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    Hirofumi TAKATA

    Author:Hirofumi TAKATA
    スポーツライター。
    現在『週刊ベースボール』『Baseball Clinic』『熱中!野球部』『野球太郎』『ホームラン』等の各雑誌、スポーツ紙『デイリースポーツ』などにおいて、独立リーグ、高校野球を中心に取材、執筆活動を続けている。
    4月2日生まれ。A型。

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2009/06/24(Wed)

連勝の甘美な味

四国・九州アイランドリーグ2009 前期公式戦
2009.6.21. 徳島インディゴソックス 5‐1 福岡レッドワーブラーズ <アグリあなんスタジアム> 観衆455人

福岡RW 000 000 010| 1
徳島IS 002 200 01×| 5

勝 平野誠 4勝4敗1S
負 森下一平 0勝1敗

バッテリー
福岡RW 森下、中田、大澤 ‐ 翔
徳島IS 平野、竹原 ‐ 荒張

 3勝3敗1分けと、両チーム5分の成績で迎えた前期最終対戦である。昨夜、福岡でナイトゲームを戦い、今日は徳島に移動してのデーゲームを行う。雨も降り続くなか、両チームにとって非常にタフなコンディションの下で行われる試合となった。
 徳島ISは3回裏、一死二、三塁のチャンスにスクイズで先制点を挙げると、続く三番・荒張裕司が左前に適時安打を放ち2点をリードする。4回裏にも2点を加え、前半で5点をリードした。先発の平野誠もこれに応え、福岡RW打線を7回まで無失点に抑える好投を見せる。7回裏に追加点を挙げたあと、福岡RWも意地を見せ、8回表に1点を返した。しかし逆転には至らず、最後はクローザー・竹原俊介が9回を3人で締め、5対1で福岡RWを降している。
 徳島ISは福岡RWとの最終戦を勝利で飾り、前期対戦成績を勝ち越して終えると共に、今季2度目の3連勝を達成。平野は自己ベストとなる4勝目を挙げた。


『連勝の甘美な味』

 徳島ISが3回裏に2点を先制し、さらに続く4回裏にも2点を加えた。セーフティーリードを奪い、一見楽な展開に入ったかに見える。しかし先発の平野誠(23歳)にとって、この2度の得点のあとの守りこそ、この試合のなかでもっとも苦しい場面だった。
 2点をリードしたあとの4回表、ワンアウトから内野に守備のミスが出てランナーが出塁した。二盗を許し、スコアリングポジションにランナーが進む。だが、次のバッターをストレートで三振に切って獲った。さらに次のバッターをライトフライに打ち獲り、無失点で切り抜ける。
 4点のリードをもらったあとの5回表、さらに厳しかったのがこの場面である。先頭バッターをフォアボールで歩かせたあと、再び内野に守備のミスが出た。ノーアウト一、二塁と、大きなピンチを迎えている。
 ただでさえ厳しいコンディションのなか戦っている。両チームともお互いに昨夜(20日)のナイトゲーム終了後、バスで福岡を発ち、早朝徳島に入った。数時間の仮眠後、再び球場に集合している。試合前から小雨が降り続いており、じめじめとした高い湿度と蒸し暑さのなかで戦っていた。
「4回、5回は倒れるかと思いました。ヤバかったっス、湿気で…。獲ったあとは獲られちゃダメじゃないですか。エラーしたあとに獲られてるんで、『エラーしたからしっかり抑えないと!』と思いました」
 ここでもう一度気持ちを奮い立たせている。苦しい場面では、走っていたストレートを思い切って投げ込んだ。バントで送られワンアウト二、三塁となったが、次の打者を内角へのストレートで見逃し三振に仕留めている。相手の走塁ミスにも助けられ、この回も無失点で乗り切った。
 堀江賢治監督がこの試合において、まず評価したのは平野の好投である。
「ミスが出たなかで、ピッチャーが崩れずに平野が頑張った。これは非常に大きいです」
 ベストの状態だったかと言われれば、決してそうではない。100球をメドに後続にマウンドを譲る選択もあった。7回を終え、すでに105球を投げている。8回表のマウンドを前に、加藤博人コーチから声を掛けられた。
「『完投したいだろ?』って言われて…。そう言われたら引けないじゃないですか!」
 1点を失ったが、さらに20球を投げた8回のピッチングは、意地で投げたマウンドである。自身4勝目となる勝ち星は、対福岡RW戦に勝ち越しを決める、意味のある1勝となった
 打線もよく打った。振り返れば12安打を放ち、平野を援護している。厳しいスケジュールのなか行われる試合では、お互いにあと1本を出すことができず、スコアレスの展開になることも少なくない。早く先に点を獲って平野を楽にしてやりたい。まずスクイズで先取点を奪ったのには、そんな理由もあった。だが、二桁安打を見せた打線の猛攻は、監督にとっても予想外だったそうだ。
「森山(一人コーチ)に『…なんか言うたん?』て聞いたんですけど…。試合前、『このままやったら終られへん。後期につながるようなゲームをしよう!』とは言いました」
 4連敗を引き摺らず、このタフな3連戦を3連勝して終え、勝ち越した。後期につながる勝利にもなる。
 徳島ISの選手たちが、それぞれ帰路に着こうとしていた。3安打を放ち、2打点の活躍を見せた三番・キャッチャー、荒張裕司(20歳)に「この3連戦、キツかったねぇ!」と声を掛けた。
「でも、勝って(福岡から)帰って来れたんで、その辺は全然違いました」
 笑顔を見せながら、車に荷物を積み込んでいた。
 同じ試合、同じ移動でも、勝って帰って来るのと負けて帰って来るのとでは、次の試合に臨むチームの雰囲気がまったく異なる。1つの試合に勝利することが、また次の勝利を呼び込む大きなきっかけとなる。気持ちを切り替えるための時間が極端に少ない今回のような試合だとなおさらだ。それが連戦の怖さでもある。
 去年までのチームが忘れてしまっていた連勝の甘美な味、それを今の徳島ISは知っている。


2009.6.27. 徳島IS 5-4 長崎S <アグリあなんスタジアム>
コラム『這い上がって』は、『THE STADIUM』(http://thestadium.jp/)に掲載されています。
前期最終戦だからねー。




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2009/06/20(Sat)

兆し

四国・九州アイランドリーグ2009 前期公式戦
2009.6.19. 香川オリーブガイナーズ 2‐7 高知ファイティングドッグス <サーパススタジアム> 観衆人950

高知FD 110 203 000| 7
香川OG 000 000 011| 2

勝 野原慎二郎 7勝6敗
負 高尾健太 4勝4敗

バッテリー
高知FD 野原、武田、ジョン ‐ 飯田
香川OG 高尾、杉尾、金子 ‐ 西森

本塁打
高知FD 梶田宙(1回、高尾)

 高知ファイティングドッグスが敵地で香川オリーブガイナーズとの前期最終戦に挑んだ。初回、足のケガから復帰した二番・梶田宙の右越え1号ソロで先制すると、香川OG先発・高尾健太を打ち崩しさらに追加点を加える。7点の大量リードをもらった先発の野原慎二郎も安定した投球を見せ、香川OG打線に得点の機会を与えない。7回を無失点のまま投げ抜き後続につないだ。香川OGも8、9回と1点ずつを返し意地を見せたが逆転には至らず、高知FDが7対2で香川OGを降している。
 これで4連勝の高知FDは順位を1つ上げ4位に。香川OGと首位・長崎セインツとのゲーム差は、長崎Sが破れたため「1.0」のまま変わらないが、長崎Sの優勝へのマジックが1つ減り「3」となっている。


『兆し』

 高知FDの先発・野原慎二郎(24歳)が今日の試合において1つのポイントにしていたのは、「序盤3イニングをいかに抑えるか?」だった。結果として、最高の仕事で香川OG打線を封じ込めている。3回まで毎回の三振4つを奪いながら、打者9人をパーフェクトに仕留めた。
 打線が奪ってくれた初回、2回表の連続得点で波に乗る。
「先取点獲ってくれて、2点目が大きかったです。1-0なら苦しくなる。すぐ入ったんで楽になりました。とりあえず3回抑えたら2-0であとはどこまで行けるか? と思ってたんで、助かりました」
 6回裏に1度フォアボールを与えた以外、先頭バッターに出塁を許していない。最大のピンチだった4回裏、ツーアウト一、三塁の場面も、サードへのファールフライに切って獲り、乗り切っている。7回を投げ無失点、打たれたヒットは2本と、香川OG打線を完全に抑え込んで見せた。
 何と言っても良かったのは、低目に鋭く決まったスライダーである。
「スラ(スライダー)が良かったですね! カウントも獲れて三振も獲れる。(今まで)真っ直ぐは良くても狙われて打たれてて、単調になるピッチングしてました。今日みたいにスラを投げられると、ある程度解ってても右バッターに打たれないし、真っ直ぐで押せる」
 3イニングに拘ったのには、試合の流れをつかむこと以外に大きな理由があった。ピッチャーの台所事情が苦しいなかで、先発にはどうしても完投勝利に近い形で投げ切ることが求められる。その責任感が気張りとなり、本来のピッチングができなくなってしまっていた。うしろにクローザーが控えていてくれた去年は、そんなプレッシャーなど感じずに投げ、その結果として完投勝利も生まれた。だが今季は9回までのペース配分を考えながら探り探りで投げ、逆に打たれる悪循環に陥っていた。
 投手陣に新たに加わった伊予野貴照(28歳、元阪神)、ジョン・デギ(20歳)がうしろに控えてくれている。「絶対に完投しなければ!」というプレッシャーからは解放された。先発としてしっかり試合を作ることさえできれば、あとを任せることができる。そのためにまず、序盤の3イニングをきっちり抑えなければならない。必要以上スタミナを気にすることなく、マウンドでしっかり腕を振ることだけを考えた。
「優勝争いしてる香川の方が苦しかったと思います。僕自身、最近兆しが見えてきてる。自分のピッチングで投げられた。今日のマウンドでつかめました。悪かったのが、まだ前期で良かった」
 そう言って笑った。チームの勝ち頭が7勝と勝ち星を1つ伸ばし、ハーラーダービートップに躍り出ている。
 負けられないプレッシャーを抱える香川OGを前に、高知FDはほとんどノープレッシャーでのびのびと戦っていた。投打が絡み合い、余裕のある試合運びで香川OGとの前期最終戦を白星で終えた。順位も1つ上げている。
 首脳陣は「2位も6位も同じだよ。関係ない」と言う。だが、前期リーグ戦の優勝争いから脱落し、下位に低迷してしまった屈辱のなかで見せた終盤の4連勝は、後期の巻き返しへとつながる確かな兆しでもある。


2009.6.20. 香川OG 15-4 愛媛MP <サーパススタジアム>
コラム『つかんだ感触』は、『THE STADIUM』(http://thestadium.jp/)に掲載されています。




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2009/06/15(Mon)

智勝さんへのあの1球

四国・九州アイランドリーグ2009 前期公式戦
2009.6.14. 香川オリーブガイナーズ 4‐3 長崎セインツ <アークバリアベースボールパーク志度球場> 観衆986人

 長崎S 001 200 000| 3
香川OG 010 000 003×| 4

勝 橋本亮馬 3勝0敗3S
負 上村聡一 1勝1敗6S

バッテリー
 長崎S 藤岡、上村 ‐ 吉川
香川OG 深沢、杉尾、金子、久代、上野、橋本 ‐ 西森

本塁打
 長崎S 林孝明5号2ラン(4回、金子)

 首位・長崎セインツを追う2位・香川オリーブガイナーズは、直接対決となった高松での首位決戦3連戦を1勝1敗として第3戦を迎えた。長崎Sに前期優勝へのマジックナンバー「4」が点灯している。逆転優勝のためには絶対に落とせないゲームである。
 香川OGは2回表、長崎Sの先発・藤岡快範から1点を先制するが、3回表にバッテリーエラーで同点を許すと、4回表、八番・林孝明に左翼ポールを直撃する勝ち越しの5号2ランを浴び、2点を追いかける展開となった。4回以降7回まで三者凡退を続けた香川OG打線だったが、9回裏、先頭の四番・智勝が右前安打で出塁し、さらに無死一、二塁とチャンスを拡げる。好投した藤岡に代わりマウンドに登ったクローザー・上村聡一を捉え無死満塁とすると、七番・西森将司が右翼手の頭上を越える走者一掃の3点適時二塁打を放ち、劇的な逆転サヨナラ勝ちを収めた。
 長崎Sのマジック「4」はそのままだが、香川OGは長崎Sとの差を1ゲーム差に縮め、前期リーグ戦逆転優勝への望みを繋いでいる。


『智勝さんへのあの1球』

 9回裏に2点をひっくり返されて敗れたショックはやはり大きかった。試合後のミーティングが終り、長崎Sのメンバーがそれぞれ散ったあとにも、何人かはそのままダッグアウトに残り、ベンチに腰掛けたまま呆然とした表情をしていた。
 先発した藤岡快範(23歳)は序盤こそやや制球に苦しみ1点を先制されたものの、4回に打線が逆転して以降は見事なピッチングで香川OG打線を封じ込んでいる。打たせた内野ゴロの数は実に15個に及ぶ。その内サードへのゴロが8つ、ショートへのゴロが5つと、圧倒的に左方向へのゴロが多い。香川OG打線が引っ張りに掛かっていたのではない。右打者の内角に食い込むツーシームで、すべてつまらされたのだ。
 本番のマウンドで思いついた、ちょっとした工夫がツボにはまった。
「普段ブルペンで投げる真っ直ぐな、きれいな回転のストレートじゃなくて、握り方と力の入れ具合を変えました」
 ツーシームが良いことを感じ取り、それを活かす配球で組み立てたキャッチャーの吉川公史郎(24歳)のリードも冴えた。香川OGの四番・智勝(26歳)が語る。
「吉川のリードがいいんで。いろんな球種、ゾーン。高さもコースも使って組み立ててくる。そこにピッチャーが投げられるっていうのも凄いと思うけど。狙い球を絞ってても来なかったり、変えたらそこにズドン! と来たり…」
 4回以降、7回まで香川OG打線は三者凡退の山を築く。6回裏の攻撃はクリーンナップ3人が3人ともサードゴロに打ち取られた。これだけ内野にボールが飛びながら守備はノーエラーである。8回裏、4本目のヒットとなった二番・藤井勇希(20歳)のレフト前ヒットのあと、連打になるかと思われた三番・金井雄一郎(25歳)の二遊間への当たりを、セカンド・松井宏次(24歳)の広い守備範囲を活かした好守に阻まれ、チャンスに結び付けられないまま終っている。
 だが、長崎Sの歯車が狂ったのは、2点を守る9回裏の守備だった。トップバッターとして打席に入ったのは智勝である。第1打席のツーベースヒットのあと、2打席凡退に倒れている。左方向につまらされ続けている拙攻をなんとか打開して出塁し、逆転への糸口にまで持っていかなくてはならない。
「右におっつけようと思ってました。変化球に対応するのに少し(グリップを)短く持って、少し振り負けてもセンターからライト方向に持っていけるように」
 ツーストライクに追い込まれながら、カウントをツーストライクツーボールまで戻した。5球目をファールで逃げた次の6球目、ここでバッテリーの意思疎通にほころびが出る。
 藤岡はフォークボールを投げたかった。吉川のサインはストレートだった。
「あそこでサインに首を振れなかった。智勝さんへのあの1球は後悔してます。九州からも応援団が来てくれてた。それは感じてました。勝って帰りたかった…」
 イメージ通りに右方向へ運んだライト前ヒットで智勝が出塁した。香川OGの前期逆転優勝へ望みをつなぐ劇的な逆転サヨナラ勝ちは、ここから始まっている。


2009.6.14. 香川OG 4-3 長崎S <アークバリアベースボールパーク志度球場>
コラム『緊張感のなかで』は、『THE STADIUM』(http://thestadium.jp/)に掲載されています。




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2009/06/14(Sun)

「『幸せやな』って思います」

四国・九州アイランドリーグ2009 前期公式戦
2009.6.13. 香川オリーブガイナーズ 8‐2 長崎セインツ <アークバリアベースボールパーク志度球場> 観衆753人

 長崎S 000 000 020| 2
香川OG 213 010 01×| 8

勝 松居伊貴 4勝1敗
負 酒井大介 6勝3敗

バッテリー
 長崎S 酒井、本山、村越、松田 ‐ 吉川
香川OG 松居、上野 ‐ 西森

本塁打
 長崎S 根鈴雄次6号2ラン(8回、松居)
香川OG 洋輔1号3ラン(3回、酒井)、2号ソロ(5回、酒井)

 首位決戦直接対決はまず長崎セインツが先手を獲った。もう負けられない香川オリーブガイナーズは、必勝を期して第2戦に挑んでいる。第2戦は場所をサーパススタジアムからアークバリアベースボールパーク志度球場に移して行われた。
 香川OGが長崎S先発・酒井大介の立ち上がりの乱れを突き、初回に3点、2回裏にも1点を挙げて差を拡げる。さらに3回裏、六番・洋輔の左越え1号3ランで3点を追加し、前半でほぼ試合を決定付けた。洋輔は5回裏にも2打席連続となる2号ソロを放ち、5打点の活躍を見せている。8回表に根鈴雄次の6号2ランで長崎Sが2点を取り返したが逆転には至らず、8対2で香川OGが勝利している。
 この結果、長崎Sのマジックは「4」のまま。香川OGは逆転優勝の可能性を残し、首位との差を再び2ゲームに縮めている。


『「『幸せやな』って思います」』

 昨日、長崎Sとの首位決戦・第1戦に香川OGは完敗している。両チームを通じて唯一の得点となった6回表に奪われた2点は、ライト前へのタイムリーヒットと、打球の処理を誤ってファンブルしてしまった洋輔(近藤洋輔、27歳)のエラーによるものだった。
 長いリーグ戦が続くなかで、失敗をいつまでも引き摺っていることは決してプラスにならない。むしろ次の試合へ次の試合へと、どんどん切り替えて行ける気持ちの強さが求められる。
 常に気持ちを前面に出してチームを引っ張って行くタイプの洋輔が、自分自身のミスを許しているはずがない。絶対に今日、この試合でミスを取り戻そうとしているであろうことは、想像に難くなかった。
「昨日、ホントに自分のせいで負けたと、ホントに思ってたんで。なんとかまだ優勝争いできるなかで、『とにかくチャンスがあれば自分のバットで!』と思ってました」
 長崎Sにマジック「4」が点灯し、連敗だけは絶対に阻止しなければならない。それはもちろんなのだが、「負けを取り戻さなければ!」と考える前に、それを凌駕する強い思いを胸に秘めて打席に立っている。
 3回裏、ワンアウト一、三塁とチャンスで打席が回ってきた。ワンボールとなった次の2球目、インコースへのスライダーに手を出すと、打球は三塁側方向へのファールとなっている。しかしこのとき、ある感覚が残った。
「『勝ったかな?』と思いましたね」
 ファールではあったが、打球は三塁側へ飛んで行った。悪い状態ならバックネット方向、もしくは一塁側方向へのファールになる球である。
「前で捉えられてるってことなんで。苦しくなかったですね、スライダーが。『打てるんちゃうか?』と思いましたから」
 4球目に一塁ランナーが盗塁を決め、スコアリングポジションに2人が進んだ。高目のボールを最低でも外野フライにしたい。しかしここのところ、フライを上げようとすると内野フライになるパターンが多い。逆に若干上から被せるような意識で叩いて行こう! と思った。ファールでバットが折れてしまったあとの9球目、完璧に捉えた打球が今季1号となるスリーランとなって空高く舞い上がった。レフトの奥にある山の斜面にグサリと突き刺さっている。5回裏、さらに今度はストレートをレフトへライナーで運び、2打席連続となる2号ソロホームランを放って見せた。
 連勝に失敗した長崎S先発の酒井大介(22歳)が、試合後のダッグアウトに1人残り、腕組みをしたままじっとグラウンドを見つめていた。
「来週もう1回香川とあるんで(6月21日、佐世保)、そこでリベンジしようかなと思います」
 早速次の登板に向け、気持ちを切り替えている。
 前期優勝争いの行方は依然長崎Sに分がある。マジックは「4」のまま、明日の直接対決第3戦を迎えることになった。香川OGは「首の皮1枚つながった」というところだろう。
「ほんまに今シーズン、1本も出ぇへんのちゃうか! と思ってましたからねー!」
 香川OGの主砲として中軸に座らなくてはいけない男が、ようやく調子を取り戻し始めている。春から悩み続けてきた打撃の不調から脱出する兆しが見える。ミスはもう十分取り返した。「逆転優勝のために明日は何がなんでも勝ちに行く!」実はそんな言葉は口から一言も出てきていない。
「いつもそうなんですけど、こういう場面で野球できてるっていうのが『幸せやな』って思います。そっちの方が固くもならず…。真剣に野球して、優勝争って、バリバリの緊張感のなかでできる。なかなか経験できひんやろ! と思うし、ディフェンディングチャンピオンのチームで野球やれる。勝たないとダメってお客さんから期待されて、応援されて、罵声も浴びたり。でも、そんななかでやるのが楽しいし、やりがいがあります」
 フッと見せた柔らかい笑顔のなかには、大きな充実感が溢れていた。




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2009/06/13(Sat)

全員野球

四国・九州アイランドリーグ2009 前期公式戦
2009.6.12. 香川オリーブガイナーズ 0‐2 長崎セインツ <サーパススタジアム> 観衆人

 長崎S 000 002 000| 2
香川OG 000 000 000| 0

勝 土田瑞起 3勝1敗
S 上村聡一 1勝0敗7S
負 高尾健太 4勝3敗

バッテリー
 長崎S 土田、石田、上村 ‐ 吉川
香川OG 高尾、上野、橋本 ‐ 西森

 首位・長崎セインツと2位・香川オリーブガイナーズの直接対決3連戦、その第1戦は高松・サーパススタジアムでのナイトゲームである。どちらも初戦は絶対に落とせない。
 香川OG・高尾健太、長崎S・土田瑞起の投げ合いとなった試合は、どちらもチャンスを活かせず前半をノースコアで終えた。しかし6回表、長崎Sは二死一、二塁のチャンスに七番・安田慎太郎が右前に適時安打を放つ。右翼手がファンブルする間に走者2人が還り、2点を先制した。土田は7回を無失点で切り抜けると、8、9回を石田大樹、上村聡一の完封リレーで逃げ切り、2対0で香川OGを降した。
 この結果、長崎Sにマジック「4」が点灯しており、最短で14日に初優勝が決まる。


『全員野球』

 先発した土田瑞起(19歳)の調子は、決して良いとは言えなかった。三者凡退で終えたイニングは1つもなく、序盤は自らのフォアボールで、中盤は香川OG打線からヒットを浴び、ランナーを背負いながらの我慢のピッチングを続けている。
 5回裏、ツーアウト満塁となり三番・金井雄一郎(25歳)を迎えたピンチをうまく打ち取って切り抜けた。少し深めの守備位置を採っていたセンター・安田慎太郎(24歳)のグラブのなかに打球が収まっている。
 殊勲のタイムリーヒットを打ったのは、その安田である。ピンチを逃れたあとの6回表、ツーアウト一、二塁の場面で、粘りながら9球目をライト前へ運ぶ。突っ込んできたライトが打球をファンブルする間に2人が生還し、2点をもぎ取った。
 先週の愛媛マンダリンパイレーツとの3連戦で、チャンスに1本が出なかったことが大きな後悔として残っていた。今週の練習のなか、細かいフォーム矯正に取り組んでいる。
「(身体が)開いてたんです。きれいに打とうとしすぎてたって言うか、大きいのを狙おうとか、完璧に打とうとしすぎてて軸がブレてました。反対方向、レフト方向を意識して、あとは身体の反応で打とうと思ってました」
 試合前のバッティング練習中にも、チームメイトである根鈴雄次(35歳)にフォームを見てもらいながら何度もスイングを繰り返していた。
「2ゲーム差なんで、1つ目落とすと…。初戦獲れれば! と思ってました。(プレッシャーは?)ちょっとありましたね」
 2点の差などたった1本のヒットでひっくり返される。6回裏、ツーアウトから2本の長短打を許したあと、デッドボールで歩かせ、再び満塁のピンチを迎えた。
「金井とか国本(和俊、25歳)さんの打球が伸びてくるんですよ! ライナーで。1回消えて、伸びてくる! みたいな」
 振り切って来る香川OGのバッターの打球は、予想している以上に伸びる。2回と5回に飛んできたセンターフライで打球のイメージはつかめた。それが頭にあったからこそ、5回裏の満塁のピンチでもあえて深めの守備位置を採っていたのだ。
 九番・志佐大(18歳)の打球がセンターへの低い弾道となった。思い切り突っ込み、頭からダイブしたがボールは離さなかった。守備でもチームを救うビッグプレーを見せている。
 投手陣が香川OG打線をゼロ封した影には、野手陣の踏ん張りがあった。安田だけではない。サードの松原祐樹(25歳)が華麗なジャンピングスローで出塁を許さず、セカンドの松井宏次(24歳)が抜ければ長打になるライナーをジャンプして止めた。キャッチャーの吉川公史郎(24歳)も2度の盗塁補殺でリーグトップの盗塁数を誇る香川OGの足を完全に封じ込んでいる。試合が後半に進むにつれ、チームメイトを迎え入れるベンチの声はだんだんと大きく、活気に満ち溢れていった。
 長冨浩志監督は今朝、長崎を出るとき選手たちにこんな話をしたという。
「香川はこういう試合慣れてるんだから、(こっちが)固くなるのは当たり前だ! って。今までやってきた野球をできるか? 楽しみにしてるよ! って、そう言ったんだよ。開幕からずっと見て来てるけど、頼もしくなったのかな? と思うね。こういう試合を重ねて行けば、もっと楽々勝てるようになると思うよ」
 固さなどとっくに消えてなくなっている。遂に灯った初優勝へのマジックナンバーは「4」。前期リーグ戦の天王山第1戦は、敵地でのびのびとした全員野球をやって見せた長崎Sが獲った。




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2009/06/12(Fri)

険しく、厳しい道

四国・九州アイランドリーグ2009 前期公式戦
2009.6.6. 愛媛マンダリンパイレーツ 4‐4 長崎セインツ <坊っちゃんスタジアム> 観衆988人

 長崎S 000 100 102| 4
愛媛MP 000 003 001| 4
※ 9回リーグ規定により引き分け

バッテリー
 長崎S 酒井、上村 ‐ 吉川
愛媛MP 能登原、入野、浦川 ‐ 梶原

 首位・長崎セインツが3位・愛媛マンダリンパイレーツとのビジターゲーム3連戦を戦っている。初戦を落とし、長崎Sの連勝は「4」でストップした。前期優勝のためにこれ以上は1戦も落としたくない。
 4回表に先制点を挙げるが、6回裏、愛媛MPの三番・長崎準平に逆転打を浴び、逆に2点をリードされる。しかし7回表、九番・吉川公史郎の適時中前打で1点差に追い上げると、9回表にも吉川の左中間越え2点適時三塁打で逆転に成功した。
 8回を投げた先発の酒井大介に代わり、最終回のマウンドに登ったクローザー・上村聡一が連打を許し4対4の同点に。なおも一死満塁のピンチを迎えたが、三番手・石田大樹が打者2人を打ち取り、試合は9回リーグ規定により引き分けとなった。
 2位・香川オリーブガイナーズが勝利したため、愛媛MPは長崎Sとの差を4.5ゲーム差に拡げ、長崎Sは香川OGとの差を2ゲームに縮めている。


『険しく、厳しい道』

 9回裏に同点に追い着かれ、さらに長崎Sのピンチが続く。ワンアウト満塁と絶対絶命の場面を迎えたが、愛媛MPの打者2人が凡退に倒れ、試合は引き分けとなった。もし負けていれば昨日に続く連敗となっていたところだった。負けなかったという結果は、混沌とする前期優勝争いのなかで大きい。だが9回表に2点を奪い、1点のリードを守り切ることができなかった。これはあまりにも痛い。
 マスクを被っただけでなく、逆転打となる左中間越え2点タイムリースリーベースヒットを放つなど、今日3打点を記録したのは吉川公史郎(24歳)である。自分が打のヒーローになったことよりも、なんとか連敗せずに終えられたことの安堵感と、大きな疲労感が表情にありありと見えていた。
 序盤、ノーアウトのランナーを出しながら、なかなか得点に結び付かなかった。4回裏に1点を奪い前半をリードして終えたが、6回裏、ランナーを溜めたあとの長打にエラーが重なり3点を奪われている。
「打たれてエラーからの失点ですから…。あそこくらいから酒井(先発・酒井大介、22歳)のボールが浮き出して、前半雰囲気悪くて」
 7回、9回と自分のバットで取り返し逆転したが、9回裏の守備に就いたとき、チームにこれまでにはなかった嫌な空気が漂っていることに気付いた。
「今まで勝ち続けて、点差のついた状態が多かったんですけど、今日なんか勝ってても1点差しかない状態じゃないですか。追い詰められてる感じがあって。優勝が見えてしまってから、『優勝しないといけない!』に変わって来てるんです」
 これまで打ち勝った試合が多く、大量リードのなか1点の失点はさほど大きな痛手にもならなかった。「1点くらいいいや!」と思えるほどの余裕があった。しかし、今日のような接戦となると、リードがリードでなくなってしまう。1点を守るために必要以上に身体を強張らせ、普段のプレーができなくなっていた。初めての優勝が見え始めたことで、これまでにはなかったプレッシャーが確実に顔を見せ始めている。
 残り試合数はこれで「9」となった。2位・香川オリーブガイナーズとのゲーム差は「2.0」まで縮まっている。今週の首位キープは確定した。だが、予断は許されない。
「観てる方もやってる方も、1試合でひっくり返ったりひっくり返される! みたいな方が面白いじゃないですか。何ゲームも開いてるよりも。でも…」
 初めての栄冠へ向かう道は、決して平坦な道ではない。1歩ずつ崖を登るような、険しく、厳しい道なのだろう。「追い掛けられている」という不安もある。「逃げ切らねばならない!」という重圧もある。
「正直、しんどいっス…」
 心の底からの素直な気持ちなのだろう。そう言ったあとの表情には、ほんの少しの余裕さえ感じられなかった。


2009.6.7. 愛媛MP 3-6 長崎S <西予市営野村球場>
コラム『いつものバッティング』は、『THE STADIUM』(http://thestadium.jp/)に掲載されています。



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2009/06/10(Wed)

救援失敗

四国・九州アイランドリーグ2009 前期公式戦
2009.6.5. 徳島インディゴソックス 3‐3 福岡レッドワーブラーズ <オロナミンC球場> 観衆335人

福岡RW 002 100 000| 3
徳島IS 000 101 010| 3
※ 9回リーグ規定により引き分け

バッテリー
福岡RW 森、中田、角野 ‐ 翔
徳島IS 片山、サンチェス、キム、ソリアーノ ‐ 永井

本塁打
福岡RW トモ4号ソロ(4回、片山)

 福岡レッドワーブラーズはここ5試合勝ち星から遠ざかっている。ここまで4連勝と波に乗る徳島インディゴソックスとの3連戦をなんとか勝ち越したい。鳴門・ポカリスエットスタジアムで行われた試合は、小雨降るなかでのナイトゲームとなった。
 先に3点をリードした福岡RWだったが4回、6回と1点ずつを返され、1点リードで終盤を迎える。8回裏、クローザーとしてマウンドに登った角野雅俊が一死一、三塁のピンチを迎えると、投ゴロ併殺崩れの間に1点を奪われ同点を許した。最終回、両チームとも得点を奪うことができず、3対3のまま9回リーグ規定により引き分けに終わっている。
福岡RWの順位は4位と変わらず。徳島ISは最下位ながら、これで8試合連続負けなしの状態が続いている。


『救援失敗』

 試合後のミーティングが終り、再びグラウンドへと顔を出した角野雅俊(福岡RW、26歳)が夜空を仰ぎながら、悔しそうな顔を見せた。
 3対2と1点をリードしている8回裏の場面にマウンドへと登っている。ここまでセーブポイントはリーグトップの「8」である。2イニングをきっちりと抑える。それがここ最近、マウンドに登るときの使命となっている。
 先頭バッターにヒットを許したものの、次のバッター、一番・神谷厚毅(23歳、徳島IS)が送りバントに失敗し、ランナーが入れ替わった。神谷には足がある。二番・猪澤海(20歳)に対するカウントがワンストライクツーボールになったとき、一塁ランナーを牽制で刺そうとした。これが悪送球となり、神谷をスコアリングポジションに進めてしまい。猪澤が一塁線に転がした送りバントをキャッチャーが追い掛けるが、一塁線に沿ってギリギリのところを転がったまま最後まで切れなかった。ワンアウト一、三塁と一打逆転の場面になった。
 三番・森原誠(22歳)が叩きつけ、高いバウンドとなったピッチャー返しの打球を角野がつかむ。一瞬の判断で二塁へ送球するが、二塁手と一塁ランナーが若干交錯し、一塁への送球が遅れた。その間に三塁から神谷が生還し、同点のホームを踏んだ。
 ベンチからの指示はホームゲッツーだった。だが、角野は1-4-3の併殺を狙い、逆に同点を許してしまった。
 試合後、あの場面を森山良二監督が不満気な顔を見せながら述懐する。
「本人がセカンドいける! と思って投げたんでしょうね。でも、その前の牽制。ランナーを止めたいって気持ちは解るけど、そこで暴投したら…」
 同点を許したワンプレーよりも、その前に大きなミスがあった。あれで相手のチャンスを拡げてしまったことの方が痛かった。
 角野自信、自らが同点への火種を作ってしまったことが悔しくてならない。
「一塁牽制を悪送球した自分のミスです。(ベンチからの指示はホームゲッツーだったそうですが?)自分のなかではあのタイミングでゲッツーが獲れないと意味がないんで。ベンチから「ホームや!」って声も聞こえましたけど、あのタイミングで放ったら暴投放るかな? と思って…」
 ベンチからの指示に従わなかったことは問題だが、このタイミングなら併殺で獲れる! という自信は確かにあったのだ。逆にこのタイミングで併殺が獲れないようならば、上でプレーなど端からできる訳がない。そんな想いが胸のなかにある。
「初めてセーブ、失敗しました…」
 今季からNPBにアピールするためにクローザーとしての役目を負っている。短いイニング、それも1点勝負のプレッシャーのかかる場面でこそ真価が問われる仕事だ。ここまでは順調にセーブポイントを重ねてきた。しかし、初めてつまづいた自らのミスによる救援失敗に、厳しい表情を見せながらクールダウンのストレッチへと向かって行った。




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2009/06/05(Fri)

「こうなると思ってたよ」

四国・九州アイランドリーグ2009 NPB交流戦
2009.6.3. 阪神タイガース二軍 10-0 四国・九州アイランドリーグ代表 <阪神鳴尾浜球場>

IL 000 000 000| 0
T 005 120 011| 10
※ 特別ルールにより9回裏まで

バッテリー
IL 能登原、久代、藤岡、中田、吉川岳、光安、上野 ‐ 吉川公、荒張、西森
T 若竹、横山、鶴 ‐ 小宮山

四国・九州IL先発メンバー
三 YAMASHIN(高知FD)
二 檜垣浩太(愛媛MP)
D カラバイヨ(高知FD)
右 末次峰明(長崎S)
左 中村真崇(福岡RW)
中 長崎準平(愛媛MP)
一 荒木康一(香川OG)
捕 吉川公史郎(長崎S)
遊 水口大地(長崎S)

本塁打
阪神二軍 坂スリーラン(3回、久代)、ブラゼルソロ(3回、久代)

 今季3試合目となるNPB二軍との交流戦に、四国・九州アイランドリーグ代表はここまで2連敗を喫している。昨日に続きスタンドは、ほぼ満員のファンで埋まった。
 3回裏、四国・九州IL代表の二番手・久代幸甫(香川OG)が打ち込まれ、一挙に5失点を失う。さらに三番手・藤岡快範(長崎S)も3点を失い、前半を終え8点の大量リードを追う展開となった。これに対し四国・九州IL打線は、ほとんどチャンスらしいチャンスを作ることのできないままゼロ行進を続けた。終盤にも2点を追加され、0-10で完封負けを喫している。
 これで今季、代表チームの対NPB交流戦戦績は0勝3敗となった。

『「こうなると思ってたよ」』

 試合終了後、代表チームを率いた長冨浩志監督(長崎S)から思わぬ言葉が返って来た。
「こうなると思ってたよ、オレ」
 今回の代表チームは比較的若い選手が多く選出されている。このリーグで十分な実績を積み、経験も豊富な選手たちを中心に構成されたチームではない。
「これからアイランドリーグを支える人たちじゃない。ある程度年齢の行った人を出せば、そりゃもっといい試合ができたと思うよ。だけど、この人たちを鍛えて行かないと!」
 投手陣7名だけを取ってみても、今回が代表初選出の選手が4名いる。今季新入団の選手は5名を占めている。ある意味負けることは必然なのかもしれない。しかしそこで見せたかったのは、格上にも堂々と立ち向かって行く気持ちである。しかし、NPBとの対戦に呑まれてしまった選手も少なくなかった。思い切った攻めのピッチングができずにボールが多くなり、逆に甘くなったところを持って行かれる。
「アウトコース低目に行くか行かないか。高いか低いか? そこに投げられるか? だよね」
 投手陣の一番気になった部分は? との問いに、そう答えている。
 打線も揮わなかった。7安打を記録したが、三塁までランナーを進めることができたのは1度だけ。2回表のツーアウト満塁と、7回表のツーアウト二塁。得点圏にランナーを置いたのは、このたった2度しかない。
 第4打席に低い弾道のライナーをセンター前に運び、本来のバッティングの片鱗を見せた四番・末次峰明(24歳、長崎S)も、それまでの3打席はまったく仕事をさせてもらえなかった。
「(相手のピッチャーに)コントロールもキレもありますし、いつもの感覚で『捉えた!』と思ったのがファールになるんです。カウント稼がれて手玉に取られたって感じですね。YAMASHINさん(山本伸一、26歳、高知FD)とも話してたんですけど、低目の球が浮いて来ないんですよね。全部ファールになった。あれが一番良くないですね」
 二軍とは言え、明らかに格の違いを見せ付けられる結果となってしまった。
 長冨監督が言葉を続けた。
「練習するしかないんですよ。恵まれた環境のなかで練習するのがNPBであって、恵まれてない環境のなかでどれだけハングリーさを持って、どれだけ練習するかだよね」
 3度目の代表戦は屈辱的な完封負けとなった。練習するしかない。今回の代表チームが肌で感じた差は、練習することできっと埋まる。




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2009/06/05(Fri)

「緊張もしなかったです」

四国・九州アイランドリーグ2009 NPB交流戦
2009.6.2. 阪神タイガース二軍 6-1 香川オリーブガイナーズ <阪神鳴尾浜球場>


香川OG 001 000 000 0| 1
阪神二軍 130 000 010 1| 6
※ 特別ルールにより10回裏まで

バッテリー
香川OG 福田、高尾、松居、上野、橋本、加藤、杉尾 ‐ 西森、恩田
阪神二軍 白仁田、吉岡、清原、辻本、中村 ‐ 橋本

 香川オリーブガイナーズ単独チームとしてNPBを相手に戦う試合は、今季早くもこれが3度目である。広島、オリックスの前に連敗を喫しており、今季初勝利を阪神から挙げたいところだ。試合は10回裏まで行う特別ルールで行われた。
 香川OG先発・福田岳洋の制球が悪く、走者を溜めたところで還されるなどして序盤に3点のリードを奪われる。香川OG打線は3回表、八番・国本和俊、九番・志佐大の連続安打などで1点を還したが、中盤以降なかなかチャンスをつかめない展開となった。5回裏、二死三塁のピンチを左腕・松居伊貴が好投して切り抜けるなどの場面もあったが、終盤さらに2点を追加された。13安打と阪神打線に打ちまくられ、1対6で敗れている。


『「緊張もしなかったです」』

 平日昼間のデーゲームだと言うのに、阪神鳴尾浜球場のスタンドはほぼ満杯の観客で埋め尽くされていた。集まった阪神ファンのなかには、期待の新外国人選手を目当てに訪れていた者も少なくなかったはずである。5月28日に入団会見を行ったクレイグ・ブラゼルがこの試合で初お披露目となった。初お披露目と言っても、昨年西武ライオンズの四番バッターとして27本塁打、82打点を記録している。すでに実績のあるバッターとして名は通っている。
 初回、そのブラゼルのタイムリーヒットによって阪神二軍に先制を許してしまっている。3点のビハインドを追い掛けながら、香川OGは5回裏の守備に就いた。二番手・高尾健太(21歳)が先頭打者にレフト線へのツーベースヒットを浴び、ワンアウト三塁のピンチを迎えた。ここで香川OGベンチは三番手として、左腕・松居伊貴をマウンドに送る。打席に入ったのは左バッターのブラゼルである。左対左の対決でブラゼルを抑える作戦に出た。
 もちろん準備はしていたが、元メジャーリーガー相手の場面で登板とは、まさか夢にも思っていない。
「いやぁもう、いつもと一緒で『気持ち』です。(ブラゼルは)意識しましたけど…いい経験になると思って。どうせやるんやったら思い切って投げようと思って腕振りました。低目意識して」
 初球を右方向にファールされたあと、2球目のストレートが外角に決まる。カウントツーストライクワンボールとなったあとの4球目は、外角低目へのスライダーだった。ブラゼルのバットが空を切ると、スタンドが一瞬どよめいた。松居のガッツポーズを見て頭に血が上ったらしく、三塁側ベンチへ戻りながら放送禁止用語を2度吐いた。
 6回裏、先頭バッターにヒットを許したものの、九番・上本を空振り三振に獲るなどして踏ん張り、無失点で抑えている。岡本克道コーチ(香川OG)が誉めた。
「オリックスのときもそうだったんですけど。松居、NPB相手だといいピッチングするんですよね!」
 堂々とした投げっぷりだった。格上との対決に飲まれることなく、自分のピッチングを貫いている。
「去年の試合(8月5日)でも投げてたんで、緊張もしなかったです」
 10ヶ月前、ここでツーランを浴びた高橋勇丞も、たった1球で三塁ゴロに打ち取った。
 やはり経験が選手を大きくさせている。「緊張しなかった」と言えたことが、何よりも大きな成長である。




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