徳島IS 3-4 高知FD 2006.8.19. 鳴門総合運動公園野球場
勝 高梨 12勝4敗5S
S 上里田 7勝7敗4S
敗 佐藤 3勝9敗
8回を終わって3-3、徳島ISと高知FDががっぷり組んだ試合に決着が着いたのは9回だった。9回表、一死二塁のチャンスに高知FDの七番・宮本裕司は徳島IS佐藤広樹のカーブを右中間に運ぶ適時三塁打を放つ。これで勝ち越した高知FDは9回裏にマウンドに登った上里田光正が徳島IS打線を3人で仕留め、敵地鳴門で見事な勝利を飾った。
『プレゼント』
「出しちゃいけないところで出してしまった」
右ヒジをアイシングしながら帰りの車に向かう佐藤広樹が、ポツリポツリと言葉を漏らした。
勝負の分かれ目は終盤の2イニングだった。
8回9回と佐藤は先頭打者に四球を与えている。藤城監督(高知FD)は試合後、
「どちらかで1点取れると思った」
と語っている。
8回表、二死二、三塁のピンチはなんとか凌ぎ切った。8回裏、高知FDのマウンドには7回までを投げた沢西康明に代わり、高梨篤がマウンドに登った。四番・西村悟から始まる徳島ISの打者を12球、三者凡退で切り抜けている。
「9回はアガリ(上里田光正)って解ってたんで、抑えてくれると思った」
9回表、宮本裕司(高知FD)は落ち着き払っていた。
この回も先頭の五番・角中勝也が四球で出塁した。藤城監督はすかさず代走・土佐和広を送り、1点をもぎ取るための最善の準備を尽くす。六番・古卿大知が二度失敗しながらスリーバントを成功させ、走者を送った。その走者が今、二塁にいる。七番・宮本が左打席に入った。
上里田はきっと仕事をしてくれるはずだ。なら、自分は自分の仕事をきっちり果たさなくてはいけない。そう思うと、一つのことだけにしっかり集中して打席に立つことができた。カウント2-1から佐藤が投げたカーブは宮本のバットで弾き返された。強い逆風の中を舞い上がった打球が、右中間深くを転々と転がっていった。
「勝ちたかった・・・監督の誕生日だったし」
最後に佐藤はそう呟いた。今日8月19日は小野監督44回目の誕生日である。徳島ISの白いバンの中に積み込まれようとする荷物の中に、木でできた見慣れない折り畳み式の椅子があった。高木俊文トレーナーが教えてくれた。
「監督へのプレゼントです。投手全員からの」
佐藤の頭の中には、椅子ともう一つ。監督に今日贈りたかったプレゼントがあったに違いない。
先発の佐藤広樹と大二郎
宮本が右中間に三塁打を放つPHOTO BY Misato MORI
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