スポーツライター高田博史オフィシャルblog。 四国・九州アイランドリーグを現場取材!※たまにCMも
レベルの違い
2007年08月08日(水) 18:15
四国アイランドリーグ交流戦
2007.7.30. 徳島IS 1–1 中日ドラゴンズ二軍 <アグリあなんスタジアム>

7月9日のサーパス戦に大勝した徳島ISが、再び単独チームでNPBとの交流戦に臨んだ。相手は中日ドラゴンズ二軍。アグリあなんスタジアムでのナイトゲームはこれが四国IL初となる。
徳島ISは先発のマウンドに益田陽介を送る。いきなり先頭の一番・岩崎に左前安打を許すが、捕手・加藤光成の二塁刺殺にも助けられ無得点に。2回表も三者凡退に抑えた。
3回表、徳島ISの二番手・竹原俊介は九番・中村を遊ゴロ併殺に取った後、一番・岩崎に左翼越え二塁打を許すが後続を抑える。このピンチを乗り切った徳島ISに流れが移り始める。
3回裏、一番・山口寛史が左前へのテキサス安打で出塁すると、二番・李鐘熙への初球に二盗を狙う。捕手・前田の二塁送球が逸れて外野に転がる間に三塁を陥れた。三番・西村悟は中日先発・菊地の初球を右へ運び徳島ISが先制点を挙げた。
竹原は4回も無失点で切り抜けると、5回表を左腕・渡邊隆洋が抑える。しかし6回表、徳島ISの四番手・片山正弘が三番・森田に右中間スタンドに突き刺さるソロ本塁打を浴び、中日が同点に追い着いた。
8回裏、徳島ISは無死一、二塁のチャンスをつかむが活かせない。つながらない打線に対し、投手陣は7回を安里渉、8回を角野雅俊が中日打線を3人ずつで抑える。9回表のマウンドに登ったクローザー・小林憲幸も期待に応え、打者3人を切って取った。
9回裏、一死一、二塁のチャンスを作りながら八番・加藤、九番代打・田久保賢植が連続三振に倒れ、試合は1対1の引き分けに終わった。


『レベルの違い』

「徳島ISの中で印象に残った選手は?」
という記者からの問いに、辻発彦中日二軍監督が挙げたのは山口寛史である。しかし、あくまでベタ誉めだった訳ではない。

「あの一番なんか足もあるしね。でもあんなスタートで走って失敗してちゃね(5回裏一死一塁、カウント0-1からの2球目に二盗失敗)。左投手のクイックもあるんだから。いいもの持ってるんだから。センター前にも打ってたしね。そこを活かせるようになればプロとしての道も開けるでしょう。課題にもなる」

今日の試合に辻監督は、
「NPBとの差をはっきりと見せつけるつもりだった」
と語っている。しかし結果的に1対1の引き分けとなり、ヒット数も徳島ISの7安打に対し4安打である。失策も2個記録しており、その一つは3回裏の失点につながった。
「反省点が多すぎる!ウチが上との差を教えてやらなきゃいかんのに、こんな試合して不甲斐ない。打線が弱いですよ、お互いに。もっとしつっこくいかないと」

確かにヒットの数は徳島ISの方が上回った。さらに辻監督が指摘したのは、徳島ISの三振の多さだった。11個を記録している。
「三振が多すぎる。二軍レベルの球で。工夫が足りないですよ。当てればエラーもするんだから。そんなピッチャーに対応できなきゃプロじゃないですよ」

1対1という結果は、徳島ISが善戦したのか。それとも中日二軍が不甲斐なさ過ぎたのか。
「NPBで勝負したいのならば、打撃技術がまだまだ低い」
これが徳島ISに突き付けられた一つの評価であることは間違いない。

試合終了後、中日二軍の選手たちは三塁側ベンチ前からバッターボックス付近までに散らばり、バットを振り続けていた。明日もここ、アグリあなんスタジアムで試合のため、移動時間がなくて済む。
「よくやるんですよ。試合に出てなかった選手中心に、ああやってしっかり身体を動かしてないと逆に疲労が溜まっちゃうんで」
そう教えてくれたのは徳島ISの深谷コーチである。

ユニフォームからジャージに着替え、ミーティングが始まるのを待っていた徳島ISの選手たちが一塁側のベンチに腰掛けていた。視線の先にはカクテル光線の下で無言のままバットを振り続けている中日の選手たちの姿があった。自分たちよりも上のレベルにいる選手たちが、さらに上を目指すためああやってバットを振り続けている。

「これがプロなんかなぁ・・・」
3年目のある選手が一言、そう言った。


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