スポーツライター高田博史オフィシャルblog。 四国・九州アイランドリーグを現場取材!※たまにCMも
あと一つ
2007年06月21日(木) 20:07
四国アイランドリーグ公式戦
2007.6.20. 高知FD 2–8 香川OG <高知東部球場> ダブルヘッダー第1試合

勝 松尾 7勝2敗
敗 山隈 1勝3敗

15日に行われる予定だったダブルヘッダーが天候不良により順延されたため、高知FDと香川OGはここから6連戦を戦う。わずかに自力Vの可能性が残されている3位・高知FDとの6連戦が、前期優勝を賭けての天王山になることは間違いない。
ダブルヘッダー第1試合に香川OGはハーラーダービートップであり、今やエースとなった松尾晃雅を先発のマウンドに送った。高知FDの先発は、前回春野、前々回サーパスでの登板に続き、なんと3戦連続で山隈茂喜に望みを託した。
序盤、両先発の投手戦となった展開は4回表に動く。二番・三輪正義が三塁線へのバントヒットで出塁すると、三番・堂上隼人が右前に適時安打を放つ。五番・丈武も左翼線への二塁打で続き、香川OGが2点を奪った。
5回表、高知FDのミスを香川OG打線は逃さない。九番・井吉信也が四球で歩くと一番・国本和俊が中前安打を放ちチャンスを拡げる。二番・三輪の打った強い一塁ゴロが一塁ベースの前で跳ね、一塁手・中村竜央が後ろに逸らした。この間に走者二人が生還し、三輪は三塁まで達する。三番・堂上が中犠飛で三輪を還し3点を追加。山隈をKOした。
高知FDは6回裏、この回先頭の九番・YAMASHINが左前安打で出塁するも、一番・トモの打席に盗塁を試みて三振併殺。反撃のチャンスをつかめない。
逆に香川OGは7回表、二番手・ミン・キファンから二番・三輪が四球を選ぶと、三番・堂上の打席にたった2球で二盗、三盗を成功させる。堂上は左犠飛を上げ、無安打で1点を追加した。
8回表にも高知FDの三番手・野原慎二郎が二つの四球で走者を溜めると、九番・井吉が右前に適時安打。一番・国本が三塁強襲の内野安打で続く。野原に代わった岸健太郎が二番・三輪に押し出し死球を与え、差を大きく8点に拡げた。
8回まで6つの三振を奪い散発2安打と高知FD打線を封じ込んできた松尾だったが、8回裏、高知FD打線が意地を見せる。七番・宮本裕司が中前安打で出塁すると、九番・YAMASHINが前進していた右翼手・井吉の頭上を越える適時三塁打を放つ。一番・トモも左中間に運び2点を返した。
9回裏、松尾に代わってマウンドに登った下地栄輝が無死一、三塁のピンチを迎える。左の五番・高井啓行を三振に切ったところで香川OGベンチは天野浩一をマウンドに送った。天野は六番・古卿大知を投飛に打ち取った後、七番・宮本に投げた初球に一塁走者・代走の白川大輔が飛び出し、捕手・堂上からの牽制球で刺殺。試合はあっけない幕切れとなった。
香川OGが8対2で高知FDを降し、ダブルヘッダー第1試合を制した。


四国アイランドリーグ公式戦
2007.6.20. 高知FD 2–3 香川OG <高知東部球場> ダブルヘッダー第2試合

勝 金子 2勝0敗
S 橋本 1勝0敗7S
敗 西川 4勝5敗2S

第2試合は13時26分に始まった。
初回、高知FD先発・西川徹哉の足を野手が引っ張る。二番・三輪正義が打ち上げた右飛を右翼手・高井啓行が判断を誤り落球。一死三塁のピンチに三番・堂上隼人は右中間に適時安打を放ち、香川OGが先制点を挙げた。
3回表には左翼線への二塁打で出塁した九番・井吉信也を四番・智勝が二塁への内野安打で還し1点を追加した。
高知FD打線は3回、4回と先頭打者を出塁させるが、香川OG先発・金子圭太の前にあと1本が出ない。しかし6回裏、四球で歩いた四番・中村竜央を七番・小山田貴雄が右翼線適時安打で還し1点を返した。
6、7回を左腕・ソリアーノが、8回をパチェコが無失点で切り抜ける。9回表のマウンドに登った上里田光正だったが、先頭の六番・近藤洋輔に左翼線二塁打を許してしまう。七番・町田雄飛が転がしたバントを一塁手・中村は三塁へ送球するが間に合わない。一死二、三塁とした後、九番・井吉信也は2度スクイズを失敗。5球目のショートバウンドを後ろに逸らした捕手・小山田を見た三塁走者・近藤が本塁に突っ込むが、これは小山田がブロックして刺殺した。しかし続く一番・国本和俊に三遊間を抜かれ、1点を失った。
9回裏、香川OGのクローザー・橋本亮馬が高知FD打線に捕まる。七番・小山田が左翼線への二塁打でチャンスを作ると、一番・トモが右中間に適時安打を放ち1点差に迫る。二死二塁と一打同点のチャンスに、二番・梶田宙は空振り三振に倒れ万事休すとなった。
香川OGが3対2で高知FDを降し、ダブルヘッダー2試合に連勝した。この結果により香川OGにマジック「1」が点灯。22日(金)に前期優勝が決まる可能性が強くなった。


『あと一つ』

結果的に、天候までもが香川OGの味方に付いたということだろうか。
本来ならば3日でホームゲーム4試合をこなした後、続けて4日間の内にビジターゲーム5試合(春野、高知(ダブルヘッダー)、蔵本、宿毛)をこなさなければいけなかったはずの過酷なスケジュールが、雨で流れたため2試合を行っただけに止まった。しかもその5試合の内、4試合が高知FDとの優勝を賭けた大事な「落とすことのできない」ゲームだったのだ。

6月10日の完封勝利後、10日振りのマウンドとなった松尾晃雅が第1試合の先発に起用された。3回を終了して奪った三振は4つ。中盤で味方打線が大きくリードし、勢いに拍車がかかった。6回裏には一番・トモ、二番・梶田宙から連続三振を奪っている。
「3回まで飛ばしてった。最後にちょっと下位打線に運ばれたのはショックでした。そこは後でコーチからも言われました。それがあったんで、自分としてはちょっと納得できていない」

8回裏、宮本裕司がセンター前ヒットでチャンスを作ると、YAMASHIN、トモに連打され、2点を失っている。高知FDが見せた意地の前に自分のピッチングのふがいなさを感じていた。表情は決して明るくはなかった。

第2試合先発の金子圭太は、6月9日、サーパススタジアムでのドローゲームに続き、高知FD戦2度目の先発となった。
「負けられない試合でしたからホッとしてます。しっかり打たせようと思いました。監督さんからも『真ん中投げてもヒットになんないから』って言われてました」
6回に失点したものの、先発としての仕事は十二分に果たしている。

打撃陣も大きな仕事をした。
第1試合に7安打を放ち8点、第2試合にも7安打で3点を奪い、一度も高知FDにリードを許すことがなかった。効いていたのは三番・堂上隼人である。第1試合に犠飛2つを含む3打点を記録している。第2試合にも初回に右中間へタイムリーヒットを放つなど4打席すべてに出塁している。
「一死三塁でしっかり仕事がしたいと思ってて。気持ちの中では犠牲フライでいいやと思ってたんですけど、犠牲フライで終わってるようじゃダメですよね。もっと振らなきゃ。やっぱり、昨年以上の成績出すのが目標なんで」

第1試合の9回裏、二死一、三塁の場面と、第2試合の8回裏、一死一塁の場面で、帰塁が遅れた代走・白川大輔を2度本塁からの牽制で刺している。
「送球はキャッチャーとして当たり前ですから」
高知FDは堂上にバットだけでなく、守備でもチャンスの芽を摘み取られてしまった。

藤城監督(高知FD)は試合後、前回の春野での敗戦に続き「クリーンナップの差」という言葉を口にした。三番・マサキ、四番・中村竜央、五番・高井啓行にチャンスでの1本が出なかった。第2試合の3回裏、無死一、二塁のチャンスに二番・梶田宙がバントを失敗した。続く三番・マサキはセカンドゴロ併殺に倒れ、序盤の大きなチャンスを逃している。走者がいる場面において、いかに打つべき人間が仕事をしたか。香川OGは外野フライで効率良く点を奪うことができた。

「我々は去年も優勝しとるからね。やりがい感じながら、個々の技術のレベルを上げて。我々には優勝する義務的なものもあるから」
マジックを「1」まで減らすことに成功した西田監督(香川OG)は、そう言い残すと意気揚々とバスに乗り込んだ。

あと一つ。遂に前期優勝に王手を掛けた。
愛媛MPが敗れても自動的に香川OGの前期優勝が決まる。まだ夕焼けには少し早い色をした空の下、東部球場の駐車場を香川OG一行を乗せたバスがゆっくりと出て行った。


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