三塁側ブルペンでピッチングを始めている。愛媛MPのセンター・長崎準平(23歳)は、守備位置からその様子をチラチラと見ていた。
「8回くらいから伊代野さんが来るんだろうな、と思いながらブルペンの方を見てたんですよ。そしたら変化球がワンバウンドしたり、抜けてたりしてたんで」
 変化球の調子が良くなさそうだ。長崎の目にはそんな風に映っていた。
 2点ビハインドで迎えた8回表、愛媛MPがワンアウトニ、三塁のチャンスをつかんだところで高知FDベンチが動いた。伊代野が登場したのはここである。そして打席に入ったのは六番・長崎だった。
 伊代野と対戦する場合、キャッチャー・飯田一弥(23歳)の初球の配球はたいていスライダーから入る。だが今日に限っては、変化球から入るとはどうしても思えなかった。
「あれを見てたんで、『1球目、まっすぐで来るかな?』と思って。外よりをさぐりさぐりな感じで…」
 初球はアウトコース低目へのストレートだった。バットを折りながらも右方向に合わせ、ライト前へと打球が転がる。2人のランナーが一気に本塁生還を果たした。貴重な同点打となったヒットに繋がるヒントは意外なところにあった。決してたまたまではない。4年間の経験がさせた洞察力の賜物だ。
 最下位に転落し、チーム状態に暗い影が落ちるなか、自身のバットも決して良い状態とは言えない。5月の前半には一時3割に乗せていた打率も.255まで下がっている。打点は後期に入り、前期終了時の「23」からまだ1点も伸ばせていなかった。
 そんななか、毎日練習開始時刻である10時よりも1時間半前にグラウンドに現れ、バットを振り込む日々を続けている。
「後輩たちに見せつけて朝練やってます!」
 そう言って笑うが、「自分が引っ張らなければ」という強い意志の表れでもある。
「今日ウチ、進塁打いつもより打ってたでしょ? 送りバントも決まってたし。そういうのが出だすとチーム状態が上がってる証拠なんです。いつもなら7回裏で追加点獲られて、そのままダーッと行ってしまうパターンなんだけど、同点にできましたからね」
 スコアシートを見ながら、いかに試合のなかでチームバッティングが見え始めているかを語っていた。得点には繋がらなかったが、自らも4回裏に送りバントを決め、ノーアウト二塁の場面をチャンスメイクしている。5試合勝ちのない状況だが、打線復活の兆しは見え始めている。
「あ~、バット折れたぁ~…」
 ベンチを出る直前、殊勲となった折れたバットを手に持って見つめながら嘆いていた。そこへ大地アシスタントコーチが声を掛ける。
「バット折れて2打点ならいいだろ! 10本折れたら20打点だぜ!」
 明るさも戻り始めた。




※ 当blogに掲載している文章、写真の無断転用はすべて禁止します。
Home | Category : 四国・九州アイランドリーグ2009 |  コメントアイコン Comment0  |  Trackback0
2009/08/21(Fri)

プロのピッチャー

四国・九州アイランドリーグ2009 後期公式戦
2009.8.17. 徳島インディゴソックス 3-12 高知ファイティングドッグス <蔵本運動公園野球場> 観衆655人

高知FD 230 015 010| 12
徳島IS 010 000 002| 3

勝 野原慎二郎 10勝9敗
負 光安祐輝 5勝5敗

バッテリー
高知FD 野原、武田 ‐ 飯田、宮元
徳島IS 光安、片山、キム、弦本 ‐ 荒張

本塁打
高知FD カラバイヨ12号2ラン(1回、光安)

 4連勝と波に乗る徳島インディゴソックスが高知ファイティングドッグス相手に連勝でホーム5連戦を飾ることができるか? しかし、先発・光安祐輝が序盤から高知FD打線に捕まる苦しい展開となった。
 初回、四番・カラバイヨに左中間へ先制2ランを運ばれると、2回表にも八番・飯田一弥に2点適時中前打を浴びる。徳島ISはこの回3点を失い、5点のビハインドを背負った。
 2回裏に八番・白川勇輔の適時中前打で1点を返したが、高知FD先発・野原慎二郎の前に3回以降追加点が奪えない。逆に中盤以降、高知FDにリードを拡げられ、14安打、12得点を奪われる一方的な試合となった。9回裏に2点を返したが点差は埋まらず、3対12の大差で敗れている。野原が10勝目を挙げ、勝ち星を2桁に乗せた。
 この結果、高知FDは勝率を5割に戻し単独4位に。徳島ISは5位に順位を落とした。


『プロのピッチャー』

 高知FD打線に大量12得点を奪われ、徳島ISの5連勝はならなかった。徳島IS投手陣は試合後、蔵本球場のライトポールからレフトポールを外野フェンス沿いに走る、いわゆる『ポール走』を行っている。加藤博人コーチからの指示は「エンドレスで」である。
 まだ照明の残っているグラウンドを投手たちが次々と走る。その姿を加藤コーチが見つめていた。口を突いて出て来たのは、先発である光安祐輝(23歳)に対する叱責だった。初回、ツーアウトを取りながら三番・中平大輔(27歳)に長打を許し、続く四番・カラバイヨ(25歳)に左中間へツーランホームランを叩き込まれ2点を失った。2回表にも立て続けに3人に連打を浴び、24球でマウンドを降りている。
「先発があれだけ打たれるとね。カラバイヨに不用意にど真ん中真っ直ぐ行って…。その流れを引きずって次の回も入ってる訳でしょ」
 5点のビハインドから始まった序盤の展開は、どうしても先発投手の責任をとがめざるを得ない。不甲斐ないピッチングでチームの5連勝をフイにしてしまった。それを誰よりも重く、痛切に感じていたのは、他の誰でもなく当の光安自身である。
 投手陣のポール走は12本目を走り終えたところで終了が掛かった。一緒に走っていた投手陣はもちろん、その姿を見つめていた堀江賢治監督、加藤コーチ、森山一人コーチもすでに気がついている。
 光安が号泣していた。人目もはばからずに泣いていた。
 ストレッチを始めようとする仲間たちから離れ、独りセンター付近に向かって歩を進める。チームメイトにもう一度集合するよう促され、ライトのファウルライン辺りにできた輪のなかに戻った。やがて加藤コーチがその輪のなかに入り、選手たちに言葉を掛けた。
「長いシーズン、こういう試合もあるから。各自がやるべき責任、準備のことを。それと、もうこの世界に入ったら逃げられないんだ。マウンドはそこにあるんだからってことをね」
 NPBの大舞台を数多く経験してきた加藤コーチだからこそ言える。そんな重い言葉の1つ1つが鋭く胸に突き刺さる。プロのピッチャーとはそういうものなのだ。
 ミーティングが終り、投手陣がそれぞれダッグアウト裏へと引き上げた。一番最後までグラウンドに残っていたのは光安と投手リーダーである竹原俊介(25歳)である。2人だけでしばらく言葉を交わしていた。
 8月20日、佐世保での長崎セインツ戦の先発投手は、光安祐輝と発表された。


2009.8.17. 徳島IS 3-12 高知FD <蔵本運動公園野球場>
コラム『アイランドリーガーの戦い方』は、『THE STADIUM』(http://thestadium.jp/)に掲載されています。




※ 当blogに掲載している文章、写真の無断転用はすべて禁止します。
Home | Category : 四国・九州アイランドリーグ2009 |  コメントアイコン Comment0  |  Trackback0
2009/08/17(Mon)

いつもと同じ

四国・九州アイランドリーグ2009 後期公式戦
2009.8.16. 徳島インディゴソックス 4-2 高知ファイティングドッグス <蔵本運動公園野球場> 観衆1,050人

高知FD 000 000 110| 2
徳島IS 101 110 00×| 4

勝 ゲレロ 2勝1敗
S 竹原俊介 3勝1敗10S
負 ジョン 1勝4敗

バッテリー
高知FD ジョン、山中、山隈 ‐ 飯田、藤嶋
徳島IS ゲレロ、弦本、金子、竹原 ‐ 荒張

本塁打
徳島IS 菊永1号ソロ(4回、ジョン)

 愛媛マンダリンパイレーツから3連勝を挙げた徳島インディゴソックスが勢いに乗る。後期ここまで2敗1分けと分の悪い高知ファイティングドッグス戦に、初回から打線が火を噴いた。
 一番・山本健士、二番・神谷厚毅の連続安打から無死二、三塁とチャンスを拡げると、三番・斎藤雅俊が一、二塁間を破る適時安打を放ち先制点を挙げる。さらに3、4、5回と得点を重ね4点のリードを奪った。
 先発のゲレロは初回に3三振を奪うと、5回まで8奪三振の好投で高知FD打線を内野安打1本に封じ込める。6回から弦本悠希、8回から金子圭太がつなぎ、2点のリードを保ったまま9回表、ここまで3試合連続でセーブポイントを記録しているクローザー・竹原俊介へとつないだ。竹原は打者3人できっちり抑え、徳島ISが高知FDを4対2で下した。
 ゲレロが2勝目、竹原は10個目となるセーブポイントをマークしている。徳島ISは4連勝。借金を「1」とし、高知FDに並ぶ4位に浮上している。


『いつもと同じ』

 高知FD・定岡智秋監督が苦笑いを見せる。
「勢いの差やろね! ウチは昨日もほら、嫌な負け方しとったから…」
 先発のゲレロ(23歳)が5回をノーヒット、8奪三振の好投で高知FD打線を抑え込むと、味方打線が序盤からチャンスを作り得点を重ねた。徳島ISの首脳陣がずっとやりたかったのは、先に得点を奪ってこちらのペースに持ち込む、こういう戦い方だった。
 光るのはクローザー・竹原俊介(25歳)の好投である。堀江賢治監督も厚い信頼を置いている。
「タケに関してはチーム全体で信頼している部分が大きいですから。やられたらやられたでしょうがないと割り切っています」
 2点のリードをもらって登る9回表のマウンドで自分に言い聞かせていたのは、いつもと同じ「先頭バッターを出さないように」である。
「調子良くなくて、ブルペンでシンカーが全然だった。初めはシンカーを最後に放って決めようと思ってたんですけど。昨日(15日、愛媛マンダリンパイレーツ戦9回表、ノーアウトランナー一塁の場面から登板)もかわしかわしじゃなくて「行かないかん!」って真っ直ぐで行ったんで、今日も真っ直ぐで決めたかった」
 自分の調子に耳を傾けながら、シンカーでかわすのではなく思い切ってストレート中心のピッチングで攻めに出た。三番・梶田宙(26歳)をアウトコースへのストレートで空振り三振に獲ったあと、四番・カラバイヨ(25歳)を2球でツーストライクに追い込む。3球目、鋭いファウルチップがバックネットに突き刺さる。
「真っ直ぐで行って、結構ヤバかったんで。荒張(捕手、荒張裕司、20歳)に怒られました。『もっと低く!』って」
 ツーアウトランナーなしの場面、1発を喰らったとしてもまだ1点ある。カウントツーストライクツーボールからの6球目は、ボールの高さからさらに低く内角へ沈むシンカーだった。カラバイヨのバットが空を切ると、野手の方を振り返りマウンドに駆け寄って来る仲間たちとハイタッチで喜びを分かち合った。
 これで4試合連続となるセーブポイントを記録し、セーブ数を二桁にまで持って来た。防御率は0.75(36投球回)と抜群の安定感を見せている。チーム状態が最悪だった5月17日、佐世保での長崎セインツ戦、9回裏に根鈴雄次(36歳)に打たれた同点ホームラン以来、失点を許していない。
 チームも4連勝、だが1勝が決して簡単に手に入れられるものではないことは、これまで4年間の経験で身にしみている。
「基本的にこれまで勝ちが少なかったんで、1試合の重みって言うか、1試合も落とせない。ホームゲームだと声援もあるし、表で終れるんで。追い着かれても裏で同点もサヨナラもあるでしょ」
「オレに任せろ!」と気合十分でマウンドに向かうタイプではなく、先発投手が、中継ぎが、そして野手たちが頑張ってくれた試合の流れを引き継いで責任を果たそうとするタイプのピッチャーである。
 ホーム5連戦は明日が最後だ。連投の疲れも徐々に溜まってきている。連勝のプレッシャーも圧し掛かってくる。ここが踏ん張りどころになる。
「そうですね、明日もいつもと同じ準備して」
 汗で濡れた髪の毛が、蔵本球場の照明の下で煌いていた。




※ 当blogに掲載している文章、写真の無断転用はすべて禁止します。
Home | Category : 四国・九州アイランドリーグ2009 |  コメントアイコン Comment0  |  Trackback0
2009/08/16(Sun)

「そこへ投げろ!」

四国・九州アイランドリーグ2009 後期公式戦
2009.8.15. 徳島インディゴソックス 4-1 愛媛マンダリンパイレーツ <オロナミンC球場> 観衆630人

愛媛MP 000 000 010| 1
 徳島IS 000 130 00×| 4

勝 平野誠 5勝7敗1S
S 竹原俊介 3勝1敗9S
負 篠原慎平 2勝4敗1S

バッテリー
愛媛MP 篠原、山下 ‐ 梶原、高橋
 徳島IS 平野、竹原 ‐ 荒張

 連勝で順位を5位に上げた。しかしこの試合で愛媛マンダリンパイレーツに敗れれば、また順位が入れ替わる。後期に入ってからの成績は2勝2敗のタイである。勝ち越しと3連勝を賭け、徳島インディゴソックスが愛媛MPとのホーム3連戦最後の試合に挑んだ。
 徳島IS先発・平野誠は序盤から先頭打者を出塁させない丁寧な投球で愛媛MP打線を無失点に抑え込む。4回裏、先頭の四番・永井豪の中越えフェンス直撃二塁打でチャンスを作ると、相手バッテリーのミスにより先制点を挙げた。さらに5回裏、一死一、三塁の場面で二番・神谷厚毅が右翼線に2点適時三塁打を放つ。三番・斎藤雅俊も左前テキサス適時打で続き、リードを4点に拡げた。
 8回表に八番・梶原有司の中前適時打で1点を失ったが、9回表のピンチも竹原俊介との継投で逃げ切り4対1と、徳島ISが愛媛MPを3タテで下した。
 平野は5勝目、竹原が3試合連続となるセーブポイントを挙げ、セーブ数を「9」に伸ばしている。徳島ISは後期初の3連勝を達成し、ホーム5連戦が続くなか快進撃が続いている。


『「そこへ投げろ!」』

「みんなよく守ってくれたし点も獲ってくれたので、最後まで行きたかったんですけど。ピンチもいっぱいあった。3連勝できて良かったです」
 愛媛MP打線を7回まで無得点に封じ込める好投を見せた平野誠(23歳)がヒーローインタビューのマイクに笑顔で答える。ホーム5連戦のなか、愛媛MPとの3連戦に見事3タテを決め、一塁側スタンドからの大きな歓声に応えた。
 雨で登板の機会が流れ、公式記録に残るマウンドは7月19日、アグリあなんでの長崎セインツ戦以来である。8月1日、鳴門で行われた香川オリーブガイナーズ戦も、1回を投げ終えたあと雨でノーゲームとなってしまい記録が残っていない。
「1ヶ月ぐらい投げてないでしょ? そうそう、このときが悪かったんだよねー」
 加藤博人コーチが前々回の登板、7月12日の高知ファイティングドッグス戦(アグリあなんスタジアム、先発して2回5失点)のデータを見ながらそうつぶやいた。
 ここまでの1ヶ月間の練習では,しっかりと投げ込みを行っている。だが、調子が良くないことは本人が一番よく解っていた。悪いときのピッチングはとにかくストレートが高目に浮いてしまう。
 試合前のブルペンでアドバイスしたのは、「低目に丁寧に投げろ!」ではなかった。
「『そこへ投げろ!』って。『まっすぐはそこへ投げていいから』って言った。だけど、気をつけなきゃいけないのはフォーク。フォークが高目に浮かないように。そうすると逆に高いボールを利用できるでしょ」
 やや高いストレートを意識させておいて、逆に低目の変化球を振らせる。目の前にある欠点をやみくもに直そうとして本来の持ち味までも消してしまうのではなく、それはそれとして別の投球術に置き換えた。結果として8回1失点、先発投手として十分な仕事で後続にマウンドを繋いでいる。チームの3連勝の核となった大きな5勝目には、無四球のおまけもついた。
「波に乗っちゃうといいんだよ。その波に乗れるかどうかなんだよね。ピッチャーって感覚だから…」
 完全無欠な選手なんていない。ましてやまだまだ成長過程の独立リーグの選手である。チームが連勝の波に乗るなかで、平野もうまく波に乗った。それを支えたのは加藤コーチの一言である。




※ 当blogに掲載している文章、写真の無断転用はすべて禁止します。
Home | Category : 四国・九州アイランドリーグ2009 |  コメントアイコン Comment0  |  Trackback0
2009/08/15(Sat)

「オレがオレが」ではなく

四国・九州アイランドリーグ2009 後期公式戦
2009.8.13. 徳島インディゴソックス 2-1 愛媛マンダリンパイレーツ <オロナミンC球場> 観衆629人

愛媛MP 100 000 000| 1
 徳島IS 010 010 00×| 2

勝 大川学史 2勝7敗
S 竹原俊介 3勝1敗8S
負 近平省吾 7勝6敗

バッテリー
愛媛MP 近平、入野、能登原 ‐ 梶原
 徳島IS 大川、竹原 ‐ 荒張

 ホームでの5連戦最初のゲームで愛媛マンダリンパイレーツを下した。5位との差を0.5まで縮めた徳島インディゴソックスが鳴門・オロナミンC球場で連勝に挑んだ。
 初回、愛媛MPの四番・檜垣浩太に右翼線適時二塁打を浴び先制点を許した徳島IS先発・大川学史だったが、徐々に立ち直りを見せる。2回裏に味方打線が3連打で同点に追い着くと、7回まで愛媛MP打線をヒット2本に抑え込んだ。
 5回裏、二死二塁のチャンスに二番・神谷厚毅が一、二塁間を破る適時安打を放ち、勝ち越しの1点を奪う。8回表、四球と味方失策が絡み一死満塁のピンチを迎えたが、クローザー・竹原俊介との継投で無失点のままこのピンチを乗り切った。9回も竹原が打者3人で凌ぎ、2対1で徳島ISが勝利した。大川が2勝目、竹原が2試合連続となる8つ目のセーブポイントを獲得している。
 この結果、徳島ISが最下位を脱出し5位に浮上。愛媛MPが最下位となった。


『「オレがオレが」ではなく』

 1回表、ツーアウト一塁。四番・檜垣浩太(25歳)に投げたインコースへのカットボールが少し浮いた。鋭い打球が一塁線を破りライトの奥まで転がると、バックホームへの連係が少しもたつく。一塁ランナーが一気に三塁を回って本塁に駆け込み、愛媛MPがいきなりの先制点を挙げる。
 徳島ISの先発・大川学史(24歳)は逆にこの1点で平静を取り戻したと言う。
「調子は良くなかったです。最初に失点したからこそ『打たせて行こう』と思えた。切り替えたことで結果が付いて来ました」
 2回表を打者3人で凌ぐと、その裏の攻撃で味方打線が1点を奪い返してくれた。味方のエラーにより先頭バッターに出塁を許した3回表の守備も、2つの三振で切り抜けている。接戦となった試合は大川の好投が光るゲームとなった。
 開幕投手に指名されながら前期はたった1勝しかできていない。「フォアボールを出しちゃいけない」、「打たれちゃいけない」、「点を獲られちゃいけない」と、ガチガチになりながらマウンドに登り、腕が振れなくなっていた。戦っていた相手は目の前のバッターではなかったのである。
 最も大きく変わったのは、マウンドで落ち着きが出て来たことだ。
「後期に入って気持ちの余裕ができてきました。腕の使い方、フォームを少し変えたことでストレートもよくなってきました。安心感があるって言うか」
 ボールが活きてきたことで自分自身のピッチングに対する信頼感が生まれている。気負わずテンポ良く、低目を意識して投げていればいつか味方が点を獲ってくれる。「獲られちゃいけない!」ではなく、「1点くらい獲られてもいいや」と思えるような落ち着きが気持ちのなかにある。地に足が着いたピッチングができていると同時に、仲間に対する信頼感も厚くなっていた。野手の雰囲気は点を獲れないときのそれではない。
 4回、5回と愛媛MP打線を三者凡退に切って獲ると5回裏、二番・神谷厚毅(23歳)が粘りながら10球目をライト前に運び、勝ち越しの1点をもぎ取ってくれた。さらに6回、7回と4イニング連続で三者凡退に封じ込め、試合の流れを渡さなかった。8回表に訪れた大きなピンチも、クローザー・竹原俊介(26歳)との継投で乗り切っている。 
「最後まで余裕がありました。体力的にもまだありましたし。連戦のおかげでもらったチャンスだったんで、他のピッチャーもきっと活かしてくれると思います」
 試合後、大川の口から出て来たのは、勝利をものにした自分への喜びではなく、この厳しい夏の連戦を逆に活かして欲しい、きっとやってくれるはずだ、という仲間への期待だった。
「オレがオレが」ではなく、各自が与えられた責任をしっかりと果たす。投手陣だけではない。右方向への丁寧なバッティングで同点に追い着いた。得点にこそつながらなかったものの、6回裏には四番・永井豪(26歳)が確実な送りバントを決めている。最初の打席でタイムリーヒットを放ち、打率を.351まで上げた荒張裕司(20歳)もチームバッティングでランナーを三塁へと進めた。代打として打席に立った岡崎稔弘(19歳)もスリーバントをきっちりと成功させている。
 個人としてのアピールを積み重ねることが上への扉を開く。だが、勝つためにチームとして何をしなければならないのか。それが徹底できていることがこの連勝に繋がっているのではないか。勝つことでマイナスになることなど1つもない。
 徳島ISが5位に浮上し、遂に最下位脱出を果たした。大川がこうも言っていた。
「チームが若いんで。勢いに乗って勝っていけると思います」




※ 当blogに掲載している文章、写真の無断転用はすべて禁止します。
Home | Category : 四国・九州アイランドリーグ2009 |  コメントアイコン Comment0  |  Trackback0
2009/08/14(Fri)

魔のゾーン

四国・九州アイランドリーグ2009 後期公式戦
2009.8.13. 香川オリーブガイナーズ 0-4 高知ファイティングドッグス <サーパススタジアム> 観衆911人

高知FD 000 030 010| 4
香川OG 000 000 000| 0

勝 野原慎二郎 9勝9敗
S 伊代野貴照 0勝1敗5S
負 松居伊貴 5勝2敗

バッテリー
高知FD 野原、伊代野 ‐ 飯田
香川OG 高尾、杉尾、加藤 ‐ 西森、恩田

本塁打
高知FD 飯田2号ツーラン(5回、高尾)

 敵地・サーパススタジアムに乗り込んで戦う香川オリーブガイナーズとの3連戦初戦に、高知ファイティングドッグスはここまで8勝を挙げている勝ち頭・野原慎二郎を送り込んだ。初回こそ無死一、二塁のピンチに陥ったがこれを無失点で乗り切ると、2回以降香川OG打線にほとんどチャンスを与えない素晴らしい投球を見せる。序盤は香川OG先発・高尾健太との息を飲む投手戦となった。
 5回表、高知FDが九番・飯田一弥の左翼スタンドに突き刺さる2号ツーランで先制すると、さらに一死三塁のチャンスを掴み二番・西本泰承の左犠飛で3点目を奪う。8回表にも五番・古卿大知の内野安打に相手野手の失策が絡み4点目を挙げ、さらにリードを拡げた。
 8回を無失点で乗り切った野原に代わり、クローザー・伊代野貴照が9回裏も3人で切って獲った。見事な完封リレーで香川OGからの後期初勝利を挙げている。
 4連勝の快進撃で高知FDは2位に浮上し、首位・福岡RWとの差を0.5差まで詰めた。香川OGは逆に2位から3位へと転落している。


『魔のゾーン』

 高知FD先発・野原慎二郎(25歳)が香川OG打線にチャンスらしいチャンスを与えない。3回まで毎回、8回までで6つの三振を奪う好投を見せる。
 6つ奪った三振の内、6回裏に八番・吉森智一(23歳)に対しタテの変化球を振らせたもの以外はすべて見逃し三振である。高知FDバッテリーは1つの必勝パターンを掴んでいた。
 主審が外角のきわどいコースに対し、ストライクを取ってくれる。変化球でカウントを稼ぎ、最後はストレートを外角低目に決める。初回に三番・金井雄一郎(25歳)を、2回裏先頭の四番・智勝(近藤智勝、26歳)を連続三振に切って獲ったことで完全に味を占めた。最初から最後までライトからレフト方向へ吹き続けていた強い風も味方につけている。野原が言う。
「引っ張りの風だったんで、外角の球は(右に流されても)そんなに飛ばないだろうと。強い打球でもファーストくらいだったんで。外角にストライクさえ獲れれば、と思ってました」
 ストレート、変化球共に制球が良く、狙ったコースに決めることができた。コントロールの良いピッチングで8回を無失点で終え、9回をクローザー・伊代野貴照(28歳)へと繋いでいる。ここまで9つ奪った勝ち星のなかでも、満足度では1番と言って良いほどの勝利になった。
 高知FDバッテリーは「らしくない」香川OGの攻撃に気付いていた。これだけ右打者への外角の厳しいコースがストライクになっているのだ。少しホームベース寄りに立って外角を狙うとか、最低でもそのコースには手を出して消すとか、何かやってきてもいいはずだ。
 だが、香川OG打線に最後まで変化は見られなかった。捕手・飯田一弥(23歳)がしてやったりの顔をする。
「前のバッターもずっと(ストライクを)取ってんのに、何もやってこなかった。ずーっと一緒だったんで。野原さんと『魔のゾーン』やなぁって言ってたんですよ」
 バッテリーが見つけていた絶対安心な外角低目のストライクゾーン。それは確実にストライクが獲れること以上に、香川OG打線がそこを簡単に見逃してしまう『魔のゾーン』だったのである。




※ 当blogに掲載している文章、写真の無断転用はすべて禁止します。
Home | Category : 四国・九州アイランドリーグ2009 |  コメントアイコン Comment0  |  Trackback0
2009/08/14(Fri)

完投命令

四国・九州アイランドリーグ2009 後期公式戦
2009.8.8. 香川オリーブガイナーズ 3-8 福岡レッドワーブラーズ <サーパススタジアム> 観衆909人

福岡RW 004 300 001| 8
香川OG 200 000 100| 3

勝 徳永雄哉 7勝6敗
負 松居伊貴 5勝2敗

バッテリー
福岡RW 徳永、中田、角野 ‐ 翔
香川OG 松居 ‐ 西森、恩田

本塁打
福岡RW 大野1号ソロ(9回、松居)

 福岡レッドワーブラーズをホーム・サーパススタジアムに迎え4連戦の初戦を獲った。連勝したい香川オリーブガイナーズは初回に二番・金井塚渓太の左前適時安打、五番・チャン・チェンシェンの左中間を破る適時二塁打で2点を先制する。
 しかし、先発の左腕・松居伊貴が福岡RW打線に捕まった。3回表、同点にされたあとさらに五番・荒川大輔に左翼手の頭上を越える2点適時三塁打を浴び4点を失うと、4回にも3点を失いリードを5点に拡げられた。
 香川OGも7回裏、三番・金井雄一郎の遊ゴロ併殺打の間に1点を返したが、9回表、九番・大野武洋の右翼ポール直撃となる1号ソロで再び突き放され、3対8で敗れた。
 この結果、福岡RWは1試合で首位を奪還、香川OGは長崎セインツと同率で並ぶ2位に転落した。


『完投命令』

 球場を後にしようとしていた松居伊貴(23歳)が、疲労困憊といった虚ろな表情をして言った。
「116球? そんなもんですか。…もっと投げたと思ってました」
 捕まったのは3回表である。先頭バッターをヒットで出しワンアウト一、三塁のピンチを作ると、味方のエラーで1点を献上した。続けて自分のフィルダースチョイスで同点にすると、五番・荒川大輔(28歳)にレフトの頭上を越される逆転打を浴び、4点を失った。4回表にはさらに3点を奪われ、大きくリードを拡げられている。
 だが、ベンチは動かなかった。ピッチャー交代を告げることもなく、タイムを掛けてマウンドに集まることもなく、ひたすら続投を命じている。それだけではない。7失点のあと、ベンチに戻って来た松居に岡本克道コーチが命じたのは「完投」である。
「福田(岳洋、26歳)、松居、高尾(健太、21歳)は軸になるピッチャーなんです。打たれたから代えるほど甘くない。『お前が打たれたんだから、責任をもって終らせろ』と言いました。悪いなりにどう完投するか? それが今後に活きてくる」
 西田真二監督の意思もまったく同じだった。本当の試練はここから始まっている。
 5回表、再び荒川に初球をセンター前へ運ばれたものの、続くバッターをダブルプレーに獲り、この回を3人で終える。以降8回まで福岡RW打線を無得点に封じ込めた。7回と8回はきっちりと3人で抑えている。9回に九番・大野武洋(22歳)に一発を浴び8点目を失ったが、意地は見せたと言っていい。
「点差が開いてたし、8点も獲られたんで…。でも、完投できたっていうのは大きいです」
 5回以降のピッチングは悪くなかった、というこちらの問いかけに、そんな風に答えて球場を去っている。
 後期に入ってからずっと、不安を感じながらのマウンドが続いている。身体にキレがない。何かがおかしい。何度もそんな言葉を口にしていたのを耳にしている。
 8失点しながらも9回を投げ抜いたマウンドに、首脳陣が求めたものは何だったのか。岡本コーチは「これで良かったのだ」と思っている。
「今日完投させて良かったと思う。結果的に8点獲られて自分で感じたことはあると思うし、でも完投できたことは自信になったと思います。悪いなりに最後まで投げられましたから。どんだけオレたちがお前に期待しているか? ってことなんです」
 故障の長引いていた久代幸甫(23歳)が8月6日付けでチームを去り、残ったピッチャーは8人しかいない。決して投手陣の頭数に余裕などないのが現状だ。これから真夏の連戦も始まる。先発3本柱の1人として悩んでいる暇など無いのだ。
 屈辱のなかでの完投命令は、次への期待の裏返しだった。この完投で何かが変わるか? いや、絶対に変えなければいけないのである。




※ 当blogに掲載している文章、写真の無断転用はすべて禁止します。
Home | Category : 四国・九州アイランドリーグ2009 |  コメントアイコン Comment0  |  Trackback0
2009/08/08(Sat)

初出場!

四国・九州アイランドリーグ2009 後期公式戦
2009.8.7. 香川オリーブガイナーズ 2-1 福岡レッドワーブラーズ <サーパススタジアム> 観衆4,430人

福岡RW 000 000 100| 1
香川OG 002 000 00×| 2

勝 福田岳洋 5勝3敗
S 橋本亮馬 3勝1敗6S
負 森辰夫 9勝5敗

バッテリー
福岡RW 森、大澤、中田 ‐ 翔
香川OG 福田、橋本 ‐ 西森

 首位に立つ福岡レッドワーブラーズに対し2位に着ける香川オリーブガイナーズは、ホーム・サーパススタジアムでこから4連戦を戦う。久々となった香川でのホームゲームに、スタンドには今季最高の入りとなる4,430名の観客が押し寄せた。
 福岡RW・森辰夫、香川OG・福田岳洋の投げ合いとなった投手戦は3回裏、香川OGの九番・国本和俊が中前打で出塁し、一死一、三塁のチャンスをつかむ。二盗を狙った一塁走者を刺しにかかった捕手・翔の二塁送球が逸れる間に三塁から国本が生還。さらに一死三塁となったところで今日公式戦初出場となる金井塚渓太が一、二塁間を破る適時安打を放ち2点を先制した。
 福田の好投の前になかなか得点を奪えない福岡RWだったが7回表、六番・陽耀華が左中間を破る三塁打でチャンスメイクし1点を返した。しかし8回からマウンドに登ったクローザー・橋本亮馬の前に追加点を奪うことができず、香川OGが2対1で接戦をものにしている。福田が5勝目、橋本が6つ目のセーブポイントを挙げた。
 この結果、香川OGは長崎Sと同率ながら首位に立ち、福岡RWはゲーム差無しでの3位に転落している。


『初出場!』

 8月1日付けで金井塚渓太(24歳)が練習生から選手として正式に登録された。これで公式戦への出場が可能になる。そのベンチ入りした最初の試合で、いきなりスタメンに自分の名前が上がっている。
「まさか出ると思ってなかったですから。出たとしても多分、代打か何かだろうなと思ってました」
 二番・セカンドとしての先発出場に、気持ちは明らかに昂っていた。自分自身それに気付いたのは、試合前のシートノックのときである。
「ファーストに2本、ゲッツーを2本、2本目のあとにボール回しがあるんですけど、忘れてて…」
 セカンドからショート、ショートからファーストへとボールが送られたあと、そのまま続けて内野手の間でボールを回す。それを忘れてしまい、飛んできたボールに一瞬肝を冷やした。約束事を忘れてしまっていたことで、自分が普段の精神状態ではなくなっていることに気付く。
 プレイボール直後の第1球、福岡RWの一番・國信貴裕(26歳)が初球を叩き、セカンドへのゴロが転がった。これを慎重に捌き一塁へ送る。このワンアウトを獲ったことでようやく気持ちが落ち着いた。
 名門・駒澤大を卒業したあと、野球から離れていた時期がある。去年のことだ。真剣な野球はもういいと思っていた。そんなある日、懐かしい声が電話から聞こえた。駒澤大の寮で同部屋だったかつての後輩、酒井大介(長崎セインツ、22歳)だった。
「そんな草野球とかやってるんならアイランドリーグのトライアウト、受けてみて下さいよ!」
 くすぶっていたものは心の隅にまだ残っていた。昨年10月、合同トライアウトに挑戦し、福岡での2次試験にまで残っている。ピックアップされた3名には残ったが、即選手契約という訳にはいかず、勝呂壽統コーチ(当時、現巨人二軍コーチ)に「練習生としてどうか?」と声を掛けられている。香川OGでの下積み生活はそこから始まっている。
 シーズンが始まってからも、試合中は放送室での裏方の仕事に携わっていた。
「裏から観てると『なんでだよ!』ってプレー結構あるじゃないですか! でも、いざ自分がグラウンドに出てみると、全然違いましたね…」
 4,430名の観衆がスタンドを埋めている目の前でプレーするということがどういうものか、想像していたものとは明らかに違う大きなプレッシャーを感じている。
 しかし、結果は出た。3回裏、相手のミスで1点を先制し、なおもワンアウト三塁の場面、3球目のストレートをライト前へ運ぶタイムリーヒットを放つ。僅差で逃げ切った勝利のあと、ヒーローインタビューに登場したのは初出場での初ヒットが決勝点となるタイムリーヒットとなった金井塚である。久々に行われたホームゲームを勝利で飾り、喜びを爆発させている一塁側スタンドから大きな「金井塚!金井塚!」のコールが飛んだ。
 西田真二監督が言った。
「これで金井塚もチームの一員になれた」
 4連戦が2度続くホームゲーム8連戦、その最初のゲームに登場した新たな力が今日のヒーローになった。高知でのゲームで酒井がハーラーダービー単独トップとなる10勝目を挙げている。彼との対戦が実現するのもそう遠くはないはずだ。金井塚の挑戦は、今ようやく始まったばかりである。




※ 当blogに掲載している文章、写真の無断転用はすべて禁止します。
Home | Category : 四国・九州アイランドリーグ2009 |  コメントアイコン Comment0  |  Trackback0
2009/08/02(Sun)

降雨ノーゲーム

四国・九州アイランドリーグ2009 後期公式戦
2009.8.1. 徳島インディゴソックス 降雨ノーゲーム 香川オリーブガイナーズ <オロナミンC球場> 観衆 いっぱい入ったのにね…。

香川OG 1
 徳島IS 4×

バッテリー
香川OG 松居 ‐ 西森
徳島IS 平野 ‐ 荒張

 昨日のダブルヘッダーにおいて、徳島インディゴソックスは香川オリーブガイナーズから逆転サヨナラ勝ちを含む2タテで後期初の連勝を決めている。この結果、香川OGは首位から一気に3位に転落した。3連勝したい徳島ISと、悪い流れをここで断ち切り、この4連戦をタイで終わりたい香川OGとの試合は、時折強い雨が降る曇り空の鳴門・オロナミンC球場で行われた。
 1回表、香川OGの一番・洋輔が、徳島IS先発・平野誠のストレートを左翼スタンドに叩き込む先頭打者本塁打で試合が幕を開ける。1点をもらった香川OGの先発左腕・松居伊貴だったが、一番・山本健士に中前打を許すと、二番・神谷厚毅がバスターエンドランを決め無死一、二塁のピンチを迎える。三番・ハラムを歩かせ満塁とすると、四番・斎藤雅俊の打った二塁へのゴロを二塁手・国本和俊が二塁へ悪送球し二者が生還。逆転を許した。一死二、三塁から六番・チョンの打球は左前に落ちる適時安打となり、三塁からハラムが生還。続く七番・猪澤海が左犠飛を放ち徳島ISが4点目を挙げたところで強い雨が降り出し、試合は14時24分、一時中断となった。
 天候の回復を待ったが回復しそうになく、グラウンドコンディションも使用不可能な状態にまで水が浮き始めため、15時7分、降雨によるノーゲームが宣告された。


監督、選手コメント

香川OG・西田真二監督
「富山とのチャンピオンシップ(08年)を思い出したよ! 守りのミスも出て、切り替える意味でもいいでしょう。ま、『雨降って地固まる』で。向こう、やりたいって言ってた? ウチもやりたかったよ」

4号本塁打が幻の一発となった香川OG・洋輔外野手
「(ホームランは)真ん中でした。一番として自分に求められてるものが笠井(要一)とは違うと思う。無死二塁にするとか。最近、点を獲られるリズムが悪い。松居も(最初の)入り、良くなかったし…」

香川OG先発・松居伊貴
「最近良くないです。(スコアシートを見ながら)(一番・山本)ここは打ち取ったようなもの、(二番・神谷)ここはヒットでしたけど。(三番・ハラムに四球)ここが良くない。追い込んでからだし、最後ストレートが外れて…。身体もキレが悪い。良くないです」

香川OG・国本和俊内野手
「(ショートへの悪送球は)指が引っ掛かって。僕の責任です」

徳島IS・堀江賢治監督
「1点を獲られてもベンチの雰囲気は悪くなかったです。打ち返せる雰囲気が凄いありました。相手のミスを点につなげてきっちり獲ってくれた」
 昨日の連勝の良い流れがあったように感じましたが?
「感じます! 技術面だけじゃなく、アップ1つ見ても違ってきてる。取り組む態度だとか、声が凄く出てます」
 明日は前回敗れた長崎セインツとの対戦になります。
「いい左打者が多い。ウチはこのまま。今日は右バッターを並べたんですけど、荒張とか白川とかいいバッターが多いんで」
 やはりそのなかでも山本健士内野手の好調振りが目立ちます。
「はい、タケシはウチの核弾頭として。やってくれると思います」

徳島IS先発・平野誠投手
「(ホームランは)ちょっと簡単に行きすぎました。やりたかったのはやりたかったですけど、(中断で)時間も空いてたし…」


2009.8.2. 徳島IS 3-3 長崎S <オロナミンC球場>
コラム『「去年の僕なら獲れてない」』は、『THE STADIUM』(http://thestadium.jp/)に掲載されています。




※ 当blogに掲載している文章、写真の無断転用はすべて禁止します。
Home | Category : 四国・九州アイランドリーグ2009 |  コメントアイコン Comment0  |  Trackback0
2009/08/01(Sat)

「気持ちを強く持って」

四国・九州アイランドリーグ2009 後期公式戦
2009.7.31. 愛媛マンダリンパイレーツ 0-7 長崎セインツ <西条市東予運動公園> 観衆608人

 長崎S 012 002 011| 7
愛媛MP 000 000 000| 0

勝 酒井大介 9勝4敗
負 近平省吾 6勝5敗

バッテリー
 長崎S 近平、川西、篠原 ‐ 梶原、高橋
愛媛MP 酒井 ‐ 吉川

本塁打
長崎S 末次11号2ラン(3回、近平)

 愛媛マンダリンパイレーツとのビジター3連戦に黒星スタートとなった長崎セインツは、第2戦の先発マウンドにエース・酒井大介を送る。初回、二死満塁のピンチを無失点で切り抜けると、2回表すぐさま反撃に出た。
 愛媛MP先発・近平省吾から九番・吉川公史郎がバットを折りながらの三遊間を破る適時安打で先制すると、3回表、四番・末次峰明の右翼場外に消える特大の11号2ラン本塁打でさらに点差を拡げる。愛媛MP打線にほとんどチャンスらしいチャンスを与えないまま酒井がスコアボードに「0」を重ねると、打線もこれに応えた。6回表には六番・根鈴雄次の右中間を破る適時二塁打などで2点を、8回、9回にも1点ずつを重ね、7点の大量リードを築く。最終回、一死二、三塁のピンチも無失点のまま乗り切り、酒井が今季2度目となる完封勝利でハーラー単独トップとなる9勝目を挙げた。
 長崎Sは順位を1つ上げ2位に浮上。逆に愛媛MPは順位を1つ下げ、5位に転落している。


『「気持ちを強く持って」』

 今季の初めから何度かマスコミで採り上げられている話題だが、実は今シーズンからリーグ使用球が変わった。昨年まで使用されていたボールよりも反発力があり、「よく伸びる」という話は、選手たちが実際に使用しての感想としてもたくさん耳にしてきた。コスト面だけを見ても、昨年までのものと比べて単純に倍以上違う。
 だが誤解して欲しくないのは、特別に飛ぶボールを使用しているのではないということである。あくまでこれまでのボールがあまりにも飛ばなさすぎたのであり、「高校、大学の試合球と同レベルまでボールの質が上がった」と考えてもらえれば分かり易い。
 試合球の変更は数字にきっちりと表れている。もちろん技術の向上が大きいのだが、昨年までの成績と比べれば、全体的に本塁打が多く生まれており、リーグ全体ではすでに124本(7月30日終了時)の本塁打が飛び出している。
 そしてピッチャーにとっては、これまでよりも抑えることが難しくなっているということが言える。完封勝利を挙げているピッチャーは5名。しかし今季、まだ2つ目の完封勝利を手にしたピッチャーは誰もいない。
 長崎Sの先発・酒井大介(22歳)もその5人の内の1人である。初回にヒットと味方のミスが重なり、さらにフォアボールでツーアウト満塁のピンチを迎えたものの、次のバッターをライトフライに打ち取って最初のピンチを凌いだ。ここからスコアボードに「0」が並ぶ快進撃が始まる。
 3回裏に先頭の一番・大島慎伍(25歳)に今日2本目となるレフト前ヒットで出塁を許したが、すぐに一塁牽制で刺し、ピンチの芽を自ら摘み取った。4回以降7回まで三者凡退の山を築き、愛媛MPにチャンスらしいチャンスを与えていない。
「酒井さんすげぇ! 3分だよ!」
 あまりのテンポの良さに、記者席でデータを収集していた愛媛MPの若手選手までがそんな声を挙げていた。たった3球で打者3人を仕留めた7回裏のピッチングには、3分さえもかかっていない。
「序盤に3点獲ってリードしてくれたんで楽に投げられました。ランナー出してからも落ち着いて投げられましたね。今日はもう気持ちを強く持って、吉川さん(捕手・吉川公史郎、24歳)がバンバンリードしてくれて、ホントに気持ち良く投げられました。序盤、アウトコースに投げたのが少し中に入ってしまって、後安(二番・後安一宏、19歳)や長崎さん(三番・長崎準平、23歳)にライト前に弾かれたんで、吉川さんと「内も入れて行きましょう」って話して、初球の外から入るのはやめよう、内に真っ直ぐとか内に変化球でとか、外でもボールから入るとかにしました」
 本番途中での細かい制球面の修正もうまく行った。良かったのは何と言ってもストレートである。実は後期に入る前に谷口功一コーチと「これから」についての意思確認をしている。そこでポイントになったのはストレートへの意識だった。
「後期に入る前、谷口コーチから『1回切り替えて』って言われて、『夏場キツいのはみんな一緒でキツいんだから、ここで初心に戻ってストレートに力を入れよう。そのためにしっかり走り込もう』って言われました。よく走ってます。走り込んでるのはピッチングに繋がってると思いますね」
 前期優勝争いの緊張感のなかで勝てなかった6月を乗り越え、後期に入ってからこれで3戦3勝である。「最終回、ワンアウトを獲ってから完封を意識した」と心情を吐露したが、最後に向かえたワンアウトニ、三塁のピンチにも動じることなく、見事今季2度目の完封勝利を手にした。
 これで9勝目、ハーラーダービー単独トップに躍り出た。そこはやはり気になっていたのだろう。
「野原さん、どうなりましたか!」
 と、同じ8勝を挙げ、勝ち星で並んでいた野原慎二郎(高知FD、24歳)の試合結果を逆にこちらに尋ねてきた。
 キャッチャーの吉川も、
「今日は楽でしたね。今年一番のピッチングじゃないかな」
 と笑顔を見せている。やっぱりストレートが良かったの? と聞いた。
「いや、ストレートとかって言うよりも、ボールよりも気持ちが入ってましたね。聞こえてました? 普段あんなマウンドで「よっしゃーッ!」とかって声出すヤツじゃないのに、叫んでたじゃないですか! やっぱり昨日あんな試合したから気合い入ってたんじゃないですかね」
 前日、愛媛MP打線に初回から6点を奪われ、3連戦の初戦を落としている。自分が先発して連敗など、絶対にさせたくない。冷静にコントロールしながら投げたボールには、燃えるような闘志が込められていた。
 口にした「気持ちを強く持って」とは、そういう意味だった。




※ 当blogに掲載している文章、写真の無断転用はすべて禁止します。
Home | Category : 四国・九州アイランドリーグ2009 |  コメントアイコン Comment0  |  Trackback0
Home Home | Top Top
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。