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    Hirofumi TAKATA

    Author:Hirofumi TAKATA
    スポーツライター。
    現在『週刊ベースボール』『Baseball Clinic』『熱中!野球部』『野球太郎』『ホームラン』等の各雑誌、スポーツ紙『デイリースポーツ』などにおいて、独立リーグ、高校野球を中心に取材、執筆活動を続けている。
    4月2日生まれ。A型。

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2007/06/29(Fri)

ここで胴上げはさせない

四国アイランドリーグ公式戦
2007.6.23. 香川OG 2–3 高知FD <サーパススタジアム>

勝 パチェコ 3勝1敗
S 上里田 2勝3敗7S
敗 天野 6勝5敗

香川OGが地元で前期優勝を飾ることができるのか。
その喜びの瞬間を観るため、サーパススタジアムには過去最高の5,586人が詰め掛けた。
敵地で意地を見せたい高知FDは、香川OG先発・天野浩一の立ち上がりを攻める。1回表、6月1日以来の一番に復帰したYAMASHINが右中間を破り三塁に進む。二番・梶田宙が左前に適時安打を放ち、たった4球で先制点を奪った。
高知FD先発・パチェコの前に香川OG打線は沈黙を続ける。逆に5回表、左翼線への二塁打で出塁した八番・古卿大知が一番・YAMASHINの適時左前安打で生還し、高知FDが点差を3点に拡げた。
初回に背中を痛めていた天野は前半5回を投げ抜いたが、6回表から塚本浩二にマウンドを譲った。
6回裏、ここまで無安打のパチェコが香川OG打線に捕まる。一番・国本和俊を四球で歩かせると、二番・三輪正義の打席に二盗。三輪が右前に安打を放つ間に国本が還り1点を返した。
高知FDベンチは7回1失点と好投したパチェコを下げ、8回裏のマウンドに左腕・ソリアーノを送る。8回を3人で切って獲ったソリアーノだったが、9回裏、先頭の二番・三輪に四球を許してしまう。ここで高知FDはクローザー・上里田光正にすべてを託した。上里田は四番・智勝に適時左前安打を喰らい1点を失うが、五番・丈武を三振、六番・近藤洋輔を三飛に打ち取り1点のリードを守り切った。
高知FDが3対2で勝利し、香川OGの胴上げを阻止してみせた。
試合後、香川OGのメンバーは高松市内に用意された優勝会見場に移動し、坊っちゃんスタジアムで行われている愛媛MP‐徳島IS戦の結果を待った。しかし愛媛MPが勝利したため、香川OGの前期優勝はまたも持ち越しとなった。


『ここで胴上げはさせない』

高知FDの選手たちは決してブレることのない強い意志を持ってこの試合に臨んでいた。誰が口にせずとも、誰もが心の中に抱いていた想いがあった。
「絶対に目の前で胴上げを見たくない」

愛媛MPが敗れても香川OGの前期優勝は決定する。自分たちが敗れることで優勝を決めることだけはさせたくない。昨秋のリーグチャンピオンシップに続く、目の前での胴上げだけはさせたくない。

先頭打者として2安打を放ったYAMASHINがはっきりと口にする。
「胴上げだけは見たくなかったんで。チャンピオンシップでもやられてるし」
ようやく大スランプから抜け、バットに昨年の勢いが戻りつつある。
「上がってきてますねぇ。大分ボールが見えてきました。タイミングの取り方を変えたんで」

10本の打球を捌き無失策と、守備で引っ張った遊撃手・國信貴裕も想いは同じだった。
「胴上げは見たくない。それだけでしたね・・・」
(ショートへの打球が多かった。難しい打球のファインプレーも2つありました)
「ありがとうございます。誉めて伸びるタイプなんで・・・」
と言って笑った。

「初代チャンピオンチームとしての意地を見せて欲しかった。ここまできたら簡単には優勝できないんだそ、というところを見せて欲しかった。ネバーギブアップ。試合前からベンチには緊張感、ピリピリムードがありました。常に毎試合、90試合でこういうムードがあれば」
効率の良くなかった点の取り方には不満を口にしている。しかし、藤城監督(高知FD)は選手たちの気持ちの中に意地が見えたことに大きく頷いていた。

2点のリードで迎えた最終回、勝負はここからだった。
ソリアーノが先頭の二番・三輪正義を四球で歩かせた。藤城監督は迷わずエース・上里田光正をマウンドに送る。投球練習が終わった後で、捕手・小山田貴雄をマウンドに呼び寄せ二人と意思の確認をしている。
「三輪は還してもいい。一球に集中しろ」
2点のリードの内、1点を守り切れ。それが二人に与えられたミッションだった。

だが上里田には1点を与える気も無かった。
「1点はいいと言われましたけど、ゼロで抑えたかった。チャンピオンシップでもやられてたし・・・」
あの秋の日の悪夢は上里田の胸にも焼き付いている。ここで胴上げだけは絶対にさせない。気持ちは乗っていた。
しかし、その気負いが力みにつながる。ストレートが指に引っかかってしまった。三番・堂上隼人への2球目がショートバウンドになり、それを見た三輪がすぐさま二塁を陥れる。

「どれだけ僕が冷静にいられるかだと思ってたんで。向こうはストレートに張って来る。それを活かすためにも変化球を多めに投げさせました。ウイニングショットのフォークを活かすためにも」
普段より気負ってしまっている上里田をリードしながら、自分までもがムキになってはいけない。マスクの裏で必死に冷静さを保とうとしている小山田がいた。

堂上が放った三遊間への低い弾道を國信がダイブして止めた。三塁塁審・上野が右腕で拳を作っての大きなアクションを見せながら國信に駆け寄る。流れが変わったかに見えた。
しかし四番・智勝はカウント1-2からの4球目をレフトに弾き返した。上里田がやりたくなかった1点を香川OGが奪う。同点のランナーは現在の盗塁王である。

五番・丈武には変化球から入った。142km/hのストレートで空振りを奪い、最後はフォークで三振に切った。六番・近藤洋輔に対し、小山田はストレートで勝負を賭けた。完全に詰まらせた浅いフライがサードに上がる。この回から三塁にポジションを替えていた古卿大知がガッチリと受け止めた。

香川OGの優勝はもう決定的なものになっている。高知FDの前期3位も確定している。しかし今日の高知FDの試合振りからは強い意思が感じられた。それが「ここで胴上げはさせない」という意地だった。
後期へとつながっていく、熱い気持ちのこもった1勝である。


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2007/06/23(Sat)

2007.6.22.

四国アイランドリーグ公式戦
2007.6.22. 香川OG 雨天中止 高知FD <サーパススタジアム>

マジック「1」となった香川OGはホーム・サーパススタジアムで高知FDを迎え撃つ予定だったが、朝からの生憎の雨のため午後1時過ぎに今日の試合の雨天中止が発表された。

14時から約2時間、高松市内にある室内練習場で軽く汗を流した後、球団事務所近くに用意された優勝会見場に移動。首脳陣、選手たち共にユニフォーム姿のまま、ナイトゲームで行われた愛媛MP‐徳島IS戦の結果を待った。「愛媛MP勝利」の連絡が愛媛MPスタッフから西田監督の携帯電話に入り、前期優勝が明日以降に持ち越しになったことを確認している。
西田監督の
「明日はほんとに自力で、地元で優勝しましょう!」
の声と共に、明日行われる高知FDとのデーゲームに向けて気持ちを切り替えることとなった。


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2007/06/21(Thu)

あと一つ

四国アイランドリーグ公式戦
2007.6.20. 高知FD 2–8 香川OG <高知東部球場> ダブルヘッダー第1試合

勝 松尾 7勝2敗
敗 山隈 1勝3敗

15日に行われる予定だったダブルヘッダーが天候不良により順延されたため、高知FDと香川OGはここから6連戦を戦う。わずかに自力Vの可能性が残されている3位・高知FDとの6連戦が、前期優勝を賭けての天王山になることは間違いない。
ダブルヘッダー第1試合に香川OGはハーラーダービートップであり、今やエースとなった松尾晃雅を先発のマウンドに送った。高知FDの先発は、前回春野、前々回サーパスでの登板に続き、なんと3戦連続で山隈茂喜に望みを託した。
序盤、両先発の投手戦となった展開は4回表に動く。二番・三輪正義が三塁線へのバントヒットで出塁すると、三番・堂上隼人が右前に適時安打を放つ。五番・丈武も左翼線への二塁打で続き、香川OGが2点を奪った。
5回表、高知FDのミスを香川OG打線は逃さない。九番・井吉信也が四球で歩くと一番・国本和俊が中前安打を放ちチャンスを拡げる。二番・三輪の打った強い一塁ゴロが一塁ベースの前で跳ね、一塁手・中村竜央が後ろに逸らした。この間に走者二人が生還し、三輪は三塁まで達する。三番・堂上が中犠飛で三輪を還し3点を追加。山隈をKOした。
高知FDは6回裏、この回先頭の九番・YAMASHINが左前安打で出塁するも、一番・トモの打席に盗塁を試みて三振併殺。反撃のチャンスをつかめない。
逆に香川OGは7回表、二番手・ミン・キファンから二番・三輪が四球を選ぶと、三番・堂上の打席にたった2球で二盗、三盗を成功させる。堂上は左犠飛を上げ、無安打で1点を追加した。
8回表にも高知FDの三番手・野原慎二郎が二つの四球で走者を溜めると、九番・井吉が右前に適時安打。一番・国本が三塁強襲の内野安打で続く。野原に代わった岸健太郎が二番・三輪に押し出し死球を与え、差を大きく8点に拡げた。
8回まで6つの三振を奪い散発2安打と高知FD打線を封じ込んできた松尾だったが、8回裏、高知FD打線が意地を見せる。七番・宮本裕司が中前安打で出塁すると、九番・YAMASHINが前進していた右翼手・井吉の頭上を越える適時三塁打を放つ。一番・トモも左中間に運び2点を返した。
9回裏、松尾に代わってマウンドに登った下地栄輝が無死一、三塁のピンチを迎える。左の五番・高井啓行を三振に切ったところで香川OGベンチは天野浩一をマウンドに送った。天野は六番・古卿大知を投飛に打ち取った後、七番・宮本に投げた初球に一塁走者・代走の白川大輔が飛び出し、捕手・堂上からの牽制球で刺殺。試合はあっけない幕切れとなった。
香川OGが8対2で高知FDを降し、ダブルヘッダー第1試合を制した。


四国アイランドリーグ公式戦
2007.6.20. 高知FD 2–3 香川OG <高知東部球場> ダブルヘッダー第2試合

勝 金子 2勝0敗
S 橋本 1勝0敗7S
敗 西川 4勝5敗2S

第2試合は13時26分に始まった。
初回、高知FD先発・西川徹哉の足を野手が引っ張る。二番・三輪正義が打ち上げた右飛を右翼手・高井啓行が判断を誤り落球。一死三塁のピンチに三番・堂上隼人は右中間に適時安打を放ち、香川OGが先制点を挙げた。
3回表には左翼線への二塁打で出塁した九番・井吉信也を四番・智勝が二塁への内野安打で還し1点を追加した。
高知FD打線は3回、4回と先頭打者を出塁させるが、香川OG先発・金子圭太の前にあと1本が出ない。しかし6回裏、四球で歩いた四番・中村竜央を七番・小山田貴雄が右翼線適時安打で還し1点を返した。
6、7回を左腕・ソリアーノが、8回をパチェコが無失点で切り抜ける。9回表のマウンドに登った上里田光正だったが、先頭の六番・近藤洋輔に左翼線二塁打を許してしまう。七番・町田雄飛が転がしたバントを一塁手・中村は三塁へ送球するが間に合わない。一死二、三塁とした後、九番・井吉信也は2度スクイズを失敗。5球目のショートバウンドを後ろに逸らした捕手・小山田を見た三塁走者・近藤が本塁に突っ込むが、これは小山田がブロックして刺殺した。しかし続く一番・国本和俊に三遊間を抜かれ、1点を失った。
9回裏、香川OGのクローザー・橋本亮馬が高知FD打線に捕まる。七番・小山田が左翼線への二塁打でチャンスを作ると、一番・トモが右中間に適時安打を放ち1点差に迫る。二死二塁と一打同点のチャンスに、二番・梶田宙は空振り三振に倒れ万事休すとなった。
香川OGが3対2で高知FDを降し、ダブルヘッダー2試合に連勝した。この結果により香川OGにマジック「1」が点灯。22日(金)に前期優勝が決まる可能性が強くなった。


『あと一つ』

結果的に、天候までもが香川OGの味方に付いたということだろうか。
本来ならば3日でホームゲーム4試合をこなした後、続けて4日間の内にビジターゲーム5試合(春野、高知(ダブルヘッダー)、蔵本、宿毛)をこなさなければいけなかったはずの過酷なスケジュールが、雨で流れたため2試合を行っただけに止まった。しかもその5試合の内、4試合が高知FDとの優勝を賭けた大事な「落とすことのできない」ゲームだったのだ。

6月10日の完封勝利後、10日振りのマウンドとなった松尾晃雅が第1試合の先発に起用された。3回を終了して奪った三振は4つ。中盤で味方打線が大きくリードし、勢いに拍車がかかった。6回裏には一番・トモ、二番・梶田宙から連続三振を奪っている。
「3回まで飛ばしてった。最後にちょっと下位打線に運ばれたのはショックでした。そこは後でコーチからも言われました。それがあったんで、自分としてはちょっと納得できていない」

8回裏、宮本裕司がセンター前ヒットでチャンスを作ると、YAMASHIN、トモに連打され、2点を失っている。高知FDが見せた意地の前に自分のピッチングのふがいなさを感じていた。表情は決して明るくはなかった。

第2試合先発の金子圭太は、6月9日、サーパススタジアムでのドローゲームに続き、高知FD戦2度目の先発となった。
「負けられない試合でしたからホッとしてます。しっかり打たせようと思いました。監督さんからも『真ん中投げてもヒットになんないから』って言われてました」
6回に失点したものの、先発としての仕事は十二分に果たしている。

打撃陣も大きな仕事をした。
第1試合に7安打を放ち8点、第2試合にも7安打で3点を奪い、一度も高知FDにリードを許すことがなかった。効いていたのは三番・堂上隼人である。第1試合に犠飛2つを含む3打点を記録している。第2試合にも初回に右中間へタイムリーヒットを放つなど4打席すべてに出塁している。
「一死三塁でしっかり仕事がしたいと思ってて。気持ちの中では犠牲フライでいいやと思ってたんですけど、犠牲フライで終わってるようじゃダメですよね。もっと振らなきゃ。やっぱり、昨年以上の成績出すのが目標なんで」

第1試合の9回裏、二死一、三塁の場面と、第2試合の8回裏、一死一塁の場面で、帰塁が遅れた代走・白川大輔を2度本塁からの牽制で刺している。
「送球はキャッチャーとして当たり前ですから」
高知FDは堂上にバットだけでなく、守備でもチャンスの芽を摘み取られてしまった。

藤城監督(高知FD)は試合後、前回の春野での敗戦に続き「クリーンナップの差」という言葉を口にした。三番・マサキ、四番・中村竜央、五番・高井啓行にチャンスでの1本が出なかった。第2試合の3回裏、無死一、二塁のチャンスに二番・梶田宙がバントを失敗した。続く三番・マサキはセカンドゴロ併殺に倒れ、序盤の大きなチャンスを逃している。走者がいる場面において、いかに打つべき人間が仕事をしたか。香川OGは外野フライで効率良く点を奪うことができた。

「我々は去年も優勝しとるからね。やりがい感じながら、個々の技術のレベルを上げて。我々には優勝する義務的なものもあるから」
マジックを「1」まで減らすことに成功した西田監督(香川OG)は、そう言い残すと意気揚々とバスに乗り込んだ。

あと一つ。遂に前期優勝に王手を掛けた。
愛媛MPが敗れても自動的に香川OGの前期優勝が決まる。まだ夕焼けには少し早い色をした空の下、東部球場の駐車場を香川OG一行を乗せたバスがゆっくりと出て行った。


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2007/06/20(Wed)

後期につながるもの

四国アイランドリーグ公式戦
2007.6.17. 徳島IS 5–3 愛媛MP <徳島県営蔵本球場> ダブルヘッダー第1試合

勝 益田 2勝4敗
S 安里 0勝0敗1S
敗 小山内 0勝5敗1S

宿毛で行われる予定だった高知FD‐香川OG戦が雨で流れたため、今日のマジック再点灯は無い。愛媛MPはこのダブルヘッダーに連勝すれば勝ち星が香川OGと並ぶ。沖監督はハーラーダービートップに立つ好調の近平省吾を第1試合の先発投手に選んだ。
1回裏、近平は三番・西村悟に死球を与えると、続く四番・小松崎大地が左前に適時テキサス安打を放ち徳島ISが先制した。
しかし、徳島IS先発の益田陽介がこのリードを守ることができない。五番・檜垣浩太に右前安打を許すと八番・長崎準平に右翼線二塁打を喰らい愛媛MPがすぐさま同点に追い着いた。
5回まで徳島IS打線を1安打に封じた近平だったが、ヒジに違和感を訴え6回から小山内大和がマウンドを引き継いだ。
八回裏、先頭の一番・山口寛史が三遊間を抜く左前安打で出塁する。二番・李鐘熙がバントで送ると三番・西村は四球を選び、徳島ISが一死一、二塁のチャンスをつかんだ。愛媛MPベンチはここで小山内に代え、宇都宮勝平をマウンドに送る。四番・小松崎のカウントが2-1となった4球目、山口と西村が重盗を成功させチャンスを拡げる。粘った小松崎は9球目を右翼手と二塁手の間に落とし、適時テキサス安打で遂に1点を奪った。さらに五番・福永泰也の左中間越え二塁打、八番・金谷良太の右前安打で一気に4点を奪った。
9回裏、愛媛MP打線は最後の反撃を見せる。六番・田口大地が中前打で出塁すると、七番・松坂恭平が右中間を破り1点を返した。白石監督はここで益田に代え角野雅俊を投入する。角野は続く八番・長崎に中前安打を許すと、九番・梶原有司の遊ゴロの間に松坂が生還。一番・グレアム義季サイモンが投手強襲内野安打、二番・外間修平も適時右前安打で続き、1点差まで詰め寄った。四番・荒木康一を四球で歩かせ、なおも二死満塁としたところで打席に今日2安打を放っている五番・檜垣を迎える。徳島ISベンチはこのピンチに三番手の左腕・安里渉をマウンドに送る。安里は檜垣を1球で一ゴロに切って取り1点を守り切った。5対4で勝利した徳島ISが10試合振りに連敗を止めた。


四国アイランドリーグ公式戦
2007.6.17. 徳島IS 3–6 愛媛MP <徳島県営蔵本球場> ダブルヘッダー第2試合

勝 森 1勝1敗
S 浦川 5勝4敗1S
敗 渡邊 4勝5敗

ダブルヘッダー第2試合はあいにくの雨の中でのゲームとなった。第1試合が長引いたため、第2試合は予定より5分遅い17時5分にプレイボールが掛けられた。
徳島IS先発・渡邊隆洋を愛媛MP打線が序盤から捉える。2回表に八番・松坂恭平の適時左前安打で先制点を挙げると、3回表にも連続四球で走者を溜め、四番・荒木康一が2点適時打となる左前安打を放ち差を拡げる。さらに4回表にも二番・小田島一樹が適時中前安打を放ち4点目を奪った。
5回まで無失点、8奪三振と徳島IS打線を封じ込んでいた森琢哉だったが、6回裏、三塁手・檜垣浩太の三飛落球からペースを崩す。2個の暴投と四球で二死一、三塁とすると、六番・金谷良太に左翼へ運ばれる。この打球に左翼手・田口大地がジャンプして飛びつくもグラブに収まらず、走者一掃となる三塁打となり徳島ISが2点を返した。
せっかく奪った2点を渡邊は守り切ることができず、七番代打・長崎準平に四球、八番・松坂の左越えエンタイトルツーベース、九番・梶原有司に死球を与え満塁にしてしまう。このチャンスに一番・グレアム義季サイモンは左前に適時安打を放ち、2点を奪い返した。
7回裏に二番手・小山内大和が内野ゴロの間に1点を失うが、8、9回を浦川大輔が3人ずつで抑え、愛媛MPが6対3で勝利した。
森は今季初勝利、浦川が今季初セーブを記録した。


『後期につながるもの』

1点リードで迎えた最終回、二死満塁の場面に登場した左腕・安里渉には何の迷いも無かった。
「負けないように。ただそれだけでした。低目に投げればゴロを転がせる」

捕手・加藤光成は左打席に立つ五番・檜垣浩太に対して、すべてストレートで勝負しようと考えていた。1球目に要求したのは外角低目である。安里が振り返る。
「サインは外でした。ボールは内角の低目に。低目だからいいかなと思った」
詰まらされた当たりに一塁手の小松崎大地がダッシュをかける。ベースカバーに入った安里にボールが渡り、第一試合は徳島ISが獲った。10試合振りの歓喜の輪がマウンドに拡がる。
「バランスが悪かった。フォームなのか、力加減なのか。ピッチャーって信頼されてなんぼなんで、もっと一球を大切にして悪い時にしっかり投げないと。勉強になりました。僕がちゃんと投げてれば2試合目の入り方もこういう試合になってないと思う。ナベ(2試合目先発・渡邊隆洋)ももっと楽にいい入り方ができて・・・。確実にそれはあると思う」

益田が最後に作ってしまったピンチをさらに拡げてしまった角野雅俊は、止められなかった9回裏の流れをそう言って振り返った。愛媛MP打線を勢いづかせてしまったせいで、第2試合の先発・渡邊隆洋に苦しい思いをさせたと悔やむ。自らは第2試合に再び投げるチャンスをもらっている。
「監督に感謝したいです。投げられないピッチャーもいるのに、他のピッチャーの分まで投げないと。残り試合、後期から気持ち良くできるように、迷惑かけた分しっかり投げたいです」

ホームゲームでのダブルヘッダーに1勝1敗。連敗も止めた。
「今までならズルズルいってる展開やと思う。残り試合できっちりしたものを作って後期に突入したいと思います」
白石監督は試合後、そう語っている。

第1試合に貴重な追加点を叩き出し、第2試合の6回裏にも2点タイムリーとなる左越え三塁打を放ったのは六番・金谷良太だった。
「ここ数試合悪かって、還せる場面で還せんかった。ベンチが雰囲気的に盛り上がってチャンスで回って来たんで」
居残り練習でしっかり打ち込んだ。今日も早出して特打ちしている。
「特打ちしたおかげで楽に打席に立てました。森(琢哉)のストレートが良かったんで、コーチから『一指分短く持て!』って指示されて、振り切れました」
実戦の中でつかんだものがある。

すでに徳島ISに前期優勝の望みは断たれている。しかし徐々に見え始めた明るい光りも確かにある。残り6試合、後期につながる何かを手に入れることは果たしてできるだろうか。


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2007/06/19(Tue)

逃げない

四国アイランドリーグ公式戦
2007.6.16. 徳島IS 3–3 香川OG <徳島県営蔵本球場>

※ 9回リーグ規定により引き分け
本塁打 丈武7号ソロ(8回益田)

香川OGにマジック「6」が点灯している。徳島ISとの前期最終戦は、徳島のホーム・蔵本球場でのゲームとなった。徳島ISはここまで引き分けを挟み8連敗と最悪の状態が続く。蔵本のスタンドを埋め尽くし、ホームゲーム過去最高となった5,506人の観衆の前で一矢を報いたい。
先発は香川OGが先週のダブルヘッダー第1試合で徳島IS相手に完封勝利を挙げた塚本浩二、徳島ISが同じく先週香川OG打線を1安打に抑えた片山正弘である。
1回表、先頭の国本和俊が左翼線へ二塁打を放つ。二番・三輪正義がバントで送ると、三番・堂上隼人は中犠飛を上げ、打者3人で先取点を奪った。
徳島ISもすぐさま反撃に転じる。中前安打で出塁した一番・山口寛史を四番・小松崎大地が右中間への適時安打で還し同点に追い着いた。
試合は中盤まで投手戦の展開を見せる。5回表、先頭の六番・近藤洋輔が左前安打で出塁すると、二死二塁までチャンスを拡げる。九番・生山裕人の打球は片山の右ヒザをライナーで襲うが、跳ね返ったボールを三塁手・大二郎がすくい上げ一塁に送りピンチを救った。
5回裏、二死満塁のチャンスを迎えた徳島ISだったが、三番・西村悟が三振に倒れ、次の1点が奪えない。
試合が動いたのは6回表だった。国本が今日2本目となる左翼線への二塁打で出塁すると、堂上が右翼線に二塁打を放ち、勝ち越しの1点を奪った。
8回裏、好投を続けてきた塚本だったが先頭の山口に左中間を越され、無死三塁のピンチに陥る。香川OGベンチはここで塚本に代え、天野浩一をマウンドに送る。二番・岡嵜雄介を三振、西村を遊ゴロに打ち取った天野だったが、続く小松崎に中前に運ばれ徳島ISが同点に追い着いた。
9回表、二死となりながら五番・丈武はバックスクリーンに叩き込む7号本塁打を放ち、再び徳島ISを突き放す。
香川OGは9回裏のマウンドに橋本亮馬を送り万全の態勢を整える。しかし橋本の制球が落ち着かない。先頭の六番・李鐘熙を四球で歩かせると、七番・永井豪がバントで送り二塁へ。八番・加藤光成は2球目を右翼線に運ぶと、李が還り徳島ISが土壇場で同点に追い着いた。
試合は3対3のまま9回リーグ規定により引き分けとなった。この結果により香川OGのマジックが消滅した。


『逃げない』

徳島ISが喫したここまでの8連敗の中で、最も大きな原因となっていたのは打線の繋がりの悪さだった。選手たちは「なぜ急に打てなくなってしまったのか?」という問いに
「わからない」
を繰り返した。

5月下旬、春からこれまでしっかり取り組めていた練習が、グラウンドの都合で昨季まで世話になった河川敷グラウンドに戻ることになった。16時までには高校生のために明け渡さなくてはならない。確かに練習時間が短く制限されてしまったという理由はある。しかし当の選手たちからしてみれば、それはただの言い訳にしか過ぎない。5月27日、四万十で高知FD相手に17点を奪った猛打以来、プッツリと切れてしまった打線を復活するには一体どうすれば良いのか。その答えを探しながら泥沼の連敗街道を歩いてきたのである。

この火曜日から練習環境が整った。それまでやれなかった個人練習が可能になり、野手は精力的にバットを振り込んでいる。気持ちは決して萎えていなかったのだ。それどころか戦う気持ちを燃やし続けていた。今日の試合前においても、13時から予定されている打撃練習の一時間前から早出特打ちを行っている。

「先に点獲って、リードして行こうと思ってました。結果的に獲られちゃったんですけど・・・。(8回の中前適時安打は)ピッチャーに関係なく良かったら行こうと思ってました」
四番主将・小松崎大地に当たりが戻って来た。二度のチャンスに結果を出し、四番の仕事をやってのけた。

「(9回一死二塁の場面)最初から振っていこうと思ってました」
9回裏に同点打を放った加藤光成は、送りバントを狙った3打席目以外すべて最初のストライクを打ちに行っている。積極性がプラスに働いた。

一番・山口寛史も先頭打者として大きな活躍を見せた。8回裏、塚本の100球目を捉えた左中間越えの三塁打について、
「外の真っ直ぐでした。(自分の中では)普段と同じです」
と答えている。この試合が香川OG戦前期最終戦である。4勝8敗2分けという成績についてこう振り返った。
「接戦で取られてる試合が多いんですけど、その辺は向こうが一枚上手なのかなと思う。逆に言えばこっちは接戦をモノにできなかった」

「去年と変わらないじゃないか」と揶揄された連敗の中で、選手は屈辱に耐え続けていた。
「香川OGのクリーンナップってそんな違いますか?みんな凄い凄い言うけど・・・」
試合前、そう聞いてきた選手がいた。自分たちもやればできるはずだ。その自負は持っている。

5,506人と蔵本球場を埋め尽くしたたくさんの観客の前で、価値ある引き分けを演じることができた。今やっておかなければ後期公式戦での浮上はあり得ない。

なんとかしなくてはならない。そんな気持ちは守備にも現れていた。
6回裏、三塁を襲った四番・智勝の鋭いゴロを大二郎が左胸に当て、止めた。前に落としたボールを拾い上げて一塁に送り、この回の守備を3人で終えている。

「逃げたらヤバい!と思った」
そう、逃げてはいけない。
左胸を押さえながら満足そうに笑った。


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2007/06/18(Mon)

「優勝よりも、どう戦うか」

四国アイランドリーグ公式戦
2007.6.15. 徳島IS 2–13 愛媛MP <徳島県営蔵本球場>

勝 梶本 5勝3敗1S
敗 竹原 0勝2敗

7連勝で遂に高知FDをかわし2位に浮上した愛媛MPが、今季8勝1敗と大きく勝ち越している徳島ISとの一戦に挑んだ。
愛媛MP打線は序盤から徳島IS先発の竹原俊介を捉える。初回、二番・福西太志が右中間へ二塁打を放つと、三番・比嘉将太が右翼線に二塁打を放ち先制点を挙げる。2回表にも死球、四球と制球を乱した竹原から一番・グレアム義季サイモンが適時中前打。さらに福西の中犠飛により2点を加えた。
2回裏、約2ヶ月振りの先発復帰となった五番・西村悟が愛媛MP先発・梶本達哉から右前安打を放つ。梶本の暴投で二塁に進むと、六番・李鐘熙が右前安打、七番・永井豪の中犠飛で徳島ISが1点を返した。
3回表、四番・荒木康一が中前安打で出塁すると、六番・檜垣浩太が右越え適時三塁打を放ち1点を追加。さらに竹原の暴投でこの回2点を追加した。
4点のリードをもらいながら梶本がピリッとしない。六番・加藤光成に右前安打を許すと九番・増野真太郎に四球を与え走者を溜める。一番・山口寛史は三塁線に絶妙のバントを決めると、捕った三塁手・檜垣が一塁に悪送球し加藤が生還。徳島ISが1点を返した。なおも無死二、三塁のチャンスに二番・岡嵜雄介が打ったライナーをジャンプした二塁手・比嘉がつかみ、飛び出した三塁走者を併殺。徳島ISに傾きかけた流れを断ち切った。
4回表から竹原に代わりマウンドに登った番場由樹だったが、6回表に愛媛MP打線の餌食となった。七番・田口大地の左前安打を皮切りに8安打を浴び8失点と、大量リードを許してしまった。
6回を投げ抜いた梶本に代わり、7、8回を小山内大和、9回を今季初のマウンドとなった山本肱平が無失点に抑え、愛媛MPが13対2で徳島ISを降した。
愛媛MPはこれで8連勝。首位香川OGとの差を4ゲームに縮めた。


『「優勝よりも、どう戦うか』』

試合後の沖監督(愛媛MP)がまず誉めたのは、14安打を放った打線ではなく、徳島IS打線を散発5安打に封じ込めた投手陣でもなかった。2回表、無死一、二塁の場面と6回表、やはり無死一、二塁の場面にきっちりと送りバントを決めた九番・梶原有司のプレーを称えている。

「勝つ味を選手たちが覚えていく中で、打者が勝負する。そこで無死一、二塁で二度バントを決めた梶原のように細かいことがきっちりできている。これはやはり大きいです」

先週、西条ひうち球場での試合後、キャプテン・田口大地が話してくれた「鳴門で徳島ISに大勝したことでチームが変わった」という話をした。沖監督の感想はまた違っていた。

「その前に東部だったかな。高知FDに負けたゲーム。あの試合で何が?なぜ?というのが解ったと思うんですよ。ファーストストライク、セカンドストライクを積極的に打ちに行く。NPBでも一軍だろうが二軍だろうが打ちに行ってるんですよ。待ちに行かない。積極的に振って行く中で、半信半疑だった彼らの中につかめてきたものがあったんじゃないか」

愛媛MPは確実に変わった。その結果がこの8連勝である。選手たちの気持ちの中にも自信がみなぎっている。

3打点を叩き出した四番・荒木康一がヒーローインタビューで言った。
「逆転優勝を狙ってます。前期残りの9試合、チーム一丸となって9試合勝つつもりで頑張ります」

だが、指揮官は冷静にこれからの戦いを見つめている。
「残り9試合、優勝よりもどう戦うか。勝負事だから負けることもあるでしょうが、バッターもピッチャーもすべてがしっかり戦うこと。勝負はまた別のところにある」

大事なのは結果よりも、最後まで全力をもって戦い抜くことなのだ。
引き分けを挟んで9試合勝ち星の無い徳島ISにも、もちろん同じことが言える。


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2007/06/18(Mon)

春野決戦

四国アイランドリーグ公式戦
2007.6.12. 高知FD 7–9 香川OG <春野球場>

勝 松本 1勝
S 橋本 1勝0敗6S
敗 山隈 1勝2敗

首位の香川OGを高知FDが追う。ゲーム差は「5」。今週行われる高知でのホーム5連戦、その第1戦は春野球場での香川OG戦である。
初先発となった香川OG・松本健太の立ち上がりを高知FD打線が攻める。先頭のトモが四球で歩くと、二番・梶田宙が送りバント、三番・古卿大知の左前安打で三塁へ進め、四番・中村竜央の中犠飛で先制点を奪った。
3回を無失点で切り抜けた高知FD先発の山隈茂喜だったが、4回表、香川OG打線に集中砲火を浴びる。三番・堂上隼人の中前打を皮切りに、六番・近藤洋輔の左前安打、七番・町田雄飛の右中間越え二塁打などで香川OGが一挙に5点を奪う。山隈から引き継いだ二番手・岸健太郎も5回表に捕まり、町田の左犠飛、九番・井吉信也の左翼線二塁打でさらに4点を失った。
2回以降得点を許さなかった松本だったが、6回裏突如制球を乱し走者を溜めてしまい、一死満塁としたところで二番手・勝沢賢一にマウンドを譲った。しかし勝沢は七番・宮本裕司に押し出し死球を与え1点を失う。さらに八番・國信貴裕の遊ゴロの間にもう1点、九番代打・YAMASHINに適時中前打を許し、この回高知FDが3点を奪い返した。
勝沢は7回裏にも梶田の右中間を破る三塁打、五番・マサキの右翼線二塁打で1点を失う。7回裏途中からマウンドに登った三番手、左腕・下地栄輝が後続を断つが、8回裏、梶田の左翼線適時二塁打で2点を失い2点差まで追い上げられた。なおも無死二、三塁と続くピンチに香川OGベンチはクローザー・橋本亮馬を投入する。この場面に古卿は右犠飛を打ち上げるが、右翼手・近藤が本塁に好返球し追加点を許さない。続く中村も一邪飛に切って取りピンチを切り抜けた。橋本は9回裏も見事に3人で締め、香川OGが9対7で高知FDを降した。
この勝利によって高知FDの自力Vが消滅し、香川OGにマジック「6」が灯った。


『春野決戦』

今週の5連戦の中で、高知FDと香川OGの対戦は高知市営でのダブルヘッダーを含め4試合が予定されている。藤城監督は今日の先発に山隈茂喜を指名した。6月9日の香川OG戦に先発し82球を投げており、中2日での先発である。実は9日の登板も中4日であり、6月4日にパチェコのアクシデントによる緊急登板で60球を投げていた。苦しい先発事情と、連戦のスケジュールの中での苦渋の決断だったことが読み取れる。

「あまり疲れは残ってなかったです。(ボールが)外中心にいってしまった。もっとインコースの厳しいところに投げないと・・・」
試合後の山隈はそう言って4回に奪われた大量点のシーンを悔やんだ。

「一球の集中力。クリーンナップの差が出ました。チュウ(二番・梶田宙)はよく打ってくれたんですけどね。(山隈は)ストレートが来てましたから連投は心配していませんでした。配球がアウトコース一辺倒になってしまった。今日の試合はクリーンナップの差とバッテリーの配球ミスです。堂上(隼人・香川OG)のリードは良かった」

中盤に失った大量点に屈せず、いいところまで追い詰めたとしながらも、藤城監督(高知FD)は二つのポイントで香川OGに及ばなかったことを口にしている。

連戦の最初に、今日が初先発となった松本健太を起用した西田監督(香川OG)には、いささか余裕も感じられた。
「一戦一戦集中して目の前の敵を叩いていく。それだけです。アドバンテージはあるんだから。残り10試合、無駄な失点はせずにね。松本も最初投げられなかった選手がここまで来た。あとは一、二番が出塁率を上げてクリーンナップの前にランナーを出したいね」
13安打を放った打線が作った大量リードをなんとか投手陣が守り切った。初勝利を挙げた松本にとっても自信となっただろう。

これで2位の愛媛MPに4.5ゲーム、高知FDには6ゲームの差がついた。今日の敗戦で高知FDに自力Vの可能性が消えている。同時に香川OGにマジック「6」が点灯した。

「点を獲りたい気持ちが焦りになったと思います。打線がつながってないですよね」
(ケガ人も多いようですが?)
「疲れはどこ(のチーム)にもあると思うんで・・・。全部勝つつもりだったんですけどね。(勝負は)金曜のダブル(15日、高知市営)ですね。自分のやれることをもう一度見つめ直して、普通にやればウチの打線は打てるんで」

7回に右中間突破の三塁打、8回には2点タイムリーとなる左翼線への二塁打を放った梶田は気丈にそう語り、次の香川OG戦へと闘志を燃やしていた。

香川OGと高知FDの直接対決はあと6試合残されている。


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2007/06/15(Fri)

先発の4投手

四国アイランドリーグ公式戦
2007.6.10. 香川OG 3–0 徳島IS <サーパススタジアム> ダブルヘッダー第1試合

勝 塚本 3勝1敗
敗 益田 1勝4敗

ホームゲームばかりで遠征が無いとはいえ、一週間に5試合をこなさなくてはならない香川OGは今週最後の試合、サーパススタジアムでのダブルヘッダーに臨んだ。相手は目下6連敗中の徳島ISである。徳島ISも愛媛・西条でのナイトゲーム2試合を終え、午前10時開始の強行日程に十分なコンディションであるとはいえない。
徳島IS先発の益田陽介、香川OG先発の塚本浩二は共に序盤の3イニングを無失点で切り抜ける。試合が動いたのは4回裏だった。先頭の四番・智勝に死球を与え出塁させた益田は、次の五番・丈武への初球に暴投し無死二塁のピンチに陥る。丈武は中犠飛を放ち智勝がタッチアップから三塁へ向かう。中堅手・永井豪から遊撃手・李鐘熙を介して三塁に送られたボールが智勝の背中に当たり転々とする間に智勝が還り、香川OGが無安打で先制した。
徳島ISは6回、7回と先頭打者を出しながらあと1本が出ず得点を奪うことができない。逆に7回裏、益田が八番・若林春樹、九番・井吉信也、一番・国本和俊に3連打を浴び2点を奪われた。
8回表の一死二、三塁のチャンスも活かすことができず、徳島ISは塚本の前に完封負け。3対0でダブルヘッダー第1戦は香川OGが制した。この結果により徳島ISの前期負け越しが決定した。


四国アイランドリーグ公式戦
2007.6.10. 香川OG 0–0 徳島IS <サーパススタジアム> ダブルヘッダー第2試合

※ 9回リーグ規定により引き分け

朝からの刺すような日差しが幾分和らいだ13時21分、第2試合のプレイボールがコールされた。
ここまでまったく打線に火が入らず、21イニング無得点を続けている徳島IS打線だが、2回表にチャンスをつかむ。香川OG先発・松尾晃雅から五番・李鐘熙が左前安打を放つと、八番・HIRO、九番・大二郎が連続四球で歩き二死満塁に。しかし一番・山口寛史は二ゴロに倒れ、得点を奪うことができない。
徳島ISの先発・片山正弘は4回までパーフェクトと見事な投球を続ける。5回裏、五番・丈武に左前テキサス安打を許すが、後続を断ち香川OGに得点を与えない。
片山は二度の投直をさばくなど完全に香川OG打線を封じ込めるが、打線が好投に応えられない。6回表に三番・小松崎大地が左中間を破る二塁打、7回表に遊撃手・智勝の失策でHIROが出塁と、先頭打者が塁に出るもののあと1本が出ない。
試合は見事な投球を見せた両投手が9回を投げ切り、スコアレスのまま9回リーグ規定により引き分けとなった。徳島IS打線はこれで3試合連続無得点、8試合連続で勝利から遠ざかる結果となった。


『先発の4投手』

ダブルヘッダー2試合に、それぞれの先発投手4名はよく投げたと言っていいだろう。
西田監督(香川OG)の言葉を借りるなら
「(先発)ピッチャーがローテーションを守ってくれてる」
ということになる。4人は先発としての仕事を十分にやってのけた。

塚本浩二(香川OG)は強い意志を持って今日のマウンドに登った。
「前の先発(6月2日、愛媛MP戦)で9回にやられて交代してたんで、今日は『絶対完投してやろう』と思ってました。気持ちが完封につながったんですかね。完封より完投したことの方が嬉しいですね」
147球を投げ抜き、被安打は4。見事な完封劇での3勝目を挙げた。最後の打者、永井豪を三振に取ったストレートは124km/hである。最後の勝負に123~125km/hが出ており、ストレートのスピードは序盤から終盤までほとんど落ちなかった。計測ができなかった超スローボールも一度試している。

7回を投げ3失点、110球を投げた益田陽介(徳島IS)は二度の失点の場面を悔やんだ。
「あのデッドボール(4回裏、先頭の四番・智勝に死球)でカラダが動かなくなった。ビビっちゃたのかもしれないですけど・・・。やっぱココですよねぇ・・・。フォアボールからなんだよなァ」
七番・町田雄飛を四球で歩かせリズムを崩し、3連打を食らった7回裏のスコアシートにどうしても目が行く。味方打線の奮起を待ちながら我慢の投球を続けた。
「チャンスとかになるじゃないですか。それで点取れなくて「あ~・・・」と思っちゃうんで。もうチャンスとかって思わないようにしてます。もうそれはそれで・・・」

2007.6.10. MASUDA
先発の仕事は果たした益田陽介(徳島IS)

徳島IS打線を封じ込み、打線が点を取ってくれるのを待っていた松尾晃雅(香川OG)も同じようなことを口にしている。
「チャンスに期待して(点を)取れないと嫌なので、できるだけ見ないように」
9回145球を投げ無失点と、素晴らしい仕事をしてみせた。10個の三振も奪っている。
「点を取られなかったんでピッチャーの仕事はできたかなと思います。球数が多かったですね」

2回表に迎えた二死満塁のピンチに、マウンド上で加藤博人コーチから
「細かくコースを狙いすぎてる。もっとアバウトでいい」
とアドバイスされている。序盤から140km/h台を連発していたハイペースが、あの辺りから変わった。
「中盤に疲れたのと。5回に休んで復活して、7回に(全力で)いったのと(二番・岡嵜雄介を143km/hで三振)、8回9回は思い切って。5月、野手が打って勝ってくれたんで、6月はしっかり抑えて勝ちたい。直接対決で早くマジック点けて、2位3位を諦めさせたいですね」
あと残り試合は11である。「マジック」という言葉も飛び出した。

打たれたヒットはたったの1本でしかない。
前回、6月3日の愛媛MP戦でも4安打に抑えながら、初回に奪われた1点と点の奪えない自軍打線に泣いた。
「僕がしっかり投げていれば、いつかは点を取ってくれる。そう思って投げてました」
あの日の試合後、片山正弘(徳島IS)はそう言っていた。

「ブルペンであんまり調子が良くなくて。コントロールもバラバラで。中盤からちょっと球が浮き出しました。相手に先に点を取られないように。自分のピッチングだけするように心掛けました」
(前回のオロナミンC球場での試合後、「僕がしっかり投げていれば、いつかは打線が点を取ってくれる」と仰ってました。今日もそんな気持ちでマウンドに立っていたのですか)
「はい。・・・でも、自分が打たれて逆転された試合もあるので・・・」

「いつかは点を取ってくれる」
そう信じながら豪打の香川OG打線に向かって投げ続ける片山の姿を、徳島ISの野手たちは何を思って見ていたのだろう。3試合連続、30イニング無得点のままで今週の戦いを終えた。

2007.6.10. KATAYAMA
見事な1安打ピッチングを見せた片山正弘(徳島IS)

香川OGにとって前期最後の山の一つと言える1週間5試合を2勝1敗2分けで終えた。2位に上がった愛媛MPとの差は4ゲームある。前期優勝への優位は変わらない。

「身体はキツいと思うけど頑張ろう!」
今日の試合前、三塁側ベンチからはそんな言葉が聞こえていた。遠征のナイトゲーム2試合を終え、デーゲームでのダブルヘッダーを終えた徳島ISにも大きな疲労が溜まっていることだろう。

代替試合のダブルヘッダーが増え、前期終盤の強行日程が続く。優勝争いも、目の前の一戦一戦も、疲労と戦う選手それぞれの身体も気持ちも、すべてここが踏ん張りどころである。


PHOTO BY Misato MORI
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2007/06/14(Thu)

勝負どころ

四国アイランドリーグ公式戦
2007.6.9. 香川OG 3–3 高知FD <サーパススタジアム>
※9回リーグ規定により引き分け

本塁打 国本2号ソロ(7回ソリアーノ)

今週サーパススタジアムで行われた首位香川OGと2位高知FDとの直接対決は、1勝1敗のタイである。ゲーム差は「4」。高知FDの後ろには0.5ゲーム差で3位の愛媛MPが迫っている。直接対決はこの試合を含め、あと8試合。上位3チームが混戦の様相を呈してきた。
2回表、高知FD打線が香川OG先発・金子圭太を捉える。先頭の四番・中村竜央が右前安打で出塁すると、八番・小山田貴雄が中前に弾き返し先制点を奪った。続く3回表にも四球で出塁した一番・梶田宙を二番・國信貴裕が右前安打で三塁に進めると、三番・古卿大知が左犠飛を放ちさらに1点を追加した。
中4日でのマウンドとなった高知FD先発の山隈茂喜だが、5回まで香川OG打線を無得点に抑える。しかし6回裏、二番・三輪正義に中前安打を許すと、四番・智勝が右前に適時安打を放ち香川OGが1点を返した。なおも一死一、二塁と続くピンチに、高知FDは山隈を諦め二番手・ソリアーノを送り後続を断った。
7回表、この回先頭の七番・宮本裕司が右翼線に二塁打を放ちチャンスを作る。八番代打・日高大輔が一塁失策で出塁し、無死一、三塁となったところで香川OGベンチは金子から勝沢賢一にスイッチした。勝沢は九番・白川大輔を二ゴロに打ち取るが、その間に宮本が三塁から還り、再び差を2点に拡げる。
7回裏、簡単に二死を奪ったソリアーノだったが、一番・国本和俊に左翼へソロ本塁打を叩き込まれ、香川OGが再び1点差に詰め寄った。
1点もやれない高知FDベンチは8回裏のマウンドに上里田光正を送り逃げ切りを図る。先頭の三番・堂上隼人を一飛に打ち取った上里田だったが、続く智勝を四球で歩かせてしまう。上里田の暴投の間に二塁を奪った智勝はさらに三盗も成功させる。五番・丈武は一飛に倒れたが、六番・近藤洋輔が上里田のストレートを中前に弾き返し、遂に同点に追い着いた。
9回表のマウンドに登った香川OGのクローザー・橋本亮馬は、一死一、三塁のピンチに陥りながら國信、古卿を打ち取り責任を果たした。
9回裏、最後の攻撃にすべてを賭けた香川OGだったが、上里田の前にチャンスを作ることができず3人で攻撃を終えた。試合は3対3と9回リーグ規定により引き分けに終わっている。


『勝負どころ』

8回表、二死二塁のピンチにマウンドに登った左腕・下地栄輝(香川OG)が、六番・マサキを一塁に歩かせながらも七番・宮本裕司をレフトフライに打ち取って切り抜けた。6回、7回と1点ずつを加え1点差にまで迫っている。8回表のこのピンチを乗り越えたことで、さらに勝負の流れは香川OGに傾き始めていた。

8回裏、最初の打者である三番・堂上隼人をファーストフライに打ち取った時、上里田光正(高知FD)は
「これでもらった」
と思っていた。
ほんの少しできた心の隙がコントロールを狂わせ、ボールが先行する。四番・智勝に対しカウント0-3とした後、外角へのストレートと三塁側へのファールでフルカウントに戻した。6球目のストレートははずれ、一塁へ歩かせてしまった。

動揺は然程無かったはずだった。しかし次の打者、五番・丈武への初球はショートバウンドとなり、智勝が悠々と二塁へ進む。一死二塁。1点もやれない場面で同点のランナーをスコアリングポジションに進ませてしまった。丈武のカウントが1-2となった後の4球目、智勝がスタートを切る。ノーサインだった。智勝はこの試合の勝負どころをここだと感じていた。上里田が言う。
「フォアボールはすぐ切り替えられたんですけど・・・盗塁がノーマークでした」
一発のある丈武に対してのバッティングカウントで、意識がほとんど打者に向かっていたバッテリーは不意を衝かれた。

丈武がファーストフライに倒れ、打席に立ったのは六番・近藤洋輔である。今週の高知FDとの3連戦に9打席ノーヒットとまったく当たっていない。この試合の序盤に後悔があった。一つのプレーに自責の念を抱いていたのだ。

「2回(表)のライト前(四番・中村竜央の右前安打)を一瞬「伸びるかな」と思ってちょっと下がったんです。あれをヒットにしたことで最初の失点につながってしまった。あれは自分の責任やと思てました」

先制点を与えることは防げたのではないか。そんな想いを試合中ずっと抱えながら、打席で結果を出せない自分に苛立っていた。闘志を前面に出すタイプの選手である。最年長でもあり、昨年の加入から常に「気持ち」を前に出してチームを引っ張っている。

「もうあそこは気持ちだけしかなかったんで・・・。多分ボールやったと思います。低かった」
カウント1-1からの3球目はストレートだった。電光掲示板に「145km/h」と表示された速球に詰まらされながらも、打球は二塁ベースと中堅手・梶田宙の間にポトリと落ちた。

8回裏に同点に追い着いた香川OGは、2位高知FDとのこの直接対決において、勝ちにも等しいと言えるドローに持ち込んだ。

「ここのところ前半に(得点が)取れてない。エンジンがかかるのが遅いんで、序盤から崩したいですね」
(終盤、6、7、8回と1点ずつ詰めていきました)
「最後まで切れないですよね。一人一人が勝負どころに気付いてたと思う」

香川OGの現在の力に関して、智勝は試合後こう答えている。三度出塁しながらたった一度勝負を賭けた三塁への盗塁が、この試合を落とすか分けるかの境目だった。
「なんとかしなければ・・・」
そんな必死の想いが智勝にも近藤にもあった。

ゲーム差は「4」のまま。次の直接対決は高知FDのホーム、春野球場に舞台を移す。


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2007/06/13(Wed)

キャプテンの仕事

四国アイランドリーグ公式戦
2007.6.8. 愛媛MP 13–2 徳島IS <西条ひうち球場>

勝 梶本 4勝3敗1S
敗 角野 2勝3敗1S
本塁打 小松崎1号ソロ(6回梶本)

今季2度目となる西条ひうち球場でのゲームは、3年間で初のナイトゲームである。4連勝を続ける愛媛MPが4連敗中の徳島ISを迎えた。
徳島IS先発の角野雅俊は立ち上がりからピリッとしない。1回裏、四球で歩かせた一番・グレアム義季サイモンを三塁に進ませた後、四番・荒木康一の中犠飛で1点を失う。2回裏にも先頭打者に四球を許し、九番・梶原有司の一塁内野安打、グレアムの適時右前安打で2点を失う。序盤から愛媛MPが3点のリードを奪った。
5回表、徳島ISの六番・李鐘熙は先発の梶本達哉から右前安打を放つ。二盗を試みたのを見た捕手・梶原の送球が逸れ、李が一気に三塁を奪うと、七番・増野真太郎の三振不利逃げの間に本塁を踏み1点を返した。
5回裏、愛媛MP打線が爆発する。グレアムが一塁内野安打で出塁すると、二番・外間修平の中飛を中堅手・永井豪が見失い三塁打に。三番・比嘉将太が右前安打、荒木が一、二塁間への内野安打、五番・檜垣浩太が中前安打と5連打で3点を挙げ角野を引き摺り降ろした。無死二、三塁となおも続くチャンスに六番・大島慎伍が二番手・竹原俊介から適時中前安打。七番・長崎準平の中犠飛でさらに2点を加え、この回7点のリードを奪った。
6回表、徳島ISは四番・小松崎大地が左中間に1号ソロ本塁打を叩き込むが後続が続かない。
愛媛MPは7回裏にも四番手・番場由樹から5点を奪い、試合を決定的なものにした。
8回表を小山内大和、9回を森琢哉がパーフェクトリリーフし、愛媛MPが13対2と大差で徳島ISを降した。
愛媛MPはこれで5連勝。2位の高知FDが香川OGに敗れたため、ゲーム差を0.5に縮め、2位を射程圏内に収めた。


『キャプテンの仕事』

破竹の勢いで連勝を続けるチームと、先の見えない連敗の中でもがき続けるチームとではここまで差が出てしまうものなのか。勢いの差は愛媛MPに「運」までも味方につけてしまった様だった。照明の極端に暗い西条ひうち球場で、打球が最も見え難かったのはまだ薄暮の空だった5回である。

二番・外間修平の打ち上げたセンター正面の何でもないフライが闇夜に紛れ、消えた。一瞬前へとスタートを切りかけた中堅手・永井豪はその時完全に打球を見失っていた。愛媛MPの怒涛の攻撃が幕を開けたのは、この5回裏だった。

徳島IS打線は愛媛MP先発・梶本達哉の前に散発3安打に抑え込まれてしまった。逆に愛媛MP打線は16安打を放っている。大量13点を奪いながら残塁も「6」と効率の良い攻撃を見せた。

5打席すべてに出塁し、3安打2打点を叩き出したグレアム義季サイモンが話してくれた。
「ちょっとフォームにブレがあったのを修正しました。やっぱ成長したところを(徳島ISに)見せたいですよね。試合前の練習の時からみんなしっかりコミュニケーションが取れてて明るいですよ。バッティングについてもあんまりあーだこーだ気にするんじゃなくて、みんなただ『前で打て』って言われてて、凄いシンプルなんです。それがいいんじゃないかな」
移籍した愛媛MPでのびのびとプレーできている。徳島ISを見て
「チームの明るさの違いはもう球場に現れた時すでに感じた」
と話す。

「徳島に大勝ちした試合があったんですけど、あれからチームが変わった」
そう語るのはキャプテン・田口大地である。
5月18日、徳島・蔵本球場での試合に11得点を奪い快勝した。チーム最高記録となる20安打を放ち、近平省吾が完投で3勝目を挙げたゲームである。その後、引き分けを挟み4連勝。そして今日遂に5連勝をやってのけた。11試合で9勝1敗1分けという成績を残している。

「自分が一番に入った時に「オレが初球から振っていくから、みんなも積極的に振ってくれ!」って言ったんです。あの試合で自分たちのバッティングができた。甘い球を見逃すんじゃなくて、積極的に初球から思い切っていけてるのがいいんだと思います。いかに自分たちのバッティングができるかだと思うので」

田口の強いキャプテンシーがあの日、打線に火を点けた。その火が起爆剤となり、チームに連勝街道を突き進ませる大きなきっかけとなった。

1位香川OGとのゲーム差は4.5。まずは2位高知FDとの差が0.5まで縮まった。残り試合は12。前期優勝までの「4.5差」を埋めるために、強い気持ちを持ち続けることをひたすらチームメイトに促している。
「個人個人の中に「優勝」が目標としてあります。自分から率先して「優勝するんだ!」ってことは言葉に出してます。薬じゃないけど、常に優勝を意識するように」

不安要素など何もない。各自が強い意志を持ち続けることで言葉は「言霊」となり、目標が現実となる。その気持ちを切らせないのもキャプテン・田口の大切な仕事である。


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2007/06/06(Wed)

がっぷり四つ

四国アイランドリーグ公式戦
2007.6.4. 香川OG 1–6 高知FD <サーパススタジアム>

勝 山隈 1勝1敗
敗 松尾 6勝2敗
本塁打 高井1号2ラン(6回松尾)

ゲーム差が「4」ある2チームだが、直接対決はまだ10試合残っている。5連勝で止まった香川OGに対し、5連敗からようやく脱出した高知FDと、やや現在の勢いには差がある。ここまでの対戦成績は2勝2敗1分けと互角だ。前日に予定されていた高知でのダブルヘッダーは雨で流れた。舞台を香川・サーパススタジアムに移し、月曜のナイトゲームで試合は行われた。
香川OG先発・松尾晃雅は序盤から140km/h台のストレートを連発し、高知FD打線に安打を許さない。高知FD先発のパチェコも2回裏にMAX147km/hをマークし、投手戦の展開を思わせた。
3回表、試合が動く。先頭の九番・國信貴裕が四球で出塁すると、一番・日高大輔が手堅くバントで送る。松尾は三番・マサキに今日早くも4つ目となる四球を与え、高知FDが二死一、三塁のチャンスをつかんだ。ここで四番・中村竜央は中前に弾き返し先取点を奪う。
しかしその裏、先頭の九番・三輪正義が四球を選ぶ。一番・国本和俊への初球に二盗を成功させると、こちらも手堅くバントで送り一死三塁のチャンスをつかんだ。二番・井吉信也は右犠飛を放ち三塁から三輪が生還。香川OGがすぐさま同点に追い着いた。
4回裏のマウンドに登ったパチェコだったが、右ヒジに張りを訴えるアクシデントで降板してしまう。急遽、山隈茂喜が二番手としてマウンドに登った。山隈は安打を許しながらも捕手・宮本裕司の二盗刺殺に助けられ、二塁を踏ませない投球を見せる。
前半を1対1で折り返した両チームだったが、6回表、六番・高井啓行のバットが火を噴く。外角高目のストレートを左翼に運び、今季1号となる2ランを叩き込んだ。
8回表、香川OGは122球を投げた松尾に代え、左腕・下地栄輝をマウンドに送る。しかし下地は制球に苦しみ、二つの四球と安打で無死満塁のピンチに陥る。高井の一ゴロ、七番・宮本の左翼線適時二塁打、國信の適時左前安打で高知FDが3点を追加した。
7回までの4イニングを無失点で切り抜けた山隈に代わり、三番手・上里田光正がマウンドに登る。上里田は8、9回をパーフェクトに抑え、高知FDが6対1で香川OGを降した。この勝利で高知FDと首位・香川OGとのゲーム差は「3」に縮まった。


『がっぷり四つ』

4回表のマウンドに立ったパチェコ(高知FD)の様子がおかしい。
キャッチャーの宮本裕司がマウンドまで歩き、声を掛ける。ベンチからは藤城監督も出て来た。右ヒジに張りが出たことを訴えていた。松尾晃雅(香川OG)と投げ合い、互角の勝負を見せていたパチェコを突然失ってしまった。

三塁側ベンチから飛び出してきたのは山隈茂喜である。
「試合前に「いつでも行けるように」と言われてたんで、準備はできてました。気負いも焦りも無かった。(宮本から)「とりあえず全力で一つ獲ろう」と言われました」

「シゲ(山隈)には低目のコントロールをしっかり。「ガマンして低めに投げろよ!」って言ってました」
宮本の言葉に頷いた山隈が、緊急登板のため多めに許された投球練習を行う。
5月から高知FDに合流した山隈にとって、香川OGの打者に対峙するのはこれがまだ2試合目である。しかも前回、6月1日の登板は負け試合の9回1イニングのみ。プレッシャーの量も違う。自分の背番号が入ったユニフォームさえまだ間に合っていない。内角へのストレートを思い切って投げ込み、つまらせていこうと考えていた。山隈にとっては一回一回の登板が大きな意味を持つ。「常にラストチャンスだ」という張り詰めた緊張感の中でマウンドに登っている。

4回裏、右前安打で出塁した五番・丈武が続く六番・近藤洋輔への3球目に二盗を狙った。しかし宮本がそれを許さない。5回裏にも右前安打で出塁した九番・三輪正義が二盗を試みたが、これも宮本に止められチャンスにつなげることができない。

勝負の分かれ目になったのは7回裏だった。
6回に松尾が2点を失い、差を詰めたい香川OGは積極的な攻撃に出てきた。先頭の丈武が四球で出塁すると、近藤への4球目に再び盗塁を試みた。カウント2-1になっていた近藤の空振りと、宮本の二塁への鋭い送球で、無死一塁が一瞬にして二死走者無しに変わってしまった。左翼線に落ちたテキサスヒットに町田雄飛が俊足を飛ばし二塁を陥れる。八番・若林春樹は初球を詰まらせ、フラフラと上がった浅いフライがレフトとショートの間に飛んだ。後ろへダッシュし、振り向いたショート・國信貴裕がバックハンドでこの打球をつかむ。山隈は4イニングを無失点に抑え切った。

3つの盗塁を阻止してみせた宮本の肩と、追撃の場面を封じた堅い守備が香川OGの前に大きな障壁となり、立ちはだかっていた。
「でも、最初に1コやったんで・・・(初回、智勝が二盗成功)」
試合後、そう言って宮本が謙遜してみせた。山隈の気持ちのこもった投球も活きた。

後半に面白いシーンがあった。
8回裏、この回からマウンドに登った上里田光正が三輪に投じた初球である。右中間へ上がった打球が、定位置よりかなりセンター寄りに守っていた右翼手・梶田宙によってなんでもないライトフライになっている。
「アガリ、あの辺よくやられてたんで。もし定位置にいたら?・・・ギリですね」
梶田の記録に残らないファインプレーだった。

香川OGも同じだ。9回表、三番・マサキの打球が高々と舞い上がった。本来ならば右中間を破る長打となった打球だろう。極端に左に寄っていた外野手の守備シフトによりただのライトフライになってしまった。

点差は開いてしまったが、中盤まではまさにがっぷり四つの展開だった。互いに知り尽くした中で接戦をものにするには、たった一つのミスが致命傷になってしまう。今日のサーパススタジアムには昨年の秋、この2チームが見せた激闘を思い起こさせるような緊張感が漂っていた。

高知FDはもう完全にトンネルを抜けたようだ。バスへと向かう途中の主将・國信に聞いた。
「やりたいことがやれてますね。中途半端なスイングしてたのが、振れるようになってきた。なんかわかんないんですけどね。特別これをしたからって訳じゃないんですけど」
(今日の試合には去年のチャンピオンシップを思い出させる雰囲気がありました)
「ありましたねぇ・・・」
グラウンドには確かに普段の試合とは何か違う、一種独特の雰囲気があった。

「最近あんまり投げてなかったから、投げたかったでしょ?」と聞いたこちらの質問に、笑顔を見せながら「そうですねぇ。投げたかったですね」と答えたのはクローザーの上里田である。
「香川との試合、楽しみは楽しみですよ。いいバッターが多いんで、燃えますから」

お互いを知り尽くした2強の前期優勝を賭けた戦いは、これからますます熾烈なものになる。直接対決の数はあと9つ。


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2007/06/06(Wed)

「言い訳にできない」

四国アイランドリーグ公式戦
2007.6.3. 徳島IS 0–1 愛媛MP <オロナミンC球場>

勝 浦川 4勝3敗
S 小山内 4敗1S
敗 片山 2勝5敗

同率3位で始まったここまでの3連戦を、愛媛MPは3連勝、徳島ISは3連敗と、明暗がくっきり分かれている。ホーム3連戦最後のゲームに徳島ISは意地を見せたい。
徳島IS先発の片山正弘は初回、いきなり一番・グレアム義季サイモンに右中間を破られ、スコアリングポジションに走者を進ませる。二番・福西太志がバントで送ると、四番・荒木康一の打球は三遊間への強いゴロに。これを遊撃手・李鐘熙がファンブルする間に三塁からグレアム義季が生還し、愛媛MPが先制点を奪った。
愛媛MPの先発はエース・浦川大輔。浦川は前半5回を無安打で抑え、徳島IS打線にまったく反撃の隙を与えない。
6回裏、一死から九番・HIROがようやく1本目の安打を中前に運び出塁するが、後続が併殺に倒れ3人で攻撃を終える。浦川はこの回でマウンドを降り、小山内大和が7回からのマウンドに登った。
見事な投球で徳島IS打線を無安打に抑えた小山内は、3イニングを完封。愛媛MPが徳島ISを1対0で降した。徳島IS打線は一度も二塁を踏めないまま浦川、小山内の前に完敗を喫した。4連勝と負け無しで今週の4連戦を終えた愛媛MPは、高知FDとの差を1ゲームに縮め、2位を射程距離圏内に収めている。


『「言い訳にできない」』

徳島IS打線を5回までノーヒットに封じ込み、ほぼ完璧なピッチングを見せていた浦川大輔(愛媛MP)が、6回のマウンドを持ってマウンドを降りた。沖監督は疲労からくる首の痛みを抱え、十分なコンディションではない浦川に無理をさせたくなかったのである。1点のリードを持ってマウンドへ送り出したのは、昨日香川OG戦で4回1/3を投げ、終盤の逆転勝ちへと導く大きな仕事をやってのけた小山内大和だった。

残り3イニングを無失点で切り抜けたい。緊張感を持って7回裏のマウンドに登っている。
「ドキドキしてました。とにかく一人ずつを全力で。初めから飛ばして行こうと思ってました。去年浦川が投げた時にリリーフを失敗して浦川の勝ちを逃したことがあって、それが頭の中に残ってて・・・」

最も強く心にあったのは、昨年犯してしまった失敗に対する後悔の念だったと言う。まだ払拭できていなかった屈辱をここで晴らしたい。それには一人一人の打者に対して慎重に、しかし全力を持ってぶつかる。それしかないと考えていた。

アクシデントは最初の打者、二番・岡嵜雄介を打席に迎えた時に起こった。
フルカウントから2球ファールで粘った岡嵜が8球目にバットを合わせる。ボールがマウンドの小山内の右手をライナーで直撃した。方向が変わり、転がった打球を遊撃手・松坂恭平が素早くすくい上げ、一塁手・荒木康一の元に送る。間に合った。
タイムがかかり、野手たちがマウンドに集まる。内野手だけではなく、外野手たちまでもがマウンドに駆け寄ってきた。

「(指の)感覚がなくなってました。でも当たったのが親指だったんです。投げてみて大丈夫そうだったんで。それを言い訳にはできない」

思わぬアクシデントがまだ緊張の残っていた小山内の闘志に火を点けたのは間違いない。「言い訳にできない」のではなく、「言い訳にしたくない」のだ。強い気持ちをさらに奮い立たせた。幸い投球練習で投げた感じは問題がない。ストレートも走った。タイムが解かれた後の最初の打者、三番・永井豪を外角へのストレートで三振に切って取ってみせた。

9回裏、最後の打者・岡嵜をサードゴロに打ち取り、マウンドに集まった野手たちとハイタッチを交わす。7、8、9回をノーヒットに抑え重責を果たした。毎回の4奪三振も奪っている。
ヒーローインタビューに現れたのは4勝目を挙げた浦川と、初セーブを手にした小山内の二人だった。

「浦川の気持ちをそのまま引き継ぎました」
乗り越えられた強さがそこにあった。


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2007/06/03(Sun)

気迫と集中力

四国アイランドリーグ公式戦
2007.6.2. 徳島IS 1–5 高知FD <オロナミンC球場>

勝 捻金 1勝3敗
敗 益田 1勝2敗

高知FDに6試合連続で勝ちがない。引き分けを挟んでの5連敗という泥沼に、首位香川OGとの差は5ゲームに開いた。逆に3位愛媛MPから1.5ゲーム差までに追い上げられている。対する徳島ISも昨日、一昨日と連敗を喫しておりまったく精彩が無い。
3回表、右ヒザのケガから昨日スタメン復帰したばかりの三番・古卿大知が左前安打で出塁すると、こちらも脇腹痛から今週復帰した四番・中村竜央が左中間を破る三塁打で続き先制点を挙げる。六番・高井啓行も中前に適時打を放ち、徳島IS先発の益田陽介から2点を奪った。
高知FD先発の捻金孝行は毎回のように四球で走者を出す苦しい投球を続けるが、徳島IS打線にあと一本を許さず、前半を無失点で終えた。
6回表、先頭の五番・マサキを左前安打で出塁させた益田は、死球、野選で走者を溜め、無死満塁のピンチに陥った。八番・國信貴裕は落ち着いて四球を選び、高知FDが押し出しでの3点目を奪う。
徳島ISは8回表から益田に代え竹原俊介をマウンドに送る。しかし、この回先頭の國信に左前安打を許した後、四球、送りバントで一死二、三塁とピンチを拡げる。ここで二番・梶田宙が適時右前安打でさらに1点を。9回裏にも高井の内野安打でもう1点を追加し、点差を5点に拡げた。
9回裏、徳島ISは二番代打・金谷良太が打ち上げた飛球を中堅手・土佐和広、右翼手・梶田が譲り合って落球する間に二塁を陥れる。金谷は捻金の暴投の間に三塁に進むと、五番・李鐘熙が左前適時安打を放ち1点を返した。しかしこれ以上の反撃はならず、高知FDが5対1で徳島ISを降し、連敗を止めた。


『気迫と集中力』

1回裏、高知FDはいきなり陥った一死一、三塁のピンチを乗り切ることができた。
試合の流れが大きく傾こうとしている。2回表、先頭の五番・マサキがフォアボールで歩き、七番・宮本裕司がライト前ヒットで続く。続く八番・國信貴裕はストレートのフォアボールで出塁し、一死満塁となった。

九番・YAMASHINに打席が回る。一時の絶不調から立ち直り、昨年首位打者を独走していた頃のバッティングが戻りつつある。ここで一本出せればペースをつかむことができる。初球、外角へのストレートを見逃し、2球目を一塁線にファールして追い込まれた。3球続いたボールの後、6球目を三塁方向にファール。そして7球目、ややシュート回転しながら外角に決まったストレートにバットが空を切った。三振で倒れたYAMASHINに続き、一番・日高大輔もセカンドゴロに打ち取られ、最初のチャンスをつぶしている。

藤城監督(高知FD)はここでYAMASHINをあっさり交代させた。
6試合連続勝ちが無いという最悪のチーム状況だ。一日も早く連敗を止めたいと考える中で、ベストの布陣を敷いたはずの野手をミスではなく、チャンスでのたった一つの三振でベンチに下げた。

理由は三振ではなかった。
「無気力なバッティングをしたからです。フォアボールの後の初球をただ見逃してストライクを取られた。打ちに行って止まるのならいいんです。しかしだまって見逃して、結局三振した。昨日も同じような打席がありました。何も進歩していない」

「なんとかするんだ!」という闘志が見えなかった。気力の無い選手はいらない。それが一打席で交代させた理由である。

最終回、右中間に上がったフライに中堅手・土佐和広が落下点に入ってグラブを構える。同じように打球を追い掛けていた右翼手・梶田宙の声が耳に入った。一瞬、譲り合ってしまった土佐と梶田との間にボールが落ちる。外野の芝生をボールが転がる間に、打った金谷良太が二塁へ進んだ。このミスが失点につながり、捻金孝行は今季初となる完封勝利を逃している。

「土佐のエラーを帳消しにするために、あそこはピッチャーが抑えなきゃいけない。あれは反省点です。捻金に「絶対抑えてやるんだ!」という気迫が足りなかった。ああいうところでミスを帳消しにすると、またいつか野手が苦しい時に助けてくれるんです。そういう相乗効果がある」

味方の犯してしまったミスを気力でカバーして欲しかった。あえてそこは投手の反省点であると、監督は指摘している。

YAMASHINに「ここでなんとかしたい!」といった気持ちが無かった訳ではない。土佐が5点差で迎えた最終回の守備に集中していなかった訳ではない。捻金も今季初勝利を完封で飾りたかったはずだ。そこに気迫が足りなかったと、指揮官は判断していた。いかに気迫を持って、いかに真剣に一球に集中することができるか。グラウンドにおいて、ましてや試合の中で技術以上に大切な気迫を失ってしまえばそこまでなのだ。

連敗は止まった。
首位・香川OGとの差は4ゲーム。3位・愛媛MPも1.5ゲームのところまで迫ってきている。
「今月が勝負。一戦一戦を落とせない。この6月のために我々は2月のキャンプからやってきたんです。一打席一球を必死にやってほしい」

ここから先は香川OGとの直接対決が多くなる。前期優勝争いはいよいよ佳境を迎える。ようやくトンネルを抜け出そうとしている高知FDに気迫と集中力が溢れ始めれば、4ゲームの差を埋めることは然程難しくない。


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2007/06/02(Sat)

自信

四国アイランドリーグ公式戦
2007.6.1. 徳島IS 1–8 愛媛MP <オロナミンC球場>

勝 近平 5勝1敗1S
敗 渡邊 4勝4敗
本塁打 荒木1号2ラン(1回渡邊)

先週の4連勝で愛媛MPが波に乗っている。東予での直接対決に勝利し、単独3位に躍り出た。徳島ISがこの試合に勝てば、またも同率3位に並ぶ。しかし、愛媛MPに対して今季の成績は1勝4敗とかなり分が悪い。新たに「オロナミンC球場」と名前の変わったホーム・鳴門での最初のゲームを白星で飾れるか。
初回、愛媛MPの四番・荒木康一は徳島IS先発・渡邊隆洋の変化球を左翼スタンドに運び2点を奪う。苦しい立ち上がりとなった渡邊は2回表にも九番・梶原有司に左中間へ適時二塁打、再び荒木に右前安打を喰らい2点を失った。
4点を挙げ早々に渡邊を攻略した愛媛MPは、3回表にも二番手・番場由樹から七番・松坂恭平の左翼線二塁打、梶原の右前適時安打でさらに1点を加えた。
好投を続ける愛媛MP先発・近平省吾の前に徳島IS打線は3回まで無安打と、一向にチャンスをつかむことができない。4回裏、一死満塁の場面も七番・金谷良太が三ゴロ本塁併殺に倒れ、チャンスを逸した。
愛媛MPは6回表、三番・比嘉将太が右前適時安打を放つと、相手の送球ミスが重なり2点を追加。7回表にも八番代打・小田島一樹の中前適時安打で1点を加え、大量8点のリードを奪った。
最終回に五番・李鐘熙が意地の中前安打を放ち1点を返すが、7点のビハインドを覆すことはできず愛媛MPが8対1で徳島ISを降した。愛媛MPはこの連勝により2位高知FDとの差を1.5ゲームに縮めた。


『自信』

最後にセンターへ弾き返し意地を見せた李鐘熙(徳島IS)も、今日の近平省吾(愛媛MP)のデキの良さを素直に認めていた。
「いや、良かったですね。何て言うんだろ・・・。のらりくらり投げてるように見えるんだけど手元でグッとくる。多分(外から)見てるよりもバッターボックスの方が打ちにくいと思う」

展開としては前日、同じ徳島ISに勝利した東予球場での試合内容と似ている。序盤からの大量リードに支えられ、楽に投げることができた。前回先発した蔵本球場での徳島IS戦でも完投勝利を収めている。今季1敗しか許していない徳島ISが相手とは言え、プレッシャーが無い訳ではなかった。
「昨日勝ってて、今日負けるとしんどいですから」
再び単独3位に浮上した良い流れをここで切ってしまいたくない。「落とせない」という強い気持ちを静かに燃やしていた。

ポイントになったのは4回裏である。
味方の連続失策から一死満塁のピンチを迎えてしまった。加藤コーチがマウンドへと向かい、野手が集まる。コーチの言葉に何度も大きく頷いている。
「エラーはしょうがないんで。ただ、ちょっとストライクを取ってもらえなくて、少しイライラしたところがありました」
タイムが解かれると、表情には気迫がみなぎっていた。七番・金谷良太に投じた初球、搾り出したような声がネット裏まで聞こえている。ピンチのきっかけとなるミスを犯した三塁手・檜垣浩太が素早くゴロをすくい本塁へ送る。そのボールを捕手・梶原有司が一塁へ送った。大きな逆転のチャンスを失った徳島IS打線は、最終回まで1本のヒットも放つことができなかった。

これで5勝目を手にした。5試合に先発して負け無し。3連勝を挙げ、しかも3試合とも完投(1試合完封)と、文句の無い結果を出している。5月月間MVPへのアピールは十分できた。

「三振を取れるピッチャーじゃないんで。自分一人の記録ではないと思ってますし」
スタミナもついたね、という記者からの問い掛けに
「正直、今練習の方がしんどいんで。スタミナがついてくれないと損です」
と言って笑う。ハードな練習をこなせているその自信が、試合での結果につながっている。

ヒーローインタビューで言った。
「また明日から死ぬまで走りたいと思うんで・・・」
その言葉は、決して大げさではない。


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2007/06/01(Fri)

「周りの雰囲気も変わると思う」

四国アイランドリーグ公式戦
2007.5.31. 愛媛MP 6–3 徳島IS <西条市東予運動公園野球場>

勝 梶本 3勝3敗1S
敗 小林 1勝2敗

共に10勝15敗、この試合に勝った方が単独の3位となる。ここまでの対戦成績は愛媛MPの3勝1敗と、徳島ISにとってやや分が悪い。3位争いの直接対決となった連戦の最初は、愛媛MPのホーム・東予球場でのナイトゲームである。
徳島ISは先発にこれまでの抑えの切り札・小林憲幸を送った。小林にとってこの3年間で初の先発マウンドとなる。
しかし2回裏にピンチに陥る。六番・大島慎伍に左越え二塁打を許すと、さらに四球で走者を溜める。一番・田口大地は右前に適時安打を放ち2点を奪う。なおも四球で満塁とすると、三番・比嘉将太の右翼線二塁打で3点を追加した。
愛媛MPは3回裏にも七番・松坂恭平の一塁内野安打、九番・梶原有司の左越え二塁打で1点を追加し、小林をKOした。
愛媛MPの先発・梶本達哉は7回まで徳島ISに三塁を踏ませない快調な投球を続ける。完封ペースの梶本だったが8回表、先頭の九番・山口寛史に右中間を突破され無死三塁のピンチに。続く一番・増野真太郎が右へ大きな犠飛を放ち、1点を返した。
8回裏、徳島ISの4番手・森倫太郎が八番・福西太志に死球を与える。代走・小田島一樹は梶原への初球に二盗を試みる。捕手・加藤光成から遊撃手・李鐘熙に送られた送球が走者と重なり後逸する間に小田島が三塁へ。中堅手・永井豪から三塁手・HIROへの送球が大きく逸れる間に一気に生還し、無安打で1点を追加した。
9回表、徳島ISは四番・小松崎大地が左中間越え二塁打で出塁すると、六番・矢野大天の三塁内野安打、加藤の二ゴロ失策などで2点を返すが反撃もここまで。愛媛MPが7対3で勝利し、157球を投げ抜いた梶本が3勝目を嬉しい初完投勝利で飾った。
この勝利で愛媛MPが単独3位となり、2位高知FDとの差を2.5ゲームとしている。


『「周りの雰囲気も変わると思う」』

「軽く投げても球が行ってました」
初回に奪った3つの三振から始まり、徳島IS打線から10個の三振を奪った。単独3位浮上を賭けた直接対決に、梶本達哉(愛媛MP)はチームの期待に応える見事なピッチングを見せた。試合後、
「疲れはしたけれども、157球を投げたと思うような疲れはないです」
と答えている。

ヒーローインタビューに答えた梶原有司と田口大地が口を揃えたように言ったのは
「梶本のために」
というセリフだった。小林憲幸(徳島IS)の制球の悪さに付け込み、走者を溜めた場面でしっかりとバットを振り抜いて若い二十歳のピッチャーを助けた。

「フォームをいじってから久し振りの先発だったんですけど、力まずに投げることができました。三振はあんまり意識してなかったんですけど、カウント2-0や2-1では意識して投げました。そういうところで三振が取れて良かった。味方が点を取ってくれてたし、抜くとこは抜いて楽に投げられました」

6点をもらったマウンドで気負うことなく投げられた。大きなビハインドを跳ね返すことを決して諦めていなかった徳島IS打線は、逆に大振りになり三振の山を築いた。

加藤コーチから
「しょうもないピッチングしたら代えるからな」
と言われたのは6回裏が終わった頃である。この時点で104球と、球数は決して少なくない。これまで挙げた2勝における投球回数はいずれも7回までである。7回表を3人で締め、ここから先は自分に対する「信頼」をさらに厚くさせることができるかどうかの、意味のある2イニングになった。課題は残ったが、ハードルはクリアできた。

「延長無いんで。9回まで!と思って投げました。いっぺん(9回まで)投げたら、また周りの雰囲気も変わると思う」
「梶本のために」と心を一つにした野手が打ち、「あいつになら9回を任せられる」という信頼を手に入れたかった梶本が投げ抜いた。2位高知FDとの差も2.5ゲームに縮めている。チームも梶本も、また一つ階段を登った。


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