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    Hirofumi TAKATA

    Author:Hirofumi TAKATA
    スポーツライター。
    現在『週刊ベースボール』『Baseball Clinic』『熱中!野球部』『野球太郎』『ホームラン』等の各雑誌、スポーツ紙『デイリースポーツ』などにおいて、独立リーグ、高校野球を中心に取材、執筆活動を続けている。
    4月2日生まれ。A型。

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2009/04/30(Thu)

14球勝負、卒業のマウンド

四国・九州アイランドリーグ2009 前期公式戦
2009.4.29. 香川オリーブガイナーズ 9‐0 徳島インディゴソックス <サーパススタジアム> 観衆1,513人

徳島IS 000 000 000| 0
香川OG 100 100 34×| 9

勝 福田岳洋 1勝1敗
敗 佐藤学 1敗

バッテリー
徳島IS 佐藤、香川、大川、光安 ‐ 荒張
香川OG 福田 ‐ 西森

本塁打
香川OG 国本1号満塁(8回、光安)

 香川オリーブガイナーズの今季ホーム初となるデーゲームは、徳島インディゴソックスを迎えての初対戦である。序盤に2点をリードすると先発の福田岳洋がこれに応え、徳島IS打線を無得点に抑え込む。打線も後半、徳島IS投手陣の乱調に長打を重ね、7回に3点、8回に4点と大量リードを奪った。9回を投げ抜いた福田が無四球完封での今季初勝利を挙げ、連敗を「2」で止めた。香川OGは2位・高知ファイティングドッグスとの差を0.5ゲームに縮めている。


『14球勝負』

 久々に登ったデーゲームのマウンドに、香川OGの先発投手・福田岳洋(26歳)は妙な違和感を感じていた。ウォーミングアップからプレイボールまでうまく集中力を高めることができず、どこか間延びしたような感じになってしまった。少しぼんやりしているのが自分でも判る。失点こそ許さなかったものの、1、2回と常にボールを先行させたカウントの悪さがベンチをイラつかせていた。
「初回はフォーム変えたりしてきれいに投げることを意識してて、腕振らないといけない場面で振れてませんでした。1、2回は正直まだ(自分のなかで)始まってなくて、『これじゃダメだ!』と思った3回から集中できました」
 ようやくエンジンに火が入った。ストレートのスピードも140㌔台に乗り始める。
 4回表は先頭打者に三番・神谷厚毅(23歳)を迎えて始まった。徳島ISで今、最も当たっているバッターのひとりである。ストライクゾーンに入ってくる球に積極的にバットを出してくる。ファール2本とボール3つでフルカウントとしたあと、決めに行ったフォークボールもバットに当てられ5本連続ファールとなった。ベンチからの指示がマウンドに伝わる。
「それまでコースを突いてたんですけど、『力で押せ!』って言われて真っ直ぐで押して。でも、真ん中でも打たれないと思ってました」
 神谷もストレートに喰らいつく。138㌔を右方向へ、139㌔を左方向へ。この打席13球目となった139㌔のストレートは、鋭い当たりとなって三塁線ギリギリのところをかすめ、レフト側のファールグラウンドへと転がって行った。これで8球連続ファール。14球目、真ん中低目に投げた今日最速142㌔のストレートでセカンドゴロにつまらせた。
 試合後、岡本克道コーチはスコアシートを見ながら「今日(のポイント)はここだと思う」と指差した。それがこの4回表、神谷との14球に亘った長い対決の場面である。
「いかにコントロールが大事か、よく解ったと思う。全力で投げても打たれるんです。真っ直ぐを低目にコントロールすることを意識して『大胆に投げろ!』って言ってました」
 根負けすることなく丁寧な投球を続け、先頭打者を出塁させなかった。この投球は大きく評価できる。だが、まだ本当に納得のいく投球か、と言われれば決してそうではない。立ち上がりのムダ球の多さが課題として残った。
 しかし、結果を残せたことは素直に誉めてやれる。
「今日は福田に一杯聞いてやって下さい」
 と、笑顔を見せた。
 福田が質問に答える。
「完封は…試合のなかではまったく意識してなかったです。三者凡退が取れてなかったんで、7、8、9(回)は9人で抑えようと思ってました。途中からテンポ良く打たせていけたのが良かった」
 12日間で10試合を戦うゴールデンウィークの連戦、そのアタマを獲った。福田自身、5試合目の登板でやっとつかんだ今季初勝利である。
「ようやくスタートラインかな…」
 開幕の4月、最後のゲームで手にした1勝には無四球完封のおまけもついた。チームとしても今季初の完封勝利である。


『卒業のマウンド』

 正式に発表されていないため、チームスタッフなど一部の人間しかその事実を知らされていない。試合前、加藤博人コーチ(徳島IS)に「今日佐藤、最後のマウンドですか?」と尋ねる。静かに頷いたあと、
「でも、いいことだと思うよ」
 そう言った。
 徳島ISの先発・佐藤学(22歳)がこの試合を最後にチームを去ることになった。東北楽天の打撃投手への採用が決まったため、四国・九州アイランドリーグを卒業する。チームとしては昨年、ソフトバンクのブルペン捕手に採用された加藤光成捕手(06~08)に続くNPBでのスタッフ採用である。リーグとしても東北楽天に打撃投手として採用された下地栄輝投手(元香川OG、06~07、※香川OGを退団後に採用)、ソフトバンクの打撃投手に採用された岸健太郎投手(元高知ファイティングドッグス、05~07)に続く。
 6回を投げ2失点、被安打6。先発投手としての責任は果たしたものの打線がふるわず、最後の先発マウンドは黒星で終わった。
「佐藤のためにも勝たせてやりたかったんやけど…」
 堀江賢治監督の試合後第一声は、表情に悔しさを滲ませての一言となっている。
 最後のマウンドは我慢のピッチングだった。
「常にランナー背負ってたし、先制点取られたんで。最近打線が良かったんでビッグイニングを作らなければどっかで流れが変わってくれると思ってました」
 白星で飾りたかったのはもちろんだが、終ったことにどこか清々しさもある。1年と少しのプロ経験で変わったもの、それは精神面である。野球以外の面でも様々な経験を積むことができた。
「いい意味で考える幅が拡がったと思う。応援してくれる人もたくさんいて、それはとても感謝してます。あっと言う間でしたね。普通の人ではなかなか経験できないことをさせてもらっているな、って感覚はずっとありました。自分の好きなことをしてても悩んだりしてたので、やりたいことを職業にするのは大変だなと…」
 四国・九州ILは卒業するが、その悩みと付き合いながらまだまだ野球と携わっていく。胸の奥には決して諦めていない強い気持ちもある。
「選手として諦めた訳じゃないので。そのために向こうでも練習します」
 一度実家のある埼玉に帰省したあと、5月1日から球団に所属することとなるため、今夜(4月29日)の内に徳島を発たなければならない。「ファンが知ったときにはもう本人がいないのは寂しいね」と声を掛けると、少しだけ苦笑いを見せた。




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2009/04/27(Mon)

流の姿勢

四国・九州アイランドリーグ2009 前期公式戦
2009.4.24. 高知ファイティングドッグス 6‐6 愛媛マンダリンパイレーツ <春野球場> 観衆203人

愛媛MP 004 000 101| 6
高知FD 100 002 210| 6
※ 9回リーグ規定により引き分け

バッテリー
愛媛MP 浦川、川西、能登原 ‐ 梶原
高知FD 野原、山隈 ‐ 飯田

 春野球場に愛媛マンダリンパイレーツを迎える3連戦の初戦、高知ファイティングドッグスは初回に先制しながら3回に4点を失い3点を追う展開となる。6回裏、七番・流大輔の2点適時打となる遊内野安打で1点差に追い上げると、8回裏に左前テキサス安打で出塁した流が逆転のホームを踏んだ。しかし愛媛MPも粘りを見せ、9回裏二番・長崎準平の左翼越え二塁打で同点に追い付くと、試合はリーグ規定により6対6の引き分けとなった。


『流の姿勢』

 前半5回を終って高知FDのビハインドは3点である。だが、打率3割(4月24日開始時)に乗っている打者がスタメン9名中6名いる。シーズン開始前、オープン戦で各チームとの戦力差を分析している頃から、定岡智秋監督は自軍の打線に大きな自信を持っていた。
「去年は5点とか獲られたらシュンとしとったけど、今年はわからんからね。打線がいいから4、5点空いててもチャンスがある」
 その自信は選手たちも変わらない。七番・セカンドで出場した流大輔(20歳)も、
「(4失点した)3回の時点では、後半チャンスあると思いました」
 と話す。だがその強力打線のなかで、唯一打率1割台に低迷しているのが他ならぬ流だった。
 調子はそれほど悪い訳ではない。しかし、ここまで5試合でノーヒットと結果に結び付いていなかった。平日の練習が終了したあと、毎日のように東部球場へ出向き、自費で室内練習場を借りての特打を行っている。
「1、2時間とかですかね。練習終わって7時から8時とか、7時から9時とか。そんなに値段も高くないんですよ」
 試合が終わってもなかなかグラウンドから去らない。「守備がイマイチ納得いかない」と言っては、独りで壁にボールを当て捕球動作の確認をしている。そんな選手である。
「今日は『初球から振るぞ!』と思ってました。YAMASHINさん(山本伸一、26歳)が打撃の師匠で、『消極的なバッティングすな!』って言われてて。いつも見てくれてるんです。YAMASHINさんって、攻めながら積極的に振って行って、フォアボールをもぎ取るじゃないですか。これですよ! 今まで待ちの姿勢でしたから」
 6歳年上のリードオフマンは06年打率2位、2度のベストナイン、盗塁王に輝いた巧打者である。同じ左打者、同じ足を活かせるタイプの打者として見習うべき部分が多くある。だがYAMASIN自身、年下の選手に自ら積極的に教えようとするタイプの選手ではない。聞きに来れば初めて親身になって応える。そんなタイプだ。
「聞かれたら言うし、言ったらこっちも言いっぱなしじゃダメやから見なくちゃいけないじゃないですか。だから見るし」
 YAMASHINがそう話す。自分の殻を破るために貪欲に先輩から教えを請う。そこに流の姿勢が垣間見える。
 5回裏の第2打席でピッチャーの左横を抜くセンター前ヒット、6回裏には2点タイムリーヒットとなるショートへの内野安打を放った。8回裏、先頭バッターとしてレフト前へのテキサスヒットで出塁し、逆転のホームを踏んだ。今日3安打の固め打ちで打率を大きく上げている。
「当たりはどれもあんまり良くなかったですけどね」
 と照れて笑う流に、YAMASHINは何か言ってた? と聞いた。
「左に打とうって意識があるから、ちゃんと体重が後ろに残ってポテンヒットにもなるんだよって、言われました」
 3安打はすべてセンターから左方向へ飛んで行った。素直なところも流の良さである。


2009.4.26. 高知FD 10-4 愛媛MP <春野球場>
コラム『見えたら振る!』は、『THE STADIUM』(http://thestadium.jp/)に掲載されています。




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2009/04/20(Mon)

「こんなこと繰り返してたらチームが良くならない!」

四国・九州アイランドリーグ2009 前期公式戦
2009.4.19. 高知ファイティングドッグス 8‐9 香川オリーブガイナーズ <高知市営球場> 観衆610人

香川OG 100 008 000| 9
高知FD 011 303 000| 8

バッテリー
香川OG 松居、金子、上野、橋本 ‐ 西森
高知FD ドミンゴ、武田、山中、山隈 ‐ 飯田

勝 金子圭太 1勝
S 橋本亮馬 2S
敗 山中智貴 1敗1S

 入団以来初登板となった高知ファイティングドッグスの先発・ドミンゴ(元楽天)が、香川オリーブガイナーズを5回まで1安打に抑え込む。高知FD4点リードで迎えた6回表、二番手としてマウンドに登った武田大輔が2失点、三番手・山中智貴も5連打を浴びるなど、8点を失い逆転を許した。すぐさま3点を返し追撃を図るが、7回以降1人の走者も出すことができず、香川OGの前に敗れた。この結果、首位・長崎セインツと1.5ゲーム差で2位に高知FD、香川OGが並んでいる。


『「こんなこと繰り返してたらチームが良くならない!」』

 たった1イニングの内に8点を献上してしまった。しかも4点差を覆されての逆転である。高知FDの敗因はまさに、この6回表を香川OGのビッグイニングにしてしまったことに尽きる。二番手・武田大輔(23歳)が2失点、三番手・山中智貴(20歳)も5連打を浴び逆転を許した。試合後のミーティングで定岡智秋監督は、選手たちに「今日はベンチのミスや」と采配ミスを正直に詫びている。
「武田と山中、どっちを先にしようか迷とった。両方ともいい感じやったから。山中を先に行かそうかとも思ったんやけどね。最初のフォアボールで「まずいな」と思ったんやけど点差があった分、まぁもうちょっと見てみようかという気になってしまった。ワンアウト一、三塁、あの洋輔(四番・近藤洋輔、27歳)のところで代えたら良かったんやけど…」
 今日の試合で一番の注目の的であった元楽天の投手ドミンゴの前に、香川OG打線は5回までヒット1本に抑え込まれていた。二番手に代わった途端始まった、まるで堰を切ったかのような7連打の猛攻に、高知FDバッテリーはどうすることもできないままだった。
 NPBで実績のある投手と、1人は初登板、もう1人はまだ二十歳の2年目である。投手としての経験値も信頼感もまったく違う。リードする捕手・飯田一弥(23歳)もマスク越しにその違いをひしひしと感じていた。
「ドミンゴはやり易かったです。今日は真っ直ぐとチェンジアップだけで、球数も決められてたし、追い込んだらチェンジアップで。最初ちょっと高かったんですけど、試合のなかで修正できてました。あの辺はさすがやなぁと思いましたね」
 34歳、NPBで8年の経験を持つドミンゴを、10歳以上歳の違う飯田が自信を持ってリードする。チームに合流して以来、コミュニケーションもしっかり取れている。球場にも同じ車で通うなどフランクに付き合っており、バッテリーとしての呼吸はまったく問題なかった。
 ビッグイニングの話になった途端、表情が険しくなる。
「そうなんですよ! 武田は今日初登板だったんでアレですけど、山中ですよ。変化球が高くなったり、追い込んでから甘くなったり。去年から一緒なんです。同じことの繰り返しで。僕、怒ったんですよ。『こんなこと繰り返してたらチームが良くならない!』って。今日なんか勝てる試合じゃないですか! はっきり言って」
 マウンドでの山中に、去年からの進歩がまったくと言っていいほど見えない。そこに大きな苛立ちを感じている。
 武田に代わりマウンドに登ったのは、2点をリードして一死二塁、打者五番・国本和俊(25歳)の場面である。二塁ランナーは還してもいい。バッターだけを抑えよう。そう思っていた。
「(飯田に)『全部高い!』って言われて。変化球で目線を変えさせようと思ったんですけど。あんな続くと思わなかった。真っ直ぐも変化球も、もっと低目を意識して投げないと…」
 打線は下位に向かう。きっとどこかでヒットは途切れるはずだ。まさか5連打も続くとは思わなかったところに大きな隙があった。自責点は5である。一球の怖さとマウンドに登る者の責任を肌で感じ、次の登板でチームからの信頼を得られるか。飯田からの信頼を得られるか。定岡監督が言う。
「投手陣がドミンゴからいろいろ吸収できるところが大きいよね。選手ってあれこれ言われるより、グラウンドで結果出されるのが一番分かるからね」
 ドミンゴはもうすでに大きな信頼を得ている。




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2009/04/20(Mon)

違った意識で

四国・九州アイランドリーグ2009 前期公式戦
2009.4.17. 愛媛マンダリンパイレーツ 6‐3 徳島インディゴソックス <東予球場> 観衆1,164人

徳島IS 300 000 000| 3
愛媛MP 202 020 00×| 6

バッテリー
徳島IS ソリアーノ、佐藤、サンチェス ‐ 永井
愛媛MP 近平、山下、能登原、浦川 ‐ 梶原

勝 山下良太 1勝
S 浦川大輔 1S
敗 ソリアーノ 3敗

本塁打
愛媛MP 大島1号2ラン(1回、ソリアーノ)

 愛媛マンダリンパイレーツが徳島インディゴソックスを迎え撃つホーム3連戦の初戦である。初回に5連打を喰らい3点を奪われた愛媛MPだったが、1回裏、四番・大島慎伍が左翼スタンドへ2ランを叩き込み1点差へと追い上げる。大島は3回裏にも右翼越え2点適時二塁打を放ち逆転に成功した。5回裏に2点を追加し点差を3点に拡げた愛媛MPに対し、徳島ISは2回以降1安打と打線が沈黙した。逆転の糸口をつかめないまま最後の攻撃も無得点で終え、6-3で勝利した愛媛MPが星を3勝3敗のタイに戻している。


『違った意識で』

 初回に奪われた3点のビハインドはまったく気にしていなかった。まず、自分のやるべきことをやろう。みんながそう思えさすれば、まだまだ逆転のチャンスは十分にある。1回裏、二死一塁で回ってきた最初の打席に、愛媛MPの四番・大島慎伍(25歳)は、振り遅れないようにすることだけを意識していた。
「打席に入る前からずっとタイミングだけ意識してました。真っ直ぐに振り遅れないように。たまたまスライダーが甘いところへ来たんですけど、きれいに振り抜けました」
 初球、内角高目のスライダーを弾き返すと、打球は低い弾道で左翼スタンドへと突き刺さる。この2ランで1点差に追い上げると、3回裏にはライトの頭上を越える2点タイムリーツーベースヒットを放ち、逆転に成功した。最初の2打席で4打点を稼ぎ、四番の責任を果たしている。
 11日のサーパススタジアム、香川オリーブガイナーズ戦でも3安打の固め打ちを披露している。今季2度目の3安打と打撃は好調だ。今季から打席での意識に変化がある。
「今まで『完璧に打ちたい!』っていう意識が強すぎて、試合中やのにフォームをいろいろ気にしたりして、タイミングのことはあんまり考えてなかったんです。フォームが悪くてもタイミングが合えばヒットは出るんで。今は試合中にピッチャーとのかけひきをしっかりするようにしてます。フォームどうこうは気にせずに、タイミングだけ」
 きれいに打つよりも、しっかり振る。第1打席のホームランも、第2打席のツーベースヒットも、ともに初球を叩いた。うまく捉えられただけでなく、思い切り良く積極的に振れていることが良い結果へとつながっている。自分の美学へのこだわりよりも、勝負にこだわる。
 もうひとつ、昨年とは違っている意識がある。
「初回に3点獲られて、あのあとゼロでズルズル行ってたら、逆に追加点獲られてたかもしれない」
 嫌な展開で始まった試合の序盤、悪い流れを止める意味でも大きな2点になった。1点差に追い上げたあと、2回表の守備に就くなかで、徳島ISベンチの空気の変化に気づいている。初回にあった勢いがなくなってしまっていた。
「止まった感じしましたね。それは感じました」
 試合のなかでしっかり流れを読む。それも昨季以上に意識していることのひとつである。




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2009/04/20(Mon)

本番モードへ

四国・九州アイランドリーグ 前期公式戦
2009.4.12. 愛媛マンダリンパイレーツ 2‐3 香川オリーブガイナーズ <坊っちゃんスタジアム> 観衆7,872人

香川OG 000 101 100| 3
愛媛MP 101 000 000| 2

バッテリー
香川OG 松居、上野、橋本 ‐ 西森
愛媛MP 浦川、高木、能登原 ‐ 梶原

勝 松居伊貴 2勝
S 橋本亮馬 1S
敗 浦川大輔 1敗

 愛媛マンダリンパイレーツのホーム開幕戦は、愛媛県出身のアスリート3名ら多彩なゲストを集めてのセレモニーが行われるなか、華々しい雰囲気のなかで始まった。今季最多となる7,872名の観衆が坊っちゃんスタジアムに駆けつけている。
 香川オリーブガイナーズの1点ビハインドで迎えた6回表、四番・洋輔の左前適時安打で同点に追いつくと、続く7回表に敵失策で1点を奪い逆転に成功する。この1点を守った香川OGが3対2で愛媛MPを降し今季初のビジター戦を制した。香川OGは長崎セインツとともに首位をキープ、愛媛MPは4位のまま借金を「1」としている。


『本番モードへ』

 4回表、好投を見せる愛媛MP・浦川大輔(27歳)から四番・洋輔(近藤洋輔・27歳)が内角高目の球を思い切り引っ張りレフト前へと運ぶ。香川OGの先制点は、二死ランナーなしからのこの1打から生まれた。ここまでの4試合すべて四番に座りながら、ヒットは開幕戦に打った二塁打1本と、昨日(11日)の第4打席に放ったレフト前ヒットのみである。だが、17打席目に放ったこのヒットで忘れていたバッティング感覚を取り戻した。
「気持ちの面が大きいんですかね? 全然打ってなかったんで、昨日はしっかり気持ちを切り替えて行ったんですけど、最後に結果として出たんでね。あれくらいからなんとなくつかみかけてました」
 昨年の後期リーグ戦で最後まで優勝争いのデッドヒートを演じ、敗れた愛媛MPとの最初の4連戦である。主将としてもチームメイトらを鼓舞し続けた。
「4試合直接対決で『5割ではあかんな! 3勝1敗で行くぞ!』っていうのはずっと言い続けてました」
 2勝1敗で臨んだ4戦目を目標通りしっかりと勝ち切った。この3日間、10日の逆転サヨナラ勝ちを含め、すべて1点差での接戦である。敗れた昨日(11日)の試合も9回裏に2点をもぎ取り、あと1歩のところまで漕ぎ付けていた。終盤の粘りが出ているのはチーム状態が良い証拠だ。四番の仕事としてもうひとつ物足りなかった洋輔のバットもようやく目覚めた。6回表二死一塁の場面では三遊間を破る同点タイムリーヒットを放ち、今日2安打を記録している。
 昨年のシーズン終了直後、ほとんど休みなく練習を再開させ、身体を動かし続けている。2月2日、高松での合同自主トレ開始の日も新人たちとは別格のキレのある動きを見せていた。チームメイト4人がNPBへと駆け上がって行ったことも今季に懸ける並々ならぬ想いにつながっている。だが、それが逆に空回りにつながってしまっていたのかもしれない。
「ここまでなんとなくボヤ~っとしてたんです。テンションを上げよう上げようとしてたんですけど、なかなか上がらなくて…。ようやくスイッチが入ってきました。途中守ってて、『あぁ、去年もこのテンションでやってたな…』って思い出しました」
 ようやく心と身体のバランスが合ってきた。これからが本当の本番モード突入である。




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2009/04/20(Mon)

5ヶ月後の笑顔

四国・九州アイランドリーグ2009 前期公式戦
2009.4.10. 徳島インディゴソックス 2‐9 長崎セインツ <オロナミンC球場> 観衆366人

長崎S 006 010 101| 9
徳島I 000 002 000| 2

バッテリー
長崎S 松田、土田 ‐ 吉川
徳島I 大川、佐藤、竹原 ‐ 永井、河原

勝 松田有二 1勝
敗 大川学史 2敗

本塁打
長崎S 雄飛(町田雄飛)1号ソロ(7回、佐藤)

 長崎セインツが敵地・徳島に乗り込んで戦う徳島インディゴソックスとの3連戦、第1ラウンドは鳴門でのナイトゲームである。3回表、長崎S打線が徳島IS先発・大川学史を捉え、打者一巡の猛攻で6点を奪った。長崎Sは5回、7回、9回と、小刻みに追加点を加えると、徳島ISの反撃を2点に退け9対2で降した。この結果、長崎Sは高知ファイティングドッグスと並び2位をキープ。徳島ISは開幕戦以来3連敗と、ただ1チーム勝ち星がない。


『5ヶ月後の笑顔』

 愛知県小牧市の社会人野球チーム、ヒタチエクスプレスが会社の倒産に伴い解散に追い込まれたのは、昨年11月のことである。06年3月のチーム設立からわずか2年でのチーム崩壊だった。17人いた部員はバラバラとなり、現役続行を希望する選手はそれぞれにプレー可能な場所を求め、さまざまなチームの入団テストを受けている。四国・九州アイランドリーグに挑戦した選手も少なくなかった。各チームごとに行ったトライアウトの結果、香川オリーブガイナーズに投手1名、徳島ISに投手2名、長崎Sに捕手1名、外野手1名が入団し、5名がこのリーグでプレーできるチャンスを手にしている。
 徳島ISと長崎Sとの対戦は、オープン戦を通じてこれが今季最初である。3回表、長崎Sの先頭打者、七番・吉川公史郎(24歳)がライト前ヒットを放ち出塁した。続く八番・駒井昌之(23歳)が6球目をうまく右方向へ流し、一、二塁間を破る。スタートを切っていた吉川が三塁を陥れ、無死一、三塁のチャンスをつかむ。
一挙に6点を奪い勝利を大きく手繰り寄せることになった3回表の攻撃は、かつてヒタチエクスプレスでチームメイトだった2人が決めた、このヒットエンドランから始まった。それだけではない。マウンドに立っていた徳島ISの先発投手・大川学史(23歳)も、昨年までヒタチエクスプレスに在籍し、11月のトライアウトを受けて入団した1人である。
 駒井にとって大川との初対決は、今回の徳島遠征のなかでも大きな楽しみの一つだった。
「ちょくちょく連絡は取ってました。電話ではウソの球種なんか言ってましたね。(このあと電話で)「ざまあみろ!」って言ってやります。いいピッチャーだってのは分かってたんですけど、カットボールのコントロールも良くなかったし、球速も出てなかった。去年よりは(調子が)落ちてると思いました。まだ光安(祐輝投手、徳島IS・23歳)ってのがいるんで、対戦が楽しみです」
 3安打と気を吐いただけでなく、6回には二盗も成功させ好調なところを見せている。
 駒井と大川が同じユニフォームを着たのは08年の1年間だけだが、ひとつ年上の吉川は2年間ヒタチエクスプレスに籍を置いている。着ているユニフォームは変わってしまった。だが、苦しい時期を戦ったメンバーと再び同じグラウンドに立ったことは、2人以上に強く、特別な感情を湧き上がらせていた。
「お互い知ってるだけに、大川には「本気で投げて欲しい」と思ってました。社会人時代の苦しさを乗り越えてきた仲間なんで。仕事もキツかったし、みんなで「頑張ろう!」って言いながらやってきました。会社が倒産して野球がやれなくなって、でも独立リーグでこうして野球がやれて。今はこうしてやれる環境があるけど、去年まではやりたくてもできない状況だったんで…」
 大川とはチーム解散以降、電話でもほとんど話をしたことがない。
 マウンドで吉川、駒井と相対した大川には湿っぽい感情はほとんどなかった。試合後、ピッチングについての反省を語るなかで、一言こう語っている。
「「打たれたくない!」って気持ちはありました。ちょっと力が入ったかもしれない…」
 衝撃の解散から5ヶ月が過ぎた。しかし、またこうして野球を続けられている。
 三塁側ダッグアウトの裏では、長崎Sの選手たちが帰り支度を急いでいた。まだ灯されたままのナイター照明の下、徳島ISの選手たちが行っていたグラウンド整備がほぼ終った。三塁側のダッグアウト前に現れた吉川と駒井に、トンボを持ったままの大川と光安が歩み寄る。長崎Sのバスがグラウンドを後にするまでの短い時間、かつてのチームメイト4人は、にこやかな笑顔で旧交を温めていた。




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2009/04/03(Fri)

ごあいさつ

ごぶさたしております。

いよいよ明日、4月4日から四国・九州アイランドリーグが開幕します。
昨季までこのblogを使い四国・九州IL情報を発信して参りましたが、今季はこれまでと違った形で情報発信することにしました。

スポーツライター増島みどりさんのサイト、『THE STADIUM』(http://thestadium.jp/)の中で活動の場を戴くことができました。開幕戦以降、こちらから四国・九州ILの情報を発信して行こうと考えております。これまで以上に全国のスポーツファンのもとへ、四国・九州ILで繰り広げらている試合1戦1戦の模様を伝えられれば、と思っております。

さっそく2日に『四国・九州アイランドリーグ プレビュー』の原稿が掲載されました。
『THE STADIUM』への訪問をお待ちしております。
よろしくお願い申し上げます。

スポーツライター
高田博史
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