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    Hirofumi TAKATA

    Author:Hirofumi TAKATA
    スポーツライター。
    現在『週刊ベースボール』『Baseball Clinic』『熱中!野球部』『野球太郎』『ホームラン』等の各雑誌、スポーツ紙『デイリースポーツ』などにおいて、独立リーグ、高校野球を中心に取材、執筆活動を続けている。
    4月2日生まれ。A型。

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2008/07/31(Thu)

「いやぁ、いいもん観た」

四国・九州アイランドリーグ NPB交流戦
2008.7.28. フューチャーズ(イースタン・リーグ混成チーム) 3-11 四国・九州IL選抜 <大田スタジアム>

IL 000 025 202| 11
FT 000 100 200| 3

バッテリー
IL 川西、ケリー、イ、土田、キム ‐ 飯田、永井、堂上
FT 西崎、林、川口、西村、木興、朱、橋本 ‐ 伊集院、銀次

四国・九州IL先発メンバー
中 洋輔(香川OG)
二 YAMASHIN(高知FD)
一 中村(高知FD)
右 西村(福岡RW)
D 林(長崎S)
三 比嘉(愛媛MP)
捕 飯田(高知FD)
左 嶋田(愛媛MP)
遊 古卿(高知FD)

イースタン・リーグの若手選手を主体に構成されたフューチャーズとのNPB交流戦は、関東で四国・九州ILが初めてその実力を披露する試合となる。選抜されたメンバーはそれぞれ空路で羽田へと集合した後、午後2時前に試合会場である大田スタジアムへバスで到着した。今回選抜されたメンバー25名の内、角野雅俊(福岡RW)が負傷により中江信(福岡RW)へと変更されている。
IL選抜の先行で始まった試合は、フューチャーズ先発の西崎が打者6人の内、四番・西村悟(福岡RW)以外の5人を三振に切って取ってみせるというNPBの実力を見せ付けるスタートとなった。IL先発・川西祐太郎(愛媛MP)が2イニングを無失点に切り抜けると、3回裏からマウンドに登ったケリー(高知FD)も打者2人から三振を奪う好投を見せる。しかし、4回裏からマウンドに登ったイ・チャンホ(香川OG)が制球を乱し、2個の四死球と投ゴロ悪送球で一死満塁のピンチを迎える。さらに八番・関口への暴投で三塁走者が生還し、フューチャーズが無安打で先制点を挙げた。
5回表、IL選抜が反撃に出る。この回からマウンドに登った四番手・西村から先頭の七番代打・永井豪(徳島IS)が右前安打を放ち出塁する。九番・古卿大知(高知FD)が一、二塁間へ絶妙のバントヒットを決めると、さらに重盗を成功させた。一死二、三塁とした後、二番・YAMASHIN(高知FD)が右前へ適時安打を放つ。永井の生還に続き、三塁を蹴った古卿がうまく捕手のタッグをかいくぐり本塁へ生還。一気に2点を奪いIL選抜が逆転に成功した。
6回表、さらにIL選抜の猛攻が続く。フューチャーズの五番手・木興の暴投により1点を得ると、4者連続の四球で一死満塁のチャンスをつかんだ。木興に代わったフューチャーズの六番手・朱から八番・金丸勝太郎(徳島IS)が右翼線へ2点適時二塁打を放つと、九番・古卿も中前へ鋭い打球を飛ばしさらに2点を追加。この回5点を奪い6点のリードを奪った。7回表にも六番・比嘉将太(愛媛MP)の右翼線適時打、七番代打・堂上隼人(香川OG)の中犠飛でさらに2点を加え、リードを大量8点に拡げた。
6回裏からマウンドに登ったIL四番手・土田瑞起(長崎S)が7回裏、四球と4本のヒットを浴び走者を溜めると、2本の内野ゴロの間に2点を失う。
だが9回表、IL選抜は8回から登板した八番手・糸数から八番・金丸が中堅手の左を破る2点適時二塁打を放ち、ダメ押しとなる2点を加えた。
8回から登板したキム・ムヨン(福岡RW)が9回裏もフューチャーズ打線を3人で抑え、11安打を放ったIL選抜が11-3で快勝した。四国・九州IL選抜チームはこれで今季、対NPB戦に4連勝。初めて選抜チームの指揮を執った定岡智秋監督の初勝利となった。


『「いやぁ、いいもん観た」』

試合前のシートノックを先に終え、円陣の中心に立ったのはYAMASHIN(高知FD)だった。
「ここはアピールの場ですから、しっかりアピールしましょう!」
この一言で試合へと入って行った。

今回の先発メンバー25名中、野手は15名。高知FDからは5名が選出されている。今季新入団の捕手・飯田一弥を除いて、中村龍央(4年目)、YAMASHIN(3年目)、古卿大知(4年目)、梶田宙(4年目)と、いずれも実績のある高知FDを牽引するメンバーたちだ。3年目のYAMASHINでも221試合、中村が295試合、古卿と梶田に至っては300を越す公式戦出場経験がある(7月27日終了時)。

5回裏、その古卿がフューチャーズをかき回す。
右前安打で出塁した永井豪(徳島IS)を一塁に置いて、一塁手の左に絶妙のプッシュバントを決めた。さらに一番代打・梶田への2球目に永井と古卿がダブルスチールを成功させる。三番・YAMASHINが西村優希(巨人・育成)の変化球をライト前へ運ぶと、二塁から本塁へ突っ込んだ古卿が捕手・伊集院峰弘(巨人)のタッグを回り込みながらうまくかわし、ホームベースに触れた。

足を絡めた積極的な攻撃は続く。ライトからの返球の間に二塁へと達していたYAMASHINが、次の打者三番・中村の初球に三盗を狙った。これは伊集院の送球の前に阻止された。しかし、NPBにまったく臆すること無く戦い、フューチャーズを完全に凌駕するアグレッシブな攻撃スタイルを関東の野球ファンの前で見せつけている。

YAMASHINが語る。
「すごい僕個人的には、スカウトの人もいっぱい来てたし、バッティングと足でアピールしようと思ってました。アイランドリーグと違って、真っ直ぐのキレのあるピッチャーやアイランドリーグで見れないピッチャーとやれますから。最後、もう1本欲しかったですけどね」

選抜チームの指揮を初めて執ったゲームを見事な大勝で終えた定岡智秋監督(高知FD)だったが、試合後のインタビューではほとんど喜びを表さなかった。
「このくらいやって当たり前やからね。それより新人のヤツがアピールせんかったから…。昨日まで試合しとったし、選手を預かってる訳だから無理はさせられんのやけれども。もっと若い内野手にどんどんアピールして欲しいね」
選手の実力はまったく心配していない。NPBだとは言え、若いフューチャーズが相手ならばこれくらいの試合ができる。逆に言えば、彼らは普段通りの野球を見せただけに過ぎない。

6回表、木興拓哉(千葉ロッテ)が4者連続のフォアボールを出してマウンドを降りた。さらに代わった朱大衛(埼玉西武)が3連打を浴び、5点を失った。スタンドからは「お前らどっちがプロだよ!」というヤジが飛ぶ。逆に「アイランド、やっぱ気持ちが違うよ!練習から気合の入り方が違ってたよ」という声も聞こえた。

「少しは力になれたかなと…。高知の監督さんだったんで、やり易かったです」
そう語ったのは2安打2打点1盗塁の活躍を見せた古卿である。

7回表、橋本太郎(湘南)にカウント2-0と追い込まれながら、そこから6球連続ファールで逃げた。9球目、外角低目へのストレートに空振り三振に終ったが、1球もボールを投げなかった橋本に対し、粘りまくった古卿のバットコントロールは素晴らしかった。
「真っ直ぐ待ちの変化(球)だったんですよ。ずっと変化、変化で」
それも4年間、300試合の経験と練習の中で磨いた技である。

9回裏の攻撃を「0」で締め括り、マウンドでハイタッチを交わすアイランドリーグ選抜に、スタンドから大きな拍手が贈られていた。
「いやぁ、いいもん観た」
そう言ってスタジアムを後にして行ったお客さんがいた。


2008.7.28. OHTA STADIUM
試合前には両チーム揃っての記念撮影も行われた

PHOTO BY Hirofumi TAKATA
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2008/07/27(Sun)

自信の源

四国・九州アイランドリーグ 後期公式戦
2008.7.26. 徳島IS 1-6 愛媛MP <蔵本運動公園>

愛媛 020 004 000| 6
徳島 000 000 001| 1

勝 高木 6勝6敗
敗 片山 2勝8敗

バッテリー
愛媛 高木 ‐ 松原
徳島 片山、梅原、安里 ‐ 加藤

4連勝で星をタイに戻し、愛媛MPが最下位から一気に3位までかけ上がってきた。沖泰司監督の受けた5試合出場停止処分も解けた。波に乗る愛媛MPを徳島ISはホーム蔵本球場で止めることができるか。
2回裏、愛媛MP打線が徳島IS先発・片山正弘を捉える。六番・高田泰輔、七番・梶原有司の連続安打の後、八番・大津慎太郎が一、二塁間を破る適時安打を放ち1点を奪う。さらに一死満塁として一番・檜垣浩太は右中間へ犠飛を上げ、2点を先制した。
愛媛MP先発・高木大輔の前に徳島ISは5回を散発2安打と、得点のチャンスをつかめないまま前半を終える。
6回表、片山が再び捕まる。一死一、二塁のチャンスに高田が右翼線に適時二塁打を放ち愛媛MPが追加点を挙げると、徳島ISベンチはここで片山を諦め、二番手・梅原伸亮をマウンドに送る。しかし愛媛MP打線は梅原も攻略し、梶原の左前適時打、檜垣の右前適時打などでさらに3点を奪う。この回4点を加え、愛媛MPが試合を一方的な展開に持ち込んだ。
9回裏、完封目前の高木から二番・大二郎が左翼スタンドにワンバウンドで飛び込む二塁打を放ち出塁すると、四番・小松崎大地の遊ゴロの間に三塁から生還し1点を返した。しかし反撃もここまで。愛媛MPが6-1で徳島ISを降し5連勝。高木は完投で7勝目を手にした。愛媛MPはついに貯金を「1」とし、2位との差を1ゲームに縮めた。徳島ISはこれで4連敗と一向に浮上する気配が見えてこない。


『自信の源』

2回に三遊間を破り先制点のきっかけとなる一打を、6回にはライト線へのタイムリーツーベースヒットを放ち、片山正弘をマウンドから引き摺り降ろした。徳島ISのエース・渡邊隆洋を攻略した昨日に続き、高田泰輔(愛媛MP)が連夜のヒーローである。

斎藤浩行コーチが語る。
「自分の形で打てるようになってきました。プロ野球選手は誰もが自分のスイングを持ってないといけないんです。僕もチェックしますけど、彼も毎日チェックしている。まだ完璧ではないですけど、いい形で打てるようになってきてます。今のはいい形だった、ファールした今のは悪い形だったっていうのが解るようになってきました」

愛媛・新田高を卒業し、愛媛MPの一員となってもうすぐ半年になる。
「ずっと斎藤コーチと一緒にマンツーマンでやってきたことが、結果となって出てき始めてる。元々いいものは持ってたんですが、しっかり振れるようになってきました」
沖泰司監督もそう語る。

練習終了後、斎藤コーチに付き合ってもらいネットに向かって懸命にボールを打ち込む姿があるという。
「ずっとやってもらってて、今でもやってます」
と、胸を張った。居残りしてのティーバッティングが自信の源だ。

毎日の積み重ねでつかみかけているものが、実戦の場で徐々に結果として現れ始めた。そこには春からひたすら真摯に取り組んできたのだという、揺るぎの無い自信が備わっている。やってきたことは誰よりも自分自身が一番よく知っている。

「前期が終って、後期に入って調子が上がってきました。今のが自分のバッティングだと思います。開かないようにとかズレないようにとか、意識していることはいろいろあるんですけど、打席の中では考えないようにしています。試合前の練習や普段の練習で意識して、試合ではしっかり切り替えて」

甲子園を目指していたあの夏からちょうど1年が過ぎた。さらに上を目指し、バットを振り続けている姿がある。
「ココイチで打てるバッターになりたい」
と、19歳のバットマンは言う。



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2008/07/27(Sun)

初めての勝利

四国・九州アイランドリーグ 後期公式戦
2008.7.25. 高知FD 1-2 福岡RW <高知市営球場>

福岡 000 100 100| 2
高知 000 000 100| 1

勝 倫太郎 1勝1敗
S キム 0勝0敗11S
敗 ケリー 5勝4敗

バッテリー
福岡 倫太郎、西村拓、キム ‐ 富岡
高知 ケリー、山中、上里田 ‐ 飯田

0.5ゲーム差で首位に立つ福岡RWが、2位で追う高知FDのホーム、高知市営球場に乗り込み3連戦を戦う。
序盤は投手戦の様相を呈した。高知FD先発・ケリーの前に福岡RW打線は毎回三振を喫し、最初の3イニングを9人で終える。福岡RW先発・倫太郎は走者を背負いながらも二塁を踏ませない粘りのある投球を披露する。
4回表、試合が動いた。一番・國信貴裕の左前安打、二番・関口大志の二塁手の頭上を越すテキサス安打で福岡RWが一死一、三塁のチャンスをつかむと、三番・西村悟が中堅手左に大きな犠飛を上げ、三塁から國信が生還。先制点を奪った。
さらに7回表、四球で出塁した関口を一塁に置いて、西村悟は7球目を中前に運ぶ。スタートを切っていた関口は二塁を蹴って三塁へ。さらに中堅手・梶田宙が芝に足を取られスリップする間に本塁生還を果たし、追加点を挙げた。
高知FDは7回裏、連続四死球に倫太郎の暴投が絡み無死二、三塁とすると、八番・大西正剛の左中間適時安打で1点を返す。福岡RWベンチはここで倫太郎に代え、左腕・西村拓也をマウンドに送る。西村は無死一、二塁のピンチに後続をしっかりと抑え、このピンチを見事に凌いだ。
8回表、高知FDベンチは7回まで毎回の10三振を奪い好投したケリーに代え、山中智貴をマウンドに送る。9回表、二死満塁で迎えたピンチも守護神・上里田光正が六番・陽耀華を三ゴロに抑え、1点差のまま最終回の攻撃に望みをつないだ。
しかし8回からマウンドに登った福岡RWの三番手・キム・ムヨンの前に高知FD打線は活路を見出せず、福岡RWが2-1で高知FDを降した。福岡RWは3連勝。2位との差を1.5ゲームに開いた。


『初めての勝利』

06シーズン後期から徳島ISに入団し9試合に登板。翌07シーズンも15試合に登板するが、徳島ISでは1勝も挙げることのないまま8月31日付けでチームを去った。9月からは愛媛MPの練習生として再出発に賭けた。今季から故郷に誕生した福岡RWの一員となった倫太郎(福岡RW)は、3球団目となった赤いユニフォームに袖を通しマウンドに立っている。

首位に立った21日のアグリあなんスタジアムで、森山良二監督は
「まだそういうのは全然気にしていない」
と語っていた。
だが、この1戦目が絶対に落としたくない大事な試合であることは間違いない。倫太郎が先発を言い渡されたのは3日前、火曜日のことである。
「監督から『打たれてもいい』って言われたんですけど、やっぱ打たせるつもりはないし、2回チャンスもらって結果出せてなかった。真っ直ぐだけに頼るピッチャーじゃないんで、もっと楽に打たせようと思ってました」

6回まで出した四球は4つと決して少なくない。2回裏には先頭打者を歩かせている。
「いつもならあそこで崩れていくところをよく踏ん張ってくれた」
と、森山監督も好投を認めている。7回に1点を失いマウンドを降りたが、先発の仕事はやってのけた。

「福岡RWに来て一番変わったものは何か?」と尋ねてみた。
「気持ちです。マウンドに上がると『またフォアボール出すんじゃないか?』って思う。でも、後ろの野手を信じて投げられるようになりました。ベンチも僕を信じて出してくれる」

常に自滅することへの不安と戦いながら、しかしバックでは信頼できる野手たちが守ってくれている。自分を信じてマウンドへと送り出してくれているのだ。その期待に応えたい。応えなければならない。このチームに来て、野手のことを信じて投げられるようになった、と言った。その一言に、これまでの苦悩をうかがい知ることができる。

「3年目で初めての勝利なんですよ。倫太郎にいろいろ聞いてやって下さい」
試合終了後の三塁側ベンチ前で、森山監督がそう言ってわざわざ取材を促してくれた。
倫太郎がこのチームでバックを信じられるようになったのも、こんなところに理由があるように思う。



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2008/07/23(Wed)

強い意志

四国・九州アイランドリーグ 後期公式戦
2008.7.21. 徳島IS 10-3 福岡RW <アグリあなんスタジアム>

福岡 302 220 010| 10
徳島 002 000 001| 3

勝 中江 7勝7敗
S 西村拓 0勝1敗2S
敗 佐藤 0勝1敗3S

バッテリー
福岡 中江、西村拓 ‐ 富岡
徳島 佐藤、安里、平野、竹原 ‐ 矢野、荒張

福岡RW打線が徳島IS先発・佐藤学の立ち上がりを捉える。1回表、三番・西村悟の右翼線適時二塁打で先制点を挙げると、六番・陽耀華の左前適時打などで3点のリードを奪った。3回表には遊撃手・金城直仁の連続失策を誘いさらに2点を加え、リードを5点に拡げる。
3回裏、徳島ISが反撃に出る。福岡RW先発・中江信から三番・山口寛史、四番・小松崎大地が連続適時打を放ち2点を返した。
しかし4回表、3回途中から佐藤に代わった二番手・安里渉を再び福岡RW打線が打ち崩す。二番・関口大志が左前に適時安打を放ち2点を。5回表にも七番・トモが前進守備を敷いていた中堅手の右を抜く三塁打を放ち、さらに2点を追加。大量9点を挙げて一方的な展開に持ち込んだ。
6回を投げた中江に代わり、7回から左腕・西村拓がマウンドに登る。4回以降、徳島ISは反撃につなげられないまま拙攻を重ねる。8回表にも三番手・平野誠の暴投によりさらに1点を献上してしまった。
9回裏、二番・大二郎への押し出し四球で徳島ISが1点を奪ったが反撃もここまで。福岡RWが徳島ISを10-3で降し、このカードを連勝で終えた。福岡RWは対徳島IS戦6連勝。四万十で行われた試合で高知FDが香川OGに敗れたため、福岡RWが後期2度目の首位に再浮上している。


『強い意志』

中江信(福岡RW)にとっては中2日の非常に厳しいマウンドである。
前日に比べれば、アグリあなんスタジアムは少し風が吹き、幾分過ごしやすかった。
「(マウンドは)涼しかったんで、暑さはそんなに気になりませんでした。絶対勝ちたいと思ってました。前期に思うような結果が残せなくて、(星を)5分に持っていこうと思って。それが一番大きかったです」
この試合に勝てば7勝7敗のタイにできる。厳しいコンディションよりも、連投の疲れよりも、ここで絶対に勝つのだという高いモチベーションの方が上回っていた。

序盤から打線が爆発しリードを築く中、しっかり腕を振ろうと意識して投げていた。2回と3回、先頭バッターを四球で歩かせてしまった。3回裏の2失点は大きな反省点として残る。今日のピッチングに納得などしていない。

自分の中に一つの目標を設定している。
「後期だけで10勝しようと思ってます。前期3勝してるんで、これで4勝です」
後期挙げた7勝の内、4勝は中江が勝ち取っている。それどころか、ここまで先発5連勝だ。決して頭数の多くない投手陣の中で、エース角野雅俊と共に大車輪の活躍を見せている。

ビジターゲーム4連戦を3勝1敗で乗り切ったと同時に、チームは再び首位に返り咲いた。確かに登り調子ではある。だが、不安要素も決して少なくない。深谷亮司コーチが語る。
「みんな一杯一杯ですよ。いつプッツン行くか判らない」

左足を傷めている三塁手・荒川大輔を今日は完全に休ませた。一塁手・清水康広の足のケガもまだ試合に出られる状況ではない。投手陣もそうだ。20日の試合前、練習中に森辰夫が誤ってボールを踏んでしまい担架で運ばれるシーンがあった。満身創痍の状態は続いている。

ケガ人が増えれば他の選手に無理がかかってくる。今回の4連戦後も高知、香川と四国に遠征してのビジターゲームが続く。公式戦の間にはNPBとの交流戦も予定されている。真夏の暑さと連戦の疲れが容赦なく襲ってくるだろう。それらすべてを乗り越えるために最も必要なものは、絶対に成し遂げるのだという強い意志なのかもしれない。

敵地で戦う高知FDとの首位決戦3連戦が始まるのは4日後である。
ユニフォームを着替え、グラウンドから去ろうとしていた主将・國信貴裕に、今日首位に立ったことを伝えた。
「来週、直接対決で…」
そう言って少しはにかんだ後、背中を向けた。


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2008/07/21(Mon)

サプライズ

四国・九州アイランドリーグ 後期公式戦
2008.7.20. 徳島IS 1-3 福岡RW <アグリあなんスタジアム>

福岡 020 001 000| 3
徳島 100 000 000| 1

勝 角野 9勝5敗
S キム 0勝0敗10S
敗 梅原 2勝3敗2S

バッテリー
福岡 角野、西村拓、キム ‐ 富岡
徳島 梅原、竹原 ‐ 加藤、矢野

首位の座は1日で陥落したものの、後期早くも5連勝を達成し波に乗る福岡RWが敵地・アグリあなんスタジアムに乗り込んだ。後期初となる徳島ISとの対戦である。
1回裏、福岡RW先発・角野雅俊の立ち上がりに五番・アティングが右前へ適時安打となるテキサス安打を放つ。二塁から山口寛史が生還し、徳島ISが先制点を奪う。
しかし、徳島IS先発の梅原伸亮はこのリードを守ることができない。2回表、一死一、二塁と走者を溜めた後、八番・富岡拓也に走者一掃の右越え三塁打を浴び逆転を許す。福岡RWは6回表にも四番・山本健士の右翼線二塁打で追加点を奪った。
角野は6回1失点でマウンドを後続に譲る。7回を西村拓也、8回からキム・ムヨンが徳島IS打線を無得点に抑えた。
福岡RWが3-1で徳島ISを降した。徳島ISは愛媛MPと入れ替わり、単独最下位に転落している。


『サプライズ』

主将・國信貴裕が語る。
「必死でしたね。『絶対勝たなきゃ!』と思って…」
福岡RWには今日の試合に何としてでも勝たなければならない理由があった。

今日が森山良二監督45回目の誕生日であることは、試合前のミーティングでも話題に登っている。
「ウイニングボールはプレッシャーがかかると思って言わなかったんですよ。結果じゃなくて、ハツラツとしたプレーをして欲しいとだけ言いました」
監督は選手たちにそう言ったが、選手たちは勝利で監督の誕生日を祝いたい。先発の角野雅俊も試合前、
「監督のために投げます」
と一言残してウォーミングアップを開始している。

先発マスクを被ったのは富岡拓也である。
「試合前にチームで『何としてでも勝とう!』と話したんですけど、初回に意識しすぎて「逆に負けられない」と思ってしまって。まずチームの勝利のために、とりあえず一生懸命やろうと切り替えました」
最初の打席で、自ら2点タイムリーとなる三塁打を放つ。これで気持ちに余裕ができた。
「角野さんは変化球の球種もたくさんある。向こうのバッターが真っ直ぐに合わせてたんですけど、それを打ち取れたのが大きかったです」
点を取った後の2回裏の守備、さらに6回の守備に特に気を使った。角野をリードしつつ、自分の気持ちも切らせないように神経を集中させた。

試合終了後、三塁側ベンチの前に全員が整列し、手拍子と共に『Happy birthday to you』が歌われる。
「監督!誕生日おめでとうございます!」
そう叫びながらバースデーケーキの入った箱を抱えた國信がダッグアウトから飛び出し、グラウンドに出たところで頭からすっ転んだ。その直後、キャンドルの灯された本物のバースデーケーキを抱えた荒川大輔が現れ、拍手と共に監督にプレゼントされた。
「まさかケーキまで…。嬉しいですね!勝って誕生日を祝うって、現役の時にもなかったと思う」
監督を真ん中にしての記念写真撮影が終ると、ウイニングボールとケーキをベンチに並べ、監督も携帯で写真に収めていた。

荒川大輔が発案したアイデアである。
「こんなことしかできないから…」
切り分けたケーキを頬張りながら、一言そう言った。愛媛、徳島と移動しながらの4連戦の真っ只中だ。今朝、宿舎とした愛媛のお寺を出発し、阿南に到着してすぐ試合前の練習に入っている。誕生日を祝う準備などままならない中で、これが精一杯のサプライズだった。

勝たないと監督に心から喜んでもらうことができない。
自分たちにプレッシャーを懸け、乗り越えた。本当のプレゼントはチーム一丸となってつかみ、贈ることのできたこの1勝である。



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2008/07/20(Sun)

自信と進歩

四国・九州アイランドリーグ 後期公式戦
2008.7.19. 徳島IS 5-5 香川OG <アグリあなんスタジアム>
※ 9回リーグ規定により引き分け

香川 010 000 031| 5
徳島 002 001 200| 5

バッテリー
香川 安達、イ、橋本 ‐ 堂上
徳島 片山、竹原、平野 ‐ 加藤

2回表、七番・金井雄一郎の併殺打の間に五番・洋輔が生還し、香川OGが先制点を奪う。しかし、徳島ISは3回裏、香川OG先発の安達輝誠から二番・大二郎が中前適時打。四番・小松崎大地の右中間を突破する二塁打で2点を奪い逆転に成功した。
さらに徳島ISがたたみ掛ける。6回裏、七番・増野真太郎の左翼線適時打で1点を追加すると、7回裏には代わったイ・チャンホを捉え、大二郎が左越え二塁打。小松崎の二ゴロの間に大二郎が還りリードを4点に拡げる。
3回以降香川OG打線を散発2安打に抑えた徳島IS先発の片山正弘だが、8回表に捕まる。一番・西森将司の適時左前打に左翼手・金丸勝太郎の失策が絡み1点を奪われると、さらに無死二、三塁のピンチが続く。ここで徳島ISベンチは片山に代え竹原俊介をマウンドに送るが、三番・堂上隼人に走者一掃となる左越え二塁打を浴び、この回3点を失った。
9回表、1点リードを守りたい徳島ISは三番手・平野誠をマウンドに送るが、これが誤算となる。六番・国本和俊、七番・金井、八番・若林春樹の3連打で無死満塁とすると、西森の中前テキサス打。香川OGが土壇場で同点に追い着いた。
8回からマウンドに登った橋本亮馬が9回裏も徳島ISの攻撃を3人で締め、5-5のままリーグ規定により引き分けに終わった。


『自信と進歩』

7回裏を終って4点リードしている。片山正弘、加藤光成の徳島ISバッテリーは、「まだここから先にもう1回、乗り越えなければならないヤマが来るはずだ」と考えていた。その予感は8回表に当たる。1点を奪われ、なおも無死二、三塁のピンチに、ベンチは88球を投げていた片山に代え、竹原俊介をマウンドに送った。

結果的に8、9回を投手陣が守り切れず、5-5のドローにしてしまった。8回に堂上隼人に二塁打を浴び2点を失ったが、気迫溢れるピッチングを見せていた竹原をもう1イニング投げさせるべきか。ベンチは迷ったと言う。白石静生監督が語る。
「平野は表面上、ちょっと気迫が足りないように見える。打たれはしたけども竹原の方がガッツはある。平野はガッツがない。ボールが高いから打たれるし、低い球を投げない。堂上の時は負けを意識したよね。あそこはいいボールで三振に取ったけども」
1点を守り切ることのできなかった平野への信頼感が揺らいでいる。むしろ、竹原を高評価していた。

竹原が語る。
「NEWイニングからなら、僕が平野みたいになってたかもしれない。行くんだったらピンチの場面での方がいいなと思ってました」
その方がエンジンがかかり易い。「ランナーは還してもいい」と言われて出て行ったが、もちろんその気は無かった。今日の堂上が好調なことも判っていた。2点を奪われた後、さらに四番・丈武、五番・洋輔を迎えてからが、竹原の真骨頂となった。
「今までだったらまっすぐで行って打たれてたと思います。スラ(スライダー)が使えるようになった。洋輔さんにカウント2-3になった時に加藤さんがマウンドに来てくれて、「何投げたい?」って聞いてくれたんで「お任せします」って言ったんですけど、やっぱりサインもスラでした」
丈武を三振に取り、洋輔にも粘り強いピッチングを見せ、サードゴロに打ち取りピンチを乗り切った。苦しんでいたスライダーのコントロールに光明が見えた。2失点のマウンドでつかんだ自信がある。

片山もそうだ。しっかり右足にタメを使った新しいフォームで安定感を増していた。
「追い込んでからヒットにされたのは課題ですけど、スライダーの抜けが減ってきた」
勝利は逃したが、確かな進歩もあった。

徳島ISにすればもったいない引き分け試合だったと言わざるを得ない。守り切れなかった最終回、平野はこの悔しさを次のマウンドでどう晴らすのか。



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2008/07/19(Sat)

「どうしても」

四国・九州アイランドリーグ 後期公式戦
2008.7.18. 徳島IS 4-1 香川OG <アグリあなんスタジアム>

香川 010 000 000| 1
徳島 000 003 01×| 4

勝 渡邊 7勝7敗1S
敗 金子 6勝4敗

バッテリー
香川 塚本、金子、岡本、高尾、松居、イ ‐ 堂上
徳島 渡邊 ‐ 加藤

本塁打
徳島 小松崎3号2ラン(6回裏、金子)

徳島ISは左腕・渡邊隆洋、香川OGは前期MVP、サブマリン・塚本浩二と、共にエース同士を先発に起用しての後期初対決である。
2回表、四番・丈武は右翼線フェンス一杯に長打を放つと、右翼手・小松崎大地の返球が逸れる間に三塁を陥れる。五番・洋輔がきっちり右犠飛を放ち香川OGが1点を先制した。
徳島ISは塚本の前に5回まで1安打とチャンスがつかめない。しかし6回裏、九番・大二郎が死球で出塁すると一番・金丸勝太郎の送りバントでスコアリングポジションに走者を送る。香川OGベンチはここで腰に張りの出ていた塚本に代え、金子圭太をマウンドに送った。二番・金城直仁の三ゴロの間に大二郎が三塁へ進む好走塁を見せると、三番・山口寛史が右翼線へ適時打を放ち同点に。さらに四番・小松崎が左中間スタンドにライナーで突き刺さる逆転2ランを放ち徳島ISが逆転に成功した。
香川OGは7回裏から岡本健太、高尾健太、松居伊貴、イ・チャンホと小刻みな継投策でつなぐが、8回裏にも小松崎の左犠飛で1点を追加された。
2回表の失点以降、香川OG打線を抑え続ける渡邊は9回裏、洋輔、六番代打・山本遼太に連打を浴びる。しかし七番・金井雄一郎を左飛に打ち取り、ジャスト100球で9回を投げ抜いた。徳島ISが4-1で香川OGを降し、続いていた連敗を「3」で止めた。


『「どうしても」』

後期に入り、二度の先発マウンドで結果が出せていない。
一週間前、アグリあなんでの高知FD戦に好投し、4安打に抑えながらも勝てなかった。その翌日のオロナミンC球場で、渡邊隆洋(徳島IS)は試合前の高知FDナインのところに挨拶に行った。
「4安打で負けだもん。ナベちゃんのせいじゃないよ。しょーがねーよ」
「でも、負けは負けやからな」
「そうだよ、負けは負けだよ」
ジョークを込めて渡邊を労った高知FDの選手たちの言葉に、
「言われちゃったな…」
と苦笑いを見せていた。

チームの連敗も、自分の連敗も、どちらも止めなければならない。喉から手が出るほど勝利が欲しい。だが今日の香川OG戦、渡邊は2回表につまづいてしまう。四番・丈武に三塁打を許し、続く五番・洋輔に犠牲フライを上げられ先制点を奪われた。たった4球で1点を献上してしまった。
「前回、簡単に点獲られて(7月11日、高知FD戦、6回表)、今日も同じやられ方でやられて同じことを2回繰り返した。でも、『ここから次の二人をしっかり止めたら、もう1回やり直せるんじゃないか?』って思って」
六番・国本和俊、七番・金井雄一郎を共に三塁ゴロに打ち取り凌いだ。自らに課したハードルを乗り越え、逆にここからエンジンに火が入る。
「香川がよく振ってきたってのもあるんですけど、逃げずにしっかり投げて行けば正面突いたりするんじゃないか?試合を動かして行くことができるんじゃないか?」
ストライクを先行させ、テンポの良いリズムで投球が進んで行く。イニングが進むにつれ、香川OGベンチが焦り始めていることにも気付いていた。

三番・山口寛史が同点タイムリーを放ち、四番・小松崎大地の逆転2ランが左中間スタンドに突き刺さる。渡邊も、山口も、小松崎も、このリーグで4年目を数える選手たちがそれぞれの仕事をしてみせた。
「これからが勝負だし、ベテランの4年目の選手が、(このリーグに)長いこといる人が元気なのは励みになります」
と、渡邊が笑顔を見せる。
「ナベが踏ん張って欲しいところで踏ん張ってくれてた」
殊勲の小松崎が渡邊を労っていた。

連敗を止め、欲しかった7勝目をやっと手に入れた。
だがもう一つ、何としても手に入れなければならないものがある。7月28、29日に行われる四国・九州リーグ初となる関東でのNPB交流戦、その選抜メンバーの座だ。29日には渡邊の故郷、埼玉で試合が行われる。
「どうしても埼玉で野球がしたい。去年のオフ、有休取ってキャッチボールに付き合ってくれた友達もいるんです。そういう人たちに、4年間この環境で野球やってもがいてる、こういう姿を見て欲しい」

そんな想いもこもっていた完投勝利だった。


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2008/07/16(Wed)

考え方

四国・九州アイランドリーグ 後期公式戦
2008.7.13. 徳島IS 7-13 高知FD <オロナミンC球場>

高知 303 001 321| 13
徳島 201 020 020| 7

勝 山中 1勝2敗
敗 安里 2勝4敗

バッテリー
高知 野原、山中、ミン、上里田 ‐ 飯田、藤嶋
徳島 安里、佐藤、梅原、平野 ‐ 永井

一昨日は完封勝利、昨日は15安打を放ち大勝してみせた。現在首位に立つ高知FDが敵地で徳島ISを相手に3タテに挑む。
徳島IS先発の安里渉は4四球と制球に苦しみ、初回から一死満塁のピンチを迎える。六番・オ・ムヨルの左犠飛などで高知FDが3点を先制するが、高知FD先発の野原慎二郎も同じく制球が定まらない。初回、3四死球から六番・永井豪の左犠飛などで2点を失った。
3回表、七番・飯田一弥の中前テキサス安打、九番・大西正剛の右翼線2点適時二塁打で高知FDが3点を追加しリードを4点に拡げる。しかし徳島ISも3回裏、永井の右翼線適時二塁打で1点を返し食い下がると、さらに5回裏、四番・小松崎大地の左越え適時打、永井の右中間適時テキサス安打で2点を奪い1点差に追い上げ前半を終えた。
徳島ISは中盤以降も投手陣がまったく安定しない。三番手・梅原伸亮が6回表に1失点。7回表にも二死満塁と走者を溜めた後、大西に走者一掃となる中越え三塁打を浴び3失点。8回表には四番手・平野誠が2失点し、計7点のビハインドを背負った。8回裏に八番・増野真太郎、九番・金谷良太、一番・斎藤雅俊の3連続二塁打で2点を返し意地を見せるが、9回裏にも高知FDの二番・梶田宙に左越え二塁打を喰らいダメ押しとなる1点を奪われた。高知FDが13-7で徳島ISを降し、ビジター3連戦に3タテしての4連勝と、無傷のまま首位をキープしている。


『考え方』

登板した4人の投手が記録した四死球は計10個である。
二番手としてマウンドに登り、2イニングを投げた佐藤学だけが高知FD打線を無失点に抑えた。13安打を喰らい13失点を喫した。『投壊』と言われても仕方がない試合になってしまった。

白石静生監督(徳島IS)が頭を抱える。
「(技術を)高めることができていない。もっと必死さがないと…。今の選手はランニングや補強(トレーニング)はよくやるんやけど、ピッチングの数が少ない。ちょっと投げたらすぐどこかが痛い言うし。頭だけで理解したってあかんのやから。ウチの勝ちパターンにならないかん梅原→平野がフォアボール出して点獲られる。野手にもったいないことをした」

この高知FDとの3連戦、第1戦に先発した渡邊隆洋は高知FD打線を4安打に抑えたものの打線がつながらなかった。第2戦は片山正弘が12安打と打ち込まれた上に、打線が散発3安打とマーク・ケリーの前に仕事をさせてもらえなかった。
「タイチ(四番・小松崎大地)が思い切り良く振れ出してきたからね。あのレフトオーバー(5回裏、左翼越え適時二塁打)も逆風を突いてやったし」
救いは打線が振れてきたことだ。第3戦、高知FDの13安打に対し、徳島ISも11安打を放ち7点を奪い返している。決して打ち負けた訳ではなかった。それだけに投手陣の大量失点により試合が壊れてしまったことが大きく目立つ。打たれるだけならまだしも、四死球で自分の首を絞めてしまう。もしくはボールが先行した挙句、甘いコースに入った球を痛打される。

「僕の考え方だと…」と前置きした上で、森山一人コーチは投手陣が「バッターと勝負していない」と語る。
「自分独りであそこに投げよう。(ストライクゾーンの)この辺にボールを投げようとしてストライクが取れない。対バッターに対してどこに投げれば大丈夫なのか?っていうのが全然判ってない。相手と勝負してないんだから勝てる訳ないですよね。そういう考え方を誰も持ててないんです」

ランナーを出すまい、打たれまいとして逆に自分の首を絞めている。目の前の打者と戦っておらず、しかも相手と戦うための『考え方』を持っていない。ピンチの場面で何をどうすればいいのか。危機を回避するための考え方はいく通りもある。他の打者にはダメでも、今の目の前の打者には有効なボールだってある。配球、距離感(緩急)、後ろ(野手、走者)の状況、打者のタイプ。それらを整理して最善の策を選ぶ。それを考えられず、ただ打たれないようにと厳しいコースを狙って投げ、そしてストライクが入らない。
「それを全部頭に入れて投げてる人は、ここにはいないと思う。そういう考え方を持たなきゃいけない」
ピッチャーだけではない。捕手もそう。野手だってそうだ。

後期が始まってまだ5試合が終っただけ。あと45試合もあると考えるのか、あと45試合しかないと考えるのか。その短い間にどれだけスキルアップできるのか。技術だけではない。意識も、考え方も変えないと、上へは辿り着けない。


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2008/07/13(Sun)

自信

四国・九州アイランドリーグ 後期公式戦
2008.7.12. 徳島IS 1-9 高知FD <オロナミンC球場>

高知 110 300 301 | 9
徳島 010 000 000| 1

勝 ケリー 5勝2敗
敗 片山 2勝8敗

バッテリー
高知 ケリー、山隈、山中 ‐ 飯田、キム
徳島 片山、佐藤 ‐ 永井、矢野

徳島ISが高知FDを迎えてのホーム3連戦第2ラウンドは、場所をアグリあなんスタジアムからオロナミンC球場に代えての一戦である。
1回表、高知FDは一死満塁のチャンスに五番・古卿大知の右犠飛で先制点を挙げる。2回表にも九番・大西正剛の適時中前打で追加点を挙げた。
2回裏、反撃に出た徳島ISは左前安打で出塁した五番・山口寛史の好走塁で1点を返した。積極的に足を絡める徳島ISだが、3回裏には走者二人を盗塁失敗で失い攻撃がつながらない。
4回表、高知FD打線は徳島IS先発の片山正弘から4安打、さらに三番・真輝の右犠飛により3点を加えた。
調子を取り戻した高知FD先発・ケリーの前に、徳島IS打線は4回以降1本のヒットも出ない展開が続く。高知FDは7回表にも3点を、9回表にも二番手・佐藤学から1点を奪い試合を決定付けた。
高知FDが9-1で徳島ISを降し、後期無傷の3連勝首位をキープしている。


『自信』

試合前、バスから降りて休憩していた山崎章弘コーチに「チーム状態、いいですね」と声を掛けた。
「今、強いですよ。そんな簡単に負けないんちゃうかなぁ…。やっぱり前期の終わりに、なんとか2位に食い込んでやろう!と頑張りましたからねぇ」

二番・梶田宙、七番・飯田一弥が共に3安打、今日の試合で高知FDは15本のヒットを放ち大勝してみせた。前日、徳島ISのエース・渡邊隆洋に4安打に抑え込まれた分まで打線が一気に爆発した感がある。怒涛の追い上げを見せ2位に食い込んだ前期の終盤からチーム状態は好調で、これまでの10試合を7勝2敗1分けと波に乗っている。これで後期負け無しの3連勝とガッチリ首位をキープした。
定岡智秋監督が、
「(前期と後期の間が)10日ほど空いたから、本当はその間にゲームがしたかった」
と語るほどの勢いが今の高知FDにはある。

梶田が語る。
「一、二番が打てればいい形になってくる。ベテラン3人(三番・真輝、四番・中村龍央、五番・古卿大知)につなげられますから(笑)。凄く充実してるし、雰囲気もいいです。負ける気がしないって言ったら言い過ぎですけど。一、二番の出塁率ですよね。シン(YAMASHIN)が走って僕も出て」

6月の月間MVPを受賞したYAMASHINの打率、.459に隠れてしまいがちだが、梶田の6月も38打数16安打と4割を超えていた。香川OGがまだ常勝チームになる前の、強かった高知FDを引っ張った二人が今絶好調だ。

「打線はどっからでも打てる自身があります」
そう語るのはYAMASHINである。
「ケガをした人がいても途中から出た人間が打ってる。3点4点ならいつでもひっくり返せるような感じですね」
初めて前・後期制になった06年、5月からチームに合流し、高い打率と俊足で魅せた。勝率.675で前期を制した原動力の一人である。
「あの頃よりも強いんちゃうかなぁと思います。先発陣もしっかりしてるし。チュウ(梶田)や流(大輔)がもっと走ってくれたらいいんですけど。まだちょっと躊躇してるんで…」

選手の一言一言に大きな自信のようなものを感じる。決して過剰な自信ではない、「やれるのだ」という地に足の着いた自信だ。ダッグアウトを引き上げ、バスへと戻る途中の山崎コーチがニッコリと笑顔を見せていた。



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2008/07/11(Fri)

振り切る!

四国・九州アイランドリーグ 後期公式戦
2008.7.11. 香川OG 6-1 長崎S <志度球場>

長崎 100 000 000 | 1
香川 051 000 00×| 6

勝 塚本 8勝1敗2S
敗 酒井 3勝6敗0S

本塁打 
香川 シン1号満塁(2回表、酒井)

バッテリー
長崎 酒井、松田 ‐ 藤本、松本
香川 塚本 ‐ 堂上

香川OGの後期ホーム開幕戦は、2年振りとなる志度球場でのデーゲームである。ホーム3連戦の相手に長崎Sを迎えた。長崎Sは首脳陣の交代により、前田勝宏投手が監督代行を務める。
前期MVPに輝いた香川OG先発の塚本浩二だが、初回に三番・外間修平に右翼線二塁打、五番・高井啓行に左前適時打を浴び1点を失う。
しかし2回裏、香川OG打線が長崎S先発の酒井大介を捉える。四番・丈武の三塁内野安打、七番・国本和俊の右前安打などで二死満塁のチャンスをつかむと、九番・生山裕人の投ゴロが内野安打となり同点に。さらに一番・シンが左翼スタンドへ走者一掃となる満塁本塁打を放つ。一気に5点を奪い逆転に成功した。
香川OGは3回裏にも五番・洋輔の左翼フェンス直撃三塁打、六番・金井雄一郎の三塁強襲適時打で1点を追加し、差を5点に拡げる。
塚本は2回以降、長崎Sに得点を許さない投球で9回を投げ抜き、8勝目を完投勝利で飾った。香川OGが6-1で長崎Sを降し、ホーム3連戦に白星スタートを切っている。


『振り切る!』

ホームでの後期開幕戦、その先頭打者としてシン(香川OG)が打席で考えていたことはたった一つ、「とにかく初球から積極的に振って行こう!」だった。初回の第一打席はスライダーにタイミングが合わず、セカンドゴロに倒れた。2回裏、同点に追い着き、なおも二死満塁のチャンスで打順が回る。この場面でも初球からしっかりバットを振ろうとする意志は変わらなかった。初球をファールする。

マウンド上の酒井大介(長崎S)はこの時、平常心を失っていた。
シンが打席に入るその一人前、二死満塁として打席には九番・生山裕人が入っていた。生山の打球がピッチャー前に高いバウンドで転がる。酒井がこれを捕球し、本塁へ投げようとするが投げられず、あわてて一塁に送った。間に合わない。一瞬の判断ミスで同点にしてしまい、三者残塁のチャンスを逃してしまう。
「あれで自分が崩れて、しっかり切り替えることができなかった。(シンには)ボールでも良かったかも知れない。チェンジアップが甘く入ってしまった」
次の打者シンに対し、しっかり気持ちを切り替えることができていないまま2球目の投球動作に入ってしまう。

内角に入ってきた甘いボールを逃さず捉えた。打球がレフト方向に上がる。
「もうポール(の外)はいいから。『切れるなーッ!』って叫んでました」
距離は十分あるのだが、レフトのポールを巻かずに左に切れて行く打球を何度も見送っている。角度も方向も悪くない。そのまま行ってくれ!と祈りながら軌道を追った打球がレフトスタンドへ突き刺さるのが見えた。一塁ベースを蹴りながら、右手で作った拳に力を込める。シンの4年目にして初のホームランは、試合を決めた満塁アーチとなった。

「ガッツポーズは無意識でしたね。今年は勝呂さん(壽統コーチ)にフォームを改造してもらって、5月の終わりくらいから調子が上がってきてました。とにかく振り切る。西田さん(西田真二監督)にも『うまくヘッドが回ったな!』って言ってもらいました」

積極的にバットを振る。いや、振り切る。
シンの強い気持ちが、揺らいでいた酒井の心を捉えたと言ってもいい。

ヒーローインタビューでは満面の笑みでこう答えている。
「長かったです。いつも今日はホームラン出るかな?って思ってて、なかなか出なかった。出て良かったです。なんとも言えないです。感触は無かったです」
最後に一塁側のスタンドに向かって叫んだ。
「必ずもう一度、いや、二度三度見せます!」


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2008/07/07(Mon)

確かな大きい糧に

四国・九州アイランドリーグ NPB交流戦
2008.7.6. 讀賣ジャイアンツ二軍 8-6 愛媛MP <西条ひうち球場>

愛媛 000 300 210 | 6
巨人 002 420 00×| 8

本塁打 
愛媛 檜垣ソロ(8回表、三木)
巨人 加藤ソロ(5回裏、篠原)、籾山ソロ(5回裏、篠原)、加藤2ラン(6回裏、森)

バッテリー
愛媛 篠原、森、高木 ‐ 梶原
巨人 西村優、竹嶋、大貫、加登脇、三木 ‐ 加藤

愛媛MPとしては昨年9月11日、坊っちゃんスタジアムで行われた千葉ロッテ戦以来のNPB交流戦だ。昨日、香川OGが巨人を降しており、愛媛MPも香川OGに続きたい。西条ひうち球場には4,000人を越える多くのファンが押し寄せた。
愛媛MP先発はこれが交流戦初登板となる篠原慎平。篠原は3回裏、二死満塁から六番・田中に左前安打を許し2点を奪われてしまう。
しかし4回表、制球難で苦しむ巨人二番手・竹嶋を愛媛MP打線が捉える。六番・高田泰輔の左翼線適時安打などで3点を挙げ、すぐさま逆転に成功した。
巨人打線は5回裏、再び篠原に襲い掛かる。先頭の四番・加藤が中越えソロをバックスクリーン右に叩き込めば、八番・籾山も左越えソロ。一番・脇谷の右中間を破る適時二塁打などで4点を奪い、巨人が再び試合をひっくり返した。6回裏には愛媛MP二番手・森が加藤に二打席連続となる左越え2ランを浴び、点差を5点に拡げられた。
意地を見せたい愛媛MPは7回表、巨人四番手・加登脇から七番・大津慎太郎の右翼線二塁打、八番・梶原有司の右翼越え適時三塁打などで2点を奪い食い下がる。さらに8回表、巨人五番手・三木から二番・檜垣浩太が右中間スタンドへソロ本塁打を放ち、2点差に詰め寄った。9回表も一死二塁と一打同点のチャンスを作るが追加点を奪うことはできず、巨人の前に6-8で敗れた。
愛媛MPはNPB交流戦に悔しい連敗となったが、若い選手たちにとって大きな経験となった。


『確かな大きい糧に』

6月3日、サーパススタジアムで行われていた四国・九州リーグ選抜とソフトバンク二軍との交流戦の途中、バックネット裏の階段にしゃがみ、携帯電話のカメラでグラウンドを撮っている少年がいた。白いポロシャツを着たその少年がこちらに気付く。
「あ、お疲れさまです!高木さん(高木俊文トレーナー)と一緒に観に来てるんです」
試合終了後、「どうだった?交流戦観てみて」と尋ねると、
「絶対出ます!」
と即答で返してくれた。

あの日からたった1ヶ月しか過ぎていない。
18歳の篠原慎平(愛媛MP)は、巨人二軍を前に早くも自分の力を試すチャンスを手にしていた。1週間前、福岡・雁の巣でのソフトバンク二軍戦に登板する予定が雨で流れ、今日の登板となったのだ。

「緊張はしてなかったです。楽しもう!と思ってました。カジさん(捕手・梶原有司)と『勝つための試合じゃなくアピールする試合にしよう。ちょろちょろ変化球投げててもしょうがない。真っ直ぐ主体で行こう』って話してました」

ストレートは走っていた。だが、細かいコントロールが定まらず、ボールを先行させてしまう。甘いコースに入ったところを勢い良く弾き返された。5回を投げ被安打9。6失点。苦い交流戦デビューとなっている。
「ボール1つ分、中に入ったらもっていかれる。プロだな…と思いました。ちっちゃいミスが勉強になりました」
5回裏、四番・加藤へバックスクリーン右に運ばれた一発を「気持ちよかった」と振り返った。

沖泰司監督が語る。
「打たれての失点でしたがバラつきが多すぎる。中には素晴らしい球もありました。打たれる部分も含めて、もっともっと経験しなけりゃならない」
3回の登板予定を5回まで引っ張ったのは、勝負以上にここで得られる経験を重視したかった部分もある。

篠原へのインタビューの途中、ネット裏でデータを集めていた西川雅人が「140km/h出てたよ」と声をかけた。
「ホントっスか!」
と喜びの声を上げながら、すぐに声のトーンを落として冷静を装った。
「140km/hじゃ、まだまだダメですね」

痛打された経験も、140km/hを越えた球速も、確かな大きい糧になるはずである。


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2008/07/06(Sun)

あの頃の気持ち

四国・九州アイランドリーグ NPB交流戦
2008.7.5. 香川OG 3-2 讀賣ジャイアンツ二軍 <サーパススタジアム>

巨人 001 000 001 | 2
香川 000 100 20×| 3

本塁打
巨人 隠善ソロ(9回表、橋本)
香川 丈武ソロ(4回裏、村田)、ソロ(7回裏、川口)

バッテリー
巨人 古川、村田、リン・イーハウ、川口、深沢 ‐ 星、伊集院
香川 塚本、松居、金子、橋本 ‐ 堂上

讀賣ジャイアンツ二軍と四国・九州リーグ選抜との戦績は、ここまで5試合を戦い1勝1敗3分けである。香川OG単独チームとしてはこれが初の対戦となる。香川OGは今年3月に行われた阪神二軍との試合(2-2の引き分け)以来のNPBとの対戦になる。サーパススタジアムの入場者数レコードとなる7,101人を集め、18時1分にプレイボールがかかった。
香川OG先発の塚本浩二は巨人打線に粘られながらも最初の2イニングを無得点に抑える。しかし3回表、2つの失策と四球から無死満塁のピンチを迎える。このチャンスに三番・隠善は右前へ適時打を放ち、巨人が1点を先制した。だが香川OGも4回裏、四番・丈武が巨人二番手・村田から左翼スタンドへソロ本塁打を放ち、同点に追い着く。
7回裏、丈武がこの回からマウンドに登った巨人の四番手・川口を捉え、左翼スタンドへ2打席連続となるソロ本塁打を叩き込む。さらに二死三塁とした後、八番・西森将司が右中間を破る適時三塁打を放ちリードを2点に拡げた。
6回を1失点に抑えた塚本に代わり、七回から松居伊貴、八回を金子圭太が巨人打線を無得点に抑える。香川OGベンチは最終回のマウンドに橋本亮馬を送った。橋本は先頭の隠善に左翼越えソロを許し1点差に迫られたが、最後は六番・中井を見逃しの三振に切って取り、香川OGが3-2で巨人二軍を降した。


『あの頃の気持ち』

二度目の凱旋登板となった深沢和帆(巨人)は、待ち構えた記者たちの前に少し申し訳なさそうな顔をして現れた。ここに帰って来れば当然聞かれるであろう「古巣との対戦でしたが・・・?」の質問に、
「昔の気持ちっていうか、また思い出させてもらいました。もっともっと練習しなけりゃいけない」
と答えている。

この春、かつてのオーバースローをサイドスローに変えた。さらにここ2週間ほどでスリークォーターへとフォームを修正している。新しいフォームはまだ固まっていない。変化球もスライダーが使えず、ボール球を先行させてしまった。口を突いて何度も出てきた言葉は「もっと練習しなけりゃ」だった。

「打たれてやっぱり悔しいですし、もっと変化球を磨かないと。課題が見つかりました。(自分は)打たせて取るタイプのピッチャーなんで、セカンドゴロやショートゴロは思った通りに行きました。もっと練習しようと思います」

時間がなく、かつてのチームメイトたちと言葉を交わす暇は無かった。NPBという世界で喘ぎ苦しんでいる姿は容易に想像がつく。深沢が2年前につかみ取った切符を手に入れたいと、今も香川で汗と土にまみれている香川OGの選手たちは、巨人相手に臆することなくのびのびと戦っていた。塚本浩二が先発の仕事をやってのけ、丈武が2本のホームランをレフトスタンドへ叩き込んだ。

かつてのチームメイトたちが見せる活き活きとした姿に、蘇ってきたあの頃の自分がオーバーラップする。8回裏のマウンドに登り、「深沢和帆、元香川オリーブガイナーズ」の名前がアナウンスされると、球場全体から大きな拍手が沸き起こった。
「ありがたいことですね」
囲み取材でそう答えている。

加藤博人コーチが言っていた。
「前向きな試行錯誤だからいいんですよ。何がきっかけになるかなんてわかんないんだから」

かつて自分がいた場所で、あの頃の気持ちを思い出した。決して失ってしまった訳ではないのだ。練習するしかない。それはあの頃も現在も変わらない。


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2008/07/05(Sat)

ヒント

四国・九州アイランドリーグ 後期公式戦
2008.7.4. 愛媛MP 11-0 徳島IS <東予球場>

徳島 000 000 000 | 0
愛媛 411 301 10×| 11

勝 川西 4勝4敗1S
敗 渡邊 6勝6敗1S

本塁打 大島2号3ラン(4回裏、佐藤)

バッテリー
徳島 渡邊、佐藤、安里 ‐ 永井、矢野
愛媛 川西 ‐ 梶原

後期リーグ戦の開幕試合は東予でのナイトゲーム、愛媛MP対徳島IS戦である。前期リーグ戦の最後に連敗を喫し2位の座から転落した愛媛MPだが、徳島ISには8戦7勝と分が良い。共に取りたい開幕戦に愛媛MPは川西祐太郎を、徳島ISは左腕・渡邊隆洋をつぎ込んだ。
序盤から渡邊が愛媛MP打線に痛打を浴びる。初回いきなり4連打を含む打者9人の猛攻を浴び4失点。続く2回、3回にも失点し、6失点でマウンドを降りた。4回裏から二番手・佐藤学がマウンドに登るが、愛媛MPの四番・大島慎伍に左翼越え3ランを浴び、傷口を拡げた。愛媛MPは6回裏にも大島の5打点目となる中前適時打で追加点を、7回裏にも1点を加え、11点の大量リードを奪う。一方的な展開になる中、川西は三塁を踏ませない投球で徳島IS打線を散発5安打に封じ込めた。
愛媛MPが11-0で徳島ISを降し、後期開幕戦白星スタートを決めた。川西は自身4勝目を今季チーム初となる完封勝利で飾った。


『ヒント』

大島慎伍(愛媛MP)がヒントをつかんだのはつい6日前のことである。
ソフトバンク二軍と四国・九州リーグ選抜との交流戦で訪れた福岡・ヤフードームで、ソフトバンク対楽天戦を観戦した。一塁側ベンチ近くで観戦していたが、洋輔(香川OG)に誘われネット裏へと移動した。マウンドには楽天・田中将大が立っている。気になったのは田中の投げる球よりも、田中に対峙するバッターの動きだった。

「この球を今の(自分の)スイングで打てるのか?って考えたんですよね。そう思いながら見てると、バッターにしか目が行かなかった」

150km/h近いストレートと鋭く落ちるスライダー。それに対処するためにソフトバンクの打者たちは打席の中で何をどうしているのか?大島が感じたのは「ムダな動きが一つも無い」ということだった。

「全然動かないんですよ。1個バット(のヘッド)が中に入るともう遅れる。だから全然ムダな動きがなくて、最短距離でバットを出そうとしてた。それをやろうとしている一人一人の意識が凄い!と思いました。上でやるには?とか上に行きたい!よりも、一軍に出られるようにするには?って目で見てました。一軍であれだけのことをやってるんなら、オレらはもっとやらないと・・・」

つかんだのは技術のヒントだけではない。間近で見た一軍で戦う選手たちのスピリットこそが大きな刺激になった。

福岡から戻ってからの打撃練習で、バッティングが変わったと思った。柵越えを連発する打球に大きな手応えを感じている。今日の後期開幕戦、四番に座った第一打席でレフトへの痛烈なタイムリーヒットを放つ。二打席目はサードへのファールフライに終ったが、「あれはダメなスイングだった」と自分の中で把握できていた。第三打席が回ってきたのは4回裏、一死一、二塁の場面である。

ネクストバッターボックスから「どうやったらコンパクトに振れるか?」を考えていたと言う。カウントが0-2になったところでストレートを狙おうと思った。狙ったのはストレートだけではない。イメージ通りの当たりは、打った瞬間にそれと判る大きな3ランとなってレフトスタンドへ消えて行った。


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2008/07/04(Fri)

グリーンのユニフォーム

四国・九州アイランドリーグ 練習試合
2008.7.3. 香川OG 5-3 紀州R <志度球場>

紀州 110 000 100 | 3
香川 011 000 03×| 5

バッテリー
紀州 辰己野、吉川、横川 ‐ 田中
香川 安達、松居、高尾 ‐ 西森、堂上

昨日、徳島ISを破り独立リーグ所属チームから初勝利を挙げた紀州Rが四国・九州リーグ前期の覇者、香川OGとの練習試合に臨んだ。気温35℃を越えた猛暑の志度球場でのゲームである。
香川OGの先発は7月1日付けで練習生から晴れて正式登録となった安達輝誠。紀州Rは昨日5回0/3を投げた横手右腕、辰己野貴由を再び先発マウンドに送る。序盤は両チーム共に2点を奪い合う展開となった。
7回表、紀州Rは一番・西本が香川OGの二番手・松居から今日4本目の中前打を放ち勝ち越しの1点を奪う。しかし8回裏、香川OG打線が紀州Rの三番手・横川を捉える。同点にした後、二番・洋輔の2点適時中前打で逆転に成功した。八回裏からマウンドに登った高尾健太が九回を締め、香川OGが5-3で紀州Rを降した。


『グリーンのユニフォーム』

西田監督が語る。
「独立リーグで最も強いと言われるガイナーズで野球をするチャンスをもらった。あとは本人の気持ち次第。そういうチャンスを与えてあげたんだから」

2日前に安達輝誠(香川OG)が正式に選手登録されてから、これが初の実戦のマウンドになる。2ヶ月の間、実戦から離れていたブランクは然程気にならなかった。
「愛媛の時はもっと空いてましたから」
と苦笑いを見せる。
「ずっとフォアボールで崩れてましたから、最低限試合を作れるイメージを(見せたかった)」
練習試合とは言え大きなチャンスである。グリーンのユニフォームにはまだ背番号が入っていない。猛暑の中で登ったマウンドに、どんな意味があるのか。それは十分に理解している。

課題は変化球のコントロールである。5回を投げ2失点、立ち上がりの2イニングで1点ずつを失った。2回と4回、先頭打者を四球で歩かせたことは大きな反省として残る。高目のボールが浮いてしまいカウントを悪くしていた。4回表、五番・中川を歩かせた時、ショートの丈武がマウンド近くまで歩を進め、安達に声を掛けた。
「まっすぐ勝負でいいよ。小細工なしで」
最も自分らしいピッチングはストレートを思い切って投げ込むことだ。気持ちを切り替え、唸り声を上げながら真っ直ぐを投げ込んでいった。

「ピンチになった時、助けてもらえるボールはやっぱり真っ直ぐなんで。いかに悪いカウントの時、ストライクが取れるか。次のステップとして変化球のコントロールを磨きたい。時間はかかると思いますけど・・・」

オレンジ、ネイビーブルー、そしてまだ背番号の無いグリーンのユニフォーム。このユニフォームを着るために、もう一度己の力を信じるために、それ相応の覚悟が必要だった。グリーンのユニフォームを着て登った最初のマウンドは、どのチームで投げたものとも違っていた。特別な気持ちを抱いて登ったマウンドだった。
「もう3年目ですからね。そういう気持ちが無いとおかしい」


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2008/07/03(Thu)

失策

四国・九州アイランドリーグ 練習試合
2008.7.2. 徳島IS 3-5 紀州R <アグリあなんスタジアム>

紀州 000 012 200 | 5
徳島 100 002 000 | 3

バッテリー
紀州 辰己野、山本、吉川、横川 ‐ 田中
徳島 片山、安里、佐藤、梅原、渡邊、平野 ‐ 荒張、永井

来年から関西独立リーグに加盟予定の紀州レンジャースが徳島ISと練習試合を行った。
3対3で迎えた7回表、この回からマウンドに登った徳島ISの4番手・梅原が無死一、三塁のピンチを迎える。紀州Rはここでダブルスチールを敢行。三塁から福田が生還し1点を、さらに三番・中川の右犠飛により2点のリードを奪った。
徳島IS打線は7回以降、紀州Rの継投の前に得点が奪えず、紀州Rが5-3で徳島ISを降した。紀州Rは既存の独立リーグチームから3試合目にして初勝利を挙げた。


『失策』

3回表、先頭の七番・田中の強い打球がセカンドの大二郎へと飛ぶ。目の前で弾んだ打球を胸に当てて止めた。鈍い音が響いた。八番・三塁手として今日の試合に先発出場した白川勇輔(徳島IS)は、大二郎が見せたこのプレーを同じようにこなすことができなかった。

5回表、田中が打った三塁へのゴロをトンネルし、後逸してしまう。ボールがファールグラウンドを転がる間に、二塁走者が三塁を蹴る。本塁への生還こそ許さなかったものの、一死二、三塁のピンチを作ってしまった。
「大二郎さんみたいに『身体で止めろ!』って言われてて、できなかった。あのトンネルが痛かったです。他の(プレー)は得るところもあったんです。うまく入ったし・・・」
このエラーによって、プレーのリズムを完全に狂わせてしまう。

6回表には、普段の練習でやったことがないと言う一塁への悪送球を2つ。さらに再び飛んで来た田中の打球をファンブルし、今日4つ目の失策を記録する。浮き足立ってしまい、練習でできるプレーさえできなくなってしまっていた。

あくまで練習試合である。首脳陣の中に、レギュラー以外の選手に経験を積ませたいという思惑は確かにあった。練習生の荒張が初めてマスクを被り、白川も自らが志願したとは言え、まだ慣れていない三塁手としてのプレーである。まだまだ多くの経験が必要なのは明白だ。勝負の懸かった公式戦ではできないことをトライさせたかった部分もある。しかし、だからと言って勝負度外視で良い訳では決してない。そんなつもりもない。

ネット裏で観戦していたファンからは、今日の試合振りに「情けない」、「それでもお前らプロか」という罵声が飛んだ。もちろん選手たちは解っている。

「大失態です」
試合後のベンチで、ある選手がポツリとそう言った。


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