四国アイランドリーグ公式戦
2007.4.22. 徳島IS 7–7 香川OG <鳴門総合運動公園野球場>
※ 9回リーグ規定により引き分け
徳島ISにとってはホーム・鳴門3連戦の第3ラウンドである。現在首位を行く香川OGを迎え、開幕戦に続く上下濃紺のスペシャルユニフォームで試合に臨んだ。
小雨が降り続けるあいにくのコンディションの中、徳島ISの先発・片山正弘がいきなり香川OG打線に捕まる。二番・三輪正義に右越え二塁打で出塁を許すと、左翼手・岡嵜雄介が三番・丈武の打ち上げた左飛を落球し一死一、三塁のピンチに陥る。ここから四番・智勝の2点適時二塁打を含む4連打で香川OGが一挙5点を奪った。
しかし香川OG先発・橋本亮馬はこのリードを守り切ることができない。1回裏、二番・岡嵜がミスを払拭する右翼線三塁打で出塁すると、五番・福永泰也の2点適時中越え二塁打、六番・李鐘熙の右翼線適時安打で3点を奪い返した。
3回表、香川OGは智勝の2打席連続となる左翼線への二塁打、五番・堂上隼人の左前適時安打で1点を追加し、6対3と差を拡げる。
3回裏、徳島ISはすぐさま反撃に転じる。福永、李の連続安打の後、七番・加藤光成が右前に2点適時安打。6対5と1点差に追い上げた。
6回裏、4回途中からマウンドに登った勝沢賢一が先頭の九番・大二郎を四球で歩かせる。一死二塁としたところで香川OGベンチは勝沢に替え、左腕・下地栄輝を投入する。二死一、三塁のチャンスに四番・小松崎大地の打球は遊正面のゴロになるが、遊撃手・三輪が後逸。徳島ISが遂に6対6の同点に追い着いた。
7回表、4回から片山をリリーフした二番手・番場由樹が捕まる。二死三塁から一番・井吉信也に適時安打を左前に運ばれ、7対6と香川OGが再びリードする。
8回裏、この回からマウンドに登った香川OGの五番手・松尾晃雅は、先頭の一番・山口寛史に遊内野安打で出塁を許す。四球で走者を溜め二死満塁とした後、李が右前に安打を放つ。三塁から山口が生還し再び同点とする中、二塁走者・永井も一気に本塁を狙ったが、右翼手・近藤洋輔からの本塁好返球により逆転には至らなかった。
最終回の攻防も徳島IS・小林憲幸、香川OG・松尾が共にゼロで抑え7対7。9回リーグ規定により引き分けに終わった。
『切り替える』
徳島ISにとっては悪夢のような展開になった初回、左翼手・岡嵜雄介のところに滞空時間の長い大きなフライが上がった。前日の愛媛MP戦で落球し、失策を記録している。確実に落下点に入ることはできていた。一度グラブに収まったはずのボールがグラブの中で跳ね、足元の芝生に転がる。
「前の試合を引き摺ってました。切り替えてたつもりだったんですけど・・・」
精神的な部分に起因していることは明らかだった。
打者はまだ3人目である。昨夜のミスを完全に切り替えられないまま試合に入ってしまった。3回表にも四番・智勝が放った左翼線へのフライに飛び込むことをためらっている。思い切ってダイブを試みたところでどうなったのかは微妙なところだが、結果打者走者を二塁まで進ませてしまっている。
2日前、悪いイメージを持ったままマウンドを降りた投手がいた。1対0のリードを守り切れず、9回に同点を許してしまった小林憲幸である。
「ナベさん(先発・渡邊隆洋)が頑張ってたんで、なんとかしたかった。ヒットを打たれたのは自分のせいだし詰めが甘い。抑える気持ちが弱かった。明日もこういう場面があると思う。しっかり切り替えて忘れたい」
野手の頑張りでサヨナラ勝ちとなった高知FD戦の後、静かにこう語っている。
9回表、得点は7対7。1点も与えられない場面で出番が回ってきた。先頭の九番・国本和俊を三振に切って取りながら、続く一番・井吉信也にカウント0-2からの3球目をセンターに弾き返された。打球は中堅手・永井豪の頭上を越え、井吉が二塁まで進む。
しかし、これで落ち着いた。
「打たれて良かったと思った。あれで開き直れましたから。力んでて全然(ボールが)いってなかったんで・・・」
ストレートが走り出したのはむしろそれからである。三番・丈武に際どいコースがはずれ、四球で歩かせても表情は落ち着いていた。野手から掛けられた声に対し、マウンドで微笑みさえ見せていた。
「まぁ、余裕はありましたね。チームが追い上げてる中で、ここで自分が打たれたら負けだなと思ってたし」
実戦の中でうまく気持ちを切り替えることができた。続く智勝を一飛に打ち取り、見事重責を果たしている。
90試合と長いシーズンを戦う中で、「切り替える」ということがいかに大切か。試合は連戦で行われる。うまく切り替えることができなければ翌日のプレーに影響し、悪循環を引き起こしてしまう。ある選手が言っていた。
「四国リーグに来て一番学んだのは、切り替えがうまくできるようになりました。一喜一憂しすぎてもダメで、トーナメントじゃないし、アマチュアと違うからずっと試合が続いていく。正直とまどいもありましたけど、僕自身「これじゃあかんな!」と思って、今年はどんどん切り替え切り替えでいけるようになりました」
試合後、岡嵜がこう語っている。
「一週間で必ず切り替えてきます。しっかりノック受けて」

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