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    Hirofumi TAKATA

    Author:Hirofumi TAKATA
    スポーツライター。
    現在『週刊ベースボール』『Baseball Clinic』『熱中!野球部』『野球太郎』『ホームラン』等の各雑誌、スポーツ紙『デイリースポーツ』などにおいて、独立リーグ、高校野球を中心に取材、執筆活動を続けている。
    4月2日生まれ。A型。

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2007/09/26(Wed)

ファンだけじゃない

四国アイランドリーグ公式戦
2007.9.22. 徳島IS 2–5 愛媛MP <オロナミンC球場>

勝 小山内 7勝8敗3S
敗 渡邊 4勝12敗

愛媛MP先発・森琢哉は立ち上がりから制球に苦しむ。2回裏、四球と失策で走者を溜めると、二番・李鐘熙が中犠飛を上げ、徳島ISが先制点を挙げる。
連敗ストップを托された徳島ISのエース・渡邊隆洋だったが、このリードを守ることができない。3回表、三番・比嘉将太にすぐさま逆転打となる2点適時中前打を喰らい逆転を許した。
1点差のまま迎えた7回表、この回からマウンドに登った徳島ISの二番手・小林憲幸が先頭の一番・小田島一樹に右中間へ二塁打を許す。一死一、三塁とした後、四番・長崎準平がスクイズを決め、愛媛MPが追加点を奪った。8回表にも九番・梶原有司の右前安打、一番・小田島の2打席連続となる右翼線への二塁打で2点を追加。点差を4点に開いた。
8回裏、6回からマウンドを受け継いだ愛媛MPの三番手・小山内大和が制球を乱す。押し出し四球で徳島ISが1点を返すが反撃もここまでだった。
愛媛MPが5対2で徳島ISを降し、敵地での連勝に成功。徳島ISの連敗記録はさらに伸び、引き分けを挟んでの15連敗となった。


『ファンだけじゃない』

試合前、地元放送局のアナウンサーY氏と記者室で立ち話をした。

「こないだがこないだだったし、今日のナベは絶対ド必死で来るから。あんな性格だから、この連敗も「自分から始まった・・・」って責任感じてるでしょ?今日はやってくれるよ!調子は悪くないんだもん!」

徳島ISの熱烈なファンならば、この試合に渡邊隆洋(徳島IS)がどんな想いでマウンドに登ろうとしているか、きっと理解していただろう。9月17日、土佐山田スタジアムでの高知FD戦に先発したが、9点を失う惨めな負け試合を経験している。

「この連敗が始まったのは僕が投げた試合からですから、僕が止めます」
前日の9月16日、西予宇和での先発予定が雨で流れ、スライド登板になった不運はあった。何としても!という想いで臨んだゲームを大量失点で落としてしまった。

「代えに行ったところで僕が逡巡してしまった」
確かに白石監督が自ら認めた采配ミスはあった。3点ですんだ失点を、8点まで伸ばすことは食い止められたのかもしれない。

そんな試合の後、中4日での先発が今日の愛媛MP戦である。15連敗する訳にはいかない。
高校野球秋季大会の関係でグラウンドの使用が遅れ、バタバタと試合前のウォーミングアップが始まる中、黙々と一塁側のファールグラウンドを走っている渡邊の姿があった。

だが、今日のマウンドはおよそ渡邊のそれらしくないものになってしまった。
いつものコントロールの良さが見られず、ボールが先行する。おかしくなり始めたのは2つの四死球を出した3回表あたりからである。三番・比嘉将太に浴びたセンターへの2点タイムリーヒットが決定的なものになった。

苦しんでいたのは高目に浮いてしまうボールにうまく修正が効かないことだった。悩み始めたのは今日の試合途中からではなく、ここ1週間ほど前からである。

「低目に投げようとするとヒジが下がっちゃう。昔から言われてる部分なんですけど。それを直そうとして、ずっとつけてる手帳なんかを見返すんですけど、うまくいかなくって・・・」

チームメイトから掛けられる「粘れ!」の声は十分聞こえている。緊張などしていない。ここで投げる一年目からずっと「これが決勝戦なんだ」と思いながら自分にプレッシャーを与え続けている。このグラウンドにいる選手の中で一番落ち着いているのはきっと自分だと思っている。

6回を投げ2失点なら先発としてはまずまずである。しかし、四死球は7つを記録した。冷静な気持ちとは裏腹に、ボールは思うようなコースへ行ってくれなかった。自分のピッチングに対する不甲斐なさと情けなさが胸に強く残る。あと7試合、このチームで戦うゲームももう数えるほどになってしまった。

「3年目のメンバー、みんな先輩ですけど、山口さん(山口寛史)と大地さん(小松崎大地)が野手を引っ張ってくれて・・・。高校出てから3年間同じメンバーでプレーするなんてここだけですから。先のことは解らないですけど、ここでやった!っていう何かを残さなくちゃいけない。こんな試合しててもお見送りで「頑張れよ!」って言ってくれて。そりゃ中にはヤジ飛ばす人もいますけど。僕らがお金払って観に来てくれる人に元気をあげなきゃいけないのに、僕らの方がお客さんから元気をもらってる。こんなんじゃダメだと思う」

もう自分のためだけに投げているのではないのかもしれない。徳島ISが勝つことで、応援してくれるファンに心から喜んで欲しい。

そんな気持ちでマウンドに登る渡邊に呼応するように、ファンは渡邊の勝利を信じてスタジアムに足を運んでいる。

ファンだけじゃない。
ボランティアも、取材陣もそうだ。Yアナウンサーだってそう言ってたじゃないか。


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2007/09/25(Tue)

明と暗

四国アイランドリーグ公式戦
2007.9.21. 徳島IS 1–8 愛媛MP <オロナミンC球場>

勝 梶本 13勝6敗
敗 片山 3勝13敗

首位争いの真っ只中にいる愛媛MPに対し、徳島ISはここまで引き分けを挟み、球団ワースト記録となる13連敗を記録している。愛媛MPの梶本達哉は自身の挙げた12勝の内、10勝を徳島ISからマークしており、さらなる勝ち星を狙う。
徳島IS先発・片山正弘は序盤からピンチに立たされ、初回、無死満塁のピンチこそ切り抜けたものの、2回に捕まり3失点。4回にも二番・外間修平の左中間越え二塁打、三番・比嘉将太の左前安打で2点を奪われマウンドを降りた。
梶本は7回を1安打で抑える見事な投球を見せ、徳島ISに反撃のチャンスを与えない。梶本からマウンドを受け継いだ二番手の木谷智朗が九番・李鐘熙に右翼線への適時安打を浴び1点を失ったが、9回を宇都宮勝平が締め、8対1で愛媛MPが勝利した。
徳島ISはこれで14連敗。今季最後となるホームでの3連戦に、またも黒星発進となった。


『明と暗』

梶本達哉(愛媛MP)が奪ったここまでの今季13勝の内、徳島ISからの勝利数は「10」を数える。そして今日、14勝目をまた徳島ISから挙げた。7回を投げ、被安打はたったの「1」である。4つの四球を許したものの、徳島IS打線を見事なまでに封じ込んだ。

いわゆる『カモ』の徳島ISに対し、『今日のマウンドにも余裕を持って登れたのでは?』という質問にこう答えた。

「毎回緊張もしますし・・・。落とせない試合だったんで。負けられない試合でしたし、プレッシャーはありました」

相手が徳島ISだからという余裕よりも、ゲーム差「1」のまま首位を追い掛ける中、自分がブレーキはかけられない。そんなプレッシャーを感じていた。2回に3点、4回に2点、5回に3点と、味方打線が序盤から大きなリードを奪ってくれた。点を取った後のピッチングを大事に、意識して投げている。

『一人のピッチャーから今季11敗を奪われたことについてどう思うか?』と、白石監督(徳島IS)にコメントを求めた。

「狙い球が絞れていない。ストライクは3つあるのに永井(三番・永井豪)なんか、なんでもかんでも振ってるでしょ。俺もコーチも含めて分析ができてない」

シーズンを通して梶本攻略の糸口をつかむことができなかった。打てなかった選手だけでなく、首脳陣も打開策を見つけられないまま苦杯を舐め続けてしまった。

打撃陣だけではない。先発、中継ぎ、抑えとフル回転で使い続けている片山正弘が立ち上がりから苦しいピッチングを続けた。監督曰く「奇跡的に抑えた」という初回無死満塁のピンチを乗り越えながら、2回以降大量失点の前に4回で沈んだ。

「トップからデッドボール当てたら盛り上がらない。5回くらいまで1失点くらいで行かんと。2アウトからの失点は印象悪いよ。インサイドの厳しいところ突かんと逃げて逃げて・・・。安里(6回からロングリリーフ。4回を無失点)みたいにリズムがいいと、9回みたいにいい当たりでも正面突いてくれる。守りがしっかり守れる態勢に入れる」

試合を作って欲しいと片山に托した監督の想いは裏目に出てしまう結果となった。

明と暗がはっきりと分かれた。
連敗街道を抜け出せず停滞したままのチームと、優勝争いの中で必死に首位に喰らいつこうとするチームの差がはっきりと出ている。

「なんぼ点が開こうが、勝ち負けよりも自分のアピールするためにはしっかりやらんと。向こうには優勝のモチベーションもある。それと比べりゃ元気無いのも解るけども・・・」

14連敗とワースト記録を更新してしまった。
白石監督率いる徳島ISの苦悩は続いている。


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2007/09/21(Fri)

勢い

四国アイランドリーグ公式戦
2007.9.17. 高知FD 9–1 徳島IS <土佐山田スタジアム>
勝 西川 10勝9敗2S
敗 渡邊 4勝11敗
本塁打 宮本5号ソロ(5回渡邊)、マサキ3号満塁(6回渡邊)

序盤は投手戦の様相を呈した。高知FD先発・山隈茂喜、徳島IS先発・渡邊隆洋が共に4回を無失点で乗り切る。
試合が動いたのは5回裏、一番・宮本裕司が均衡を破った。右翼スタンドに5号ソロ本塁打を叩き込み高知FDが先制する。しかし徳島ISも6回表、三番・永井豪の右犠飛により同点に追い着いた。
6回裏、先頭の四番・マサキに中前打を許すと、失策も絡み徳島ISは一死満塁のピンチを迎える。高知FDベンチは八番代打・トモが期待に応える。走者一掃となる中越え二塁打を放ち一挙に3点を奪った。完全にペースを狂わされた渡邊は、3連続四球を与え押し出しで追加点を。なおも満塁とし、この回2度目の打席となった四番・マサキに3号満塁本塁打を右翼スタンドへ運ばれ8失点。一方的な展開となった。
7回以降も徳島IS打線は追加点を奪えず、高知FDが9対1で勝利した。
徳島ISは球団ワースト記録となる「13」連敗を記録し、いまだ連敗街道から抜け出せない。


『勢い』

1対1で迎えた6回裏、勝負の分かれ目はここにあった。
先頭の四番・マサキがセンター前にヒットを放ち出塁する。五番・古卿大知が一塁線に転がした送りバントの処理に、マウンドから駆け降りた渡邊隆洋が一瞬バランスを崩す。浮いた送球に一塁手・アティングの足がベースから離れた。

六番・中村竜央の送りバントを素早くすくい上げた渡邊が三塁へ送り、マサキの進塁を防いだ。一死一、二塁である。三塁コーチャーズボックスに立つ森山一人コーチは考えていた。

「バント失敗の後、『このまま行くと(ピッチャーが)ナベなんで、苦しいかな・・・』と思って。勢いをつけたかったんで。ランナーも大知だったし、あいつが走ればなんとかなる」

二塁ベース上から三塁コーチャーズボックスに視線を送った古卿も、森山の意図を汲み取っていた。
「モリさんが『来いっ!』って。ノーサインだったんですけど」
勝負に出ることを決めた。

七番・小山田貴雄への2球目に古卿が三盗のスタートを切る。セカンドリードで完全に渡邊のモーションを盗み切った好スタートに、一塁ランナーの中村もやや遅れながら二塁へ向けてスタートを切った。三塁へ滑り込んだ古卿に捕手・加藤光成からの送球も間に合わない。ダブルスチールが決まり、一死二、三塁のチャンスを手に入れた。森山コーチが欲しかった『勢い』が、徐々に高知FDに出始める。

カウント0-2となった小山田が敬遠気味の四球で出塁し、満塁になった。八番・代打に送られたトモが初球から果敢に勝負に出る。内角から入ってきた変化球を振り抜いた打球がセンターの頭上を越え、3人のランナーが本塁に還って来た。本来のピッチングを失ってしまった渡邊はこの回8点を献上し、試合は決定的なものになった。

古卿を信頼し、ギャンブルを狙わせた森山コーチの賭けがこの試合を決める大きな流れを呼び込んだ。決してそれぞれの意志がバラバラではなく、グラウンドで戦う選手、指示を与える指揮官、コーチの意志までもが一つになっているその結果が、10試合を9勝1敗で乗り切った結果に表れている。

もう一つ勝つために重要な要素があった。
先発の山隈茂喜を5回でマウンドから降ろしている。被安打「3」、投球数は「56」である。完封も狙えるようなペースだった山隈を早々に代え、6回から西川徹哉、8回をパチェコ、9回を上里田光正と4人の継投でこのゲームをものにした。

なぜ山隈を代えたのか?
「芯に当たってきだしましたから。あれが東部球場なら加藤とアティングの2発で沈んでる。今日に全部つぎ込もうと考えてましたから。後半は逃げ切りで」

指揮官はゲームプランを冷静に考慮しつつ、総力戦でこの1試合を獲ろうとしていた。決して投手陣が充実している訳ではない。14日の東部球場でも
「30球以内なら毎日投げてもらうつもりだ」
と語っている。先発として5回を抑えた山隈の仕事は、もう十分なものだった。

チームに今、強力な勢いがある。
残り8試合、「悔いの無いよう戦うのみ」と監督は言う。


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2007/09/21(Fri)

当たり前のプレー

四国アイランドリーグ公式戦
2007.9.15. 香川OG 4–1 愛媛MP <サーパススタジアム>

勝 金子 6勝0敗
S 天野 6勝6敗10S
敗 森 3勝5敗

ゲーム差「1」で迎えた香川OGと愛媛MPの天王山首位決戦は、序盤から香川OG打線が火を噴く展開となった。1回裏、五番・丈武の左犠飛、七番・ブライスの右前適時安打などで3点を奪うと、2回裏にも三番・堂上隼人が左前適時打を放ち追加点を奪う。愛媛MP先発の森琢哉を2回でKOした。
香川OG先発の金子圭太は6回を1失点で乗り切ると、7回からマウンドに登った亮寛が2イニングを無失点に抑える。9回もクローザー・天野浩一が愛媛MP打線に得点を許さず、香川OGが4対1で愛媛MPを降した。
この結果、首位・香川OGと2位愛媛MPとのゲーム差は「2」に開いた。


『当たり前のプレー』

試合前のセレモニーの際、普段はブルペンで先発ピッチャーの球を受けていて、そこにいないはずの堂上隼人(香川OG)の姿があった。投手部門で受賞した松尾晃雅と並び、野手部門で受賞した8月度月間MVPの表彰のためである。

8月の連戦の中、打撃で結果を出した。2年間で通算3度目の受賞となる今回のMVPにも、
「ちょっと遅かったですね」
と反省してみせる。

「ホームランが少ないって言われるんですけど、強い打球を打つことを心掛けていて、凡退しても内容によっては納得することもあります。今、チャンスで回ってくることが少ないんですよね。トップとかが多くて、だからチャンスで回って来たら、しっかり結果を出せるように」

12日に行われた千葉ロッテ二軍との交流戦でも3安打4打点と結果を出している。古賀英彦監督(千葉ロッテ二軍)も試合後、
「いいバッティングしてる。キャッチャーとしてスローイングもまぁまぁの肩だね」
と感想を口にしていた。

「ほんと、結果出すしかないですから」
交流戦の後、いつも堂上はそう答える。
公式戦で結果を出し続け、交流戦で打撃と肩をアピールする。NPBの扉をこじ開けるための最良であり唯一の方法がそれなのだ。毎試合自分に掛けるプレッシャーの中で、出し得た一つの結果が今回の月間MVPであることは間違いない。昨年は5月と8月に二度受賞している。「遅かった」と感じるのも、自身の目標意識の高さによるものだということは容易に想像できる。

今日の試合、香川OGが初回に3点を奪った後の2回表、先頭の四番・大島慎伍(愛媛MP)がライト前ヒットで出塁した。二塁へ進んだ後、七番・松坂恭平が三遊間を破るヒットを放った。左翼手・生山裕人がこの打球を身体の前で一度ファンブルし、浮かせた。大島はこのプレーを見ていなかったが、三塁コーチャーが「GO!」の指示を出したことで「レフトで何かあったな」と感じていた。そこからはもう本塁しか見ていない。

堂上がここである演技を見せた。
「明らかに間に合わない」といったポーズを見せることで、ランナーの本塁突入の勢いを鈍らせにかかっている。

ボールはレフトからノーカットで堂上に送られ、大島の生還を見事に阻止した。このプレーが愛媛MPの反撃の芽を摘む序盤のビッグプレーになった。

こんな些細なテクニックも捕手の経験の内には含まれる。プロのキャッチャーなら誰でも考える当たり前のプレー。それを堂上も、やはり当たり前の様に行っている。


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2007/09/21(Fri)

メークシネマ

四国アイランドリーグ公式戦
2007.9.14. 高知FD 3–2 愛媛MP <高知東部球場>

勝 山隈 6勝7敗4S 
S 上里田 2勝4敗11S
敗 浦川 8勝9敗5S
本塁打 中村5号ソロ(4回浦川)

先週の7連戦を6勝1敗で乗り切り、首位との差を一気に2.5ゲームまで縮めた高知FDが、今週はホームでの4連戦に臨む。その第一戦、愛媛MPを高知東部球場に迎えた。
2回裏、八番・小山田貴雄の適時中前打で高知FDが先制するが、愛媛MPも3回表、一番・グレアム義季サイモンの適時右前安打、三番・比嘉将太の適時左前安打を含む4連打で2点を奪い、すぐさま逆転に成功した。
4回裏、六番・中村竜央は愛媛MP先発・浦川大輔の初球を捉えると、左翼スタンドに5号ソロ本塁打をライナーで叩き込み、高知FDが同点に追い着く。
高知FDベンチは先発の西川徹哉に代え4回から岸健太郎、捻金孝行、パチェコ、山隈茂喜と継投策でつなぎ、8回までを無失点に抑えた。
8回裏、ここまで投げ抜いた浦川から先頭の三番・トモが左翼線へ二塁打を放つと、愛媛MPベンチは二番手として千葉ロッテとの交流戦でも好投を見せた小山内大和をマウンドに送る。しかし小山内は六番・中村に適時中前打を許し、高知FDが逆転に成功した。
愛媛MP最後の攻撃も帰って来たクローザー・上里田光正の前に九番・梶原有司、一番・グレアムが連続三振。高知FDが3対2で愛媛MPを降し、ホーム4連戦の第1戦を白星で飾った。


『メークシネマ』

11.5ゲーム差を跳ね返し、巨人がセ・リーグ優勝を飾ったいわゆる『メークドラマ』の1996年、藤城監督(高知FD)は二軍投手コーチとしてジャイアンツに在籍していた。
「あの時は指揮官である長嶋さんだけがまったく諦めてなくてね。みんな長嶋さんに乗せられていったんだよ」

2回裏に奪った1点を守り切ることができず、すぐ3回表に逆転を許した。野手の暴投失策から始まる4連打で2点を与えてしまった。試合の流れとしては最も良くない展開である。

3回裏の攻撃が始まる前、藤城監督がベンチ前でハッパをかけた。
「戦う男の姿勢じゃない!残り11試合でこのままズルズル行って後悔して終るぞ!気合いを前面に出せ!」
グラウンドから伝わってくるものがない。ベンチまで伝わってこないのに、彼らの闘志がスタンドにいるファンまで届く訳がない。そんな想いから出た言葉だったと言う。

しかし監督の熱は、六番・中村竜央の胸に確実に届いていた。
愛媛MPのエース・浦川大輔に対し、低目は狙わず高目に来る球を狙った。ほとんど変化球しか来なかった第1打席は強振してサード強襲の内野安打を放っている。4回裏一死、第2打席に入ってバットを構えようとした時、ある音が聞こえたことに気付く。

「キャッチャーの梶原がこっち(内角)に寄った音が聞こえたんです。見てないですよ!こっちに動いた音がして。前の打席で変化球ばっかりだったし、インコースの真っ直ぐに絞りました」
その初球に鋭く反応した打球が一直線にレフトスタンドへ伸びて行く。藤城監督も
「竜央の一発が大きかった」
と語った一打で同点に追い着いた。

中村の〝読み〟の鋭さは次の打席でも活きる。
「小牧さん(雄一コーチ)に『ホームランの後は同じ球を続けるか、外のボール球から入る』って言われて。そしたらまた梶原がこっちに寄った音が聞こえて・・・。『うわ!来た!』と思っておもいきり振りました」
第3打席も初球を叩いた。強烈な打球が三塁手・檜垣浩太のグラブを弾く。完全に勢いに乗った中村は8回裏、決勝打となるセンター前ヒットも叩き出している。
「監督のゲキがあって。それがあのホームランでした」
4打数4安打2打点。監督の気迫に闘志を燃やし、コーチのアドバイスに素直に耳を傾けた結果が勝利に繋がっている。

「この10試合でシーズン終わるんや!目一杯10ゲームをプレーしようという気持ちでやってほしい。今更ガミガミ言ったって、なるようにしかならないですから。泣いても笑っても10試合、すべて出し切りましょう」

試合後の会見の最後に、藤城監督が笑った。
「メークシネマ。ハッハッハ」


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2007/09/14(Fri)

「彼らは何歳なの?」

四国アイランドリーグ交流戦
2007.9.12. 四国アイランドリーグ選抜 6–6 千葉ロッテマリーンズ二軍 <坊っちゃんスタジアム>

今季15試合目となるNPBとの交流戦である。ここまでNPB球団との対戦成績は4勝7敗4分け。昨夜愛媛MP戦で喫した完敗を払拭したい。
序盤に3点を奪った四国リーグ選抜だったが、4回表、二番手・西川徹哉(高知FD)が捕まる。八番・定岡に左越え同点3ランを浴びると、代わった三番手・渡邊隆洋(徳島IS)も後続を断つことができず、この回一挙5点を奪われた。
5回裏、制球に苦しむロッテの三番手・相原が2つの四球で走者を溜めると、五番・堂上隼人(香川OG)の二ゴロの間に三塁から智勝(香川OG)が還る。続く六番・マサキ(高知FD)の打ち上げた左飛を左翼手・定岡が落球。四国リーグが同点に追い着いた。
6回表、この回からマウンドに登った片山正弘(徳島IS)が3つの四死球で走者を溜めると、六番・細谷の三ゴロを三塁手・智勝が弾き三塁から青松が生還。ロッテが逆転に成功した。
7回小山内大和(愛媛MP)、8回松尾晃雅(香川OG)、9回天野浩一(香川OG)が無失点で切り抜けると、9回裏、四番・丈武が左中間に二塁打を放つ。五番・堂上も中越え二塁打で続き、四国リーグが土壇場で同点に追い着いた。しかし以降の反撃は続かず、試合は6対6の引き分けに終わった。


『「彼らは何歳なの?」』

千葉ロッテ二軍先発メンバーの平均年齢が21.5歳。まだ19歳の選手が2人いる。これに対し四国IL選抜先発メンバーの平均年齢は25.6歳と4歳高い。最年少となった檜垣浩太(愛媛MP)でも23歳である。

「ピッチャーが良かったよね。後半になるほどいいピッチャーが出てきたように思ったけど」
古賀英彦監督(千葉ロッテ二軍)はそれぞれ1イニングを三者三振に切って取ってみせた小山内大和(愛媛MP)と松尾晃雅(香川OG)について賞賛の言葉を贈っている。

「松尾君だっけ?勢いもあるし、魅力あるピッチャーだと思うよ。真っ直ぐに威力あって。向かってくるよね。追い込んでからのフォークも良かった。それと小山内君。カーブがいい。うまく使ってるよね。110km/hくらいの。あれでスライダーや真っ直ぐが速く見える」

古賀監督が続ける。
「彼らは何歳なの?」
25歳と26歳です。と伝えると、こう答えた。
「そうだろうねぇ。技術的にもまとまったものを持ってる」

四国で3年間培ったものを最高の形で披露して見せた2人のピッチングを古賀監督は評価した。そこには20代前半の若いピッチャーが持ちえない、ずっしりとした安定感があった。だから25歳、26歳という彼らの年齢にも合点がいった。

その小山内が三者三振のマウンドを振り返る。
「1イニングだけだったんで。自分の最高のボールを投げようと思ってました。球種に関わらず、自分の中の最高のボールを。一人も出さなければ点は取られないですから」

松尾も最初の言葉は同じセリフだった。
「1イニングだけだったんで。向かって行く気持ちは『持っている』とか言う前のものだと思うんで。そういう気持ちが無いと」
(2人目を三振に取った落ちる球は?)
「スライダーです。MAXは・・・144km/hですか。他に今日、誰かもっと速い人いましたか?
(いや、いないですね)
「それが良かったです」

最終回に連打で1点をもぎ取った打線も、ロッテの12安打に対し11安打を放ち意地を見せた。4打点を叩き出し存在感を見せ付けた堂上隼人(香川OG)から逆に尋ねられた。
「今日の選手って、みんな若かったんですよね?」

NPBとの交流戦とは言え、4歳も若い選手たちのチームの前に簡単に屈する訳にはいかない。そこに気付いていた堂上も現在25歳である。


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2007/09/12(Wed)

技術よりも自信

四国アイランドリーグ交流戦
2007.9.11. 愛媛MP 1–3 千葉ロッテマリーンズ二軍 <坊っちゃんスタジアム>

愛媛MP単独としては初となるNBPとの交流戦。坊っちゃんスタジアムに千葉ロッテマリーンズ二軍を迎えた。
1回表、一塁手・荒木康一の失策で出塁した一番早川が三番・角中勝也の遊ゴロの間に還り、千葉ロッテが先制する。
その裏、愛媛MPも四球で出塁した一番・グレアム義季サイモンを五番・檜垣浩太が適時右前打で還し、すぐさま同点に追い着いた。
2回を無失点で抑えた愛媛MP先発・浦川大輔に代わりマウンドに登った梶本達哉だったが、二番・佐藤に左前安打を浴び追加点を許してしまう。
5回表、この回からマウンドに登った三番手・木谷智朗がロッテ打線に捕まる。先頭の九番・藤井に左前安打を許すと、2失策の上に3連打を浴び4点を失った。
先発の三島を5回1失点でマウンドから降ろすと、千葉ロッテベンチは6回以降継投策に切り替える。末永、浅間、中郷、内の4人の前に愛媛MPは無安打に抑えられ、まったくチャンスを作ることができなかった。
試合は千葉ロッテが6対1で完勝。愛媛MPが初の単独チームとして戦ったNPB交流戦を勝利で飾ることはできなかった。


『技術よりも自信』

「打たれたのはしょうがないにしても、ピッチャーのバント処理ミスから打たれて大量点につながった。野球におけるポイントの精度をもっと上げてこないと」

沖泰司監督(愛媛MP)が敗戦の理由として挙げたのは、技術的な面よりも精神面の弱さだった。

「『よそ行きの服着て野球すんな!』言うてんのに・・・。内弁慶って言ったら変だけど。これは3年間ずっと言ってきてることなんだけど、もっと外に強く出るものがないと。気持ちがね。負けないように。ハートの強さが出て来てもらいたいかな。外間なんかでも初球の真っ直ぐを簡単に見逃してしまってる。エラーも含めてね。今年チームがいい理由はエラーが少ないんです。もっともっと一軍行ったら強い打球が来る。『気持ち』じゃないですかね」
(『相手に飲まれてしまった』ということでしょうか?)
「僕はそんなつもりじゃなかったんだけどね」

木谷智朗は4点を奪われるきっかけとなった無死一塁でのバント処理失敗を悔やんだ。

「自分の最初のミス。バント処理、あそこで・・・。あれで一死二塁と無死二、三塁じゃ全然違いますからね。(打者は)やっぱりインパクトがみんな速いっていうか、打球が違いました。みんな打たれても抑えてるのに、自分だけ失点につながったのが・・・」

甘いコースになればことごとく持って行かれ、強烈なゴロが内野守備陣を襲う。失策は3つ。内野安打となったものも含め、千葉ロッテ打線が放った鋭い打球に野手は苦しめられた。機能しなかった打線も同じである。序盤こそ食いついてみせたものの、5人のピッチャーに対し、放ったヒットはたった3本である。三振は大量11個を奪われた。沖監督が続ける。

「手を出していい球と悪い球とがある。キレのいい球に手を出すとなかなか打てない。そこを凌げるようにならないと。向こうはファールで粘れる。その内、甘い球を打たれる」

「NPBのピッチャーに1イニングずつ来られたらやっぱり難しい」
ある選手は試合後、そう漏らしている。6回以降の継投策の前に1本のヒットも出せず、意地を見せられずに淡々と試合を終えてしまった。

今日の試合に大きく足りなかったものは、技術よりもプロとして持つべき自信だったのだろうか。階段をもう一段上がるためのヒントは、そこにあるのかも知れない。

角中勝也(千葉ロッテ)が昨年のリーグチャンピオンシップ以来となる四国アイランドリーグとの試合に三番・左翼手として出場した。5打席に立ち5打数1安打1打点と存在感を示した。

「平均的にレベルは上がってるなと思いました。やっぱり去年からいたピッチャーの方が良かったと思います」

「明日は高知FDのメンバーとも久し振りにプレーすることになりますが?」という問いに、
「森山さん(一人コーチ)にバッティングのことを聞いてみようと思います」
と答えた。

NPBに上がった角中もまた、自信を取り戻すために必死である。


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2007/09/10(Mon)

「お久し振りです」

四国アイランドリーグ公式戦
2007.9.9. 徳島IS 1–3 高知FD <オロナミンC球場>

勝 野原 3勝2敗1S
敗 勝沢 2勝3敗2S
本塁打 YAMASHIN1号ソロ(7回片山)

初回、高知FDは内野安打で出塁した一番・宮本裕司を送りバントなどで三塁に進める。三番・梶田宙の遊ゴロを遊撃手・大二郎が本塁に悪送球し宮本が生還。先制点を挙げた。徳島IS先発の勝沢賢一は制球に苦しみ、四番・マサキ、五番・古卿大知に連続四球を与えると、六番・中村竜央の遊ゴロの間に梶田が還り、この回2点を奪った。
4回表途中に負傷退場した勝沢に代わり、益田陽介が3イニングを無失点に抑える。しかし7回表からマウンドに登った三番手・片山正弘から二番・YAMASHINが中前打を放つと、イレギュラーバウンドした打球を中堅手・岡嵜雄介が後逸。1号ランニングホーマーとなり高知FDが追加点を挙げた。
徳島ISは8回裏、四番手・パチェコから四番・福永泰也が中前に適時打を放つが反撃も1点止まり。9回裏の攻撃も上里田光正の前に三者凡退に終わり、3対1で高知FDが徳島ISを降した。
高知FDは7連戦を6勝1敗で終え、首位との差を2.5ゲームに縮めた。それに対して徳島ISは今季ワーストとなる10連敗を喫し、最悪の形で5連戦を終えた。


『「お久し振りです」』

5回までノーヒットピッチングを続けた先発・野原慎二郎を6回のピンチで早々に降ろし、高知FDは以降3イニングをソリアーノ、山隈茂喜、パチェコの3人によって1失点で乗り切った。9回裏のマウンドに登ったのは、7月1日のマウンド以来戦列を離れていた背番号「20」、エース・上里田光正だった。

先頭の六番・西村悟を1球でライトフライに打ち取ると、七番・金谷良太をショートゴロに、八番・加藤光成をピッチャーゴロに切って取り、7球で締めてみせた。マウンドで上里田にハグしてみせたマサキを始め、帰って来たエースの初仕事を喜ぶ笑顔がそれぞれにこぼれていた。

クールダウンを終えた上里田の第一声は
「お久し振りです」
だった。

「嬉しい反面、歯痒さもあります。帰って来られたことは素直に嬉しいですけど、残り数試合になって帰ってきて・・・。まだ全然なんで、まだまだぶっつけ本番みたいなところもあるし、投げ込みも全然足りない。状態もモチベーションもこれからどんどん上げて行きたいと思います。後期観てもらえなかった分、しっかりチャンピオンシップで観てもらいたいんで」

長期離脱の原因は腰の痛みにあった。最後まで原因が判らず、8月はチームの遠征にも帯同しなかった。一時は高知を離れ、実家のある兵庫県で静養に努めていた。9月5日、東部球場のベンチで久し振りに見た背番号「20」に声を掛けると、
「今週末に投げられたら・・・」
という答えが返ってきていた。一つ目のハードルはクリアしたことになる。

上里田のいない間、若い西川徹哉、野原慎二郎らを中心に先発投手陣が試合を作り、後半を『S・P・Y』ことソリアーノ、パチェコ、山隈茂喜が締めた。打線も急激に勢いづき始めている。藤城監督自身、
「ここからの7連戦がヤマ場になる」
と語っていた9月4日からの7連戦を6勝1敗で乗り切った。

さぁエースが帰って来た。首位との差は2.5ゲームである。


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2007/09/09(Sun)

紙一重

四国アイランドリーグ公式戦
2007.9.8. 徳島IS 2-4 香川OG <オロナミンC球場>

勝 塚本 9勝2敗
敗 渡邊 4勝10敗
本塁打 国本5号満塁(8回渡邊)

徳島IS先発の渡邊隆洋、香川OG先発の塚本浩二。両投手が見事な投手戦を披露する。6回終了まで共に無安打無得点投球を続け、息を呑む投手戦となった。
7回裏、塚本は先頭の一番・山口寛史を今日2つ目の四球で歩かせる。一死一塁として四番・小松崎大地が遊内野安打を放つが、遊撃手・三輪正義の一塁への送球が逸れる間に小松崎が二塁を狙う。小松崎は二塁で刺殺されたが、この間に山口が生還し徳島ISが均衡を破った。
しかし8回表、渡邊は先頭の五番・丈武に左前安打を許すと、続く六番・近藤洋輔も三遊間を抜いて続く。七番・ブライスは三塁線にセーフティーバントを決め、香川OGが無死満塁のチャンスをつかんだ。一死満塁とした後、九番・国本和俊の打球は前進守備を敷いていた中堅手・岡嵜雄介の頭上を越えた。走者一掃となり、打った国本も生還。逆転の満塁ランニングホーマーとなった。
徳島ISは9回裏、山口の左翼線三塁打、二番・岡嵜の投強襲安打で1点を返すが反撃もここまで。香川OGが4対2で徳島ISを降した。
徳島ISは球団ワースト記録となる9連敗となった。


『紙一重』

両投手共に今日のマウンドに懸ける強い想いがあった。
塚本浩二(香川OG)は長かったトンネルをなんとか這い出そうともがいていた。
「スカウトのことを意識し過ぎてここ2、3ヶ月良くなかった。だから今日は自分のことだけに集中しようと思ってました」
久々の先発マウンドでもある。ここで結果を出したい。ネット裏に陣取ったNPBのスカウトのことも意識しないよう心掛けた。

今季球団ワースト記録タイの8連敗を喫し、渡邊隆洋(徳島IS)が考えていたのは「ここで連敗を止めたい」それしかなかった。うまく緩急を使い分け、渡邊らしい丁寧なピッチングを続けた。6回までに三振は7つを奪った。

6回まで共にノーヒットノーランを続けた投手戦は、今季二人のベストピッチだったと言ってもいい。先に失点を許したのは塚本だった。
「ストレートが良かった。ブルペンは良くなかったんです。マウンドに立ったらうまいことコースに投げ分けられた。逆に先に1点獲られたのが良かったのかもしれないですね。相手は守ろうとすると思うし」

7回も無安打で投げ切り、味方が遂に1点を奪った後の8回表、渡邊は特に固くなった訳でも気負ってしまった訳でもなかった。
「むしろここを攻め切ろうって。『絶対に出さない』って。(丈武が)ロングヒット狙ってるのは解ってましたから」
しかし、気持ちとは裏腹にコントロールが乱れる。ボールを3つ続け、カウントを悪くしてしまう。この試合で渡邊が最初に喰らった痛烈な当たりがレフトに向かって飛んで行った。

一死満塁の場面で打席を迎えた国本和俊(香川OG)は、西田監督から2つのアドバイスを耳打ちされていた。一つは「強気で行け!」。もう一つは「ゾーンを上げろ」だった。

「塚本さんがテンポ良く投げてたんで、なんとかしたかった。外野フライとかは狙ってませんでした。ただ低く強い当たりを打とうと思って」

初球から果敢に打ちに行き、2球目をセンター深くまで持って行った。必死に背走する中堅手・岡嵜雄介のグラブをかすめることなく、ボールが外野を転々と転がって行く。ランニングホーマーは9月に入って2度目。満塁は「人生初です」と言って微笑んだ。

「丈武さんが還んなきゃいいって。それでもみんながたくさん声掛けてくれて、それに応えたかった」
8回表、ヒットを許した先頭打者・丈武に対し、カウントを0-3にしてしまったことを渡邊は最後まで悔やんでいた。
「連敗を止められなかった。そこだけです。『9回負けろ』って言われても、逆にそっちの方が難しいのに」
この敗戦で連敗は「9」を数えた。徳島ISの苦悩が続く。7回まで見せた好投にも
「結果が出ないとそんなの関係ないですからね」
と言い放った。渡邊の言葉に言いようのない無念さが滲む。

試合後、球場内の通路を歩いていた加藤博人コーチ(香川OG)が言っていた。
「ほんと紙一重。紙一重なんだよ」


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2007/09/09(Sun)

トリックプレー

四国アイランドリーグ公式戦
2007.9.2. 高知FD 2–2 香川OG <土佐山田スタジアム>
※ 9回リーグ規定により引き分け

4回裏、高知FDは四球で出塁した五番・古卿大知が六番・宮本裕司の中前打で三塁へ進む。七番・中村竜央の打席で一塁走者宮本が一、二塁間に挟まれるが、この間に三塁から古卿が生還。高知FDが先制点を挙げた。
7回表、香川OGは高知FD三番手・パチェコを打ち崩す。二死二、三塁とした後、七番・DHに起用されたブライスが来日初安打となる2点適時打を中前に放ち逆転に成功した。
しかし7回裏、二死から八番・日高大輔の右翼線二塁打などでチャンスを作ると、一番・トモが右前に適時安打を放ち高知FDが同点に追い着いた。
8回、9回と共に追加点を奪えず、試合は2対2の引き分けに終わった。


『トリックプレー』

松尾晃雅(香川OG)のピッチングを見ながら、藤城監督(高知FD)は、
「今日の松尾からは点取れんな・・・」
と思っていたと言う。
3回につかんだ無死一、三塁のチャンスも、一、二、三番を外野フライに打ち取られ、得点を奪うことができなかった。

4回裏、一死から五番・古卿大知が四球を選び出塁する。続くバッターは六番・宮本裕司である。実はまったく同じ場面が2回裏にあった。先頭の四番・マサキがセカンドゴロに倒れた後、古卿が四球を選んだところまでまったく同じだ。

しかしこの場面で、古卿はカウント2-1からの4球目に二盗を試み、捕手・堂上隼人に刺殺されている。宮本はセンター前にヒットを放ち出塁したが、続く七番・中村竜央がフォークを振らされ三振。2回裏の攻撃を終えている。

宮本はカウント2-2からの5球目をライナーでセンターへ持って行った。古卿が三塁へ進塁し、一死一、三塁のチャンスが出来上がる。続く七番・中村が粘る。ファールを2球続け、6球目がボールになった。カウントは2-2。

7球目のセットに入った松尾に対し、一塁走者の宮本がスルスルと二塁へスタートを切った。松尾がプレートを外す。二塁手・国本和俊にボールが送られ、一、二塁間での狭殺プレーとなった。その間に三塁走者の古卿が本塁に向かってスタートを切る。宮本は刺殺されたが本塁への送球は間に合わず、高知FDが意外な形で1点を先制した。

「昔、長嶋さんがやったことあるんだよ、トリックプレー。左ピッチャーで一、三塁の時に、転んだフリして」

高知FDベンチから送られた指示はトリックプレーだった。
宮本の二塁へのスチールが成功していればそれはそれで良し。しかし本当の目的は三塁走者・古卿を本塁に還すことにあり、そのためのディレイドスチールだった。「今日の松尾は打てない」と判断した高知FDが正攻法を捨て、奇策で奪った1点だった。

松尾の15勝目は成らず、負けこそつかなかったものの2失点でマウンドを後続に譲った。
「今日は何も言うこと無いッス!」
帰りのバスに乗り込もうとする松尾に、意外な形で奪われた先制点についてコメントを求めると、あのプレーが実はサインプレーであったことに驚きを隠さなかった。
「マジっスか!宮本を挟んだのって、ハメられたんスか!・・・」
愕然とした表情でヒザに手をついた。


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2007/09/09(Sun)

あと20試合

四国アイランドリーグ公式戦
2007.8.30. 愛媛MP 6–3 徳島IS <坊っちゃんスタジアム>

勝 梶本 11勝5敗1S
敗 勝沢 2勝2敗2S

序盤に徳島IS先発の勝沢賢一を打ち崩し3点を奪った愛媛MPは、4回にも徳島ISの二番手・角野雅俊を捉えさらに3点を奪った。野手が奪った大きなリードに愛媛MP先発の梶本達哉も応え、6回までを無失点に抑える。7回表に八番・矢野大天の左犠飛で失点するも1失点に抑え、8回からマウンドを宇都宮勝平に譲った。
徳島ISは最終回、七番・福永泰也の右翼線二塁打などで2点を奪うが反撃もここまで。愛媛MPが6対3で徳島ISを降した。


『あと20試合』

勝沢賢一にとっては、香川OGから徳島IS移籍して初の先発マウンドである。
初回こそ三者凡退に打ち取ったものの、2回に四球で歩かせた五番・檜垣浩太を自らの二つの暴投により本塁へ生還させてしまった。3回には中前安打で出塁させた八番・小田島一樹を送りバントと暴投で三塁に進ませ、一番・グレアム義季サイモンのスクイズにより2点目を。さらに二番・外間修平、三番・比嘉将太、四番・大島慎伍の3連打により3点目を失った。

「先発投手の持つ意味っていうのがあると思うんですけど・・・。試合を作ることができなかった。カウントを悪くしてから甘いところを打たれて。最近のいい流れが出せなかった」

青いユニフォームを纏って初めて登ったマウンドに特別な気負いが無かったはずがない。
2回裏の投球練習の時に投げた変化球の多くがすっぽ抜けていた。矢野大天と組んだ初のバッテリーは決して安定しているとは言えず、2つのイニングで3つのワイルドピッチを記録している。

3回裏、二番・外間に初球を叩かれたセンター前ヒット以外、すべて初球はボールだった。小田島に打たれたセンター前も、比嘉に打たれたライト前も、カウントは0-2からの3球目である。コントロールが危うくなりかけたところを狙われたのは自身も十分理解していた。

「ワイルドピッチになったのはカットボールでした。全部矢野のサイン通りだったんですけど・・・」

不甲斐ない結果となった3イニング48球には大きな悔いが残る。
「この週末にでも、自分が行ける機会があれば行きたい」
この4連戦のどこかで自分に投げさせてもらえるチャンスがあるなら・・・。
試合後の取材中、そんな強い気持ちをはっきりと見せていた。香川OGで好投を見せた中継ぎの感覚はまだ残っている。

これまで培ったもの、ここから見せなければならないもの。
ここまで3年間やってきた集大成を見せられる時間は、あともう1ヶ月しかない。後期公式戦、残された試合数はあと20。


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